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帝国激震の章

229.戦場とマイルーム

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 皇帝アルベルト達が外壁上部へと辿り着くより少し前、先頭で平野を駆けていたバルムンクが、馬の手綱を緩めた。

 
「この辺で待とう」


 バルムンクが決戦の舞台に選んだのは、帝都から数百メートルほど離れた見渡す限りの大平原。帝都への安全を考慮するなら、もっと離れた所で戦うべきなのだが、馬を走らせているタイミングで黒き竜が現れてしまっては、咄嗟の迎撃が間に合わないかもしれない。
 何も出来ずに上空を通過などされては、まさに末代までの恥だ。

 しかしバルムンクがこの場所を選んだのには、もう一つ理由があった。それは、この距離であれば、外壁上部からこちらの戦いが見えるからという理由だ。

 これから起こる黒き竜との戦いは、間違いなくこの帝国の歴史に、燦然と輝く一頁を刻む事になる。
 後々の世にまで伝説として語り継がれるであろうこの歴史的な戦いに、肝心の語り部となる目撃者が居ないのは何とも寂しい。
 故にバルムンクは大勢の者の目に映る、この場所を選んだ。戦いの余波がギリギリ帝都に及ぶか及ばないかという距離だが、帝都にはマディアスが居る。少々の余波ぐらいならば、ラギアの師にして稀代の大魔道士であるマディアスが、いかようにも防いでくれるだろう事は織り込み済みだ。マディアスとて、自分が帝都防衛の最終的な要である事を理解している筈なのだから。


「随分と帝都から近い場所で待つのね」


 自分が最初に馬から降りて、後ろのリュアーネに手を貸しながらミルファが呟く。


「まあね。向こうから見えないと、僕達が勝ったか負けたかが判断出来ないだろう?万が一負けた場合、向こうもいち早く事実を知らなければ、すぐに逃げる事も出来ないからね」


 もっともらしい意見を述べるバルムンクだが、もちろん負ける気など毛頭無い。だがこう言っておけば、ミルファも納得せざるを得ないので嘘も方便だ。
 そもそも本当に負けてしまった場合、帝都は確実に壊滅する。帝国最強である自分達ツヴァイフェッターが負けるという事は、もはやこの国には黒き竜に勝てる者など居ないという事と同義だ。
 誰もがその事を理解しているからこそ、こうして自分達がこの戦いに選ばれた。帝都の未来を任せて貰えたのだ。


「はっ!負けるかよ!今までだって負けた事なんて無えんだ」
「だな。この戦いで我らはまた、一つ偉業を達成する事になる」


 既に気合い充分の”破壊王”ゼレットと、言葉からでは伺い知れないが、こちらも気合い充分の”魔導大帝”ラギア。


「ふふぅ、大怪我しないようにしてね。あ、もちろん怪我してもわたしが治してあげるから」


 こちらはいつもと変わらない”大聖女”リュアーネ。こんな時でも、いつものように柔らかな笑みを浮かべている。


「誰も緊張はしていないみたいね」


 そう呟いたミルファ自身も、いつもの冷静さを微塵も崩してはいない。これから戦う相手は、間違いなくツヴァイフェッターが過去に戦って来たモンスターの中でも、圧倒的に強い存在だが、誰も臆してはいない。


「だね。さて……いよいよお出ましのようだ」


 バルムンクが北の空を見上げる。と同時に、他の四人も同じ方角に視線を送った。その視線の先にはーーーーー





 ーーー漆黒の翼をはためかせながら、二度目の邂逅となる黒き竜が、一直線にこちらに向かっていた。



■■■


 時間は僅かに戻り、帝都ギルドに冒険者達が集結している頃。


「んん……愛莉~……ソコ気持ちいい~」


 カーテンの隙間から差し込む陽射しで、部屋は薄暗いながらも朝である事を物語る。
 そんな薄暗い部屋の中に置かれた、クイーンサイズのベッドの上では、未来と愛莉の二人が気持ち良さそうに寝息を立てている。なので今の未来の台詞は、どうやら寝言のようだ。

 ほとんど毎朝の事だが、二人とも一糸纏わぬ姿で熟睡している。いつも性行為の後に、わざわざ下着を着けたりパジャマ着たりするのが面倒臭い(どうせ二人きりだからというのもある)ので、そのまま眠ってしまうのだが、昨夜に関して言えば、いつもよりも遅くまで、しかも一度では終わらずに何度も身体を重ねた事もあって、完全に疲れて寝落ちした形だ。


「とりあえずレベル70まで上がったし、エクストラスキルも使いこなせるようになったから、今日で『濃霧の森』でのレベル上げはお終いにして、明日は一度帝都に行って六ツ星モンスターの情報を聞きに行こうと思う」


 大衆浴場の湯に浸かりながら、そう言い出した愛莉の言葉に未来達全員が頷く。
 とりあえずレベル上げは一旦終了し、次のステップに進む。目標であるSランク冒険者になるには、六ツ星モンスターを五体討伐する必要があるのだ。


「あ、それってもしかしてさ、明日は早起きしなくてもいい感じ?」
「うん。明日は帝都のギルド本部で六ツ星モンスターの目撃情報を聞くだけだから、朝はのんびりでいいと思う。特に急ぐ必要も無いし」


 愛莉のこの言葉には、皆それぞれ嬉しそうな表情を浮かべる。この十日以上の間、毎朝早起きして『濃霧の森』へと赴き、レベル上げとエクストラスキルの練習に時間を費やした。しかし明日はその作業も無く、事実上の休息日みたいなものだ。年頃の彼女達にとって、久しぶりの休息日はやはり嬉しいらしく、誰もが笑顔を弾ませていた。


 そんな事情もあり、昨夜は久しぶりに夜遅くまで身体を重ねた未来と愛莉。両隣から聞こえていた嬌声を聞く限り、どうやらリーシャとサフィー、そしてエストとリズの二人も割と遅くまで愛し合っていた事は分かっている。


「う……ん……」


 寝返りを打ちながら、未来が唐突に目を覚ます。どうやら珍しく愛莉よりも先に目が覚めたらしく、眠い目を擦りながらムクリと状態を起こす。
 

「ん~………」


 寝起きの覚束ない思考の未来、その視界に飛び込んで来たのは愛莉の下半身。昨夜、最後に互いの性器ヴァギナを擦り合わせて、盛大に絶頂した二人。どうやらそのまま二人とも意識を手放すように眠りに落ちたらしく、頭は真逆の方を向けて寝ていた。

 そして一足先に目を覚した未来の視界に映り込む、すっかり見慣れた愛莉の秘部。恥丘の上に生えるアンダーヘアは、長さはそれほど長くはないが、左右に広がるように生えている。
 一方、自分のアンダーヘアはと言えば、生えてる面積は愛莉よりも狭く筋に沿って生えているが、長さは愛莉よりも少し長い。二人とも特に手入れはしていないので、自然な生え方、自然な長さだ。


(うーん……朝から眼福眼福………)


 寝起き一番に視界に飛び込んで来た、愛する愛莉の黒々とした茂みに、密かに幸せを感じる未来。
 それにしても、十六歳という年齢を鑑みれば、自分や愛莉くらいの量や長さが、自分達の世界では一般的だった。中には、もっと量も多くて長さも長い娘だってざらに居る。
 しかしこの世界で出会った少女達は皆、量も少ないし長さも短い。
 サフィーもエストも恥丘に僅かに生えているだけだし、二人よりは多いリーシャでも、自分や愛莉よりは少ない。
 極めつけはリズで、ほとんど産毛のような柔らかな毛が、申し訳程度に生えているだけだ。なので大衆浴場では、時に筋までクッキリ見えてしまう時もある。


(まあ、剛毛よりかは少ない方が色々といいけどねー)


 未来の勝手なイメージでは、美少女とはアンダーヘアが少ない生き物である。なのであの四人が剛毛というのは、未来のイメージからは著しく逸脱している。もちろん、実際に剛毛な彼女達を前にすると、それはそれで興奮する可能性もあるにはあるのだが。


(んー、下の毛の手入れとかしてみようかなー?そう言えばエストのお母さんに手入れする道具貰ったんだよね)


 帝都に到着する前に立ち寄ったエストの実家マクスウェル家で、エストの母親であるリアーナから、アンダーヘアを手入れする道具を何故か全員プレゼントされた。
 あの時は気恥ずかしくてすぐに愛莉の魔法鞄マジックバッグに収納したが、そう言えばせっかく貰ったのに一度も使ってない事に気付く。


(しっかり手入れしたら……愛莉喜んでくれるかな?)


 お互い放置し放題のアンダーヘア。年頃の女子としては、やはり二人とも定期的に手入れするべきだろうか?そんな事を考えながら再び愛莉のアソコに目を向ける未来。しかしソコを見た瞬間、どうでもよくなってしまった。


(やっぱいいや。あたしは愛莉のこのハート形に生えてる感じが好きだし、興奮するし)


 無理に背伸びする必要は無い。別に気にしている訳でも無いし、愛莉も何も言って来ない所を見るに、別に不満は無いのだろう。
 それよりも、愛莉の剥き出しの柔肌を見ているといつの間にか興奮してしまった。起きたばかりなのに、行為の最中みたいにアソコがムズムズとしてくる。


「えへへ、今日はのんびりでいいんだもんねー」


 そう嬉しそうに独りごちながら、愛莉の足をゆっくりと開く未来だった。


    
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