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帝国激震の章
188.瞳と瞳で
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「………………」
「………………」
一ヶ月ぶりにクローバーの少女達が戻って来た、ファルディナにある古ぼけた宿屋。その宿屋の一室に、金色の髪の美少女と白い髪の美少女が、どちらも口を開く事なく佇んでいる。
お互い顔が耳まで真っ赤に染まり、自分の心音が相手に聞こえてしまうのではないかと心配になるくらい、鼓動が激しく鳴り響いている。こんなに緊張したのは、お互い初めてかもしれない。クローバーに加入してからのエストは、事ある毎に緊張する場面に遭遇していたが、ここまでの緊張は無かった気がする。
「あ……あの……」
正直、こうして呼吸をしているだけでも緊張で頭がクラクラとしてしまい、気を抜くと倒れてしまいそうだった。なので、震える声で何とかリズに話し掛けようと懸命に声を絞り出す。
「は……はぃ………」
一方のリズも、返事が思わず敬語に戻ってしまうくらい、極度の緊張に襲われている。それもその筈、何年も恋い焦がれていた相手と、こうして一つ部屋で二人きり。しかも、これからはこの狭い部屋で一緒に暮らすのだ。
もちろん、今までの人生で一番嬉しいであろう瞬間だ。だが同時に、今までの人生で一番緊張している瞬間でもあり、一番恥ずかしい瞬間でもある。
「お、お部屋……狭くてごめんなさい………」
別に部屋が狭いのはエストのせいでは無い。そういう造りなのだから、仕方ないとしか言いようが無い。だが、よりにもよって皇女をこんな狭い部屋に泊まらせる事になるなんて、しかも同室だなんて、今すぐ消えてしまいたい程の恥ずかしさと申し訳なさがエストに押し寄せる。
「ぜ、全然……むしろ狭い方が………」
「………え?」
「な、何でもありません……!」
ポツリと呟いた最後の台詞は、どうやらエストには聞こえなかったようだ。
「は、はい……」
「……………」
再び無言になる二人の美少女。そんな沈黙の中にあって互いの胸に去来するのは、相手に触れたいという純粋な気持ち。
それは恋心を抱いていれば当たり前の感情で、好きだからこそ相手に触れたい。リズは既にエストへの想いを自分で自覚しているが、エストは未だ自分の気持ちがどういった『好き』なのかを測りかねている。だが、触れたいと思うその気持ちは、まごう事無き恋心だ。その事に、十六歳の少女はまだ気付いていない。
「あの……お姉さ………エ、エストのベッドは……どちらの方ですか……?」
「あ……えっと……普段はこっちのベッドを………」
「そ、そうなんですね………」
普段は左側のベッドで寝起きしているエストだが、一度この部屋でエッチが始まってしまった場合は、右側のベッドも使用する。もちろん汚してしまった場合は綺麗に洗うので、不衛生では無い。シミが落ちない場合は、愛莉が錬金術で新品のシーツに作り変えてくれる。
「それでは……わたしはこちらのベッドを使っても………?」
「え………?」
もちろん不衛生では無い。だが、何度も性行為に使用しているベッドを、皇女であるリズに使用させても良いのだろうか?あまりにも不敬過ぎはしないだろうか?
「えっと……駄目……ですか?」
「い、いいえ!あの……大丈夫です……」
あまりにもエストが考え込んでいたので、まさか駄目なのかと心配になったリズ。そんなリズの言葉を、エストは慌てて否定する。
ともあれ、これでとりあえずリズの寝床は確保された。お世辞にも豪華とは言えないセミダブルサイズの古いベッド。だがリズは、全く気にした様子も無くベッドに近づく。
「ここが……今日からわたしの………」
未だに耳まで真っ赤なリズ。顔全体が信じられない程に熱を帯びていて、身体を動かした訳でもないのに首筋に汗が伝う。
(ほ、本当に……わたしとお姉様が……一緒の部屋に?)
こんな日が来るなんて、正直思ってもみなかった。まさかエストと同じ部屋、しかもこんなにも狭い部屋で互いの顔を突き合わせながら暮らせる日が来るなんて、考えた事すら無かった。
一体どんな暮らしが待っているのだろう。毎日エストと朝晩、二人きりで話をして、笑い合ったり励まし合ったりしながら暮らすのだろうか。
夜は寝息を聞かれたりしてしまうのだろうか。寝言など発してしまったらどうしよう。でも、エストになら聞かれても良いと思える。
着替えは、もちろんこの部屋でする事になる。自分の身体をエストに見られてしまうのは、正直とても恥ずかしい。
いつも侍女に着替えをして貰ったり、湯浴みの時は専属の侍女が常に隣に控えているので、誰かに裸を見られる事には慣れているつもりだが、その相手がエストというだけで、何故か物凄く恥ずかしさが込み上げて来る。
「ここで……今日からこのベッドで………」
ポスッと、小さな尻をベッドに下ろすリズ。皇宮ではいつもクイーンサイズの豪華なベッドで寝ていたが、正直あのベッドは自分には大き過ぎると常々思っていた。だから、これくらいの大きさの方が何だか落ち着く。落ち着くのだが、すぐ隣にエストが居るのでやっぱり落ち着かない。
「あの……座り心地は如何ですか……?」
「は、はい……特に問題は無いかと………」
「そ、そうですか……」
「はい………」
相変わらず借りてきた猫のように大人しい二人。狭い密室で二人きりというこの状況が、二人にかつてない程の緊張をもたらす。
触れたい。今なら誰も見ていないし、誰に知られる事も無い。手を握るくらいなら、許してくれるかもしれないと、お互い同じ事を思うのだが、もちろんどちらも行動に起こす勇気も度胸も無い。
そんな事をして、もしも相手に嫌な顔でもされてしまったら、一緒に居づらくなってしまう。それに、きっと心が傷ついてまともでは居られなくなる。
「はぁ……あ、暑い……ですね……」
「そ、そうですね……」
暑いと言うよりは熱いと言った方が正解だ。とにかく顔が、身体が、信じられないくらいの熱を帯びている。
「ま、窓……開けますね!」
気を紛らわせる為に、窓を開けようと足を前に出すエスト。だが、先ほどから頭がクラクラしていたせいか、その足取りは自分で思っている以上に覚束なく、一歩踏み出した所でもつれてしまう。
「きゃっ……!」
そのまま体勢を崩してしまい。前方に倒れ込む。そこは奇しくもリズの膝の上だった。
「お姉様!?」
自分に向かって倒れ込んで来たエストを咄嗟に受け止めるリズ。エストの腕とリズの腕が絡み合い、エストは思わず顔を上げる。
そこには、顔を真っ赤にしながらも驚いた表情を浮かべる絶世の美少女。ドクンドクンッと、ただでさえ早鐘を打っていた鼓動が更に勢いを増す。
「ぁ…………」
「だ……大丈……夫……ですか………?」
まるで相手の瞳に吸い寄せられるように、互いの瞳から目が離せない。二人を包む時間の流れは完全に止まり、今この瞬間だけ世界は二人を切り離して、時の進まない世界が二人を優しく包み込む。
ゴクリと、どちらも唾を飲み込む。エストがこのまま少し身体を起こせば、リズが少しだけエストの上半身を自分に引き寄せれば、互いの唇と唇はやすやすと触れ合うだろう。
互いの柔らかな薄桃色の唇が、ほんの少しの勇気を奮わせるだけで重ね合う。それはきっと、この世のどんな事象よりも甘美で幸せに満ちた瞬間だろう。
何故そうしたのか自分でも分からない。だけどリズは、エストの腕を掴む自分の腕を上へと持ち上げる。必然的に、華奢なエストの身体も持ち上げられ、エストとリズとの距離は更に縮まった。
こんなにも至近距離で互いの顔を見たのは初めてだった。近くでも見ても、いや、近くで見るといつも以上に綺麗な顔が目の前に。
エストの目の前には超絶美少女のリズの顔が。リズの目の前には以前から恋い焦がれる美少女の顔が、それぞれの瞳いっぱいに映り込む。
やがて、エストがゆっくりと瞳を閉じる。それはもちろん、リズに全てを委ねる為。貴女の好きにしてくださいと、その唇をリズに差し出したが為。
そんなエストの唇に向かって、リズもゆっくりと唇を近づける。心臓は張り裂けそうな程に鼓動を繰り返し、もはや思考は全く働かない。本能的に、ただただエストの唇を目指して前へと進む。やがてーーーーー
トントントン
突然鳴り響くドアをノックする音。その瞬間、世界から切り取られた二人だけの時間が再び動き出す。
もうあと数センチ、いや、あと数ミリという所まで近づいた互いの唇は、相手の唇に触れる事なく離れる。もう鼻先も触れていたのに、唇が触れる事は無かった。
二人は慌てて立ち上がり、ドアの方を向く。エストが震える声で「ど、どうぞ!」と返事をすると、ドアが開いて未来と愛莉が顔を覗かせた。
そうだ、すっかり忘れていたが、この後はリズにファルディナの街を案内したり、リズの能力についての検証などを行う予定だったのだ。部屋でのんびりしている場合では無かった。
(わ、わたし……一体何をしようとしてたの……!?)
真っ赤に染まった顔を二人に見られないように、ベッドを確認する仕草をしながらリズが内心で今の自分の行動を振り返る。
(お、お姉様に……わたし……)
唇を重ねようとしていた。思考が鈍っていて半分ほど無意識だったが、残りの半分は完全に理性を保っていて、保っていながらもエストの唇を奪おうとしていたのだ。
(何で……あんな行動を………)
それはエストを愛するあまりの行動なのだが、そういう知識がそれほど豊富では無いリズにとって、自分のした行動が信じられない程に恥ずかしくて、しばらく誰にも顔を見られないようにするのが精一杯だった。
「………………」
一ヶ月ぶりにクローバーの少女達が戻って来た、ファルディナにある古ぼけた宿屋。その宿屋の一室に、金色の髪の美少女と白い髪の美少女が、どちらも口を開く事なく佇んでいる。
お互い顔が耳まで真っ赤に染まり、自分の心音が相手に聞こえてしまうのではないかと心配になるくらい、鼓動が激しく鳴り響いている。こんなに緊張したのは、お互い初めてかもしれない。クローバーに加入してからのエストは、事ある毎に緊張する場面に遭遇していたが、ここまでの緊張は無かった気がする。
「あ……あの……」
正直、こうして呼吸をしているだけでも緊張で頭がクラクラとしてしまい、気を抜くと倒れてしまいそうだった。なので、震える声で何とかリズに話し掛けようと懸命に声を絞り出す。
「は……はぃ………」
一方のリズも、返事が思わず敬語に戻ってしまうくらい、極度の緊張に襲われている。それもその筈、何年も恋い焦がれていた相手と、こうして一つ部屋で二人きり。しかも、これからはこの狭い部屋で一緒に暮らすのだ。
もちろん、今までの人生で一番嬉しいであろう瞬間だ。だが同時に、今までの人生で一番緊張している瞬間でもあり、一番恥ずかしい瞬間でもある。
「お、お部屋……狭くてごめんなさい………」
別に部屋が狭いのはエストのせいでは無い。そういう造りなのだから、仕方ないとしか言いようが無い。だが、よりにもよって皇女をこんな狭い部屋に泊まらせる事になるなんて、しかも同室だなんて、今すぐ消えてしまいたい程の恥ずかしさと申し訳なさがエストに押し寄せる。
「ぜ、全然……むしろ狭い方が………」
「………え?」
「な、何でもありません……!」
ポツリと呟いた最後の台詞は、どうやらエストには聞こえなかったようだ。
「は、はい……」
「……………」
再び無言になる二人の美少女。そんな沈黙の中にあって互いの胸に去来するのは、相手に触れたいという純粋な気持ち。
それは恋心を抱いていれば当たり前の感情で、好きだからこそ相手に触れたい。リズは既にエストへの想いを自分で自覚しているが、エストは未だ自分の気持ちがどういった『好き』なのかを測りかねている。だが、触れたいと思うその気持ちは、まごう事無き恋心だ。その事に、十六歳の少女はまだ気付いていない。
「あの……お姉さ………エ、エストのベッドは……どちらの方ですか……?」
「あ……えっと……普段はこっちのベッドを………」
「そ、そうなんですね………」
普段は左側のベッドで寝起きしているエストだが、一度この部屋でエッチが始まってしまった場合は、右側のベッドも使用する。もちろん汚してしまった場合は綺麗に洗うので、不衛生では無い。シミが落ちない場合は、愛莉が錬金術で新品のシーツに作り変えてくれる。
「それでは……わたしはこちらのベッドを使っても………?」
「え………?」
もちろん不衛生では無い。だが、何度も性行為に使用しているベッドを、皇女であるリズに使用させても良いのだろうか?あまりにも不敬過ぎはしないだろうか?
「えっと……駄目……ですか?」
「い、いいえ!あの……大丈夫です……」
あまりにもエストが考え込んでいたので、まさか駄目なのかと心配になったリズ。そんなリズの言葉を、エストは慌てて否定する。
ともあれ、これでとりあえずリズの寝床は確保された。お世辞にも豪華とは言えないセミダブルサイズの古いベッド。だがリズは、全く気にした様子も無くベッドに近づく。
「ここが……今日からわたしの………」
未だに耳まで真っ赤なリズ。顔全体が信じられない程に熱を帯びていて、身体を動かした訳でもないのに首筋に汗が伝う。
(ほ、本当に……わたしとお姉様が……一緒の部屋に?)
こんな日が来るなんて、正直思ってもみなかった。まさかエストと同じ部屋、しかもこんなにも狭い部屋で互いの顔を突き合わせながら暮らせる日が来るなんて、考えた事すら無かった。
一体どんな暮らしが待っているのだろう。毎日エストと朝晩、二人きりで話をして、笑い合ったり励まし合ったりしながら暮らすのだろうか。
夜は寝息を聞かれたりしてしまうのだろうか。寝言など発してしまったらどうしよう。でも、エストになら聞かれても良いと思える。
着替えは、もちろんこの部屋でする事になる。自分の身体をエストに見られてしまうのは、正直とても恥ずかしい。
いつも侍女に着替えをして貰ったり、湯浴みの時は専属の侍女が常に隣に控えているので、誰かに裸を見られる事には慣れているつもりだが、その相手がエストというだけで、何故か物凄く恥ずかしさが込み上げて来る。
「ここで……今日からこのベッドで………」
ポスッと、小さな尻をベッドに下ろすリズ。皇宮ではいつもクイーンサイズの豪華なベッドで寝ていたが、正直あのベッドは自分には大き過ぎると常々思っていた。だから、これくらいの大きさの方が何だか落ち着く。落ち着くのだが、すぐ隣にエストが居るのでやっぱり落ち着かない。
「あの……座り心地は如何ですか……?」
「は、はい……特に問題は無いかと………」
「そ、そうですか……」
「はい………」
相変わらず借りてきた猫のように大人しい二人。狭い密室で二人きりというこの状況が、二人にかつてない程の緊張をもたらす。
触れたい。今なら誰も見ていないし、誰に知られる事も無い。手を握るくらいなら、許してくれるかもしれないと、お互い同じ事を思うのだが、もちろんどちらも行動に起こす勇気も度胸も無い。
そんな事をして、もしも相手に嫌な顔でもされてしまったら、一緒に居づらくなってしまう。それに、きっと心が傷ついてまともでは居られなくなる。
「はぁ……あ、暑い……ですね……」
「そ、そうですね……」
暑いと言うよりは熱いと言った方が正解だ。とにかく顔が、身体が、信じられないくらいの熱を帯びている。
「ま、窓……開けますね!」
気を紛らわせる為に、窓を開けようと足を前に出すエスト。だが、先ほどから頭がクラクラしていたせいか、その足取りは自分で思っている以上に覚束なく、一歩踏み出した所でもつれてしまう。
「きゃっ……!」
そのまま体勢を崩してしまい。前方に倒れ込む。そこは奇しくもリズの膝の上だった。
「お姉様!?」
自分に向かって倒れ込んで来たエストを咄嗟に受け止めるリズ。エストの腕とリズの腕が絡み合い、エストは思わず顔を上げる。
そこには、顔を真っ赤にしながらも驚いた表情を浮かべる絶世の美少女。ドクンドクンッと、ただでさえ早鐘を打っていた鼓動が更に勢いを増す。
「ぁ…………」
「だ……大丈……夫……ですか………?」
まるで相手の瞳に吸い寄せられるように、互いの瞳から目が離せない。二人を包む時間の流れは完全に止まり、今この瞬間だけ世界は二人を切り離して、時の進まない世界が二人を優しく包み込む。
ゴクリと、どちらも唾を飲み込む。エストがこのまま少し身体を起こせば、リズが少しだけエストの上半身を自分に引き寄せれば、互いの唇と唇はやすやすと触れ合うだろう。
互いの柔らかな薄桃色の唇が、ほんの少しの勇気を奮わせるだけで重ね合う。それはきっと、この世のどんな事象よりも甘美で幸せに満ちた瞬間だろう。
何故そうしたのか自分でも分からない。だけどリズは、エストの腕を掴む自分の腕を上へと持ち上げる。必然的に、華奢なエストの身体も持ち上げられ、エストとリズとの距離は更に縮まった。
こんなにも至近距離で互いの顔を見たのは初めてだった。近くでも見ても、いや、近くで見るといつも以上に綺麗な顔が目の前に。
エストの目の前には超絶美少女のリズの顔が。リズの目の前には以前から恋い焦がれる美少女の顔が、それぞれの瞳いっぱいに映り込む。
やがて、エストがゆっくりと瞳を閉じる。それはもちろん、リズに全てを委ねる為。貴女の好きにしてくださいと、その唇をリズに差し出したが為。
そんなエストの唇に向かって、リズもゆっくりと唇を近づける。心臓は張り裂けそうな程に鼓動を繰り返し、もはや思考は全く働かない。本能的に、ただただエストの唇を目指して前へと進む。やがてーーーーー
トントントン
突然鳴り響くドアをノックする音。その瞬間、世界から切り取られた二人だけの時間が再び動き出す。
もうあと数センチ、いや、あと数ミリという所まで近づいた互いの唇は、相手の唇に触れる事なく離れる。もう鼻先も触れていたのに、唇が触れる事は無かった。
二人は慌てて立ち上がり、ドアの方を向く。エストが震える声で「ど、どうぞ!」と返事をすると、ドアが開いて未来と愛莉が顔を覗かせた。
そうだ、すっかり忘れていたが、この後はリズにファルディナの街を案内したり、リズの能力についての検証などを行う予定だったのだ。部屋でのんびりしている場合では無かった。
(わ、わたし……一体何をしようとしてたの……!?)
真っ赤に染まった顔を二人に見られないように、ベッドを確認する仕草をしながらリズが内心で今の自分の行動を振り返る。
(お、お姉様に……わたし……)
唇を重ねようとしていた。思考が鈍っていて半分ほど無意識だったが、残りの半分は完全に理性を保っていて、保っていながらもエストの唇を奪おうとしていたのだ。
(何で……あんな行動を………)
それはエストを愛するあまりの行動なのだが、そういう知識がそれほど豊富では無いリズにとって、自分のした行動が信じられない程に恥ずかしくて、しばらく誰にも顔を見られないようにするのが精一杯だった。
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