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◇160 毒沼湿地
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「うわぁ、本当にじめじめしてる」
アキラはいつものことながら驚きから始まった。
目の前には鬱蒼とした森が広がっている。
かと思えばそれは見せかけで、奥に行けば期の数は圧倒的に少なくなるらしい。
と言うのも、これから行こうとしているのはこの森の先。真ん中にある湿地帯だ。
「凄いね、2人とも」
「そうですね。それにしてもじめじめしています」
「……はぁ」
アキラは振り替えてったのもしい友達に声を掛けた。
ベルはにこやかに微笑んでくれている。本心から来るものみたいで、怪訝そうではない。
一方もう1人は絶望的に気乗りしていない。
黒いマントがしなしなになっていて元気の欠片もない。
「どうしたのNight? 元気出してよ」
「元気なんか出るか。どうしてこんなところに……」
「だって砂漠はダメでしょ? すぐフラフラになるもん」
「それは言うな! だが湿地もないだろ」
「ないかなー?」
「私は構わないわ。だって砂漠暑いから」
「砂漠は夜間は寒くなるんだぞ。どうして湿地帯に……しかも、夜に来るんだ」
空は真っ暗闇だった。
頭上を見上げるとたくさんの星たちが輝いている。この間教わったくじら座に似た星座も探せばあるかもしれない。
だけどNightは見ている余裕もないのか、アキラとベルに水を差す。
「綺麗だね」
「そうね。何だかロマンチック」
「そうでもないだろ。星なんて都会でも見ようと思えば見られる」
「風情ないな。よっぽどロマンチックとは縁がないんだね」
「お前はあるのか?」
「まーったくないし、興味もないよ。でも星は綺麗だから私好きなんだ。【月跳】だもん」
「スキルを引き合いに出すな」
Nightのツッコミに棘がある。
早く帰りたいのか、ぬかるんだ地面を踏み荒らしていた。
1人で行くと危ない。何処からモンスターが出てくるかわからない。
アキラとベルはNightの隣をサンドイッチみたいに挟み込んだ。
「ちなみにどうしてこのメンバーなのかは……」
「おい、誰に話しているんだ」
「確認だよ。Nightも気になるでしょ」
「そんなの暇そうだからだろ。ベルはあれだな。付き合ってくれそうだからだ」
「正解!」
「合ってるのか……はぁ、これならピアノのレッスンを入れておくんだった」
アキラはNightを真っ先に誘った。
ドライブからメッセージを送ったのだが見て貰えないので、スマホを使って電話した。
寝ていたらしく寝ぼけた様子で、「なぁんだぁー」と電話に出たので、チャンスだと思った。
「明日、湿地帯に行こう!」とだけ言って電話を切ってしまったので来るしかなくなったみたいだ。
「しかもよりにもよって毒沼湿地何て……正直気乗りしない」
「毒沼湿地ってそんなに危険な場所なの?」
「当たり前だろ。毒沼と言うことは常に毒が放出されていることになる。長居すると感染するぞ」
「毒に感染するの? 毒ダメージが出るってことだよね」
「そうだ。ポーションがいくらあっても足りないぞ」
確かにソウラからたくさんポーションを受け取っていた。
インベントリの中もベルトのポーチにも、回復用のポーションでいっぱいだ。
いつものような機敏な動きができそうにない。
「アキラ、凄い数のポーションね」
「少し持ってよ。私前衛だから」
「いいわよ。おっ、結構量あるのね」
「これは流石に多すぎるな。インベントリにでも入れておけ」
緑色の青汁みたいな液体が入った瓶を、ベルとNightに手渡す。
1本辺り、大体200ミリリットルだ。
それを10本も20本も装備していたら動きにくいにもほどがある。
「ありがと。おかげで軽くなったよ」
「これだけの回復ポーションの数だ。一体何を採取つもりなんだ?」
「あれ? まだ言ってなかったかな。ソウラさんはドクハナを採取して来てって言ってたよ」
「ドクハナだと!?」
「何だか嫌な名前の花ね。毒があるみたい」
「多分あるよね。しかもモンスターの頭頂部に咲いているんだって」
「コミカルなモンスターなの?」
「わかんない。それでNightはどうして黙っているの? ……痛いっ!」
アキラはNightに蹴られた。
ブーツで足を蹴られたので普通に痛かった。
「どうして蹴るの!」
「お前がそんなヤバい依頼を持ってきたからだ」
「そんなにヤバいの? モンスターを倒すだけだよ?」
「それが難しいんだ。何たって相手は毒なんだぞ。触れられないんだぞ」
「「えっ!? 触れられないの」」
そんな情報聞いてない。ドクハナと言う名前だけで、それだけ脳内検索でヒットするのならきっと強くて危険なモンスターなのは間違いない。
何だか一変して不安になるが、ここで気圧されても仕方ない。
アキラは頬をバチンを勢いよく叩いた。気を引き締め直して、意識を切り替える。
まずは突拍子もないことから始める。
「とにかくやってみようよ! 大丈夫、これだけ回復ポーションがあるし私たちは強いんだからねっ!」
「フラグを下手に建てるな」
Nightにフラグ建設を否定されてしまった。
だけどアキラもベルもポジティブに考えることにしたので、ネガティブフラグには負けなかった。現代人には珍しい。
アキラはいつものことながら驚きから始まった。
目の前には鬱蒼とした森が広がっている。
かと思えばそれは見せかけで、奥に行けば期の数は圧倒的に少なくなるらしい。
と言うのも、これから行こうとしているのはこの森の先。真ん中にある湿地帯だ。
「凄いね、2人とも」
「そうですね。それにしてもじめじめしています」
「……はぁ」
アキラは振り替えてったのもしい友達に声を掛けた。
ベルはにこやかに微笑んでくれている。本心から来るものみたいで、怪訝そうではない。
一方もう1人は絶望的に気乗りしていない。
黒いマントがしなしなになっていて元気の欠片もない。
「どうしたのNight? 元気出してよ」
「元気なんか出るか。どうしてこんなところに……」
「だって砂漠はダメでしょ? すぐフラフラになるもん」
「それは言うな! だが湿地もないだろ」
「ないかなー?」
「私は構わないわ。だって砂漠暑いから」
「砂漠は夜間は寒くなるんだぞ。どうして湿地帯に……しかも、夜に来るんだ」
空は真っ暗闇だった。
頭上を見上げるとたくさんの星たちが輝いている。この間教わったくじら座に似た星座も探せばあるかもしれない。
だけどNightは見ている余裕もないのか、アキラとベルに水を差す。
「綺麗だね」
「そうね。何だかロマンチック」
「そうでもないだろ。星なんて都会でも見ようと思えば見られる」
「風情ないな。よっぽどロマンチックとは縁がないんだね」
「お前はあるのか?」
「まーったくないし、興味もないよ。でも星は綺麗だから私好きなんだ。【月跳】だもん」
「スキルを引き合いに出すな」
Nightのツッコミに棘がある。
早く帰りたいのか、ぬかるんだ地面を踏み荒らしていた。
1人で行くと危ない。何処からモンスターが出てくるかわからない。
アキラとベルはNightの隣をサンドイッチみたいに挟み込んだ。
「ちなみにどうしてこのメンバーなのかは……」
「おい、誰に話しているんだ」
「確認だよ。Nightも気になるでしょ」
「そんなの暇そうだからだろ。ベルはあれだな。付き合ってくれそうだからだ」
「正解!」
「合ってるのか……はぁ、これならピアノのレッスンを入れておくんだった」
アキラはNightを真っ先に誘った。
ドライブからメッセージを送ったのだが見て貰えないので、スマホを使って電話した。
寝ていたらしく寝ぼけた様子で、「なぁんだぁー」と電話に出たので、チャンスだと思った。
「明日、湿地帯に行こう!」とだけ言って電話を切ってしまったので来るしかなくなったみたいだ。
「しかもよりにもよって毒沼湿地何て……正直気乗りしない」
「毒沼湿地ってそんなに危険な場所なの?」
「当たり前だろ。毒沼と言うことは常に毒が放出されていることになる。長居すると感染するぞ」
「毒に感染するの? 毒ダメージが出るってことだよね」
「そうだ。ポーションがいくらあっても足りないぞ」
確かにソウラからたくさんポーションを受け取っていた。
インベントリの中もベルトのポーチにも、回復用のポーションでいっぱいだ。
いつものような機敏な動きができそうにない。
「アキラ、凄い数のポーションね」
「少し持ってよ。私前衛だから」
「いいわよ。おっ、結構量あるのね」
「これは流石に多すぎるな。インベントリにでも入れておけ」
緑色の青汁みたいな液体が入った瓶を、ベルとNightに手渡す。
1本辺り、大体200ミリリットルだ。
それを10本も20本も装備していたら動きにくいにもほどがある。
「ありがと。おかげで軽くなったよ」
「これだけの回復ポーションの数だ。一体何を採取つもりなんだ?」
「あれ? まだ言ってなかったかな。ソウラさんはドクハナを採取して来てって言ってたよ」
「ドクハナだと!?」
「何だか嫌な名前の花ね。毒があるみたい」
「多分あるよね。しかもモンスターの頭頂部に咲いているんだって」
「コミカルなモンスターなの?」
「わかんない。それでNightはどうして黙っているの? ……痛いっ!」
アキラはNightに蹴られた。
ブーツで足を蹴られたので普通に痛かった。
「どうして蹴るの!」
「お前がそんなヤバい依頼を持ってきたからだ」
「そんなにヤバいの? モンスターを倒すだけだよ?」
「それが難しいんだ。何たって相手は毒なんだぞ。触れられないんだぞ」
「「えっ!? 触れられないの」」
そんな情報聞いてない。ドクハナと言う名前だけで、それだけ脳内検索でヒットするのならきっと強くて危険なモンスターなのは間違いない。
何だか一変して不安になるが、ここで気圧されても仕方ない。
アキラは頬をバチンを勢いよく叩いた。気を引き締め直して、意識を切り替える。
まずは突拍子もないことから始める。
「とにかくやってみようよ! 大丈夫、これだけ回復ポーションがあるし私たちは強いんだからねっ!」
「フラグを下手に建てるな」
Nightにフラグ建設を否定されてしまった。
だけどアキラもベルもポジティブに考えることにしたので、ネガティブフラグには負けなかった。現代人には珍しい。
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