無意味な祈り

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無意味な祈り

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町の人たちは、毎日神様に一生懸命祈っていた。「どうかお金持ちになれますように」「病気が治りますように」。誰もがそれを信じていた。でも、実は神様は人間に全然興味がなく、ただじっと見ているだけだった。

神様が作った「システム」という機械が、町のみんなの運命を勝手に決めていた。誰が幸せになるか、誰が失敗するか、全部システムが動かしていたのだ。どんなに祈っても、システムが決めたことは変わらない。

主人公はそのことを知っていた。だから、みんなが神様に祈っている姿を見て、心の中で笑っていた。「無駄なことをしてるな。何も変わらないのに」と。祈りも願いも、全部システムの計画通りに動いている。

ある日、一人の町の人が神様に大きなお願いをした。「どうか、私の夢を叶えてください」。でも、何も起きなかった。主人公はその人の姿を見て、ただ小さく笑った。「どれだけ祈っても、神様は興味なんてないんだよ」と思いながら。
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