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◇265 双子の少女たち1
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明輝は大量の飲み物を抱えていた。
持ちきれない量で、リュックの中にも入り切らなかった。
「如何しよう。これってヤバいよね」
流石に明輝もこんな経験したことなかった。
ちょっとでも体勢を崩したら持っている飲み物が全部落ちてしまいそうで、明輝の肩に力が入った。
「と、とにかく適当に袋の中に……」
薬指と小指で袋を開けた。
持っていた缶やペットボトルを流し込み、少しだけ肩の力を緩めた。
とは言え逆に薬指を小指が強烈に痛くて仕方なくなった。
「うっ、い、痛い……」
流石に薬指と小指だけは厳しかった。
奥歯を噛み、歯茎に力を入れた明輝だったが、ふと缶のジュースを二本落としてしまった。
「あっ、ちょっと待ってよ!」
明輝は手を伸ばそうとしたが、そうするとせっかく袋の入れた飲み物が全部落っこちてしまう。
とりあえず転がしたままにして後で回収しようと思い、明輝はその場にしゃがみこんで縁石の上で缶やペットボトルを入れ直した。
「えーっと、カフェオレと無糖のコーヒーと、炭酸は絶対マズいよね。確かリュックの中に水性ペンが入っていたから……△危険。これで良し」
ちょっと可愛く描けた。
丸っこい文字でラベルに記入し、何故か明輝はほっこりした。
「後はこっちの炭酸飲料にも△を描いてっと……これで全部かな?」
そう言えばさっき落とした缶も炭酸だった気がした。
もしも何かの衝撃でプルタブが開いたら大変だと思い、明輝は無いと思いつつもちょっと焦った。
「そうだ、早く回収しないと」
意識を切り替えた明輝は落とした缶を回収しに向かった。
右手が重く、方にもずっしり感があった。
あんまり走れそうにないので、公園に戻ると足下を探した。
傾斜になっていたので、明輝は公園の奥に行ってみた。
「えーっと、この辺のはずなんだけど……誰か拾っちゃったのかな?」
そう思い前を向いた。
すると円形ベンチに誰か座っていた。
ラインが違うだけで全く同じコートを着た少女たちが揃って座り、髪の長い少女とボブカットの少女が拾い上げていた。
「如何して転がって来たか分かってないみたい……って、開けたら吹き出すんだ!」
明輝は一瞬のことを忘れてしまっていた。
大きな声を出して止めようとしたが、近づいた瞬間少女たちの声が聞こえてきた。
何だか元気が無くて落ち込んでいた。
「はぁー、泡になっちゃいたい」
「炭酸だけに?」
「炭酸だけにだよ。上手く行くのか不安だよ」
明輝は足を止めた。
何だか本当に消えてしまいそうなほどか細い声で、明輝も意識を集中させたおかげでようやく聞き取れた。
声色がほとんど同じだった。
何かの偶然だろうかとも思ったが、詮索は良くないと思い明輝は振り払った。
そんなの後で聞けばいい。今はまず、話しをしたかった。如何してそんな気がしたのか、明輝の頭にビビッと来たからに決まっていた。
(この感じ、何か良い感じ!)
完全に根拠は無かった。
それもそのはず、根拠は自分自身だからだ。
「如何して転がって来たのかな?」
「誰かが落としちゃったんじゃない?」
「そうだよね。でも、炭酸か。本当に泡になって消えちゃいたい……」
長髪の少女はそんなことを口にした。
ボブカットの少女は背中を叩いて励ますが、あまり届いていなかった。
「何に悩んでるの?」
そんな時、二人の少女に声が掛かった。
驚いた二人が顔を上げると、目の前には明輝がいた。
「えっと、誰ですか?」
「そうだよ、お姉さん誰?」
「誰でもいいよ。そんなことよりも何悩んでるの? 良かったら話聞くよ? というか、聞かせて」
明輝はグイグイ二人の間に入り込んだ。
自然と隣に座り、大量の飲み物が入った袋を地面に置いた。
「あっ、このジュースお姉さんの? 凄い量だね」
「うん。落ちしちゃったから取りに来たんだけど、良かったらあげるよ。炭酸だから注意してね」
「分かってるよ。ねっ、羽衣」
「うん……あの、話を聞いてもらわなくても結構です。炭酸飲料はありがたく受け取らせていただきますけれど、その……」
「部外者は話に入らないでってこと? でも私心配なんだ」
明輝はそう口にした。
少女達二人はドキッとして心臓の鼓動が速くなった。
心配されてしまったことに不安を抱いた。
如何やら顔色にも強く出ていたらしく、もっと押し殺さないとダメだと思った。
自然と声が絞られた。
二人ともダウナー系の声なので表情や態度に影が落ちた。
しかし明輝はそれを見逃さなかった。
「はい、そう言うところだよ!」
二人は急に強く出られたので驚いた。
一体何がダメだったのか分からず困惑したが、明輝は顔を覗かせた。
「何に悩んでるのかは分からないけど、凄く息詰まってるよね。さっきも“泡になって消えたい”なんて言ってたけど、そんなこと言っちゃダメだよ。私、自殺何てさせないから」
「「えっ?」」
「あれ?」
何か意見が食い違った。
明輝は二人が落ち込み過ぎて心を壊したのかと思ったが、如何やらそうではないらしく、何だか変な人になってしまった。
けれど少女たちの反応は少し違った。
こんなことを面と向かって言われたのは生まれて初めてだった。
持ちきれない量で、リュックの中にも入り切らなかった。
「如何しよう。これってヤバいよね」
流石に明輝もこんな経験したことなかった。
ちょっとでも体勢を崩したら持っている飲み物が全部落ちてしまいそうで、明輝の肩に力が入った。
「と、とにかく適当に袋の中に……」
薬指と小指で袋を開けた。
持っていた缶やペットボトルを流し込み、少しだけ肩の力を緩めた。
とは言え逆に薬指を小指が強烈に痛くて仕方なくなった。
「うっ、い、痛い……」
流石に薬指と小指だけは厳しかった。
奥歯を噛み、歯茎に力を入れた明輝だったが、ふと缶のジュースを二本落としてしまった。
「あっ、ちょっと待ってよ!」
明輝は手を伸ばそうとしたが、そうするとせっかく袋の入れた飲み物が全部落っこちてしまう。
とりあえず転がしたままにして後で回収しようと思い、明輝はその場にしゃがみこんで縁石の上で缶やペットボトルを入れ直した。
「えーっと、カフェオレと無糖のコーヒーと、炭酸は絶対マズいよね。確かリュックの中に水性ペンが入っていたから……△危険。これで良し」
ちょっと可愛く描けた。
丸っこい文字でラベルに記入し、何故か明輝はほっこりした。
「後はこっちの炭酸飲料にも△を描いてっと……これで全部かな?」
そう言えばさっき落とした缶も炭酸だった気がした。
もしも何かの衝撃でプルタブが開いたら大変だと思い、明輝は無いと思いつつもちょっと焦った。
「そうだ、早く回収しないと」
意識を切り替えた明輝は落とした缶を回収しに向かった。
右手が重く、方にもずっしり感があった。
あんまり走れそうにないので、公園に戻ると足下を探した。
傾斜になっていたので、明輝は公園の奥に行ってみた。
「えーっと、この辺のはずなんだけど……誰か拾っちゃったのかな?」
そう思い前を向いた。
すると円形ベンチに誰か座っていた。
ラインが違うだけで全く同じコートを着た少女たちが揃って座り、髪の長い少女とボブカットの少女が拾い上げていた。
「如何して転がって来たか分かってないみたい……って、開けたら吹き出すんだ!」
明輝は一瞬のことを忘れてしまっていた。
大きな声を出して止めようとしたが、近づいた瞬間少女たちの声が聞こえてきた。
何だか元気が無くて落ち込んでいた。
「はぁー、泡になっちゃいたい」
「炭酸だけに?」
「炭酸だけにだよ。上手く行くのか不安だよ」
明輝は足を止めた。
何だか本当に消えてしまいそうなほどか細い声で、明輝も意識を集中させたおかげでようやく聞き取れた。
声色がほとんど同じだった。
何かの偶然だろうかとも思ったが、詮索は良くないと思い明輝は振り払った。
そんなの後で聞けばいい。今はまず、話しをしたかった。如何してそんな気がしたのか、明輝の頭にビビッと来たからに決まっていた。
(この感じ、何か良い感じ!)
完全に根拠は無かった。
それもそのはず、根拠は自分自身だからだ。
「如何して転がって来たのかな?」
「誰かが落としちゃったんじゃない?」
「そうだよね。でも、炭酸か。本当に泡になって消えちゃいたい……」
長髪の少女はそんなことを口にした。
ボブカットの少女は背中を叩いて励ますが、あまり届いていなかった。
「何に悩んでるの?」
そんな時、二人の少女に声が掛かった。
驚いた二人が顔を上げると、目の前には明輝がいた。
「えっと、誰ですか?」
「そうだよ、お姉さん誰?」
「誰でもいいよ。そんなことよりも何悩んでるの? 良かったら話聞くよ? というか、聞かせて」
明輝はグイグイ二人の間に入り込んだ。
自然と隣に座り、大量の飲み物が入った袋を地面に置いた。
「あっ、このジュースお姉さんの? 凄い量だね」
「うん。落ちしちゃったから取りに来たんだけど、良かったらあげるよ。炭酸だから注意してね」
「分かってるよ。ねっ、羽衣」
「うん……あの、話を聞いてもらわなくても結構です。炭酸飲料はありがたく受け取らせていただきますけれど、その……」
「部外者は話に入らないでってこと? でも私心配なんだ」
明輝はそう口にした。
少女達二人はドキッとして心臓の鼓動が速くなった。
心配されてしまったことに不安を抱いた。
如何やら顔色にも強く出ていたらしく、もっと押し殺さないとダメだと思った。
自然と声が絞られた。
二人ともダウナー系の声なので表情や態度に影が落ちた。
しかし明輝はそれを見逃さなかった。
「はい、そう言うところだよ!」
二人は急に強く出られたので驚いた。
一体何がダメだったのか分からず困惑したが、明輝は顔を覗かせた。
「何に悩んでるのかは分からないけど、凄く息詰まってるよね。さっきも“泡になって消えたい”なんて言ってたけど、そんなこと言っちゃダメだよ。私、自殺何てさせないから」
「「えっ?」」
「あれ?」
何か意見が食い違った。
明輝は二人が落ち込み過ぎて心を壊したのかと思ったが、如何やらそうではないらしく、何だか変な人になってしまった。
けれど少女たちの反応は少し違った。
こんなことを面と向かって言われたのは生まれて初めてだった。
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