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第4章
6回裏②/緊急対策
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<救護室>
山本先生の顔を見たうのは、ポロポロと涙を落とした。我慢していたものが決壊したように溢れ出す涙が止まらない。
「先生、わたし、バレちゃった。わかたかの生徒に女だってことバレちゃったんです」
「うのちゃん......」
山本先生はうのを抱きしめる。
「大丈夫?怪我はない?」
うなずくうの。
「右腕の手当てしないとね」
山本先生がうのの右腕の包帯を巻き直しているところに、わかたか学園一年3人組が駆け込んできた。うのの表情が強張る。
「何よ、あなたたち。何しに来たのよ。どうしてうのちゃんに酷いことしたの。野球選手でしょう。だったら野球で勝負しなさいよ」
山本先生の強い口調に、
「分かってます。もう、ホントに君島選手には申し訳ない気持ちでいっぱいなんです」
「まさか女子だなんて、本当に思ってもいなくて」
「そうなんです。あの、さっきのホームラン、すごかったです」
「感動しました」
「俺たち、何やってんだろうって」
「もっとちゃんと野球がしたいって思ったんです」
3人組は申し訳なさそうに深々と頭を下げた。反省している。それが真っ直ぐに伝わって来た。
「あなたたち......」
「本当にすいませんでした。でも、みすず先生、ゆっくりしている時間はないんです。うちのモモ先輩、いや花畑の弟の方なんですが、君島選手を狙ってます。あの人は元々気の荒い人なんですが、今日は降板させられて更にメチャ荒れてるんです。君島選手が捕まったら本当にまたズボン脱がされちゃいます」
3人組の1人が早口でまくし立てる。
「何のこと。もう少し落ち着いて話しなさい」
山本先生が3人組を落ち着かせようとするが、落ち着いている場合ではないのだ。
「あの、君島選手はまだ……ノーパンのままですよね?」
「ノーパン?」
山本先生がうのを振り向くと、うのは俯いて小さくうなずいた。
「もう、何をしてるのよ。返してあげなさいよ」
「いや、これを履かせても、お兄ちゃん先輩ならいざ知らず、モモ先輩はすぐに女子だと気づきます」
「あの人はホントにヤバいんです」
「先生、ここは君島選手にふんどしを履かせるしかないです」
「あなたたちって、ホントに分けわかんないわね」
「でも、先生、マジでモモ先輩はやばいですから」
「マジです」
「先生」
事態の全貌は分からないが、とにかくうのにとって何かとてもヤバいことが近づいていることは分かった。そして、今のうのがノーパンで、花畑弟がうのがふんどしを履いているかどうかを確かめに来るらしい。そうなった経緯も理由も何となく想像はついた。
「分かった、分かった、でも、ふんどしなんてどうすれば」
「さらしがあるじゃないですか?」
3人組の1人がうのの胸を指さした。
「えっ、さらし?」
全員の視線がうのの胸に集まる。うのは慌てて胸をを押さえた。
「ここは背に腹はかえられません、というか、おっぱいにアソコはかえられませんよ」
「それ全然上手いこと言ってないからね」
山本先生が突っ込む。
「今のモモ先輩の目的はふんどしオンリーですから、胸にまでは目がいかないと思います。大丈夫です。ね、やりましょう」
「分かった。じゃあ胸にはタオルを巻こう。もう試合に出るんじゃないから大丈夫よね、うのちゃん」
「そうしましょう、早く、早く」
三人組が興味津々ワクワクの表情でうのの胸を見つめている。
「何よ、そこにいるつもり、ちょっと部屋から出てなさいよ」
「は、はい」
山本先生に追い出されて、3人組は救護室から出た。
<6回裏>
久々の登板になったマモルは内心不安で一杯だったが、この回は下位打線ということもあり、ランナーは出したものの仲間の守りに助けられ、無事に0点に抑えた。ベンチに座ってホッと一息をついたマモルの身体は、汗でビッショリになっていた。何だこれと思うと同時にドッと疲れが襲ってくる。これがわかたか打線の圧力か。あと3回、もつのかこんなんで。マモルはアンダーシャツを着替えながら、また新たなるプレッシャーと1人で格闘していた。
<わかたか学園ベンチ裏>
いよいよ花畑弟が動き出した。まあ、君島のふんどしにはさしたる興味はないが、暇潰しだ。兄貴のためにちゃっちゃと確認して、その可愛い保健の先生とやらを軟派でもしてみるか。ゆっくりと肩を回しながら救護室に向かう。190センチの身長は、狭いバックヤードの通路をいっそう狭いものに見せた。
<救護室>
山本先生が、うのの胸のさらしを外すと、押しつぶされていたうのの胸が柔らかな膨らみを取り戻した。ホントにキレイな胸してるわ。山本先生は形のいいうのの胸をさらしの代わりにタオルで覆って膨らみを抑えてユニフォームを着せた。あとはふんどしね。
「うのちゃん。下、脱いでくれる」
山本先生に促されてうのはパンツを降ろした。その下は、やはりノーパンだった。
「恥ずかしい......」
「うのちゃん、大丈夫よ。私に任せてね」
山本先生はさらしを腰で何度か巻くと、後ろから前に布を通した。
「ふう、くすぐったい」
「我慢してね。私もこれはやったことないから」
「は、はい」
何度か繰り返すと、それらしくなった。最後にぎゅっと後ろで締めると、うののお尻にさらしが食い込んだ。
「先生、ちょっと、食い込みすぎじゃないですか?」
「そ、そう?ちょうどいいい感じに見えるわよ。それに緩んで解けちゃったりしたら大変だから、このくらい締めておいた方が良いと思うわ」
「そ、そうですかね......」
確かにちょっと食い込んでような気はするが、しっかり締まったことは間違いない。決して無駄肉があるわけではないのだが、その白い双丘はやはり女の子のものだ。これで騙せるのかな。心配ではあったが、今出来ることはここまでだろう。山本先生はうののお尻をポンと叩いて、
「はい、出来たわよ」
と明るく笑った。
(続く)
山本先生の顔を見たうのは、ポロポロと涙を落とした。我慢していたものが決壊したように溢れ出す涙が止まらない。
「先生、わたし、バレちゃった。わかたかの生徒に女だってことバレちゃったんです」
「うのちゃん......」
山本先生はうのを抱きしめる。
「大丈夫?怪我はない?」
うなずくうの。
「右腕の手当てしないとね」
山本先生がうのの右腕の包帯を巻き直しているところに、わかたか学園一年3人組が駆け込んできた。うのの表情が強張る。
「何よ、あなたたち。何しに来たのよ。どうしてうのちゃんに酷いことしたの。野球選手でしょう。だったら野球で勝負しなさいよ」
山本先生の強い口調に、
「分かってます。もう、ホントに君島選手には申し訳ない気持ちでいっぱいなんです」
「まさか女子だなんて、本当に思ってもいなくて」
「そうなんです。あの、さっきのホームラン、すごかったです」
「感動しました」
「俺たち、何やってんだろうって」
「もっとちゃんと野球がしたいって思ったんです」
3人組は申し訳なさそうに深々と頭を下げた。反省している。それが真っ直ぐに伝わって来た。
「あなたたち......」
「本当にすいませんでした。でも、みすず先生、ゆっくりしている時間はないんです。うちのモモ先輩、いや花畑の弟の方なんですが、君島選手を狙ってます。あの人は元々気の荒い人なんですが、今日は降板させられて更にメチャ荒れてるんです。君島選手が捕まったら本当にまたズボン脱がされちゃいます」
3人組の1人が早口でまくし立てる。
「何のこと。もう少し落ち着いて話しなさい」
山本先生が3人組を落ち着かせようとするが、落ち着いている場合ではないのだ。
「あの、君島選手はまだ……ノーパンのままですよね?」
「ノーパン?」
山本先生がうのを振り向くと、うのは俯いて小さくうなずいた。
「もう、何をしてるのよ。返してあげなさいよ」
「いや、これを履かせても、お兄ちゃん先輩ならいざ知らず、モモ先輩はすぐに女子だと気づきます」
「あの人はホントにヤバいんです」
「先生、ここは君島選手にふんどしを履かせるしかないです」
「あなたたちって、ホントに分けわかんないわね」
「でも、先生、マジでモモ先輩はやばいですから」
「マジです」
「先生」
事態の全貌は分からないが、とにかくうのにとって何かとてもヤバいことが近づいていることは分かった。そして、今のうのがノーパンで、花畑弟がうのがふんどしを履いているかどうかを確かめに来るらしい。そうなった経緯も理由も何となく想像はついた。
「分かった、分かった、でも、ふんどしなんてどうすれば」
「さらしがあるじゃないですか?」
3人組の1人がうのの胸を指さした。
「えっ、さらし?」
全員の視線がうのの胸に集まる。うのは慌てて胸をを押さえた。
「ここは背に腹はかえられません、というか、おっぱいにアソコはかえられませんよ」
「それ全然上手いこと言ってないからね」
山本先生が突っ込む。
「今のモモ先輩の目的はふんどしオンリーですから、胸にまでは目がいかないと思います。大丈夫です。ね、やりましょう」
「分かった。じゃあ胸にはタオルを巻こう。もう試合に出るんじゃないから大丈夫よね、うのちゃん」
「そうしましょう、早く、早く」
三人組が興味津々ワクワクの表情でうのの胸を見つめている。
「何よ、そこにいるつもり、ちょっと部屋から出てなさいよ」
「は、はい」
山本先生に追い出されて、3人組は救護室から出た。
<6回裏>
久々の登板になったマモルは内心不安で一杯だったが、この回は下位打線ということもあり、ランナーは出したものの仲間の守りに助けられ、無事に0点に抑えた。ベンチに座ってホッと一息をついたマモルの身体は、汗でビッショリになっていた。何だこれと思うと同時にドッと疲れが襲ってくる。これがわかたか打線の圧力か。あと3回、もつのかこんなんで。マモルはアンダーシャツを着替えながら、また新たなるプレッシャーと1人で格闘していた。
<わかたか学園ベンチ裏>
いよいよ花畑弟が動き出した。まあ、君島のふんどしにはさしたる興味はないが、暇潰しだ。兄貴のためにちゃっちゃと確認して、その可愛い保健の先生とやらを軟派でもしてみるか。ゆっくりと肩を回しながら救護室に向かう。190センチの身長は、狭いバックヤードの通路をいっそう狭いものに見せた。
<救護室>
山本先生が、うのの胸のさらしを外すと、押しつぶされていたうのの胸が柔らかな膨らみを取り戻した。ホントにキレイな胸してるわ。山本先生は形のいいうのの胸をさらしの代わりにタオルで覆って膨らみを抑えてユニフォームを着せた。あとはふんどしね。
「うのちゃん。下、脱いでくれる」
山本先生に促されてうのはパンツを降ろした。その下は、やはりノーパンだった。
「恥ずかしい......」
「うのちゃん、大丈夫よ。私に任せてね」
山本先生はさらしを腰で何度か巻くと、後ろから前に布を通した。
「ふう、くすぐったい」
「我慢してね。私もこれはやったことないから」
「は、はい」
何度か繰り返すと、それらしくなった。最後にぎゅっと後ろで締めると、うののお尻にさらしが食い込んだ。
「先生、ちょっと、食い込みすぎじゃないですか?」
「そ、そう?ちょうどいいい感じに見えるわよ。それに緩んで解けちゃったりしたら大変だから、このくらい締めておいた方が良いと思うわ」
「そ、そうですかね......」
確かにちょっと食い込んでような気はするが、しっかり締まったことは間違いない。決して無駄肉があるわけではないのだが、その白い双丘はやはり女の子のものだ。これで騙せるのかな。心配ではあったが、今出来ることはここまでだろう。山本先生はうののお尻をポンと叩いて、
「はい、出来たわよ」
と明るく笑った。
(続く)
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