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◇42 滝の裏の洞窟へ
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次の日のことだった。
放課後帰って来た明輝は早速ログインすると、Nightとフェルノと一緒に、蛇の胃袋を目指すことにした。
昨日通った小川を目印にして、少しずつ上流に上がれば見えて来るらしい。
三人の足取りは軽やかだった。
「そう言えば、滝の裏側にあるって言われてるのに、誰も討伐できなかったんだね」
「そうだよね。それも少し不思議かも」
「単純な話だ。こんな序盤の序盤のエリアには見合っていないレベルのモンスターってだけだ。大抵のプレイヤーはこのゲームの奥行きをわかっていないからな」
「あれ? まるでわかったような言い方じゃー、ありませんか」
「フェルノ、そんな言い方しなくてもいいでしょ」
「ごめんごめん。でも、Nightには勝ち目があるってこと?」
「一人では無理かもしれないな。しかし、環境を巧みに使うことに関しては、ある程度のプランはある。はまるかどうかは、運次第だがな」
凄い。作戦を考えていたんだ。
アキラは感心したけれど、少しだけ歯痒いことにも気が付いたので、試しに追及してみる。
「ねえNight」
「なんだ」
「今さ、一人じゃ無理って言ってたけど、もしかして私たちのこと、信頼してくれてるの?」
「なぁ!?」
可憐な声を上げた。
頬が少し赤らんで、耳の先が同じような感じだった。
するとフェルノも乗っかった。
「へぇー、そうなんだー。Nightって、クールに見えて、実は可愛いねー」
「うんうん。Nightって可愛いよね」
「ねー」
すると余計に真っ赤になる。
赤くなっていく顔色を見て、リンゴみたいと思ったが、Nightが怒っていた。
そのことに即座に気づいた私は言葉を詰まらせる。
「お前たち、私に可愛い可愛い連呼するな」
「だって本当のことだよー。もしかして、クールな方が性に合ってた?」
「後でどうなっても知らないぞ」
ピキッと嫌な予感がした。
しかしフェルノも流石に気づいたらしい。平謝りをしていた。
これで許してくれたらいいけど、それからしばらくの間、Nightは口すら利いてくれなかった。
非常に怖い時間が続いたが、その後淡々と歩いていると、早い段階で、水の流れる音が聞こえてきた。
「ん? 皆んな、一旦止まって」
「如何したの? フェルノ」
「静かにして。水の落ちる音がするよー」
少し黙ってみた。
自然の音がする。
すると遠くの方で、何かが降り落ちる音がした。
ザザザザザァーーーーー! ——
この音はかなり激しい。
三人は揃って向かうと、そこには雄大で巨大な滝が存在していた。
水飛沫が上がる。涼しい。
ここまでの疲労感を全て洗い流すみたいで、如何やら降ってくる滝の水自体には、毒は含まれていないようだった。
「うわぁー、めっちゃ涼しいよ!」
「そうだねー。まさかこんなに大きな滝だとは、思わなかったなー」
「そうだな。とりあえず、水を採取してみるか」
Nightはインベントリから、ビーカーを取り出すと、滝壺に広がる水を掬い上げた、
すると、少し濁っている。その中に指を入れてみたNightは気づくことがあった。
(溶けない? なるほど、多少の水では溶けないのか。しかし少しヒリヒリする。酸性は、合っている。しかし、皮膚を溶かす?)
Nightは色々考えていた。
しかし次の瞬間、首筋が冷たくなった。
「きゅん!」
「きゅん?」
振り返ると、そこにはフェルノがいた。
首筋に水を掛けられたんだ。冷たい。あまりにも冷たくて、背筋がぞくっとした。
そのせいであんな声が出たのだが、それよりも怒りと恥ずかしさが先行してしまい、Nightは無言の圧力を発動。
その結果、洞窟の入り口を見るまで、何も話しをしてくれなかった。ちょっぴり怖い。
「ごめんって、Night」
「そうだよ、ただの冗談じゃんか」
「お前たち、私が早々怒らなくてよかったなぁ!」
「「ああ、これは怖いタイプだ」」
二人はそれを悟った。
しかし、Nightの目が怖くてそれ以上踏み込めなかった。
放課後帰って来た明輝は早速ログインすると、Nightとフェルノと一緒に、蛇の胃袋を目指すことにした。
昨日通った小川を目印にして、少しずつ上流に上がれば見えて来るらしい。
三人の足取りは軽やかだった。
「そう言えば、滝の裏側にあるって言われてるのに、誰も討伐できなかったんだね」
「そうだよね。それも少し不思議かも」
「単純な話だ。こんな序盤の序盤のエリアには見合っていないレベルのモンスターってだけだ。大抵のプレイヤーはこのゲームの奥行きをわかっていないからな」
「あれ? まるでわかったような言い方じゃー、ありませんか」
「フェルノ、そんな言い方しなくてもいいでしょ」
「ごめんごめん。でも、Nightには勝ち目があるってこと?」
「一人では無理かもしれないな。しかし、環境を巧みに使うことに関しては、ある程度のプランはある。はまるかどうかは、運次第だがな」
凄い。作戦を考えていたんだ。
アキラは感心したけれど、少しだけ歯痒いことにも気が付いたので、試しに追及してみる。
「ねえNight」
「なんだ」
「今さ、一人じゃ無理って言ってたけど、もしかして私たちのこと、信頼してくれてるの?」
「なぁ!?」
可憐な声を上げた。
頬が少し赤らんで、耳の先が同じような感じだった。
するとフェルノも乗っかった。
「へぇー、そうなんだー。Nightって、クールに見えて、実は可愛いねー」
「うんうん。Nightって可愛いよね」
「ねー」
すると余計に真っ赤になる。
赤くなっていく顔色を見て、リンゴみたいと思ったが、Nightが怒っていた。
そのことに即座に気づいた私は言葉を詰まらせる。
「お前たち、私に可愛い可愛い連呼するな」
「だって本当のことだよー。もしかして、クールな方が性に合ってた?」
「後でどうなっても知らないぞ」
ピキッと嫌な予感がした。
しかしフェルノも流石に気づいたらしい。平謝りをしていた。
これで許してくれたらいいけど、それからしばらくの間、Nightは口すら利いてくれなかった。
非常に怖い時間が続いたが、その後淡々と歩いていると、早い段階で、水の流れる音が聞こえてきた。
「ん? 皆んな、一旦止まって」
「如何したの? フェルノ」
「静かにして。水の落ちる音がするよー」
少し黙ってみた。
自然の音がする。
すると遠くの方で、何かが降り落ちる音がした。
ザザザザザァーーーーー! ——
この音はかなり激しい。
三人は揃って向かうと、そこには雄大で巨大な滝が存在していた。
水飛沫が上がる。涼しい。
ここまでの疲労感を全て洗い流すみたいで、如何やら降ってくる滝の水自体には、毒は含まれていないようだった。
「うわぁー、めっちゃ涼しいよ!」
「そうだねー。まさかこんなに大きな滝だとは、思わなかったなー」
「そうだな。とりあえず、水を採取してみるか」
Nightはインベントリから、ビーカーを取り出すと、滝壺に広がる水を掬い上げた、
すると、少し濁っている。その中に指を入れてみたNightは気づくことがあった。
(溶けない? なるほど、多少の水では溶けないのか。しかし少しヒリヒリする。酸性は、合っている。しかし、皮膚を溶かす?)
Nightは色々考えていた。
しかし次の瞬間、首筋が冷たくなった。
「きゅん!」
「きゅん?」
振り返ると、そこにはフェルノがいた。
首筋に水を掛けられたんだ。冷たい。あまりにも冷たくて、背筋がぞくっとした。
そのせいであんな声が出たのだが、それよりも怒りと恥ずかしさが先行してしまい、Nightは無言の圧力を発動。
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「ごめんって、Night」
「そうだよ、ただの冗談じゃんか」
「お前たち、私が早々怒らなくてよかったなぁ!」
「「ああ、これは怖いタイプだ」」
二人はそれを悟った。
しかし、Nightの目が怖くてそれ以上踏み込めなかった。
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