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白秋
はくしゅう4
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慌ててスマホの画面を開き、謎解きイベントのベージに飛ぶ。
ヨーロッパの街並みをイメージしたそのページには、確かに事前予約が必要と書かれている。
諦めきれず予約ページを開くが、最短の予約は明日の日付だ。
頑張って早起きして、早めに家出た意味ないじゃん。
モバイルバッテリーは忘れたけど、リュックの中に色々準備した意味ないじゃん。
諦めてブラウザページを閉じ、ホーム画面に戻る。スマホに表示される時計は九時過ぎを表示していた。
これから何しよう。
目的の駅は人も多く、アパートの周りと比べても、若者に人気の店が多く立ち並んている。
WINGの投稿にもよく出てくる地名だが、蒼依や悠二の付き添いや大学の飲み会で行くことがほとんどで、自分から行くことはほとんどなかった。
青春を再体験する方法が見つかるかもしれないし、何もせず帰るのも交通費がもったいない。
イヤホンを接続し、音楽を流しながらWINGを開く。
『最悪。予定が消滅してしまった。大体俺のせい』
普段通り、飾り気のない投稿をすると、WINGの検索欄に地名を入力し、投稿を調べる。
カフェの投稿。
バンドのライブ情報。
美味しそうだが明らかに金がかかっているフランス料理の投稿。
プラモデル屋の宣伝に、メイドカフェ従業員の投稿。
コンカフェとかいう店舗の投稿も見つかった。
イヤホンからは、人気アニメの主題歌をきっかけに好きになったバンドがデスボイスを披露している。
今の俺なら、この人たちに負けないくらいのデスボイスが出るかもしれない。
電車の車内のため、そんな挑戦はせずにため息をついて終わらせた。
八月の終わりに蒼依と行ったが、やはりカフェという雰囲気は苦手だ。
ラーメン屋のように気さくな感じだと1人で入れそうな気もするが、そんなカフェはないだろう。
どうせ行くなら、誰かと一緒がいい。
バンドのライブは夜に開かれるようだ。知らないバンドだし、夜まで滞在するつもりはなかった。
ロボットや戦艦、人型のプラモデルの写真が流れてきたが、特に作ろうという意欲も湧かない。
小学校高学年を最後に、プラモデルを買った記憶がないということは、必要な道具は実家だろう。
実家まで足を伸ばして取りに行くのは面倒だ。
なんかないかな、行きたいところ。
なんとなく歩いたことがある道を思い出し、中古ゲームショップがあったことを思い出した。
あまりめぼしいものは並んでいなかったような気がするが、とりあえず目的地にしよう。
落胆したこの状況で、青春について考えられるわけがない。
気落ちした自分を慰めるためにも、電車の終点電車に揺られ続けることにした。
デスボイスは終わり、今度は人気声優の透き通った声が耳を撫でていく。
ゆっくりと瞼を閉じた。
ヨーロッパの街並みをイメージしたそのページには、確かに事前予約が必要と書かれている。
諦めきれず予約ページを開くが、最短の予約は明日の日付だ。
頑張って早起きして、早めに家出た意味ないじゃん。
モバイルバッテリーは忘れたけど、リュックの中に色々準備した意味ないじゃん。
諦めてブラウザページを閉じ、ホーム画面に戻る。スマホに表示される時計は九時過ぎを表示していた。
これから何しよう。
目的の駅は人も多く、アパートの周りと比べても、若者に人気の店が多く立ち並んている。
WINGの投稿にもよく出てくる地名だが、蒼依や悠二の付き添いや大学の飲み会で行くことがほとんどで、自分から行くことはほとんどなかった。
青春を再体験する方法が見つかるかもしれないし、何もせず帰るのも交通費がもったいない。
イヤホンを接続し、音楽を流しながらWINGを開く。
『最悪。予定が消滅してしまった。大体俺のせい』
普段通り、飾り気のない投稿をすると、WINGの検索欄に地名を入力し、投稿を調べる。
カフェの投稿。
バンドのライブ情報。
美味しそうだが明らかに金がかかっているフランス料理の投稿。
プラモデル屋の宣伝に、メイドカフェ従業員の投稿。
コンカフェとかいう店舗の投稿も見つかった。
イヤホンからは、人気アニメの主題歌をきっかけに好きになったバンドがデスボイスを披露している。
今の俺なら、この人たちに負けないくらいのデスボイスが出るかもしれない。
電車の車内のため、そんな挑戦はせずにため息をついて終わらせた。
八月の終わりに蒼依と行ったが、やはりカフェという雰囲気は苦手だ。
ラーメン屋のように気さくな感じだと1人で入れそうな気もするが、そんなカフェはないだろう。
どうせ行くなら、誰かと一緒がいい。
バンドのライブは夜に開かれるようだ。知らないバンドだし、夜まで滞在するつもりはなかった。
ロボットや戦艦、人型のプラモデルの写真が流れてきたが、特に作ろうという意欲も湧かない。
小学校高学年を最後に、プラモデルを買った記憶がないということは、必要な道具は実家だろう。
実家まで足を伸ばして取りに行くのは面倒だ。
なんかないかな、行きたいところ。
なんとなく歩いたことがある道を思い出し、中古ゲームショップがあったことを思い出した。
あまりめぼしいものは並んでいなかったような気がするが、とりあえず目的地にしよう。
落胆したこの状況で、青春について考えられるわけがない。
気落ちした自分を慰めるためにも、電車の終点電車に揺られ続けることにした。
デスボイスは終わり、今度は人気声優の透き通った声が耳を撫でていく。
ゆっくりと瞼を閉じた。
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