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◇87 風の精霊
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アキラたちは、いつもの3人で揃っていた。
ギルドホームの中は黙って本を読むNightとごちゃごちゃと喋っているアキラとフェルノの構図で、いつも通り。
そんな中、ギルドホームにやって来たのは雷斬。その右手は別の誰かと繋がれている。
「皆さん、もう揃っていますか?」
「雷斬。……誰かいるの?」
「はい。ベル、いいですね」
「いいですね……って、別に顔ぐらいは出すわよ」
早速誰かいることに気が付いたアキラは、雷斬の手の先にいる誰かを察する。
右腕だけが張っていて、おまけに廊下の向こう側から気配を感じた。
すると、Nightが何かを感づく。
「シルフィードか。また珍しい、種族だな」
「Night、誰がいるのかわかるの!」
「わかる? この位置からは廊下が見えるからな。女子、高校生だな」
「ちょっと、それだけ当てたら意味ないでしょ!」
完全に非公開にする理由がない。
意味がなくなったとは、まさにこのことで今目の前で体現された。けれど、残念なのはNightの前でそういうことをしようとしたことだ。
アキラもNightもそういう空気を全力でぶち壊してしまうから。
「ここまで言われてしまったら、意味ないですね。紹介します、私の親友で今回頑張っていただくベルです」
廊下から顔を出したのは確かに女の子だった。親友と言う言葉から、多分高校生。
すらっとしていて背が高く、緑をまぶしたような金髪。明るい雰囲気を感じた。
白い肌にスッとした表情。目は大きくて、よく見えそうだ。だけど何より気になるのは……
「凄いカールだね」
「あっ、先にそこが気になるんだ。聞いてた通り過ぎかな」
何だろう。あまり好感が持てる反応がない。
雷斬の説明に不安視したアキラは、ごくりと喉を鳴らす。
すると風のように左の前髪だけが、風のようにカールしている少女ベルは、一応自己紹介をした。
「私が雷斬に呼ばれてやって来た、ベル。本名は……言った方がいい?」
「別にどちらでも」
「そっか。じゃあ今はパスで。そこの子が言ったように、種族はシルフィード。固有スキルは後で見せるからお楽しみにってことで。後先に言っておくけど、私はギルドに入る気は今のところないから。そのつもりでね」
何だろう、テンポ感が早い気がした。
いいたいことをズバリと言いつけて、満足する子みたいだ。変わり者。何故かそんな印象を客観的に獲得したNightは、本をパタリと閉じた。
「……面白いな」
誰にも聞こえない程度の声でそう呟く。
すると同調したのか、聞かれてしまったのか、アキラは口にする。
「はっきり言ってくれてありがとう。でも私、そういう子嫌いじゃないんだ」
「えっ!? 本当に変わってるね」
「変わっているって言い方は好きじゃないけど、そうかも。見た目的にわかると思うけど、私はヒューマンなんだ。名前はアキラ。本名は今はいいよね」
「アキラ……男の子みたいね」
「あはは。よく言われる」
言われるか? Nightは率直にレスポンス使用したが、思い留まる。
すると今度はフェルノが手を挙げた。凄いアグレッシブな動きだ。
「はいはいはーい。私はフェルノ。インフェルノのフェルノ。種族は珍しいファイアドレイクだよ。ねえねえ、その腕の筋肉何かスポーツやってるの?」
「こっちはガンガン来るわね。一応弓道と……」
「そっか。じゃあ今回のクエストにぴったりだね」
「だね。こんな子がいたなんて、もっと早く誘ってもよかったの」
「すみません」
雷斬は何故か謝る。
その行動とテンポ感の嵐について行けなくなったベルとNightのうち、最初に下車したNightは取り残される前に自己紹介だけ軽く済ませた。置いてけぼりは、ベルだけになる。
「それじゃあベルさん。一緒にクエスト行こう」
「いきなりね。って言うか、雷斬。貴女こんな子たちと一緒にいたの?」
「はい。楽しいですよね」
「楽しいって言うか、個性よね。私なんかちっぽけになるぐらい強いすぎる」
だからいいのかもしれない。そう思い始めたのは、ここからだった。
ギルドホームの中は黙って本を読むNightとごちゃごちゃと喋っているアキラとフェルノの構図で、いつも通り。
そんな中、ギルドホームにやって来たのは雷斬。その右手は別の誰かと繋がれている。
「皆さん、もう揃っていますか?」
「雷斬。……誰かいるの?」
「はい。ベル、いいですね」
「いいですね……って、別に顔ぐらいは出すわよ」
早速誰かいることに気が付いたアキラは、雷斬の手の先にいる誰かを察する。
右腕だけが張っていて、おまけに廊下の向こう側から気配を感じた。
すると、Nightが何かを感づく。
「シルフィードか。また珍しい、種族だな」
「Night、誰がいるのかわかるの!」
「わかる? この位置からは廊下が見えるからな。女子、高校生だな」
「ちょっと、それだけ当てたら意味ないでしょ!」
完全に非公開にする理由がない。
意味がなくなったとは、まさにこのことで今目の前で体現された。けれど、残念なのはNightの前でそういうことをしようとしたことだ。
アキラもNightもそういう空気を全力でぶち壊してしまうから。
「ここまで言われてしまったら、意味ないですね。紹介します、私の親友で今回頑張っていただくベルです」
廊下から顔を出したのは確かに女の子だった。親友と言う言葉から、多分高校生。
すらっとしていて背が高く、緑をまぶしたような金髪。明るい雰囲気を感じた。
白い肌にスッとした表情。目は大きくて、よく見えそうだ。だけど何より気になるのは……
「凄いカールだね」
「あっ、先にそこが気になるんだ。聞いてた通り過ぎかな」
何だろう。あまり好感が持てる反応がない。
雷斬の説明に不安視したアキラは、ごくりと喉を鳴らす。
すると風のように左の前髪だけが、風のようにカールしている少女ベルは、一応自己紹介をした。
「私が雷斬に呼ばれてやって来た、ベル。本名は……言った方がいい?」
「別にどちらでも」
「そっか。じゃあ今はパスで。そこの子が言ったように、種族はシルフィード。固有スキルは後で見せるからお楽しみにってことで。後先に言っておくけど、私はギルドに入る気は今のところないから。そのつもりでね」
何だろう、テンポ感が早い気がした。
いいたいことをズバリと言いつけて、満足する子みたいだ。変わり者。何故かそんな印象を客観的に獲得したNightは、本をパタリと閉じた。
「……面白いな」
誰にも聞こえない程度の声でそう呟く。
すると同調したのか、聞かれてしまったのか、アキラは口にする。
「はっきり言ってくれてありがとう。でも私、そういう子嫌いじゃないんだ」
「えっ!? 本当に変わってるね」
「変わっているって言い方は好きじゃないけど、そうかも。見た目的にわかると思うけど、私はヒューマンなんだ。名前はアキラ。本名は今はいいよね」
「アキラ……男の子みたいね」
「あはは。よく言われる」
言われるか? Nightは率直にレスポンス使用したが、思い留まる。
すると今度はフェルノが手を挙げた。凄いアグレッシブな動きだ。
「はいはいはーい。私はフェルノ。インフェルノのフェルノ。種族は珍しいファイアドレイクだよ。ねえねえ、その腕の筋肉何かスポーツやってるの?」
「こっちはガンガン来るわね。一応弓道と……」
「そっか。じゃあ今回のクエストにぴったりだね」
「だね。こんな子がいたなんて、もっと早く誘ってもよかったの」
「すみません」
雷斬は何故か謝る。
その行動とテンポ感の嵐について行けなくなったベルとNightのうち、最初に下車したNightは取り残される前に自己紹介だけ軽く済ませた。置いてけぼりは、ベルだけになる。
「それじゃあベルさん。一緒にクエスト行こう」
「いきなりね。って言うか、雷斬。貴女こんな子たちと一緒にいたの?」
「はい。楽しいですよね」
「楽しいって言うか、個性よね。私なんかちっぽけになるぐらい強いすぎる」
だからいいのかもしれない。そう思い始めたのは、ここからだった。
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