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◇174 3つの宝玉
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別日。アキラたちは古代遺跡に集合していた。
今日もお日様が顔を出していて、秋の陽気を知らせてくれる。
「初めからこうすればよかったのにね」
アキラは古代遺跡の前に座って、少し離れた目の先に置かれた赤いクリスタルを見てそう思った。
すると隣に立っているフェルノが空気の抜けたような笑いを浮かべる。
「あははー、確かにねー」
それからズルズルと古代遺跡の壁面に背中を擦りながら、アキラの隣に座った。
それからアキラの右側。そこにはNightが座っている。
「どうして早く出してくれなかったの?」
「あの時はフェルノが勝手にやったんだろ。言い出すタイミングがなかった」
「タイミングは重要よね」
「それはそうと、あの黒い台はいつ用意したんですか?」
雷斬が話を戻すと、赤いクリスタルがはめ込まれた黒い台を見返した。
中央には丁度はめ込めるように穴が空いている。
さらには地面に付かないように、脚が三本で立たされていた。完全に三脚と同じ仕組みだ。
「あれも【ライフ・オブ・メイク】なの?」
「いいや、確かに【ライフ・オブ・メイク】は使ったが、あれだけ複雑な形のものを脳内で計算処理して全てをスキルで起こすにはかなりの労力がかかる」
「じゃあどうやって作ったのさー」
「もちろん、プラ版から作ったに決まっているだろ」
「凄い、そんなことできるんだ!」
アキラは間髪入れずにツッコんだ。
すると恥ずかしがるでもなく、アキラの顔を見ながら首を捻った。
「プラモデル作る奴は足りないパーツは自分で作るだろ」
「えっ、3Dプリンターじゃないの?」
「それは複雑で大きなものだ。小さくてパテ埋めや肉抜き穴を塞ぐなら、単純にプラバンから切り出して貼りつけてやすって塗装した方が早いだろ」
「そ、そうなんだ。私プラモ作らないから知らなかった」
アキラはきょとんとした顔で話に付いて行けていなかった。
とは言えフェルノは「だよねだよね」と腕組しながら、納得した様子で相槌を打っていた。
「それで、あの台も切り出して作ったの?」
「ある程度はな。1時間もあればできるぞ」
「あのクオリティをたった1時間……凄い」
「暇だからな」
「学生で暇なんですね」
「私は学校でも授業なってほとんど聞いていないからな。宿題も30分で終わる」
「Nightって確か進学校だよね。凄いね、Night」
「つまらんがな」
そうこうしているうちに赤いクリスタルの充電も終わったらしい。
赤く発光すると熱を帯びていた。
今度は火傷しないようにと分厚い遮熱性の手袋をはめ、雷斬に肩車をしてもらいながら、私が天井にはめ込むのだった。
「こんな感じでいいよね?」
「そうだな。よし、一旦降りてみるぞ」
Nightはフェルノとベルを連れて先に下に降りていた。
アキラと雷斬も梯子を使ってゆっくり降りると、困り顔の3人がいた。
「どうしたの、みんな?」
「見てよこれー」
「どうしたのって、赤い光が来てないよ!」
アキラは宝玉が2つはまった床を見た。しかし3つ目はまだない。
クリスタルの位置は変わっていない。にもかかわらず、宝玉はなかった。
「どうしてでしょうか? もしかして間違っていたかもしれませんね」
「そんなことないわよ……と言いたいけど、流石にここまで変化がないとね」
「「うーん」」
アキラとフェルノも腕組をして色々考えていた。
けれど何も思いつかないのでいたずらに時間だけが過ぎていく。
何とかしないと無駄足になる。そう考えたところ、Nightがしゃがみ込んで何かし始めた。
「どうしたのNight?」
「この透明なパネル。不正させないように配慮されていると思ったんだが、一つだけ開かないか?」
「えっ!? って本当だ。これだけ開きそうだね」
アキラはまだはまっていない穴の透明パネルだけ開きそうなことに気が付いた。
バネみたいなもので固定してあったので、爪を引っ掻けると簡単に上蓋が開いた。
すると赤いクリスタルが輝き出し、光の熱線が照射された。
「「うわぁ!」」
アキラとNightは間一髪のところで避けると、熱線をかわすことができた。
熱線はきちんと宝玉のはまっていない穴に照射されると、急に固まり出して赤い宝玉に変わった。
「溶かしたプラスチックか何かか。まさかこんなことで3つ揃うとは……」
「やっぱり安いだった?」
「そうだな。だがこれで3つ揃った。きっとこれで何かわかるはずだ」
透明な上蓋を閉じると、急に3色の宝玉が光り始めた。
眩く発光し、床下に円形の魔法陣のような模様が描かれる。
アキラたちは素早い身のこなしで距離を取ると、床下中央が盛り上がり、3方向に開いた。
まるで地下へ続く隠し通路のような位置付けなのだろう。
「凄い、こんな大規模な仕掛けがしてあるなんて!」
「いや、そうとも限らないぞ。この古代遺跡を企画した奴だ。どうせ大したことには……」
Nightは凄まじく疑っていた。とは言え案の定だった。
光の発光が収まり近づいてみると、宝玉が収まっていた部分が開いてはいたがそこには床があるだけで何もなかった。二層構造の床にびっくりしてしまった。
今日もお日様が顔を出していて、秋の陽気を知らせてくれる。
「初めからこうすればよかったのにね」
アキラは古代遺跡の前に座って、少し離れた目の先に置かれた赤いクリスタルを見てそう思った。
すると隣に立っているフェルノが空気の抜けたような笑いを浮かべる。
「あははー、確かにねー」
それからズルズルと古代遺跡の壁面に背中を擦りながら、アキラの隣に座った。
それからアキラの右側。そこにはNightが座っている。
「どうして早く出してくれなかったの?」
「あの時はフェルノが勝手にやったんだろ。言い出すタイミングがなかった」
「タイミングは重要よね」
「それはそうと、あの黒い台はいつ用意したんですか?」
雷斬が話を戻すと、赤いクリスタルがはめ込まれた黒い台を見返した。
中央には丁度はめ込めるように穴が空いている。
さらには地面に付かないように、脚が三本で立たされていた。完全に三脚と同じ仕組みだ。
「あれも【ライフ・オブ・メイク】なの?」
「いいや、確かに【ライフ・オブ・メイク】は使ったが、あれだけ複雑な形のものを脳内で計算処理して全てをスキルで起こすにはかなりの労力がかかる」
「じゃあどうやって作ったのさー」
「もちろん、プラ版から作ったに決まっているだろ」
「凄い、そんなことできるんだ!」
アキラは間髪入れずにツッコんだ。
すると恥ずかしがるでもなく、アキラの顔を見ながら首を捻った。
「プラモデル作る奴は足りないパーツは自分で作るだろ」
「えっ、3Dプリンターじゃないの?」
「それは複雑で大きなものだ。小さくてパテ埋めや肉抜き穴を塞ぐなら、単純にプラバンから切り出して貼りつけてやすって塗装した方が早いだろ」
「そ、そうなんだ。私プラモ作らないから知らなかった」
アキラはきょとんとした顔で話に付いて行けていなかった。
とは言えフェルノは「だよねだよね」と腕組しながら、納得した様子で相槌を打っていた。
「それで、あの台も切り出して作ったの?」
「ある程度はな。1時間もあればできるぞ」
「あのクオリティをたった1時間……凄い」
「暇だからな」
「学生で暇なんですね」
「私は学校でも授業なってほとんど聞いていないからな。宿題も30分で終わる」
「Nightって確か進学校だよね。凄いね、Night」
「つまらんがな」
そうこうしているうちに赤いクリスタルの充電も終わったらしい。
赤く発光すると熱を帯びていた。
今度は火傷しないようにと分厚い遮熱性の手袋をはめ、雷斬に肩車をしてもらいながら、私が天井にはめ込むのだった。
「こんな感じでいいよね?」
「そうだな。よし、一旦降りてみるぞ」
Nightはフェルノとベルを連れて先に下に降りていた。
アキラと雷斬も梯子を使ってゆっくり降りると、困り顔の3人がいた。
「どうしたの、みんな?」
「見てよこれー」
「どうしたのって、赤い光が来てないよ!」
アキラは宝玉が2つはまった床を見た。しかし3つ目はまだない。
クリスタルの位置は変わっていない。にもかかわらず、宝玉はなかった。
「どうしてでしょうか? もしかして間違っていたかもしれませんね」
「そんなことないわよ……と言いたいけど、流石にここまで変化がないとね」
「「うーん」」
アキラとフェルノも腕組をして色々考えていた。
けれど何も思いつかないのでいたずらに時間だけが過ぎていく。
何とかしないと無駄足になる。そう考えたところ、Nightがしゃがみ込んで何かし始めた。
「どうしたのNight?」
「この透明なパネル。不正させないように配慮されていると思ったんだが、一つだけ開かないか?」
「えっ!? って本当だ。これだけ開きそうだね」
アキラはまだはまっていない穴の透明パネルだけ開きそうなことに気が付いた。
バネみたいなもので固定してあったので、爪を引っ掻けると簡単に上蓋が開いた。
すると赤いクリスタルが輝き出し、光の熱線が照射された。
「「うわぁ!」」
アキラとNightは間一髪のところで避けると、熱線をかわすことができた。
熱線はきちんと宝玉のはまっていない穴に照射されると、急に固まり出して赤い宝玉に変わった。
「溶かしたプラスチックか何かか。まさかこんなことで3つ揃うとは……」
「やっぱり安いだった?」
「そうだな。だがこれで3つ揃った。きっとこれで何かわかるはずだ」
透明な上蓋を閉じると、急に3色の宝玉が光り始めた。
眩く発光し、床下に円形の魔法陣のような模様が描かれる。
アキラたちは素早い身のこなしで距離を取ると、床下中央が盛り上がり、3方向に開いた。
まるで地下へ続く隠し通路のような位置付けなのだろう。
「凄い、こんな大規模な仕掛けがしてあるなんて!」
「いや、そうとも限らないぞ。この古代遺跡を企画した奴だ。どうせ大したことには……」
Nightは凄まじく疑っていた。とは言え案の定だった。
光の発光が収まり近づいてみると、宝玉が収まっていた部分が開いてはいたがそこには床があるだけで何もなかった。二層構造の床にびっくりしてしまった。
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