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◇26 カエルを狩る吸血鬼
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草原の色は若葉模様。
そんな草原にひっそりと浮かぶ影。同じ緑でも、少し青くて何よりデカい。
青みがかった巨大なカエルは、アキラたちが近づいていることなど、まるで気づいている様子はなく、裕然と頬の袋を膨らませるのだ。
座っているのか、それとも立っているのか、一体どこを向いているのか、それすらよくわからない。
そんなカエルだったが、突然視界に黒いものが浮かび上がる。
グーグー!——
「失せろ」
銀色の髪が逆光を受けて、光り出す。
眩い輝きが秘められ、覚醒した瞬間、巨大な光の球となって、鉛色の剣が脳天を貫いた。
緑色のバーが赤に変わる。
そのままHPバーの表示は黒くなって消滅した。
あまりに速い。目にもとまらぬ速さだった。
いや、少し違う。なにが違うのか、それはそばで見ていたアキラだからわかった。
「今の凄いね、Night。下から接近して、急にマントを飛ばすなんて」
「カエルは目の前に来た獲物を食うからな。それが例え、食えないマントであったとしても、一瞬は隙が生まれる。そのタイミングで、剣をしたから飛ばして投げつけただけだ」
今の一瞬の間で、Nightがやったことは、ゲームの中でしかできないようなこと。
それこそ、Nightだからこそ思いついたような、規格外の方法だた。
何よりマントを飛ばして、それを目隠しにするでもなく囮に使う。それは理解できるが、剣を投げるなんて真似はしない。そんな不確定すぎる行為を使えば、それはそれで外した時のリスクがあるからだ。
しかしその賭けすら、確実に変える。
Nightがやったのは、イカサマではなく、それこそ不確定な要素を排除した完成形の動きだった。
しかしそんなNightでも突然のことまでは流石に察せられない欠点を持つ。完壁ではないんだ。そんな人間はこの世にいない。だからこそ、それを補い合うんだ。
と言うのも、
「あはは凄いね、Night。だって、剣の柄に糸を通して、下投げするなんて」
「この方が確実に仕留められる」
「確実かな、それ? まあいっか。そうだ、Night」
「如何した?」
「後ろ危ないよ」
「はぁ!?」
バクッ!——
Nightは油断していた。
後ろから襲われたことじゃない。それには気づいていた。しかし、彼女の思考の斜め上を行っていたのは、アキラがその後、すかさずジャイアントフロッグを剣で突き刺したところだった。
「大丈夫、Night!」
「ああ。だが、もう少し早く言え」
「ご、ごめん。うわぁ!」
急に剣が飛び出した。危うくアキラの方が死にかけた。一体何が起こったのか、それは上から下に突き刺した、アキラの剣と、口の中から、剣を突き上げたNight。
危うくも危うく。アキラは直撃して死んでいたところだった。だけど、ここぞの強運と、Nightの計算によって、上手く噛み合って、回避したんだ。
「くはぁ! うわぁ。汚い」
「Nightドロドロだね。なんか、ごめんね。先に言えばよかったのに、気づいていると思ってて」
するとNightの目から、「お前な」と言いたげな気配を感じた。
凶悪な眼力だ。アキラは一瞬身震いしたが、粘液と唾液でドロドロのベタベタになってNightは、顔を顰めると、そのまま剣を研ぎ、
「帰るぞ。今日の収穫はここまでだ」
「う、うん。なんかごめん」
「別にいい。気にするな」
気にするなって言われても気になる。
だって、Nightの黒いマントが唾液でベトベトでてかっていたからだ。
そんな草原にひっそりと浮かぶ影。同じ緑でも、少し青くて何よりデカい。
青みがかった巨大なカエルは、アキラたちが近づいていることなど、まるで気づいている様子はなく、裕然と頬の袋を膨らませるのだ。
座っているのか、それとも立っているのか、一体どこを向いているのか、それすらよくわからない。
そんなカエルだったが、突然視界に黒いものが浮かび上がる。
グーグー!——
「失せろ」
銀色の髪が逆光を受けて、光り出す。
眩い輝きが秘められ、覚醒した瞬間、巨大な光の球となって、鉛色の剣が脳天を貫いた。
緑色のバーが赤に変わる。
そのままHPバーの表示は黒くなって消滅した。
あまりに速い。目にもとまらぬ速さだった。
いや、少し違う。なにが違うのか、それはそばで見ていたアキラだからわかった。
「今の凄いね、Night。下から接近して、急にマントを飛ばすなんて」
「カエルは目の前に来た獲物を食うからな。それが例え、食えないマントであったとしても、一瞬は隙が生まれる。そのタイミングで、剣をしたから飛ばして投げつけただけだ」
今の一瞬の間で、Nightがやったことは、ゲームの中でしかできないようなこと。
それこそ、Nightだからこそ思いついたような、規格外の方法だた。
何よりマントを飛ばして、それを目隠しにするでもなく囮に使う。それは理解できるが、剣を投げるなんて真似はしない。そんな不確定すぎる行為を使えば、それはそれで外した時のリスクがあるからだ。
しかしその賭けすら、確実に変える。
Nightがやったのは、イカサマではなく、それこそ不確定な要素を排除した完成形の動きだった。
しかしそんなNightでも突然のことまでは流石に察せられない欠点を持つ。完壁ではないんだ。そんな人間はこの世にいない。だからこそ、それを補い合うんだ。
と言うのも、
「あはは凄いね、Night。だって、剣の柄に糸を通して、下投げするなんて」
「この方が確実に仕留められる」
「確実かな、それ? まあいっか。そうだ、Night」
「如何した?」
「後ろ危ないよ」
「はぁ!?」
バクッ!——
Nightは油断していた。
後ろから襲われたことじゃない。それには気づいていた。しかし、彼女の思考の斜め上を行っていたのは、アキラがその後、すかさずジャイアントフロッグを剣で突き刺したところだった。
「大丈夫、Night!」
「ああ。だが、もう少し早く言え」
「ご、ごめん。うわぁ!」
急に剣が飛び出した。危うくアキラの方が死にかけた。一体何が起こったのか、それは上から下に突き刺した、アキラの剣と、口の中から、剣を突き上げたNight。
危うくも危うく。アキラは直撃して死んでいたところだった。だけど、ここぞの強運と、Nightの計算によって、上手く噛み合って、回避したんだ。
「くはぁ! うわぁ。汚い」
「Nightドロドロだね。なんか、ごめんね。先に言えばよかったのに、気づいていると思ってて」
するとNightの目から、「お前な」と言いたげな気配を感じた。
凶悪な眼力だ。アキラは一瞬身震いしたが、粘液と唾液でドロドロのベタベタになってNightは、顔を顰めると、そのまま剣を研ぎ、
「帰るぞ。今日の収穫はここまでだ」
「う、うん。なんかごめん」
「別にいい。気にするな」
気にするなって言われても気になる。
だって、Nightの黒いマントが唾液でベトベトでてかっていたからだ。
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