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◇530 頼りになります。聖レッドローズ騎士団さん!
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アキラたちを含めた継ぎ接ぎの絆は襲い掛かるモンスターたちを相手に、淡々と蹴散らしていた。
【キメラハント】:【甲蟲】で武装した拳と、フェルノの吸炎竜の拳が飛んできたモンスターを殴りつける。
その周りではベルが他のプレイヤーたちと一緒に矢を射る。
黒い点を次々撃ち落とすと、迫り来るモンスターを減らす。
減らされたモンスターたちは壁の上を走り回る遊撃プレイヤーによって処理された。
雷斬も昆虫系モンスターを除いて邪魔にならないように切り付ける。
調子を取り戻したおかげか、徐々に慣れ始め、優位を取っていた。
「そりゃぁ!」
「あ、あんがとな。助かったぜ」
「いえ、お気になさらないでください。それよりも、この数は骨が折れますね」
雷斬は襲われていたプレイヤーを助けた。
しかしこれでは埒が明かない。
壁の上のプレイヤーたちは、上手くモンスターをいなしているのだが、物量差で押し潰されてしまいそうだった。
「おい、あんたら! もっと弓を射れねぇのか!」
「無理に決まってるわ。これで限界なの」
「そうだぜ。弓って、補正があってもムズいんだぞ」
「それよりお前たちが壁に登って来させるなよ。モンスターをどっかに行かせろよ!」
「ふざけるな。それができたら苦労するかよ」
プレイヤー間で口論を始めた。
そのせいで手が止まり、モンスターの動きが活発になる。
ここが勝機。とでも思ったのか、勢いよく壁に激突して来る。
ドス―ン!!
「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」」
壁にモンスターがぶつかった。
耐久値が一気に削られ、壁が揺れ動く。
乗っていたプレイヤーたちも足下が疎かになり、クラリと揺れてしまった。
「痛ってぇ」
「ふざけんじゃねぇぞ! この野郎が」
「待って。勝手に立ち上がらないで。痛い!」
転んだプレイヤーたちが互いに腕や足を絡ませていた。
そのせいで上手く立ち上がれず、体が捻じれてしまっている。
誰か一人が動けば誰かが怪我をする。
あまりにもドミノ倒し的な現状に、体制が崩れてしまっていた。
「マズいな……私が援護に行くか」
「Night、待って。Nightの盾が無いと、私たちも戦えないよ」
「そうよ。Nightはここにいるの」
継ぎ接ぎの絆もこの状況を黙ってみているしかなかった。
人数の不利が大勢の中にも響いてしまっている。
今の持ち場を維持するだけで力を出し切っていた。
「マズいな。本当にマズいか……雷斬を一度呼び戻すぞ!」
「どうやってー?」
「こんな状況で伝令なんて無理よ。それともあれ? 発煙筒でも使うの?」
「そんなHPは残っていない。私が走っても……」
「「「危険だよ!!!」」」
足が速くないNightが動くのはあまりにも危険だ。
ここでNightに居なくなられるのは絶対にダメ。
それなら緊急避難も視野に入れ、Nightは思考を巡らせる。
「仕方ないな。私が盾を全開で出せば……」
「その必要は無いぜ!」
苦渋の決断をNightは決めた。
そんなことをすれば、このフェーズ中、何もできなくなるのは必至。
それでもやるべきだと判断したNightだったが、突如として声がした。しかも真上からだ。
「とぉ!」
視線を真上に向けると、白髪の老爺が居た。
両腕には盾と爪が合体した武器、盾爪を装備している。
見た目には似合わない筋骨隆々としたたくましい肉体を武器に飛び跳ねると、着地と同時に敵モンスターを薙ぎ払った。
「ふぅ、大丈夫かえ、子供たちよ」
「えっ、誰ですか?」
「お前は聖レッドローズ騎士団の幹部、珀琥か!?」
「「珀琥?」」
現れた老爺は珀琥と呼ばれるプレイヤー。
聖レッドローズ騎士団の幹部と聞くだけで強いのは間違いない。
だけど如何してここにいるのだろうか。
アキラたちは身震いをした上で身構えると、変に警戒してしまった。
「おいおい、子供たちよ。俺は戦う気無いぞ」
「それは分かってます」
「おうおう、分かってるなら話が早いな。とっととこの数、薙ぎ払うぞ!」
「薙ぎ払うだと? 一人でやる気か、流石に無理があるだろ」
Nightは昂った士気を挫く様な言葉を吐いた。
しかし珀琥はそれ由良面白いと感じ取る。
愉悦混じりに高笑いをすると、珀琥は盾爪をかち合わせた。火花が散り、金属音がキリキリと音を立てる。
「がーはっはっはっ! 無論それも面白いが、ここは共闘と行こうじゃねえか」
「「「共闘?」」」
「おうよ。うちのギルマス、ブローズからの指示なんだな。暴れるぜぇ!!」
珀琥は楽し気にモンスターに向かっていく。
盾爪を振るうと、掠っただけでモンスターが薙ぐ払われる。
切り刻まれるモンスターの体。一瞬でHPを失うと、飛び散った体がはじけ飛ぶ。
「なんだ、この光景は?」
「アグレッシブだね」
「ですが確実にモンスターを仕留めていますよ。慣れているんでしょうか?」
「「「慣れてるとか、怖い」」」
アキラたちは呆けてしまっていた。自然と体が動きを止める。
それ程までにテンションが高く、アグレッシブにモンスターを薙ぎ払っている。
敵にしたくはない。だけど味方だと凄く頼りになる。
そんな珀琥の姿に、聖レッドローズ騎士団の底の知れなさが伝わった。
【キメラハント】:【甲蟲】で武装した拳と、フェルノの吸炎竜の拳が飛んできたモンスターを殴りつける。
その周りではベルが他のプレイヤーたちと一緒に矢を射る。
黒い点を次々撃ち落とすと、迫り来るモンスターを減らす。
減らされたモンスターたちは壁の上を走り回る遊撃プレイヤーによって処理された。
雷斬も昆虫系モンスターを除いて邪魔にならないように切り付ける。
調子を取り戻したおかげか、徐々に慣れ始め、優位を取っていた。
「そりゃぁ!」
「あ、あんがとな。助かったぜ」
「いえ、お気になさらないでください。それよりも、この数は骨が折れますね」
雷斬は襲われていたプレイヤーを助けた。
しかしこれでは埒が明かない。
壁の上のプレイヤーたちは、上手くモンスターをいなしているのだが、物量差で押し潰されてしまいそうだった。
「おい、あんたら! もっと弓を射れねぇのか!」
「無理に決まってるわ。これで限界なの」
「そうだぜ。弓って、補正があってもムズいんだぞ」
「それよりお前たちが壁に登って来させるなよ。モンスターをどっかに行かせろよ!」
「ふざけるな。それができたら苦労するかよ」
プレイヤー間で口論を始めた。
そのせいで手が止まり、モンスターの動きが活発になる。
ここが勝機。とでも思ったのか、勢いよく壁に激突して来る。
ドス―ン!!
「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」」
壁にモンスターがぶつかった。
耐久値が一気に削られ、壁が揺れ動く。
乗っていたプレイヤーたちも足下が疎かになり、クラリと揺れてしまった。
「痛ってぇ」
「ふざけんじゃねぇぞ! この野郎が」
「待って。勝手に立ち上がらないで。痛い!」
転んだプレイヤーたちが互いに腕や足を絡ませていた。
そのせいで上手く立ち上がれず、体が捻じれてしまっている。
誰か一人が動けば誰かが怪我をする。
あまりにもドミノ倒し的な現状に、体制が崩れてしまっていた。
「マズいな……私が援護に行くか」
「Night、待って。Nightの盾が無いと、私たちも戦えないよ」
「そうよ。Nightはここにいるの」
継ぎ接ぎの絆もこの状況を黙ってみているしかなかった。
人数の不利が大勢の中にも響いてしまっている。
今の持ち場を維持するだけで力を出し切っていた。
「マズいな。本当にマズいか……雷斬を一度呼び戻すぞ!」
「どうやってー?」
「こんな状況で伝令なんて無理よ。それともあれ? 発煙筒でも使うの?」
「そんなHPは残っていない。私が走っても……」
「「「危険だよ!!!」」」
足が速くないNightが動くのはあまりにも危険だ。
ここでNightに居なくなられるのは絶対にダメ。
それなら緊急避難も視野に入れ、Nightは思考を巡らせる。
「仕方ないな。私が盾を全開で出せば……」
「その必要は無いぜ!」
苦渋の決断をNightは決めた。
そんなことをすれば、このフェーズ中、何もできなくなるのは必至。
それでもやるべきだと判断したNightだったが、突如として声がした。しかも真上からだ。
「とぉ!」
視線を真上に向けると、白髪の老爺が居た。
両腕には盾と爪が合体した武器、盾爪を装備している。
見た目には似合わない筋骨隆々としたたくましい肉体を武器に飛び跳ねると、着地と同時に敵モンスターを薙ぎ払った。
「ふぅ、大丈夫かえ、子供たちよ」
「えっ、誰ですか?」
「お前は聖レッドローズ騎士団の幹部、珀琥か!?」
「「珀琥?」」
現れた老爺は珀琥と呼ばれるプレイヤー。
聖レッドローズ騎士団の幹部と聞くだけで強いのは間違いない。
だけど如何してここにいるのだろうか。
アキラたちは身震いをした上で身構えると、変に警戒してしまった。
「おいおい、子供たちよ。俺は戦う気無いぞ」
「それは分かってます」
「おうおう、分かってるなら話が早いな。とっととこの数、薙ぎ払うぞ!」
「薙ぎ払うだと? 一人でやる気か、流石に無理があるだろ」
Nightは昂った士気を挫く様な言葉を吐いた。
しかし珀琥はそれ由良面白いと感じ取る。
愉悦混じりに高笑いをすると、珀琥は盾爪をかち合わせた。火花が散り、金属音がキリキリと音を立てる。
「がーはっはっはっ! 無論それも面白いが、ここは共闘と行こうじゃねえか」
「「「共闘?」」」
「おうよ。うちのギルマス、ブローズからの指示なんだな。暴れるぜぇ!!」
珀琥は楽し気にモンスターに向かっていく。
盾爪を振るうと、掠っただけでモンスターが薙ぐ払われる。
切り刻まれるモンスターの体。一瞬でHPを失うと、飛び散った体がはじけ飛ぶ。
「なんだ、この光景は?」
「アグレッシブだね」
「ですが確実にモンスターを仕留めていますよ。慣れているんでしょうか?」
「「「慣れてるとか、怖い」」」
アキラたちは呆けてしまっていた。自然と体が動きを止める。
それ程までにテンションが高く、アグレッシブにモンスターを薙ぎ払っている。
敵にしたくはない。だけど味方だと凄く頼りになる。
そんな珀琥の姿に、聖レッドローズ騎士団の底の知れなさが伝わった。
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