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◇173 流しそうめんと同じだよね?
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アキラたち継ぎ接ぎの絆の面々は古代遺跡に久々にやって来ていた。
あれからもう1週間。10月も中旬から後半に差し掛かって来ていた。
そんな中、突然のことに驚いている雷斬とベルはさておき、Nightとフェルノは少しだけ呆れている。あのフェルノが半信半疑だった。
「えっと、皆さんどうなされたのですか?」
「何だか浮かない顔ね。何かあったの?」
「うーん、何にも?」
「そうだな。誰かさん以外はな」
「間違いなく何かあったわよね。それで肝心のアキラはどうしてそんな顔をしているのかな?」
「だって、みんなは変な顔するんだもん」
アキラはベルに尋ねられ、本当のことを伝えた。
ジト目になっているNightと天を仰ぐフェルノ。
完全に信じていない様子に少しだけ頬を膨らませるアキラだった。
けれどアキラ自身、まだ確証はないので今回は完全に巻き込みだった。
「みんなごめんね。でも付き合ってくれてありがとう」
「まあ暇だったからねー。でも本当にできるのかな?」
「それはやってみてからだよ。ねっ、Night!」
「私を勝手に巻き込むな!」
Nightに普通に怒られた。
しょげてしまうアキラだったが、勝手に切り替えさせてもらう。
今回は勝手にが詰め込まれていた。
「それでこれは一体……」
「何で水の入った筒を持たされているもかな?」
雷斬とベルは首を捻っていた。
今回はNightに説明してもらう前に、簡単にやってみることにした。
「それじゃあ私とNightが同時に宝玉を流すから、2人は筒の水を溝に流して」
「わかりました」
「でもこれで何が変わるのかな?」
「いいからいいから。ものは試しだよ」
アキラとNightは石でできた本の前にスタンバイし、小さな滑り台に宝玉を転がした。
すると奉玉はコロコロと緩やかな加速を付けて転がっていき、床に彫りこまれた溝にすっぽりと落ちる。傾斜がほとんどないため転がらなかったが、雷斬とベルが水を注ぐと、これまたゆっくりと宝玉が転がっていく。
「これで何が変わるのでしょうか?」
雷斬の不安はもっともだ。しかし宝玉は緩やかな水の流れに押されると、突然壁の中に消えた。
アキラとNightが前もって調べていたが、この溝は壁の中まで繋がっている。
コンコンと甲高い音を響かせながら宝玉はまるで見えない迷路を進むみたいに、アキラたちの視界に入らない場所で何かを起こしていた。
すると宝玉の音が聞こえなくなってしまいどこかで詰まってしまったのか。
アキラ以外に不安がよぎる。
「やっぱり詰まっちゃったのかなー?」
「どうだろうな。アキラ、この責任は……」
「取らないよ。取る気もない。私たちは運命を変えたんだから」
「仰々しいな、お前」
アキラは不敵な笑みを浮かべていた。
Nightの冷ややかなツッコミにもまるで動じず、その姿勢も崩したりしない。
「何も起きないぞ」
「大丈夫、絶対に運命は変わったから」
アキラがゴリ押しをすると、壁の中でカチッ! と音を立てた。
何かがくるくると回って歯車が回ったようだ。
カラクリが反応して壁の一部が突然開いて、溝に宝玉が戻ってくる。
「壁の中から宝玉が出てきた!」
「どうなっているのかしら」
「簡単だよ。これ、古代遺跡のカラクリ。謎を解こうとする人をわくわくさせるために仕掛けられていたんだよ!」
「何だそれ。これじゃあまるで……」
「流しそうめんみたいだねー」
フェルノは苦笑いを浮かべていた。だけど意外な仕掛けに楽しんでいる。
正直アキラも確証があったわけじゃない。あのまま詰まって出てこないなんてこと、普通に考えられた。
けれどアキラたちは運命を変えた。溝をヒントに水を流すことで、壁の中にある歯車の役割。水車を回して壁の仕掛けを開けたことになる。
「これは驚いたな。まさかこの間の毒沼の一件で閃くなんてな」
Nightは感嘆としていた。
この面白みはあるが一体誰がわかるのか。明らかに特定の行動をしなければ絶対に開けない道をアキラたちは無理やりこじ開けた。
何て、結局運ゲーとちょっとした閃きで開いただけだ。
「宝玉はどこに行くんだろ」
「真ん中にあった3つの窪みじゃない?」
「やっぱりそこだよね。でも全部透明な蓋で締まってたよ」
「いやそれなら大丈夫だ」
Nightは宝玉が溝にはまるのを待っていた。
すると2色の宝玉がほぼ同時に水の流れに乗ってやって来ると、ぴったり溝にはまった。
「あっ、これで終わりなんだ」
「でももう1つ窪みがあるよ?」
「そうですね。しかしこの位置、少しだけ中央からズレていませんか?」
「そうだな。しかもこの位置は……」
Nightは頭上を見上げた。天井には赤い結晶がはめ込まれている。
Nightの言いたいことは完全に理解した。
「アレだね」
「まあアレだろうな」
今度は淡々としていた。
あの赤い結晶から照射される光がきっとこの溝に当たれば何かがわかる。
と言うことはもう1日待つ必要があった。
何せ今はリアルタイムで真夜中だった。
あれからもう1週間。10月も中旬から後半に差し掛かって来ていた。
そんな中、突然のことに驚いている雷斬とベルはさておき、Nightとフェルノは少しだけ呆れている。あのフェルノが半信半疑だった。
「えっと、皆さんどうなされたのですか?」
「何だか浮かない顔ね。何かあったの?」
「うーん、何にも?」
「そうだな。誰かさん以外はな」
「間違いなく何かあったわよね。それで肝心のアキラはどうしてそんな顔をしているのかな?」
「だって、みんなは変な顔するんだもん」
アキラはベルに尋ねられ、本当のことを伝えた。
ジト目になっているNightと天を仰ぐフェルノ。
完全に信じていない様子に少しだけ頬を膨らませるアキラだった。
けれどアキラ自身、まだ確証はないので今回は完全に巻き込みだった。
「みんなごめんね。でも付き合ってくれてありがとう」
「まあ暇だったからねー。でも本当にできるのかな?」
「それはやってみてからだよ。ねっ、Night!」
「私を勝手に巻き込むな!」
Nightに普通に怒られた。
しょげてしまうアキラだったが、勝手に切り替えさせてもらう。
今回は勝手にが詰め込まれていた。
「それでこれは一体……」
「何で水の入った筒を持たされているもかな?」
雷斬とベルは首を捻っていた。
今回はNightに説明してもらう前に、簡単にやってみることにした。
「それじゃあ私とNightが同時に宝玉を流すから、2人は筒の水を溝に流して」
「わかりました」
「でもこれで何が変わるのかな?」
「いいからいいから。ものは試しだよ」
アキラとNightは石でできた本の前にスタンバイし、小さな滑り台に宝玉を転がした。
すると奉玉はコロコロと緩やかな加速を付けて転がっていき、床に彫りこまれた溝にすっぽりと落ちる。傾斜がほとんどないため転がらなかったが、雷斬とベルが水を注ぐと、これまたゆっくりと宝玉が転がっていく。
「これで何が変わるのでしょうか?」
雷斬の不安はもっともだ。しかし宝玉は緩やかな水の流れに押されると、突然壁の中に消えた。
アキラとNightが前もって調べていたが、この溝は壁の中まで繋がっている。
コンコンと甲高い音を響かせながら宝玉はまるで見えない迷路を進むみたいに、アキラたちの視界に入らない場所で何かを起こしていた。
すると宝玉の音が聞こえなくなってしまいどこかで詰まってしまったのか。
アキラ以外に不安がよぎる。
「やっぱり詰まっちゃったのかなー?」
「どうだろうな。アキラ、この責任は……」
「取らないよ。取る気もない。私たちは運命を変えたんだから」
「仰々しいな、お前」
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Nightの冷ややかなツッコミにもまるで動じず、その姿勢も崩したりしない。
「何も起きないぞ」
「大丈夫、絶対に運命は変わったから」
アキラがゴリ押しをすると、壁の中でカチッ! と音を立てた。
何かがくるくると回って歯車が回ったようだ。
カラクリが反応して壁の一部が突然開いて、溝に宝玉が戻ってくる。
「壁の中から宝玉が出てきた!」
「どうなっているのかしら」
「簡単だよ。これ、古代遺跡のカラクリ。謎を解こうとする人をわくわくさせるために仕掛けられていたんだよ!」
「何だそれ。これじゃあまるで……」
「流しそうめんみたいだねー」
フェルノは苦笑いを浮かべていた。だけど意外な仕掛けに楽しんでいる。
正直アキラも確証があったわけじゃない。あのまま詰まって出てこないなんてこと、普通に考えられた。
けれどアキラたちは運命を変えた。溝をヒントに水を流すことで、壁の中にある歯車の役割。水車を回して壁の仕掛けを開けたことになる。
「これは驚いたな。まさかこの間の毒沼の一件で閃くなんてな」
Nightは感嘆としていた。
この面白みはあるが一体誰がわかるのか。明らかに特定の行動をしなければ絶対に開けない道をアキラたちは無理やりこじ開けた。
何て、結局運ゲーとちょっとした閃きで開いただけだ。
「宝玉はどこに行くんだろ」
「真ん中にあった3つの窪みじゃない?」
「やっぱりそこだよね。でも全部透明な蓋で締まってたよ」
「いやそれなら大丈夫だ」
Nightは宝玉が溝にはまるのを待っていた。
すると2色の宝玉がほぼ同時に水の流れに乗ってやって来ると、ぴったり溝にはまった。
「あっ、これで終わりなんだ」
「でももう1つ窪みがあるよ?」
「そうですね。しかしこの位置、少しだけ中央からズレていませんか?」
「そうだな。しかもこの位置は……」
Nightは頭上を見上げた。天井には赤い結晶がはめ込まれている。
Nightの言いたいことは完全に理解した。
「アレだね」
「まあアレだろうな」
今度は淡々としていた。
あの赤い結晶から照射される光がきっとこの溝に当たれば何かがわかる。
と言うことはもう1日待つ必要があった。
何せ今はリアルタイムで真夜中だった。
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