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7.わかりやすいほうが
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鑑定の儀のためにやって来たのは教会。
「これはこれは」か。
確かにこれもまた転生モノではテッパンの場所だね。まぁ、わかりやすいほうがいいからいいんだけど。
「まぁ、そうだよな」だよね。
これで変な場所に連れてこられたら戸惑うどころか場所によっては逃げ出してしまうかも。
しかし、教会は外観は前世で見た教会と同じような造りをしていた。
「ここで鑑定の儀を行うのですか?」
手を繋いでいる母さんを見上げながら聞いてみる。
「そうですよ」
微笑んだ母さんに手を引かれながら教会の中に入っていく。
教会の中は中央に通路があってその両サイドに長椅子が並び、正面には女神像、その奥にはキレイなステンドガラスと内観も前世で見た教会と同じような造りだった。
やっぱりこういう場所はどこでも、例え異世界でも同じような造りになっていくものなんだね。
「前世で教会を見に行ったことがあるのか?」か。
あるよ。前世では家族旅行とかで教会とかを見て回ったりもしていたからね。
見慣れた光景とそういった懐かしい記憶とかが思い出されるということもあって落ち着くので、ついキョロキョロと見渡してしまう。
「フフ。ルイ。教会の見学は後かでも出来るから、まずは鑑定の儀を終わらせましょうね」
キョロキョロしすぎていたせいで足が止まってしまっていた。
そんな僕を微笑ましそうに見ながら手を引いてくる母さん。
「はい」
返事をしながら思い出すのは、前世で子供達や孫達を教会に連れ行った時の反応。
あの時の子供達や孫達は、今の僕みたいに立ち止まって初めて見る教会に興味津々でキョロキョロしていたな。って、今の僕ってキョロキョロしていた理由は違えど全く同じ反応してたよね!?なんか恥ずかしい!
「子供なんだから普通の反応じゃねーの?」って。
精神年齢103歳なんだから恥ずかしいんだよ!いや、確かに普通の子供の反応としては恥ずかしいこともないんだろうけど、中身お爺さんの反応としてはやっぱり恥ずかしいんだよ!
「おっぱい貰うことやおむつを変えられることは恥ずかしがらなかったのにこんなところで恥ずかしがるなんて」だと。
生きるためにはおっぱいを飲まないと死んでしまうからおっぱいを飲むことは必要だろ。それに赤ちゃんのうちは自分で処理も出来ないんだから、ムリして処理をしようとすれば余計に手間をかけさせるだけなんだから、何も恥ずかしいことはないだろ。
「基準がわかんね~」か。
他人の基準なんてそんなものだろ。それに、どうせ分かろうともしないのならそれでいいんじゃない?
「それもそうか」だろ。
そこでふと思う。
恥ずかしさから黙り込んで立ち止まってしまっていたんだ。
そう気づいてから恐る恐ると周りを見回すと、母さんだけではなく、父さんやアル兄さん、カレン達まで微笑ましそうに僕を見てきたので、さらに恥ずかしくなり自然と頬が赤くなり、すぐに目線を反らしてしまう。
「フフ。早く鑑定の儀を終わらせて教会の中を見て回りましょうね」
僕が恥ずかしがっている様子を見た母さんがさらに笑顔になった。
もうそれでいいと開き直った僕は、
「うん!」
満面の笑みを返すとみんなも笑顔を返してくれた。
「じゃあ行こうか」
そう言って歩き出した父さんの後を追って教会の奥へと進んでいくと、父さんは1つの部屋へと入った。
後について部屋の中に入ると、その部屋はシンプルな造りの部屋で、白1色の部屋の奥に女神の像があるだけで、中に居たのも神父さん1人だけ。
「お久しぶりです、ロウゲツ侯爵様」
神父さんと父さん達はどうやら顔見知りのようだ。
って、それもそうか。アル兄さんの鑑定の儀の時もここに来ているんだから、顔見知りになっているのも普通なことか。
「あぁ。今日は次男のルイハートの鑑定の儀をよろしくお願いします」
父さんと母さんが頭を下げたので、習って頭を下げる。
「よろしくお願いします」
僕の言葉を聞いた神父さんが微笑んだ。
「はい。かしこまりました。では、ルイハート様。女神の像の前に片膝をついて祈りを捧げてください」
神父さんの指示に従って女神の像の前で片膝をつくと両手を組み、目を閉じて祈りを捧げる。
すると、
「では女神よ。この者のクラスを示し給え!」
神父さんがそう言うと、女神の像の上の天井が光りだした。
ちょっと予想外の展開に目を開けて、驚きながら天井を見上げてから周りを確認する。しかし、周りのみんなは驚いていないところを見ると、鑑定の儀ではこれが普通なのだろう。
すると、光の中から1つの光の球が降りてきて僕の目の前に止まった。
「それがルイハート様のクラスです。触れてみてください」
神父さんがそう言いながら光の球を指し示す。
この光の球がクラスとはどういう意味なのか分からなかったが、触れてみてくださいと言われたので素直に触れてみる。
すると、光の球が強烈な光りを放ったので慌てて目を閉じる。
触ると光るのなら前もって言ってほしかったんだけど。
「かなり眩しかったな」じゃない。
かなりどころか目が潰れるかと思ったよ!ホントもう!
神父さんへ少し怒りが湧いた。
しかし、その怒りを神父さんにぶつけるわけにもいかないので、小さく深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
「仰々しい演出だな」か。
確かにそう思ってしまうけど、これが鑑定の儀なんだから仕方ないだろ。
なんて思っていると、周りのみんなが息をのんだりざわつく音が聞こえてきたので目を開けると僕の前には光の文字があった。
そこに書いてあったのは………。
「これはこれは」か。
確かにこれもまた転生モノではテッパンの場所だね。まぁ、わかりやすいほうがいいからいいんだけど。
「まぁ、そうだよな」だよね。
これで変な場所に連れてこられたら戸惑うどころか場所によっては逃げ出してしまうかも。
しかし、教会は外観は前世で見た教会と同じような造りをしていた。
「ここで鑑定の儀を行うのですか?」
手を繋いでいる母さんを見上げながら聞いてみる。
「そうですよ」
微笑んだ母さんに手を引かれながら教会の中に入っていく。
教会の中は中央に通路があってその両サイドに長椅子が並び、正面には女神像、その奥にはキレイなステンドガラスと内観も前世で見た教会と同じような造りだった。
やっぱりこういう場所はどこでも、例え異世界でも同じような造りになっていくものなんだね。
「前世で教会を見に行ったことがあるのか?」か。
あるよ。前世では家族旅行とかで教会とかを見て回ったりもしていたからね。
見慣れた光景とそういった懐かしい記憶とかが思い出されるということもあって落ち着くので、ついキョロキョロと見渡してしまう。
「フフ。ルイ。教会の見学は後かでも出来るから、まずは鑑定の儀を終わらせましょうね」
キョロキョロしすぎていたせいで足が止まってしまっていた。
そんな僕を微笑ましそうに見ながら手を引いてくる母さん。
「はい」
返事をしながら思い出すのは、前世で子供達や孫達を教会に連れ行った時の反応。
あの時の子供達や孫達は、今の僕みたいに立ち止まって初めて見る教会に興味津々でキョロキョロしていたな。って、今の僕ってキョロキョロしていた理由は違えど全く同じ反応してたよね!?なんか恥ずかしい!
「子供なんだから普通の反応じゃねーの?」って。
精神年齢103歳なんだから恥ずかしいんだよ!いや、確かに普通の子供の反応としては恥ずかしいこともないんだろうけど、中身お爺さんの反応としてはやっぱり恥ずかしいんだよ!
「おっぱい貰うことやおむつを変えられることは恥ずかしがらなかったのにこんなところで恥ずかしがるなんて」だと。
生きるためにはおっぱいを飲まないと死んでしまうからおっぱいを飲むことは必要だろ。それに赤ちゃんのうちは自分で処理も出来ないんだから、ムリして処理をしようとすれば余計に手間をかけさせるだけなんだから、何も恥ずかしいことはないだろ。
「基準がわかんね~」か。
他人の基準なんてそんなものだろ。それに、どうせ分かろうともしないのならそれでいいんじゃない?
「それもそうか」だろ。
そこでふと思う。
恥ずかしさから黙り込んで立ち止まってしまっていたんだ。
そう気づいてから恐る恐ると周りを見回すと、母さんだけではなく、父さんやアル兄さん、カレン達まで微笑ましそうに僕を見てきたので、さらに恥ずかしくなり自然と頬が赤くなり、すぐに目線を反らしてしまう。
「フフ。早く鑑定の儀を終わらせて教会の中を見て回りましょうね」
僕が恥ずかしがっている様子を見た母さんがさらに笑顔になった。
もうそれでいいと開き直った僕は、
「うん!」
満面の笑みを返すとみんなも笑顔を返してくれた。
「じゃあ行こうか」
そう言って歩き出した父さんの後を追って教会の奥へと進んでいくと、父さんは1つの部屋へと入った。
後について部屋の中に入ると、その部屋はシンプルな造りの部屋で、白1色の部屋の奥に女神の像があるだけで、中に居たのも神父さん1人だけ。
「お久しぶりです、ロウゲツ侯爵様」
神父さんと父さん達はどうやら顔見知りのようだ。
って、それもそうか。アル兄さんの鑑定の儀の時もここに来ているんだから、顔見知りになっているのも普通なことか。
「あぁ。今日は次男のルイハートの鑑定の儀をよろしくお願いします」
父さんと母さんが頭を下げたので、習って頭を下げる。
「よろしくお願いします」
僕の言葉を聞いた神父さんが微笑んだ。
「はい。かしこまりました。では、ルイハート様。女神の像の前に片膝をついて祈りを捧げてください」
神父さんの指示に従って女神の像の前で片膝をつくと両手を組み、目を閉じて祈りを捧げる。
すると、
「では女神よ。この者のクラスを示し給え!」
神父さんがそう言うと、女神の像の上の天井が光りだした。
ちょっと予想外の展開に目を開けて、驚きながら天井を見上げてから周りを確認する。しかし、周りのみんなは驚いていないところを見ると、鑑定の儀ではこれが普通なのだろう。
すると、光の中から1つの光の球が降りてきて僕の目の前に止まった。
「それがルイハート様のクラスです。触れてみてください」
神父さんがそう言いながら光の球を指し示す。
この光の球がクラスとはどういう意味なのか分からなかったが、触れてみてくださいと言われたので素直に触れてみる。
すると、光の球が強烈な光りを放ったので慌てて目を閉じる。
触ると光るのなら前もって言ってほしかったんだけど。
「かなり眩しかったな」じゃない。
かなりどころか目が潰れるかと思ったよ!ホントもう!
神父さんへ少し怒りが湧いた。
しかし、その怒りを神父さんにぶつけるわけにもいかないので、小さく深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
「仰々しい演出だな」か。
確かにそう思ってしまうけど、これが鑑定の儀なんだから仕方ないだろ。
なんて思っていると、周りのみんなが息をのんだりざわつく音が聞こえてきたので目を開けると僕の前には光の文字があった。
そこに書いてあったのは………。
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