12 / 52
12.直球で
しおりを挟む
鑑定の儀から2年が経って僕も7歳になった。
この2年の間にヒーラーは母さんから習いつつ、鍛冶と錬金は街の工房に通いながら3つはしっかりと普通レベルまで上げることが出来た。
しかし、クラスを持つ者が普通レベルまで上げるのに1年で済むところ2年かかったのはやっぱり3つを平均的に習っていたからだろう。
「そう考えると2年って十分早くないか?」か。
確かに母さんも工房の人も多少は驚いていたが、それだけ頑張っている姿も見せていたので、その頑張った成果だということで納得してくれた。
一応他の全てのクラスも一通り習ったが、戦闘系は自衛のためにカレン達が持つクラスは全て少しずつとりあえずは覚えた。
「戦闘系は覚える気はないっていってなかったか」って。
自衛ぐらいは出来たほうがいいだろ?
だから最初は双剣士だけ覚えるつもりだったのだ。
「なんで双剣士なんだ?」か。
双剣士を選んだ理由としては、オリフィスが双剣士なので陰で教えてもらえるということと、前世で剣道を少ししたことがあったという単純な理由からだったりする。
その時にキョウも槍を教えると言ってきてくれたのだけど、槍は扱ったこともなかったし、双剣だけでいいと思っていたので断るとスゴく落ち込まれてね。その後の頑張って説明したのだけど、結局は双剣士をメインにみんなのクラスを少しずつ覚えるってことでどうにか納得してもらったのだ。
あとの戦闘系と元々覚える気のなかった芸術系のクラスは全く適正がないように振る舞い、鍛冶と錬金以外の生産系のクラスは全て触りの初歩程度は出来るくらいの振る舞いはしたが、それ以上は伸びないように振る舞った。
おかげでオールラウンダーは戦闘系の特殊か生産系に適正があるクラスと認識されたので僕としてはばんばんざいな結果といえる。
そして今日、僕は父さんにお願いをするために父さんの執務室へカレン達とやって来てノックをした。
「誰だ?」
「ルイです」
「入りなさい」
「失礼します」
こういったところはやっぱり親しき仲にも礼儀ありってことでちゃんとすると、書類仕事をしていた手を止めて父さんが僕を見てきた。
「どうした?ルイ」
普段あまり仕事中の父さんの執務室に行かないこともあって父さんは少し驚いていた。
しかし、僕としては早いうちにお願いして許可をもらっておきたかったのでこうして来ることにした。
「なんだよ。そこまで急いでしたいお願いって」か。
それはね。
「父さまにお願いがあって来ました」
「お願い、だって?」
驚きと戸惑いが入り交じる父さんにお願い事を直球でぶつける。
「僕が冒険者登録をする許可をください」
「なっ!」
僕の言葉に父さんは驚き目を見開いた。
後ろに控えるカレン達には先に話して理由には納得してもらっていたので驚きの声が上がることはない。
僕の言葉に驚いた父さんだったが、すぐに「ダメだ」ということはなく、1度深呼吸をしてから僕を見てきた。
「とりあえず、理由を聞きたいから座りなさい。カレン。シルネスを呼んできてくれないか?」
「かしこまりました」
父さんにお願いされたカレンは部屋を出て母さんを呼びに行った。
父さんに促されたのでソファに座ると、父さんは向かいに座った。
「ギルナス。お茶を用意してくれ」
「かしこまりました」
ギルナスさんは父さん専属付き人の執事さんで、この家の執事長でもある男性だ。
「専属付き人ってことは奴隷ってことか?」って。
父さんはアル兄さんが産まれた時に専属付き人を奴隷から解放しているから、今のギルナスさんはもう奴隷じゃないよ。でも、解放されてからも専属付き人の人達は父さんの元で働くことを選んだから、今もこうして専属付き人としているのだ。
あ、あと1つ勘違いしていたことがあるのだけれど、母さんが「みんなと仲良くしなさい」といったのは無茶な命令をすると契約がなくなるからじゃなくて、ちゃんと正しく接していればギルナスさんみたいに奴隷から解放しても付いてきてくれる人がいる、という前例があるから、なんだろうね。
ちなみに、ギルナスさんはションゴンとジュラナイの執事の師匠であり、クラスがランサーなのでキョウの師匠でもある。執事としても完璧であり、ランサーとしてもかなり強いらしいので、ションゴン達にとっては頭の上がらない人なのだ。
「おまたせしました」
「ありがとう」
お礼を言ってからギルナスさんが淹れた紅茶を飲む。
カレン達も紅茶を淹れるのは上手くなったが、やっぱりギルナスさんの淹れる紅茶のほうが美味しい。
そう感じていると、扉がノックされた。
「はい」
父さんが返事をすると扉が開いて母さんが入ってきた。
「なんですか?あなた」
元々呼ばれるような用事がなかったため、母さんは不思議そうに首を傾げながら父さんの元へ。
「用事があるのは俺じゃなくてルイだ」
「ルイが?」
余計にわけがわからないとばかりに首を傾げながら僕を見てきた母さん。
「とりあえず座って話を聞こう」
父さんは自分の隣の席を叩くと、母さんはまだ混乱しつつもソファに座った。その前にすかさず紅茶を用意するギルナスさん。
「じゃあ、改めて話を聞こうか」
この2年の間にヒーラーは母さんから習いつつ、鍛冶と錬金は街の工房に通いながら3つはしっかりと普通レベルまで上げることが出来た。
しかし、クラスを持つ者が普通レベルまで上げるのに1年で済むところ2年かかったのはやっぱり3つを平均的に習っていたからだろう。
「そう考えると2年って十分早くないか?」か。
確かに母さんも工房の人も多少は驚いていたが、それだけ頑張っている姿も見せていたので、その頑張った成果だということで納得してくれた。
一応他の全てのクラスも一通り習ったが、戦闘系は自衛のためにカレン達が持つクラスは全て少しずつとりあえずは覚えた。
「戦闘系は覚える気はないっていってなかったか」って。
自衛ぐらいは出来たほうがいいだろ?
だから最初は双剣士だけ覚えるつもりだったのだ。
「なんで双剣士なんだ?」か。
双剣士を選んだ理由としては、オリフィスが双剣士なので陰で教えてもらえるということと、前世で剣道を少ししたことがあったという単純な理由からだったりする。
その時にキョウも槍を教えると言ってきてくれたのだけど、槍は扱ったこともなかったし、双剣だけでいいと思っていたので断るとスゴく落ち込まれてね。その後の頑張って説明したのだけど、結局は双剣士をメインにみんなのクラスを少しずつ覚えるってことでどうにか納得してもらったのだ。
あとの戦闘系と元々覚える気のなかった芸術系のクラスは全く適正がないように振る舞い、鍛冶と錬金以外の生産系のクラスは全て触りの初歩程度は出来るくらいの振る舞いはしたが、それ以上は伸びないように振る舞った。
おかげでオールラウンダーは戦闘系の特殊か生産系に適正があるクラスと認識されたので僕としてはばんばんざいな結果といえる。
そして今日、僕は父さんにお願いをするために父さんの執務室へカレン達とやって来てノックをした。
「誰だ?」
「ルイです」
「入りなさい」
「失礼します」
こういったところはやっぱり親しき仲にも礼儀ありってことでちゃんとすると、書類仕事をしていた手を止めて父さんが僕を見てきた。
「どうした?ルイ」
普段あまり仕事中の父さんの執務室に行かないこともあって父さんは少し驚いていた。
しかし、僕としては早いうちにお願いして許可をもらっておきたかったのでこうして来ることにした。
「なんだよ。そこまで急いでしたいお願いって」か。
それはね。
「父さまにお願いがあって来ました」
「お願い、だって?」
驚きと戸惑いが入り交じる父さんにお願い事を直球でぶつける。
「僕が冒険者登録をする許可をください」
「なっ!」
僕の言葉に父さんは驚き目を見開いた。
後ろに控えるカレン達には先に話して理由には納得してもらっていたので驚きの声が上がることはない。
僕の言葉に驚いた父さんだったが、すぐに「ダメだ」ということはなく、1度深呼吸をしてから僕を見てきた。
「とりあえず、理由を聞きたいから座りなさい。カレン。シルネスを呼んできてくれないか?」
「かしこまりました」
父さんにお願いされたカレンは部屋を出て母さんを呼びに行った。
父さんに促されたのでソファに座ると、父さんは向かいに座った。
「ギルナス。お茶を用意してくれ」
「かしこまりました」
ギルナスさんは父さん専属付き人の執事さんで、この家の執事長でもある男性だ。
「専属付き人ってことは奴隷ってことか?」って。
父さんはアル兄さんが産まれた時に専属付き人を奴隷から解放しているから、今のギルナスさんはもう奴隷じゃないよ。でも、解放されてからも専属付き人の人達は父さんの元で働くことを選んだから、今もこうして専属付き人としているのだ。
あ、あと1つ勘違いしていたことがあるのだけれど、母さんが「みんなと仲良くしなさい」といったのは無茶な命令をすると契約がなくなるからじゃなくて、ちゃんと正しく接していればギルナスさんみたいに奴隷から解放しても付いてきてくれる人がいる、という前例があるから、なんだろうね。
ちなみに、ギルナスさんはションゴンとジュラナイの執事の師匠であり、クラスがランサーなのでキョウの師匠でもある。執事としても完璧であり、ランサーとしてもかなり強いらしいので、ションゴン達にとっては頭の上がらない人なのだ。
「おまたせしました」
「ありがとう」
お礼を言ってからギルナスさんが淹れた紅茶を飲む。
カレン達も紅茶を淹れるのは上手くなったが、やっぱりギルナスさんの淹れる紅茶のほうが美味しい。
そう感じていると、扉がノックされた。
「はい」
父さんが返事をすると扉が開いて母さんが入ってきた。
「なんですか?あなた」
元々呼ばれるような用事がなかったため、母さんは不思議そうに首を傾げながら父さんの元へ。
「用事があるのは俺じゃなくてルイだ」
「ルイが?」
余計にわけがわからないとばかりに首を傾げながら僕を見てきた母さん。
「とりあえず座って話を聞こう」
父さんは自分の隣の席を叩くと、母さんはまだ混乱しつつもソファに座った。その前にすかさず紅茶を用意するギルナスさん。
「じゃあ、改めて話を聞こうか」
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
米国名門令嬢と当代66番目の勇者は異世界でキャンプカー生活をする!~錬金術スキルで異世界を平和へ導く~
だるま
ファンタジー
ニューヨークの超お嬢様学校に通うマリは日本人とアメリカ人のハーフ。
うっとおしい婚約者との縁をきるため、アニオタ執事のセバスちゃんと異世界に渡ったら、キャンプカーマスタースキルと錬金術スキルをゲット!でもフライパンと銃器があったら上等!
勇者だぁ!? そんなん知るか! 追放だ!
小説家になろうでも連載中です~
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる