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25話
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「な、何て酷い有り様なの・・・」
街は突如現れた数十匹のモンスターにパニック状態。あちこちから悲鳴が聞こえてくる。
ファンナさんもそんな街の惨状に、目を背けそうになるくらいの絶望を受けている・・・らしいけど、俺は何度も目を擦り見返した。
確かにそこには見るも恐ろしい姿のモンスターがたくさんいる。
体長は3メートルはありそうな、獅子の頭を持ち、体が鷲、尻尾が蛇のキメラ。
5メートルくらいの紫色の一つ目巨人。
1メートルくらいの小型ながら、黒い羽と黒い肌で飛び回ってる悪魔。
MAGで見たような姿のモンスターもいれば、見たことないようなモンスターの大群だ。
・・・ただ、やってることは軒先で干してあった洗濯物を地面に落としたり、買い物袋に穴を開けたり、住人に口からドロドロとした粘液を飛ばしていたり、バナナの皮を地面に投げ捨てたりと、俺が想像してた、今までMAGで見てきた血や死体が転がるようなものとはかけ離れている光景だった。
「・・・あれは、何をしてるんだ?」
「あれほどの悪行を見て何をしてるもないじゃないですか!! 見た通りですよ!!」
肩透かしを食らったような気分で尋ねると、ファンナさんは本気で怒ってきた。
「・・・いや、俺には姿はめちゃくちゃ怖いモンスターなのに、ただのイタズラをしてるくらいにしか見えな――」
「ふざけないでください!! 何処をどう見ればイタズラに見えるんですか!? 洗濯物を地面に落とされたらまた洗わなければならないんですよ!? それがどれほど手間かわかりますか!? 買い物袋に穴を開けられたら買った物を入れてもポロポロ落ちてしまうんですよ!?」
「い、いや、うん、そうだけど・・・」
「しかも見てくださいあの粘液を! あれは1度や2度洗っても落ちないくらい強烈に臭いんです! しかもバナナの皮を踏ませて転ばそうとまでしてます! なんて危ない!!」
「・・・そ、そうなんだ・・・大変だね・・・」
だからどうした? と言いたくなる気持ちをぐっと堪えた。
ファンナさんの様子や街の住人の様子を見る限り、本気で絶望してるみたいだけど、俺にはどうしても冗談に見えてしまう。
・・・俺がおかしいのか? そうなのか?。
「騎士団はまだですか!? ・・・くっ! こうなったら私が!」
「お、おいファンナさん? 何するつもりだ?」
俺は腕をまくり飛び出して行こうとするファンナさんを引きとめた。
いや放っといても平気そうだけど、なんとなく。
街は突如現れた数十匹のモンスターにパニック状態。あちこちから悲鳴が聞こえてくる。
ファンナさんもそんな街の惨状に、目を背けそうになるくらいの絶望を受けている・・・らしいけど、俺は何度も目を擦り見返した。
確かにそこには見るも恐ろしい姿のモンスターがたくさんいる。
体長は3メートルはありそうな、獅子の頭を持ち、体が鷲、尻尾が蛇のキメラ。
5メートルくらいの紫色の一つ目巨人。
1メートルくらいの小型ながら、黒い羽と黒い肌で飛び回ってる悪魔。
MAGで見たような姿のモンスターもいれば、見たことないようなモンスターの大群だ。
・・・ただ、やってることは軒先で干してあった洗濯物を地面に落としたり、買い物袋に穴を開けたり、住人に口からドロドロとした粘液を飛ばしていたり、バナナの皮を地面に投げ捨てたりと、俺が想像してた、今までMAGで見てきた血や死体が転がるようなものとはかけ離れている光景だった。
「・・・あれは、何をしてるんだ?」
「あれほどの悪行を見て何をしてるもないじゃないですか!! 見た通りですよ!!」
肩透かしを食らったような気分で尋ねると、ファンナさんは本気で怒ってきた。
「・・・いや、俺には姿はめちゃくちゃ怖いモンスターなのに、ただのイタズラをしてるくらいにしか見えな――」
「ふざけないでください!! 何処をどう見ればイタズラに見えるんですか!? 洗濯物を地面に落とされたらまた洗わなければならないんですよ!? それがどれほど手間かわかりますか!? 買い物袋に穴を開けられたら買った物を入れてもポロポロ落ちてしまうんですよ!?」
「い、いや、うん、そうだけど・・・」
「しかも見てくださいあの粘液を! あれは1度や2度洗っても落ちないくらい強烈に臭いんです! しかもバナナの皮を踏ませて転ばそうとまでしてます! なんて危ない!!」
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