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皇女との邂逅の章

139.夢が覚めたら※

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 リーシャは夢を見ていた。


 真っ暗な空間をひたすら漂う夢。


 ここが何処なのか、どっちが上でどっちが下かも分からない。


 ただ時折、何かが身体の中を駆け巡る。


 これは………快感……?



 ーーリーシャ、聴こえるかいリーシャ?



 声が聴こえた。それは聴いた事のある声。



 ーー誰?わたしに話しかけるのは誰?


 ーー僕だよリーシャ。ずっと一緒だったから分かるだろ?



 聴いた事のある声。それは懐かしいような、それでいていつも聴いているような、そんな声。



 ーー誰?ごめんなさい、何故か思い出せないの


 ーーそうか。じゃあ僕の言葉にそのまま耳を傾けて


 ーー分かったわ。耳を傾けるのね


 ーーそうだよ。いいかいリーシャ、今すぐ目を覚ますんだ


 ーー目を覚ます?わたしは起きているのだけど


 ーーいいや、君は今眠っているんだ。とてもとても深く眠っているんだ


 ーー嘘よ。だって、あなたとお話しているじゃない


 ーーここは君の夢の中だよ。僕は君の意識に直接話し掛けているんだ


 ーーあら、そうなの?そんな事が出来るなんて凄いのね~


 ーー残念だけど、そんな事を呑気に話している時間は無いんだ。もう一度言うよ?今すぐ目を覚ますんだ。じゃないと君は、大切なモノを失う事になる


 ーーえ?それは大変ね。でも大切なモノって何かしら?


 ーーもう二度と元に戻らないモノさ。今君は、それを失いかけてる。だから早く目を覚まして


 ーーそうなのね。でもそんな事を言われても、どうすれば良いのか分からないわ


 ーー起きたいって念じるんだ。今すぐ目を覚ましたいって強く念じるんだ。大丈夫、君なら出来るよ


 ーー念じるのね、分かったわ


 ーー急いでリーシャ………急いで………


 ーー■■で……■く……■を■して………









■■■





(んん………あら……わたし………)


 突然意識が戻ったリーシャ。だが、何やら全身が気怠い。何とか目覚めたみたいだが、眠気が強過ぎて目を開けるのも憚られる。
 だが、何か変だ。身体中が自分の意志とは関係なくピクピクと震えるし、それにこの身体中を駆け巡る感覚はーーーーー


「はぁはぁ……あっ……んんっ……あっ……」


 今度は自分の意志とは関係なく嬌声が漏れる。身体中の感覚が曖昧で、それなのに快感だけは絶えず押し寄せているのが分かる。


(これ……わたし誰かに……愛撫されてる……?)


 朧気な意識の中で、何とか思考を働かせる。こんな事をするのはサフィー?もちろんサフィーなら大歓迎だが、サフィーは寝ている相手に悪戯するような娘ではない。
 

(駄目……気持ち良くて頭が………)


 思考が上手く働かない。ただでさえ意識が戻ったばかりで、まだ覚醒とは程遠い状態なのだ。快感のお陰か、先ほどよりも眠気は覚めて来たが、逆に快感が強いせいで思考がおざなりになってしまう。
 このままこの快感に身を委ねていたい。相手はサフィーなのか、それとも未来なのか愛莉なのか、まさかエスト?とにかく押し寄せる快感に何も考えられず、そしてーーーーー


「んんっああぁぁーーッ!!」


 ビクンッと大きく跳ねるリーシャの身体。快感が遂に限界を超えた瞬間だった。


(わたし……イッちゃったの……?)


 意識がまだ覚束ないのに、継続して与えられる快感に身体は素直に反応してしまった。


「はぁはぁはぁ……」


 呼吸が乱れる。目を覚した途端に絶頂させられるなど、初めての経験だ。今がどんな状況なのかが全く分からない。


(わたし……どうなってるの……?)


 今の絶頂でかなり眠気が覚めたので、ゆっくりと目を開く。一体誰がこんな事をしているのだろうと、ゆっくりと自分の下半身の方を見た。そこにはーーーーー


「ーーーーッッ!!!?」


 あまりにも有り得ない光景に息が止まりそうになった。
 視界に飛び込んで来たのは、生まれて初めて見る男性器。しかも硬く大きく肥大した、グロテスクな肉棒。

 初めて見る男性器に、猛烈な羞恥心と嫌悪感を覚えて咄嗟にギュッと目を閉じる。顔を手で覆おうとした所で、腕が何かに固定されて動かない事に気付いた。
 その瞬間、本能が警鐘を鳴らす。自分に迫る男性器、動かせない両手。
 そして突然鮮明に浮かんで来るのは、先ほど見た視界の全て。視界に映った自分の身体。下半身。
 何も身に着けていなかった。下着すら身に着けていなかった。


「やっ………!」


 本能的に最大限の危険を感じたリーシャは、反射的に両足を閉じる。幸運にも足は自由に動かす事が出来た。


「なっ……起きた……のか……?」


 その声を聞いて、再び息が止まる。この声は………聞いた事がある。何度も何度も聞いた事がある。
 だから心を強く持って、リーシャは再び目を開けた。そしてその顔を見る。


「……カロン……貴方……な、何してるの……!?」


 声が震える。今まで普通に接していたのに、全く知らない人物のように目に映る。だが、瞬時に思い至る。こんな事を訊ねている場合ではない。だって自分は今ーーーーー


「み、見ないで!!」


 裸なのだ。何も身に着けていないのだ。その姿を、カロンに見られている。
 今までサフィーと、未来、愛莉、エストという同性にしか見せた事のない、同性にしか見られた事のない自分の裸を、異性であるカロンに見られている。


「はは、何を今さら………さっきは僕の愛撫で絶頂していたじゃないか」


 顔から血の気が引く。つまり先ほど感じていた快感は、カロンからもたらされた快感だったという事だ。
 同性にしか、サフィー達にしか見せた事も触らせた事もない女性にとって一番大事な場所を、異性であるカロンに見られ、触られ、あまつさえ好き放題弄られたという事。


「うう……うう………!!」


 涙が溢れて来た。眠っている間に全て見られた。触られた。こんなにも恥ずかしくて、こんなにも屈辱的な事は今までの人生で経験が無い。だからリーシャは、顔を真っ赤に染めて大量の涙を流しながらも、キッとカロンを睨んだ。誰かを睨みつけたのも人生で初めてだった。


「そんな怖い顔をしないで欲しい。せっかくの美人が台無しだ」


 全く嬉しくない。この期に及んで何を見当違いな事を言っているのだろうか。眠っている間に目の前のこの男性に、好き放題陵辱されていたのだという事実がリーシャを絶望させた。
 この身体は自分と………サフィーの為にある。最近では未来と愛莉、エストもその輪に加わった。だからこの身体はクローバーのみんなのもの。その他の誰にも触れられて良い筈が無いのにーーーーー


「元はといえば君が悪いんだ………はぁはぁ……君が僕を拒絶したから……」


 リーシャが自ら閉じた足を、再び広げるカロン。リーシャの膝に手を掛けてグイッと広げる。


「やめてっ!!もうやめて!!」


 何とか足を閉じようとするリーシャだが、カロンの腕の力の方が強い。再びリーシャの性器ヴァギナがカロンの視界に映る。


「はは……嫌がっている割には………こんなに濡れているじゃないか」
「嫌ぁぁーーーーッ!!お願いカロン!見ないで!」


 悲痛なリーシャの叫び声。だがそれさえも、今のカロンにとっては興奮を増長させるに過ぎない。恍惚の表情を浮かべながら、カロンの肉棒は少しずつリーシャの膣口へと近づく。


「はぁはぁはぁ!ほら……もうお互い準備万端だ。あとは僕のを君に…………」
「嫌ぁぁ!!サフィー!助けてサフィー!!」


 無意識にサフィーに助けを求めるリーシャ。だが、当然だがサフィーはこの場に居ない。
 サフィーだけではない。クローバー皆は誰もこの場に居ない。今のリーシャの状況を知らない。


「大丈夫だよリーシャ。すぐに気持ち良くなるから………」


 何度も抵抗するリーシャ。下半身を動かして、何とかカロンの侵入を阻止しようとする。


「はは……往生際が悪いな………でもこれで………!」


 ガシッと、リーシャの太ももを自分の腕に巻くように押さえつける。これでもう、ほとんど身動きは取れない。


「い……や………やめて……カロン…………お、お願い………」
「はぁはぁはぁ……リーシャ……リーシャ…………やっと僕達は………ああっ……」


 腰を前に突き出すカロン。最大に膨張し硬くなったカロンの陰茎ペニスがーーーーー



「やめてぇぇぇーーーーーッ!!!!」



 リーシャの膣口に押し付けられた。


 
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