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◇149 小さな部屋
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アキラ達は湿った細い通路を歩いていた。
入り口から入って最初の部屋の床下が一段下がると、奥に行くための隠し通路が出てくるなんて想像していなかった。
アキラたちは前の壁が開くと思っていたが、空洞は全てブラフで、下にあるこの通路が次の部屋に行くための方法だったとは。難しすぎる。
「せ、狭いね」
「そうだな。私たちですらギリギリなのにこれ以上体格のいい人が通れるのかな?」
「どうだろうな。とは言え、その辺りも選別の意味があるんだろう」
「選別の意味って何?」
「簡単なことだ。誰かれ構わず遺跡内に侵入されて宝を盗み出されても困るだろう。これは無難の閃きではなく、小さな子供にしか攻略されないように仕掛けが施されているんだ」
「ちょっと待ってよ、それって私たちが……」
「子供ってことよね」
ベルに言われてしまい、アキラたちは痛感する。
「た、確かに狭いけど……それはないよね?」
「じゃあどうして通路がどんどん狭くなっているんだ」
「ううっ……それは、そうだけど」
「大丈夫ですよ。通れるだけありがたいです」
「ちょっと雷斬! 私の鳩尾に刀の鞘を押し付けないでよ。い、痛い……」
「す、すみません。私が下がりましょうか?」
「ちょっとやめて。痛い、痛い痛い。狭いからやめてよね!」
後ろは何をしているのかと思い、アキラたちは振り向いた。
雷斬とベルがもみくちゃになっている。どうしたらそんなことになるのか。
「2人とも詰まるな。帰れなくなるだろ」
「デスポはやだなー」
「最悪コイツで吹き飛ばす」
Nightの手には明らかに手榴弾が握られている。
いやいや危なすぎるでしょ! アキラは苦笑いをしながらそっとインベントリに仕舞ってもらう。
「えっと、雷斬たちは自力で来てもらうとして結構低いね」
「天井が下がってきているねー。腰を曲げないと通れないよー」
「スカートじゃなくてよかったな」
この通路が徐々に傾斜が付いて下がっていた。
天井が今にも頭に付きそうで腰を曲げないと背中も仕えてしまう。
「おっ、何か見えて来たよ!」
「光と言うことはこの先に何かあるな。おそらく通路の出口だろう」
「だったら早く行こうよ!」
「お、おい! 私も引っ張るな。フェルノも下ろうとするな!」
「えーのっ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ……以外に終わるの早いな」
傾斜を利用して滑り台みたいに下った。けれど思った以上に短くて変に顔をぶつけた。
アキラだけは何事もなかったが、フェルノは尻餅をつきNightは顔を床の煉瓦にぶつけた。痛そうだ。
「くっ、い、痛い……」
「思いっきりぶつけたね。大丈夫?」
「大丈夫ではないが。鼻をやったな」
「ちょっと出てるね鼻血。えーっと、ハンカチいる?」
「そんなもの自分で作る。どうしてこんな目に……」
機嫌が悪いのか、【ライフ・オブ・メイク】でハンカチとティッシュを作った。
鼻にティッシュを詰めていつもにはない馬鹿っぽさがある。なんか可愛い。
「可愛いよ、Night」
「何処が。最悪だ……ん?」
「2人も来たね。Night避けた方がいいよ」
アキラはNightを抱き寄せると雷斬たちも落ちてきた。
一応揃ったけどめちゃくちゃ狭くて息苦しい。
如何やらここは小部屋みたいで、左右には上げるタイプの扉があり、へんてこなレバーが付いている。
「何ここ?」
「狭いね。とっても狭くて息苦しいねー」
「喋るな。酸素が薄くなる」
ちなみにこのゲーム、酸素がなくても死ぬ。
普通にリアリティが高すぎてこんな場所に長居はできない。
「仕方ないな」
「あっ! Nightだけズルいよ!」
「酸素ボンベが出てくると、余計にファンタジー感が無くなるわね」
「いいだろう。私は解析班だからな」
「いつからそんなのできたの!」
Nightは酸素ボンベから1人だけ酸素を吸っている。
小さな小部屋の中で5人で取り残されてしまったが、気になるものが壁に書かれていた。
何かの暗号だろうか?
入り口から入って最初の部屋の床下が一段下がると、奥に行くための隠し通路が出てくるなんて想像していなかった。
アキラたちは前の壁が開くと思っていたが、空洞は全てブラフで、下にあるこの通路が次の部屋に行くための方法だったとは。難しすぎる。
「せ、狭いね」
「そうだな。私たちですらギリギリなのにこれ以上体格のいい人が通れるのかな?」
「どうだろうな。とは言え、その辺りも選別の意味があるんだろう」
「選別の意味って何?」
「簡単なことだ。誰かれ構わず遺跡内に侵入されて宝を盗み出されても困るだろう。これは無難の閃きではなく、小さな子供にしか攻略されないように仕掛けが施されているんだ」
「ちょっと待ってよ、それって私たちが……」
「子供ってことよね」
ベルに言われてしまい、アキラたちは痛感する。
「た、確かに狭いけど……それはないよね?」
「じゃあどうして通路がどんどん狭くなっているんだ」
「ううっ……それは、そうだけど」
「大丈夫ですよ。通れるだけありがたいです」
「ちょっと雷斬! 私の鳩尾に刀の鞘を押し付けないでよ。い、痛い……」
「す、すみません。私が下がりましょうか?」
「ちょっとやめて。痛い、痛い痛い。狭いからやめてよね!」
後ろは何をしているのかと思い、アキラたちは振り向いた。
雷斬とベルがもみくちゃになっている。どうしたらそんなことになるのか。
「2人とも詰まるな。帰れなくなるだろ」
「デスポはやだなー」
「最悪コイツで吹き飛ばす」
Nightの手には明らかに手榴弾が握られている。
いやいや危なすぎるでしょ! アキラは苦笑いをしながらそっとインベントリに仕舞ってもらう。
「えっと、雷斬たちは自力で来てもらうとして結構低いね」
「天井が下がってきているねー。腰を曲げないと通れないよー」
「スカートじゃなくてよかったな」
この通路が徐々に傾斜が付いて下がっていた。
天井が今にも頭に付きそうで腰を曲げないと背中も仕えてしまう。
「おっ、何か見えて来たよ!」
「光と言うことはこの先に何かあるな。おそらく通路の出口だろう」
「だったら早く行こうよ!」
「お、おい! 私も引っ張るな。フェルノも下ろうとするな!」
「えーのっ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ……以外に終わるの早いな」
傾斜を利用して滑り台みたいに下った。けれど思った以上に短くて変に顔をぶつけた。
アキラだけは何事もなかったが、フェルノは尻餅をつきNightは顔を床の煉瓦にぶつけた。痛そうだ。
「くっ、い、痛い……」
「思いっきりぶつけたね。大丈夫?」
「大丈夫ではないが。鼻をやったな」
「ちょっと出てるね鼻血。えーっと、ハンカチいる?」
「そんなもの自分で作る。どうしてこんな目に……」
機嫌が悪いのか、【ライフ・オブ・メイク】でハンカチとティッシュを作った。
鼻にティッシュを詰めていつもにはない馬鹿っぽさがある。なんか可愛い。
「可愛いよ、Night」
「何処が。最悪だ……ん?」
「2人も来たね。Night避けた方がいいよ」
アキラはNightを抱き寄せると雷斬たちも落ちてきた。
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ちなみにこのゲーム、酸素がなくても死ぬ。
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「仕方ないな」
「あっ! Nightだけズルいよ!」
「酸素ボンベが出てくると、余計にファンタジー感が無くなるわね」
「いいだろう。私は解析班だからな」
「いつからそんなのできたの!」
Nightは酸素ボンベから1人だけ酸素を吸っている。
小さな小部屋の中で5人で取り残されてしまったが、気になるものが壁に書かれていた。
何かの暗号だろうか?
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