65 / 575
◇65 初日、森林1
しおりを挟む
いよいよ、イベントがスタートした。
そこで最初に森林にやって来た。
如何してここなのか、それは比較的安全で、モンスターのレベルが低い。それに近いからだ。
「って思ってたけど」
「まさかこんなに人がいるなんてねー」
森林の中には、たくさんの人がいた。
しかも皆んなプレイヤーで、血眼になって探し物をしている。
木の上や草むらの中、地面の中と様々なところを探し回っている。その手には、キラキラと光る金色の縁取りのメダルが握られている。
「凄いね、皆んな血眼だよ」
「まさかここまでとはな。これは、相当参加者の数がいる」
「仕方ないよねー。私たち、学校帰りで部活終わりなんだもん」
「それはお前だけだろ」
「むっ。いいじゃんかー、別にー」
フェルノは怒った。
すると、Nightは周囲を見回すと、溜息を吐く。
「この辺りは既に狩りつくされているな」
「そうだね。皆んな移動し始めたよ」
「遅れを取るとこうなるか。よし、少し先に行くぞ。この先には確か川が流れていたはずだ。足下は緩くて、危険だがメダルの可能性は高いはずだ」
確かにそれならあり得るかもしれない。
普通人が行きたがらない場所にこそ、星の多いメダルは隠されているはずだ。
少し危険でも行ってみる価値はある。そう思った三人は、他のプレイヤーが東に行く中、西の方に向かって歩き出した。
西の方に向かうと、そこには流れの急な川が流れていた。
川の下には、大きな石がいくつも埋まっていて、落ちたら危なそうだ。
それに蔦なども生えていて、危なそうだった。と言うか、危ない森だった。
「なに、この明らかに危ない感じが見え見えな森?」
「なに言ってんのさー。別に問題ないでしょー?」
「だが煌めきはない」
「Night的に、煌めきはありなのかな?」
「私が煌めきと言うのは、不自然か? それとも、気に入らないか?」
「ううん。全然いいよ」
「どっちなんだ、お前の態度は」
と言うわけで、三人はそれぞれ別々にメダルを集めることにした。
アキラは川。Nightは、蔦の向こう側。それからフェルノは、木の上を見て回っていた。
「うーん、そう簡単には見つからないのかな?」
「こっちはあったぞ」
「早っ!」
アキラは顔を上げた。
するとNightの手の中には、黄金に輝く縁取りがされたメダルが握られている。
金色の縁に緑色の面の部分。ラメが入っていて、綺麗だったが、そこには星が一つだけだった。それもそうだよね、星は一つのが多いと思っていた。
「星は一つ。まあ妥当か」
「やっぱりそうだよね。いきなり星が多いのは、手に入らないよね」
「だが数を手にすれば、質にも勝ることもある。とりあえず、かき集めるぞ」
「わかった。こっちも探しているね」
「……転ぶなよ」
Nightはアキラに忠告した。
この辺りの地面は苔も生えていて、滑りやすくなっている。
下の方を見てからアキラに伝えたのはそのためだった。けれど、本人は……
「よーし、とりあえず川の中とかにあるかもしれないよね。頑張って探してみよう!」
一番危険な川の中を覗き込んでいた。
するとキラキラと乱反射するものが、水の中に見えた。
金色の縁取り、間違いないメダルだ。アキラは飛び跳ねる勢いだった。
「早速見つけられた。でも、流れも急だし、川の中は石で危なそうだし、如何しよう……」
とりあえず、落ちていた木の棒で拾い上げられないか試してみた。
しかし圧倒的に長さが足りていない。
そこでアキラはゆっくり、川の中に入る覚悟をしたのだが、ちょっとマズいことになっていた。
バクッ! ——
「あっ、ちょっと待ってよ!」
魚が食べてしまった。
こんな漫画みたいな展開ありますか? 私は別に待ってないのに。
アキラは如何しようかと悩みながら、仕方ないとばかりに川には入らず、インベントリから釣竿を出した。もう、釣るしかないでしょ。
そこで最初に森林にやって来た。
如何してここなのか、それは比較的安全で、モンスターのレベルが低い。それに近いからだ。
「って思ってたけど」
「まさかこんなに人がいるなんてねー」
森林の中には、たくさんの人がいた。
しかも皆んなプレイヤーで、血眼になって探し物をしている。
木の上や草むらの中、地面の中と様々なところを探し回っている。その手には、キラキラと光る金色の縁取りのメダルが握られている。
「凄いね、皆んな血眼だよ」
「まさかここまでとはな。これは、相当参加者の数がいる」
「仕方ないよねー。私たち、学校帰りで部活終わりなんだもん」
「それはお前だけだろ」
「むっ。いいじゃんかー、別にー」
フェルノは怒った。
すると、Nightは周囲を見回すと、溜息を吐く。
「この辺りは既に狩りつくされているな」
「そうだね。皆んな移動し始めたよ」
「遅れを取るとこうなるか。よし、少し先に行くぞ。この先には確か川が流れていたはずだ。足下は緩くて、危険だがメダルの可能性は高いはずだ」
確かにそれならあり得るかもしれない。
普通人が行きたがらない場所にこそ、星の多いメダルは隠されているはずだ。
少し危険でも行ってみる価値はある。そう思った三人は、他のプレイヤーが東に行く中、西の方に向かって歩き出した。
西の方に向かうと、そこには流れの急な川が流れていた。
川の下には、大きな石がいくつも埋まっていて、落ちたら危なそうだ。
それに蔦なども生えていて、危なそうだった。と言うか、危ない森だった。
「なに、この明らかに危ない感じが見え見えな森?」
「なに言ってんのさー。別に問題ないでしょー?」
「だが煌めきはない」
「Night的に、煌めきはありなのかな?」
「私が煌めきと言うのは、不自然か? それとも、気に入らないか?」
「ううん。全然いいよ」
「どっちなんだ、お前の態度は」
と言うわけで、三人はそれぞれ別々にメダルを集めることにした。
アキラは川。Nightは、蔦の向こう側。それからフェルノは、木の上を見て回っていた。
「うーん、そう簡単には見つからないのかな?」
「こっちはあったぞ」
「早っ!」
アキラは顔を上げた。
するとNightの手の中には、黄金に輝く縁取りがされたメダルが握られている。
金色の縁に緑色の面の部分。ラメが入っていて、綺麗だったが、そこには星が一つだけだった。それもそうだよね、星は一つのが多いと思っていた。
「星は一つ。まあ妥当か」
「やっぱりそうだよね。いきなり星が多いのは、手に入らないよね」
「だが数を手にすれば、質にも勝ることもある。とりあえず、かき集めるぞ」
「わかった。こっちも探しているね」
「……転ぶなよ」
Nightはアキラに忠告した。
この辺りの地面は苔も生えていて、滑りやすくなっている。
下の方を見てからアキラに伝えたのはそのためだった。けれど、本人は……
「よーし、とりあえず川の中とかにあるかもしれないよね。頑張って探してみよう!」
一番危険な川の中を覗き込んでいた。
するとキラキラと乱反射するものが、水の中に見えた。
金色の縁取り、間違いないメダルだ。アキラは飛び跳ねる勢いだった。
「早速見つけられた。でも、流れも急だし、川の中は石で危なそうだし、如何しよう……」
とりあえず、落ちていた木の棒で拾い上げられないか試してみた。
しかし圧倒的に長さが足りていない。
そこでアキラはゆっくり、川の中に入る覚悟をしたのだが、ちょっとマズいことになっていた。
バクッ! ——
「あっ、ちょっと待ってよ!」
魚が食べてしまった。
こんな漫画みたいな展開ありますか? 私は別に待ってないのに。
アキラは如何しようかと悩みながら、仕方ないとばかりに川には入らず、インベントリから釣竿を出した。もう、釣るしかないでしょ。
1
お気に入りに追加
221
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。
私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました
新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。
後輩と一緒にVRMMO!~弓使いとして精一杯楽しむわ~
夜桜てる
SF
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。
多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』
一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。
主人公が後輩女子とイチャイチャしつつも、とにかくVRゲームを楽しみ尽くす!!
小説家になろうからの転載です。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる