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◇244 文字化け
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明輝はお昼ご飯を作っていた。
決して手の込んだものでもなければ難しいものでもない。
冷凍のうどんを解凍して、かつお出汁で取った汁を温める。
普段から鰹節と昆布が家にはあるのでそれを使っていた。
ずっとやっていることなので、手が勝手に動いてしまう。
「えーっと、後は何作ろうかな?」
どうせなら夕飯も作ってしまおう。
明輝は冷蔵庫の中を一通り見てから決め、野菜を細かく刻み始めた。
すると包丁を手にして人参を半分くらいまで切ったところで何か鳴った。
リビングの机の上に置きっぱなしにしているVRドライブがメッセージを受け取ったらしい。
「こんな時間に誰からだろう?」
慌てて取りに行くとやっぱり蒼伊からだった。
何か緊急かなと思い、メッセージを読んでみる。
そこには『スマホに出ろ』と書かれていた。確かにVRドライブでも会話はできるけど、スマホの方が会話やメッセージのやり取りには便利だった。
「そう言えばスマホ部屋に置きっぱなしだ」
明輝は一度コンロを止め、自分の部屋にスマホを取りに向かう。
すると蒼伊からのメッセージがたくさん来ていた。
いつにもなく忙しない様子に明輝は首を捻る。
何かあったのだろうと瞬時に察し、蒼伊に直接通話した。
「はい、もしもし」
「やっと出たな。一時間前からメッセ送っていたぞ」
「ごめんね。色々家事をしてて」
「……まあいい。それより、例のクリスマスイベントのことなんだが、運営から新しい発表があったぞ」
如何やら蒼伊の話をまとめると、クリスマスイベントに向けて運営側も頑張っているようだ。
何でもシークレットクエストには貴重な素材なども付いて来るそうで界隈が盛り上がっているらしい。
そんな話を延々とした後、明輝は蒼伊に尋ねた。
「ねえ蒼伊。今度家に行ってもいいかな?」
「はぁ? 私の家にか」
「うん。ほら蒼伊の家って大きいでしょ? 駅から十二キロくらいって少し遠いからなかなか行けなかったけど、行ってみたいんだ。ダメかな?」
明輝がそう尋ねると、蒼伊は少し迷った様子で押し黙る。
都合が悪いなら別に断られても良いと思っていた。
しかし明輝の予想とは大きく異なる。
「別に構わないぞ。それにうちは裏道を使えば七キロほどだ」
「えっ、良いの? っていうか七キロ!?」
「ああ。少し山を越えることにはなるがな」
それは知らなかった。しかも山越えは聞いていない。
住宅地の端っこの方のはずだけど、色々な意味で頭の中がグルグルした。
「それじゃあ切るぞ」
「えっ、もう終わり?」
「これ以上はない。それじゃあ頑張れ」
蒼伊は通話を切った。
多分寂しかったんだなと、明輝は可愛くてクスッと笑みを浮かべた。
「さてと作業に戻ろうかな」
料理がまだ途中辞めだった。
明輝は作業に戻ろうと思い、キッチンに向かうがまたしてもVRドライブが鳴った。
「あれ? また蒼伊かな? それとも他の人から?」
今日は色んな人からメッセージが来るなと思い、少し嬉しくなった。
早速VRドライブを操作して、メッセージを読もうとする。
今来たばかりのメッセージが残っていて、既読が付いていなかった。
「あれ? 知らない相手からだ。コレってスルーした方が良いよね?」
誰からメッセージが来たかどうかは一発でわかる。
しかし登録している名前なら何気なく読むことができるけど、今回は名前も変な感じだった。
「レ■#&//リ……!?」
全く読めない。完全に文字化けしている。
かろうじてレとリだけ読めるけど、これも文字化けの可能性もあった。
「よ、読みたくないなー」
だけど頭の中で「読んで読んで」と訴えかけられている気がした。
明輝は突き動かされる衝動に駆られ、ギュッと目を瞑りつつもタップしてしまった。
すると中身は案の定で……
「!#や……&%■ッ&⁉亜%&マ氏⁉」
よ、読めない。
いくら文字を逆さにしてみて全く読めない。
もしかして私の設定が間違っているのかな? と明輝は眉根を寄せた。
「ど、如何しよう。何て返したら……うわぁ、また来たぁ!」
こ、怖い怖い。明輝はドライブを放り投げたくなった。
しかし頑張って来た長文の文字化けを読んでみた。
「sう%$#/・・コ!?。。adsja■//家姫hahqfq //いⅮぎうqgいう・・」
もう脈絡も無くなった。
完全に読むとする気が失せてしまい、明輝は頭を抱える。
これは返した方が良いのかな?
そう思ったのも束の間。プツリとメッセージが届かなくなる。
「あれ? もしかして直しているのかな?」
文字化けに気が付いてくれたのかも。
そう思って安堵する私がメッセージを送ろうとした。
しかしまたしても文字化けが帰って来る。
「dishfhaoi■//h⁉#$gdqi gi’気dが……狐太陽輪」
最初の部分はさっぱりだった。
だけど最後の部分だけ何故か文章っぽい。
「狐、太陽、輪っか? こん、にち、わ? こんにちは!」
私はちょっと嬉しくなった。
これは返した方が良い。そう思いメッセージを急いで打ち込むも、次が着てしまう。
「嘘でしょ。って、ちょっとだけ読めた?」
そこにはこう書いてあった。
「コレ……藻gだうgd市区で……」
うん全然わからない。
しかもそれ以降明輝にメッセージが届くことはなかった。
不思議な体験をしたと思い、明輝は首を捻るだけだった。
決して手の込んだものでもなければ難しいものでもない。
冷凍のうどんを解凍して、かつお出汁で取った汁を温める。
普段から鰹節と昆布が家にはあるのでそれを使っていた。
ずっとやっていることなので、手が勝手に動いてしまう。
「えーっと、後は何作ろうかな?」
どうせなら夕飯も作ってしまおう。
明輝は冷蔵庫の中を一通り見てから決め、野菜を細かく刻み始めた。
すると包丁を手にして人参を半分くらいまで切ったところで何か鳴った。
リビングの机の上に置きっぱなしにしているVRドライブがメッセージを受け取ったらしい。
「こんな時間に誰からだろう?」
慌てて取りに行くとやっぱり蒼伊からだった。
何か緊急かなと思い、メッセージを読んでみる。
そこには『スマホに出ろ』と書かれていた。確かにVRドライブでも会話はできるけど、スマホの方が会話やメッセージのやり取りには便利だった。
「そう言えばスマホ部屋に置きっぱなしだ」
明輝は一度コンロを止め、自分の部屋にスマホを取りに向かう。
すると蒼伊からのメッセージがたくさん来ていた。
いつにもなく忙しない様子に明輝は首を捻る。
何かあったのだろうと瞬時に察し、蒼伊に直接通話した。
「はい、もしもし」
「やっと出たな。一時間前からメッセ送っていたぞ」
「ごめんね。色々家事をしてて」
「……まあいい。それより、例のクリスマスイベントのことなんだが、運営から新しい発表があったぞ」
如何やら蒼伊の話をまとめると、クリスマスイベントに向けて運営側も頑張っているようだ。
何でもシークレットクエストには貴重な素材なども付いて来るそうで界隈が盛り上がっているらしい。
そんな話を延々とした後、明輝は蒼伊に尋ねた。
「ねえ蒼伊。今度家に行ってもいいかな?」
「はぁ? 私の家にか」
「うん。ほら蒼伊の家って大きいでしょ? 駅から十二キロくらいって少し遠いからなかなか行けなかったけど、行ってみたいんだ。ダメかな?」
明輝がそう尋ねると、蒼伊は少し迷った様子で押し黙る。
都合が悪いなら別に断られても良いと思っていた。
しかし明輝の予想とは大きく異なる。
「別に構わないぞ。それにうちは裏道を使えば七キロほどだ」
「えっ、良いの? っていうか七キロ!?」
「ああ。少し山を越えることにはなるがな」
それは知らなかった。しかも山越えは聞いていない。
住宅地の端っこの方のはずだけど、色々な意味で頭の中がグルグルした。
「それじゃあ切るぞ」
「えっ、もう終わり?」
「これ以上はない。それじゃあ頑張れ」
蒼伊は通話を切った。
多分寂しかったんだなと、明輝は可愛くてクスッと笑みを浮かべた。
「さてと作業に戻ろうかな」
料理がまだ途中辞めだった。
明輝は作業に戻ろうと思い、キッチンに向かうがまたしてもVRドライブが鳴った。
「あれ? また蒼伊かな? それとも他の人から?」
今日は色んな人からメッセージが来るなと思い、少し嬉しくなった。
早速VRドライブを操作して、メッセージを読もうとする。
今来たばかりのメッセージが残っていて、既読が付いていなかった。
「あれ? 知らない相手からだ。コレってスルーした方が良いよね?」
誰からメッセージが来たかどうかは一発でわかる。
しかし登録している名前なら何気なく読むことができるけど、今回は名前も変な感じだった。
「レ■#&//リ……!?」
全く読めない。完全に文字化けしている。
かろうじてレとリだけ読めるけど、これも文字化けの可能性もあった。
「よ、読みたくないなー」
だけど頭の中で「読んで読んで」と訴えかけられている気がした。
明輝は突き動かされる衝動に駆られ、ギュッと目を瞑りつつもタップしてしまった。
すると中身は案の定で……
「!#や……&%■ッ&⁉亜%&マ氏⁉」
よ、読めない。
いくら文字を逆さにしてみて全く読めない。
もしかして私の設定が間違っているのかな? と明輝は眉根を寄せた。
「ど、如何しよう。何て返したら……うわぁ、また来たぁ!」
こ、怖い怖い。明輝はドライブを放り投げたくなった。
しかし頑張って来た長文の文字化けを読んでみた。
「sう%$#/・・コ!?。。adsja■//家姫hahqfq //いⅮぎうqgいう・・」
もう脈絡も無くなった。
完全に読むとする気が失せてしまい、明輝は頭を抱える。
これは返した方が良いのかな?
そう思ったのも束の間。プツリとメッセージが届かなくなる。
「あれ? もしかして直しているのかな?」
文字化けに気が付いてくれたのかも。
そう思って安堵する私がメッセージを送ろうとした。
しかしまたしても文字化けが帰って来る。
「dishfhaoi■//h⁉#$gdqi gi’気dが……狐太陽輪」
最初の部分はさっぱりだった。
だけど最後の部分だけ何故か文章っぽい。
「狐、太陽、輪っか? こん、にち、わ? こんにちは!」
私はちょっと嬉しくなった。
これは返した方が良い。そう思いメッセージを急いで打ち込むも、次が着てしまう。
「嘘でしょ。って、ちょっとだけ読めた?」
そこにはこう書いてあった。
「コレ……藻gだうgd市区で……」
うん全然わからない。
しかもそれ以降明輝にメッセージが届くことはなかった。
不思議な体験をしたと思い、明輝は首を捻るだけだった。
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