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78.脳筋おバカ
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山に入って2時間程経っただろうか。
採れたモノとしては山菜がそこそことキノコがちょっとといったところ。
見つけたモノで言えばキノコたくさんに山菜ちょっとなのだけど、キノコはやっぱり毒キノコが多いため、採れた量としては山菜より少なくなった。
「はぁはぁ」
そして、流石に休憩を挟みながらとはいえ2時間も山を歩き回っていると、ハルが息切れし始めた。
山を選ぶ上で心配していたのはトシとハルの体力の問題だった。
リンは4時間全力疾走して山を駆け回ってもケロッとしているので論外として、ユウも脳筋の体力バカなので休憩しながらの4時間の山歩きぐらいではバテることはないのはわかっている。
しかし、トシとハルについては体力がどれくらいあるのかというところがわからないので、途中で体力切れをおこす可能性があると心配していた。
トシはまだまだ大丈夫そうだけど、ハルは心配的中と言えるかな。
「大丈夫?」
「うん」
一応笑顔で頷き返してくれるが、明らかにムリをしているのが見て取れる。
「猟師さん。1度休憩しましょう」
「そうだな」
インストラクターの猟師さんに声をかけると、猟師さんが了承したのでハルはすぐに座り込んだ。
「ごめんね。僕が体力ないせいで休憩が多くて」
「なに言ってるんだよ。楽しむのが1番の目的なんだからゆっくりやればいいんだよ」
申し訳無さそうにしているハルの頭を軽く叩いてそういうユウ。
そんなユウを僕とリンは驚愕の表情で見つめた。
「おいそこの2人!なんだよその表情は!」
「いや、普通に驚いてるのだけど?」
「お前ホントにユウか?」
「どういう意味だ、こら!」
リンに食って掛かるユウ。
「いや、脳筋おバカのユウがまさか人をいたわる言葉を発することが出来るなんて。お父さん感激だぞ」
「そうよ。昔はみんなが疲れていてもお構いなしに連れ回していたあのユウの口からこんな優しい言葉が聞けるなんて。お母さんも嬉しいわ」
「俺達の育て方は間違ってなかったんだな、お母さん」
「えぇ。ユウは立派に育ってくれましたね、お父さん」
僕とリンが手を取り合い、感激していると、
「誰がお父さんとお母さんじゃ!」
ユウの拳がとんできたので軽く避ける。
「俺がお父さんで」
「私がお母さんよ」
僕とリンは背中合わせになるとカッコよくポーズを決めた。
「んなわけあるか!」
追撃の右拳をリンが、左拳を僕が受け止めてると、ユウは思いっきりガンを飛ばしてきた。
「お父さん。ユウったら照れちゃってるわよ」
「今さらながららしくないことを言ってしまったとか思っているのだろな、お母さん」
「だからって照れ隠しで親に殴りかかってくるのはどうかと思わないかしら、お父さん」
「そうだな。すぐに手を出すクセと口の悪さが治ればさらにいいな、お母さん」
「だからやめい!」
僕達の手を振り払ったユウは連続でパンチを繰り出してきたが、僕とリンはそれをあっさりと避け続けた。
そうして1分くらい経った頃にはユウは「はぁはぁ」と肩で息をしていた。
「まだ時間あるんだから今からそんなに息切れしてたらダメじゃん。脳筋おバカ」
「ペース配分考えて動かないとな。脳筋おバカ」
「お前達の………せいだろが………」
なんとか僕達へ文句を言ったユウだったが、力尽きたのか大の字に倒れ込んだ。
そんなユウの姿を笑ってみているハル達。
その笑顔を見てハルは大丈夫そうだなと思いつつ、大丈夫そうではないユウのためにペットボトルのスポーツドリンクを取り出す。
「こうなったらしょうがないからユウが回復するまで待たないとね」
「だから、お前達せいだと言ってるんだよ」
まだ文句を言ってくるユウの口にペットボトルのスポーツドリンクを突っ込んで黙らせる。
そんな僕達の会話に苦笑しているハルにもペットボトルを差し出そうとした瞬間、
「危ない!」
採れたモノとしては山菜がそこそことキノコがちょっとといったところ。
見つけたモノで言えばキノコたくさんに山菜ちょっとなのだけど、キノコはやっぱり毒キノコが多いため、採れた量としては山菜より少なくなった。
「はぁはぁ」
そして、流石に休憩を挟みながらとはいえ2時間も山を歩き回っていると、ハルが息切れし始めた。
山を選ぶ上で心配していたのはトシとハルの体力の問題だった。
リンは4時間全力疾走して山を駆け回ってもケロッとしているので論外として、ユウも脳筋の体力バカなので休憩しながらの4時間の山歩きぐらいではバテることはないのはわかっている。
しかし、トシとハルについては体力がどれくらいあるのかというところがわからないので、途中で体力切れをおこす可能性があると心配していた。
トシはまだまだ大丈夫そうだけど、ハルは心配的中と言えるかな。
「大丈夫?」
「うん」
一応笑顔で頷き返してくれるが、明らかにムリをしているのが見て取れる。
「猟師さん。1度休憩しましょう」
「そうだな」
インストラクターの猟師さんに声をかけると、猟師さんが了承したのでハルはすぐに座り込んだ。
「ごめんね。僕が体力ないせいで休憩が多くて」
「なに言ってるんだよ。楽しむのが1番の目的なんだからゆっくりやればいいんだよ」
申し訳無さそうにしているハルの頭を軽く叩いてそういうユウ。
そんなユウを僕とリンは驚愕の表情で見つめた。
「おいそこの2人!なんだよその表情は!」
「いや、普通に驚いてるのだけど?」
「お前ホントにユウか?」
「どういう意味だ、こら!」
リンに食って掛かるユウ。
「いや、脳筋おバカのユウがまさか人をいたわる言葉を発することが出来るなんて。お父さん感激だぞ」
「そうよ。昔はみんなが疲れていてもお構いなしに連れ回していたあのユウの口からこんな優しい言葉が聞けるなんて。お母さんも嬉しいわ」
「俺達の育て方は間違ってなかったんだな、お母さん」
「えぇ。ユウは立派に育ってくれましたね、お父さん」
僕とリンが手を取り合い、感激していると、
「誰がお父さんとお母さんじゃ!」
ユウの拳がとんできたので軽く避ける。
「俺がお父さんで」
「私がお母さんよ」
僕とリンは背中合わせになるとカッコよくポーズを決めた。
「んなわけあるか!」
追撃の右拳をリンが、左拳を僕が受け止めてると、ユウは思いっきりガンを飛ばしてきた。
「お父さん。ユウったら照れちゃってるわよ」
「今さらながららしくないことを言ってしまったとか思っているのだろな、お母さん」
「だからって照れ隠しで親に殴りかかってくるのはどうかと思わないかしら、お父さん」
「そうだな。すぐに手を出すクセと口の悪さが治ればさらにいいな、お母さん」
「だからやめい!」
僕達の手を振り払ったユウは連続でパンチを繰り出してきたが、僕とリンはそれをあっさりと避け続けた。
そうして1分くらい経った頃にはユウは「はぁはぁ」と肩で息をしていた。
「まだ時間あるんだから今からそんなに息切れしてたらダメじゃん。脳筋おバカ」
「ペース配分考えて動かないとな。脳筋おバカ」
「お前達の………せいだろが………」
なんとか僕達へ文句を言ったユウだったが、力尽きたのか大の字に倒れ込んだ。
そんなユウの姿を笑ってみているハル達。
その笑顔を見てハルは大丈夫そうだなと思いつつ、大丈夫そうではないユウのためにペットボトルのスポーツドリンクを取り出す。
「こうなったらしょうがないからユウが回復するまで待たないとね」
「だから、お前達せいだと言ってるんだよ」
まだ文句を言ってくるユウの口にペットボトルのスポーツドリンクを突っ込んで黙らせる。
そんな僕達の会話に苦笑しているハルにもペットボトルを差し出そうとした瞬間、
「危ない!」
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