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第一章
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参加人数5人
男性3女性2
キャラ
キャラ1主人公:レン・アズリエル(17)
性別:男性
性格:正義感と自己犠牲が強い、優しい少年
喋り方:大人しげ
階級:十級
呼び名:無能
キャラ2:リーナ・クローレンス(15)
性別:女性
性格:明るく元気な女の子でレンとは幼馴染
喋り方:元気よく
階級:七級
呼び名:神童
キャラ3:クロエ・ルシア(20)
性別:女性
性格:いつもクールでボーイッシュな女性
喋り方:クール
階級:四級
呼び名:死剣
キャラ4:ゼクス・ラグナ(20)
性別:男性
性格:口が悪い脳筋
喋り方:ヤンキー風
階級:四級
呼び名:壊剣
ムク
性別:男
性格:ミステリアスな物腰柔らかそうな
喋り方:大人しく
階級:魔族
呼び名:破滅をもたらすモノ
時間多分1時間
題名:歪み切ったこの世界で…
第一章:無能のレン
台本
レン:毎日…毎日同じ夢を見る…いつも綺麗で平和な僕の故郷がある日突然、阿鼻叫喚な地獄に変わる。それは本当に瞬きをしない内に…一瞬で…なんの前触れもなく…変わり果てた。人々の断末魔と死体で燃え上がる炎が辺りを埋め尽くす…そんな地獄で僕はただ眺めていた…いや…眺める事しか出来なかったんだ。
リーナ:レン!
レン:誰かの声が聴こえた…聴き覚えるある心安らぐ声…
リーナ:レン!…
レン:思い出した…リーナだ…僕の幼馴染で…大切な…
リナ:レン!しっかりして!レン!
レン:…リー…ナ?
リーナ:レン…よかった…急いで一緒に逃げるよ!
レン:そう言いながらリナは僕の手を掴んで走った。…確かこの先に進むと国の外に出られるんだっけ…?
リーナ:門が見えた!外に出られる!もう少しの辛抱だからねレン
レン:…あぁ…そうだ…思い出した…君は…ここで…
リーナ:?!…どうしてここまで…なんで…
レン:リーナ?
リーナ:(深呼吸をする)…ごめんねレン少し間だけ、ここに隠れていてね
レン:リーナ…どこに…いくの?
リナ:大丈夫だよ…必ず戻ってくるから…だから…私がいいって言うまで…ここでじっとしていてね
レン:そう言って君は僕の頭を優しく撫でた
レン:待って…リーナ
リーナ:それじゃ行ってくるね!
レン:リーナ!!
レン!:あれから何時になっただろう…しばらく待ってもリナは来なかった…僕は我慢出来ずリナを探しに行った…
レン:はぁ…はぁ…
レン:朦朧としている意識の中僕はただひたすら歩き続けた…
レン:…あ…あぁ…リーナ…
レン:僕が見たものはリーナだった…正確にいえばリーナの死体だ
レン:ああああああああああ!!!!(泣き叫ぶ)
レン:僕は泣き叫んだ…いや、泣き叫ぶ事しか出来なかった…自分の無力さを痛感した…
レン:どうして…どうして!こんな事に(泣きながら)…なんで…なんでなんだぁぁ!!!
ムク:少年はただ叫ぶ事しか出来なかった…己の無力を呪いながら…そして、ただひたすら願った…無力な自分に、人を守る力を、人を救える力を、大切なあの子を守る力を…
(少し間おいて)
レン:は!…はぁ…はぁ…また…はぁ…あの夢だ(深呼吸をする)…一体なんなんだ…とりあえず支度をしなきゃ
ムク:少年は身支度をし外へ出る、出迎えてくれたのは、心地が良い程暖かい朝日だった
レン:今日もいい天気だな
リナ:あ!レンーー!
レン:あ、リーナおはよう
リーナ:おはよう!
レン:今日は珍しく早起きじゃないか
リーナ:えへへ…すごいでしょ!
レン:うん!…とても偉いよ!
リーナ:ん!
レン:ん?
レン:…あぁはいはい、よしよし偉いよリーナ
リーナ:えへへ
レン(心の声):リーナは頭を撫でるのが好きだ。何かに頑張った時いつも頭をこっちに向け撫でて欲しそうにする…それが…とても…とても…愛おしい…
リーナ:よし!レンに元気貰ったし!今日もお仕事頑張るぞー!
レン:うんじゃあ行こっか
リーナ:うん!
(少し間おいて)
???:この世界には魔族がいて、そしてそれを狩る退魔士が存在する、これはレン・アズリエルという名前の退魔士の物語…
(少し間おいて)
レン(心の声):ここはギルド僕ら退魔士が依頼を受ける場所でここは相変わらず賑やかだ…いや…賑やかすぎる…辺りを見渡せば朝っぱらから酒を飲みまくる人やとある依頼をかけて力試しをおっぱじめる人や新入りにちょっかいを出す人もいる…何より…圧倒的に人が多い…僕が何より苦手なのはこの沢山のひとご…!
レン:ううっ!(吐きそうになる)
リーナ:相変わらず人混みが苦手なんだね
レン:ごめんリーナ…ちょっと外の空気吸ってもいいかな?…
リーナ:いいよ、依頼の方は先に受けに行くから外で休んでて
レン:いつもごめん…
リーナ:いいの!いいの!いつものことじゃん!じゃあ行ってくるね!
レン:うん
レン:ダメだ…早く外に出たい…
ゼクス:お?あいつだ
クロエ:あいつ?
ゼクス:ほら昨日言ってただろ?リーナ・クローレンス、たった1人で5級魔族を倒したっていう
クロエ:あの子が?随分と若いのんだね…へぇー
ゼクス:ギルド内では神童なんて呼ばれる程だぜ
クロエ:呼び名なんてあったってなんの価値もない
ゼクス:なんだ?四級でもない奴がチヤホヤされて嫉妬してんのか?(嘲笑いながら)
クロエ:その口縫い合わすよ?
ゼクス:おぉ怖い怖い
クロエ:…で?その神童はソロなのか?
ゼクス:いや2人パーティで仕事をしているそうだ
クロエ:まさかそいつも優秀なの?
ゼクス:と、思うだろ?その神童にいつもひっついてる奴わよォ~…なんで退魔士なったんだよって言うぐらいくそ弱ぇーらしいぜ!、あまりの弱さに付けられた呼び名がなんだと思う?…無能(強調しながら)…なんだってよ!(人を馬鹿にするような大笑い)
レン:…!!
ゼクス:本当!神童って奴も仲間が弱いなんて飛んだ災な…
リーナ:ふん!!(ゼクスを殴る)
ゼクス:いってぇ!!
レン:リーナ?
リーナ:行こう!レン!
ゼクス:テメェ!なにすんだ!コノヤロ!
リーナ:べーー!
ゼクス:あ!テメェ待ちやがれ!
クロエ:やめろゼクス流石に今のはお前が悪い
ゼクス:(舌打ち)んだよホントの事言っただけだろうが…
(少し間おいて)
リーナ:全く!なんだよあいつ!レンの頑張りも知らないで
レン:…
リーナ:レンもあんなやつの事気にしなくていいからね
レン:…
リーナ:レン?
レン:でも…あの人が言ってた事は事実だよ…僕は無能だ
リーナ:レン
レン:…なに?
リーナ:チョッープ!!
レン:痛!
リーナ:そうやって自分を下に見ちゃう所ほんっと!良くないよ!
レン:…リーナ
リーナ:それに私知ってるんだからレンがいっぱい頑張ってるの…木刀を手の皮が向けるまで振って事もそれを寝る間も惜しんでやって事も知ってんだから…本当…本当!凄いと思うし偉いと思う!
レン:そう言って君は僕の頭を撫でてきた
リーナ:あ!でも無理しちゃダメだからね!無理は本当よくないよ!
レン:うん…ありがとう
リーナ:それじゃ!依頼も受けたしパパっと!終わらしちゃおう!
レン:うん
(少し間おいて)
レン:そういえばどんな依頼を受けたの?
リーナ:近くの森で魔物を見たっていう人がいてねそれを調査して欲しいそうだよ
レン:…んー(何かを考えている風に)
リーナ:レン?どうしたの?
レン:最近この近辺での魔物の目撃情報が多い気がする…
リーナ:言われてみれば確かに…なんでだろ?
レン:魔物は種によっては集団で行動するモノや逆に単独で行動するモノもいる、でも、沢山の目撃情報の中には集団で動く個体はいなかった…。もしかして単独で行動する個体が多数いるのかそれとも…(ボソボソと)
リーナ:レン?おーいレンー?
レン:あ!ごめん!どうしたの?
リーナ:さっき森の中から変なうめき声が聴こえたよ?こう、ガオー!ガオー!って
レン:もしかして魔物かもしれない…行ってみよう
リーナ:おー!!
(少し間おいて)
リーナ:おぉ魔物達ぐっすり寝てるねぇ(小声)
レン:まさか…寝ている魔物がオーガなんて…寝ててよかった(小声)
リーナ:どうする?叩き起して戦う?(小声)
レン:いやそのまま首を切り落として永眠させよう(小声)
リーナ:りょーかーい(小声)
リーナ:アーツ発動…よーしいくよぉーーー!
レン:ああ!リーナ起きちゃうから!静かに!(小声)
リーナ:あ!ごめん!起きてないかな?(小声)
レン:うん…まだ大丈夫みたい(小声)
リーナ:それじゃ早速(小声)…えーい!!
レン:リーナの不意打ちは見事オーガの首を断頭した(心の声)
リーナ:やったーー!倒したよ!レン!
レン:うん!凄かったよリーナ
リーナ:よぉーしこれで依頼達成だね!
レン:うん…(少し残念そうに)
リーナ:ん?どうしたの?レン?
レン:結局僕は何もしてないなって思って…リーナや他の退魔士の人達はみんなアーツを持ってるのに僕はそれすら持ってない…
レン:そう、退魔士にはアーツという固有の武器を生成し、使用する、人によってアーツの形は様々でまだ不明な点はあるがこの世界で唯一魔物を殺す事ができる…だけど僕にはそのアーツを持ってない、だからこそ僕は皆から無能と言われるている…(心の声)
リーナ:…レン
レン:え?!
レン:リーナは僕をそっと抱きしめた(心の声)
レン:りりりりリーナ?!どっどうしたの?!急に?!(慌てる)
リーナ:レンは無能なんかじゃないよ…
レン:…リーナ?でも…
リーナ:私、レン見て思ったんだ…レンは別に弱くなんかない、ただ、他の人より強くなるのが少し遅いだけでいずれは誰よりも強くなれるって
レン:でも…もし…いつまで経っても強くならなかったら…
リーナ:なる!レンは強くなれる!!(食い気味)
レン:どうして…そこまで…
リーナ:だって信じてるから!レンが強くなれるって私が信じてるから!
レン:…
リーナ:今が弱くてもね…私が…レンが強くなるまで守ってあげる…だからそんなに急がないでちょっとずつでいいんだよ(囁くように)
レン:…うん
リーナ:それじぁ帰ろっか!
レン:ありがとう…リーナ君がいるから僕は強くなりたいって頑張れるんだ…君が…いてくれるから…(小声)
ムク:本当にそれで君は満足かい?
レン:!?
リーナ:ん?どうしたの?レン?
レン:…いや…なんでもない…帰ろっか…
(少し間おいて)
ゼクス:(ため息)ちったぁ骨のある依頼かと思ったらこんな呆気なく終わっちまうとはなぁあ~あつまんねぇ~
クロエ:この程度の魔物を殺した所でなんの成長も上がらない…やはり魔族に挑んだ方がいい気がする
ゼクス:と言ってもよぉ~魔族なんざいくら探しても見当たらねぇ~じぁねぇか、ちきしょぉどっかにいねぇかなぁ?
クロエ:ん?
ゼクス:あん?どうしたんだ?
クロエ:ギルドから連絡だ…なに…!
ゼクス:どうしたんだ?
クロエ:魔族が現れた!
ゼクス:はっ!等々現れやがったか!いいぜぇ相手になってやらぁ!!
クロエ:全く…一級の奴らは何をしているんだ
ゼクス:どうせどっからのお偉いさんから任務をもらってそっちに没頭してるんだろうぜ
クロエ:クソ…こんな時に…これだから才能だけでどうにかなった奴は…
ゼクス:あんな奴らに何かを求めちゃこっちが損するだけだぜ…むしろ、これはチャンスだ
クロエ:?
ゼクス:一級の奴らから手柄を横取りすれば、俺達が昇格すること間違いなしってもんだ!
クロエ:確かに…アンタにしちゃ上手いこと言うじゃない
ゼクス:アンタにしちゃは余計だろ!、ほら!一級共が来ちまう前に魔族の野郎をぶっ潰しにいくぜ!
(少し間おいて)
リーナ:ん?どうしたの?レン?
レン:なんだろう…少し胸騒ぎがする…
リーナ:胸騒ぎ?
レン:…?!…あっ…リー…ナ
リーナ:レン?どうしたの?
レン:あれ…
リーナ:あっ…国が…
レン:僕たちの故郷が…燃えてる…
リーナ:なんで…どうして…
レン:急いで向かわなきゃ!
リーナ:うっうん!
(少し間をおいて)
レン:故郷に近づくにつれ青い空は赤く染まっていく綺麗な小鳥の囀りは途中から炎でもがき苦しむ人々の断末魔へ変わっていく…だけど何故だろう?僕は…この光景を何処かで見た気がする…(心の声)
リーナ:街のみんなが…街のみんなが!?
レン:あっ!待って!リーナ
レン:リーナは僕を置いて走って行った…確かに、リーナがあんな血相描いて走って行くのも頷く、だって街のみんなはリーナの事を良くしてくれたたから…(心の声)
リーナ:待ってて!今助けるから!
レン:リーナ!
リーナ:レン?…なんで手を掴むの?…このままじゃ…みんなが…助けなきゃ…
レン:リーナ…もう…手遅れだよ
リーナ:まだ…助かるよ…
レン:…助からないよ…
リーナ:なんで…みんな…優しかったじゃん…なんにも…悪い事してないじゃん…なんで…なんで…こんなの…こんなのあんまりだよぉぉ!(徐々に泣きながら最後に泣き叫ぶ)
レン:僕はリーナを強く抱き締め…安全な場所に移動させた…または僕は何も出来なかった…リーナの心に傷を負わせてしまった…なのにどうしてだろう…今日の僕はやけに落ち着いている…いやそれどころか何かが込み上げてくる…溢れてくる…こぼれ落ちる…この感情は…(心の声)
レン:そうか…わかったこれは怒りだ…リーナの大好きな街をめちゃくちゃにされた怒り、リーナの大好きな人達を全員殺した怒り、そのせいでリーナの心に深い傷を負ってしまった、リーナをこんな目に合わせたクソ野郎に対する怒り、リーナがこんなに苦しそうなのに何も出来なかった無能な自分への怒り…よくも…リーナを…よくも、よくも、よくも、よくも、よくも
リーナ:グスッごめんねレン…取り乱しちゃって…
レン:?!…へっ平気だよ…そんな事よりもう大丈夫?リーナ
リーナ:うん…大丈夫、ありがとう…こんな所で泣いてちゃだめだ、行かなきゃ!
レン:行くって…どこに…
リーナ:まだ救える人がいるかもしれないし、助けに行かなきゃ
レン:なら!僕も!
リーナ:だめ…
レン:…なんで
リーナ:レンは安全な所で待ってて
レン:でっでも!
リーナ:レン…お願い…
レン:なら…ならせめて…まだ生き残っている人達を避難させてから行く!
リーナ:レン…ありがとう…よし!それじゃ、行ってくるね!
レン:うん…
レン:リーナはそのまま向かった…(心の声)
レン:…よし、僕は、僕の出来ることをしよう…
(少し間を置いて)
ムク:予定通り順調に進んでるね~…さてと…後は君に任せるよ…
終了
男性3女性2
キャラ
キャラ1主人公:レン・アズリエル(17)
性別:男性
性格:正義感と自己犠牲が強い、優しい少年
喋り方:大人しげ
階級:十級
呼び名:無能
キャラ2:リーナ・クローレンス(15)
性別:女性
性格:明るく元気な女の子でレンとは幼馴染
喋り方:元気よく
階級:七級
呼び名:神童
キャラ3:クロエ・ルシア(20)
性別:女性
性格:いつもクールでボーイッシュな女性
喋り方:クール
階級:四級
呼び名:死剣
キャラ4:ゼクス・ラグナ(20)
性別:男性
性格:口が悪い脳筋
喋り方:ヤンキー風
階級:四級
呼び名:壊剣
ムク
性別:男
性格:ミステリアスな物腰柔らかそうな
喋り方:大人しく
階級:魔族
呼び名:破滅をもたらすモノ
時間多分1時間
題名:歪み切ったこの世界で…
第一章:無能のレン
台本
レン:毎日…毎日同じ夢を見る…いつも綺麗で平和な僕の故郷がある日突然、阿鼻叫喚な地獄に変わる。それは本当に瞬きをしない内に…一瞬で…なんの前触れもなく…変わり果てた。人々の断末魔と死体で燃え上がる炎が辺りを埋め尽くす…そんな地獄で僕はただ眺めていた…いや…眺める事しか出来なかったんだ。
リーナ:レン!
レン:誰かの声が聴こえた…聴き覚えるある心安らぐ声…
リーナ:レン!…
レン:思い出した…リーナだ…僕の幼馴染で…大切な…
リナ:レン!しっかりして!レン!
レン:…リー…ナ?
リーナ:レン…よかった…急いで一緒に逃げるよ!
レン:そう言いながらリナは僕の手を掴んで走った。…確かこの先に進むと国の外に出られるんだっけ…?
リーナ:門が見えた!外に出られる!もう少しの辛抱だからねレン
レン:…あぁ…そうだ…思い出した…君は…ここで…
リーナ:?!…どうしてここまで…なんで…
レン:リーナ?
リーナ:(深呼吸をする)…ごめんねレン少し間だけ、ここに隠れていてね
レン:リーナ…どこに…いくの?
リナ:大丈夫だよ…必ず戻ってくるから…だから…私がいいって言うまで…ここでじっとしていてね
レン:そう言って君は僕の頭を優しく撫でた
レン:待って…リーナ
リーナ:それじゃ行ってくるね!
レン:リーナ!!
レン!:あれから何時になっただろう…しばらく待ってもリナは来なかった…僕は我慢出来ずリナを探しに行った…
レン:はぁ…はぁ…
レン:朦朧としている意識の中僕はただひたすら歩き続けた…
レン:…あ…あぁ…リーナ…
レン:僕が見たものはリーナだった…正確にいえばリーナの死体だ
レン:ああああああああああ!!!!(泣き叫ぶ)
レン:僕は泣き叫んだ…いや、泣き叫ぶ事しか出来なかった…自分の無力さを痛感した…
レン:どうして…どうして!こんな事に(泣きながら)…なんで…なんでなんだぁぁ!!!
ムク:少年はただ叫ぶ事しか出来なかった…己の無力を呪いながら…そして、ただひたすら願った…無力な自分に、人を守る力を、人を救える力を、大切なあの子を守る力を…
(少し間おいて)
レン:は!…はぁ…はぁ…また…はぁ…あの夢だ(深呼吸をする)…一体なんなんだ…とりあえず支度をしなきゃ
ムク:少年は身支度をし外へ出る、出迎えてくれたのは、心地が良い程暖かい朝日だった
レン:今日もいい天気だな
リナ:あ!レンーー!
レン:あ、リーナおはよう
リーナ:おはよう!
レン:今日は珍しく早起きじゃないか
リーナ:えへへ…すごいでしょ!
レン:うん!…とても偉いよ!
リーナ:ん!
レン:ん?
レン:…あぁはいはい、よしよし偉いよリーナ
リーナ:えへへ
レン(心の声):リーナは頭を撫でるのが好きだ。何かに頑張った時いつも頭をこっちに向け撫でて欲しそうにする…それが…とても…とても…愛おしい…
リーナ:よし!レンに元気貰ったし!今日もお仕事頑張るぞー!
レン:うんじゃあ行こっか
リーナ:うん!
(少し間おいて)
???:この世界には魔族がいて、そしてそれを狩る退魔士が存在する、これはレン・アズリエルという名前の退魔士の物語…
(少し間おいて)
レン(心の声):ここはギルド僕ら退魔士が依頼を受ける場所でここは相変わらず賑やかだ…いや…賑やかすぎる…辺りを見渡せば朝っぱらから酒を飲みまくる人やとある依頼をかけて力試しをおっぱじめる人や新入りにちょっかいを出す人もいる…何より…圧倒的に人が多い…僕が何より苦手なのはこの沢山のひとご…!
レン:ううっ!(吐きそうになる)
リーナ:相変わらず人混みが苦手なんだね
レン:ごめんリーナ…ちょっと外の空気吸ってもいいかな?…
リーナ:いいよ、依頼の方は先に受けに行くから外で休んでて
レン:いつもごめん…
リーナ:いいの!いいの!いつものことじゃん!じゃあ行ってくるね!
レン:うん
レン:ダメだ…早く外に出たい…
ゼクス:お?あいつだ
クロエ:あいつ?
ゼクス:ほら昨日言ってただろ?リーナ・クローレンス、たった1人で5級魔族を倒したっていう
クロエ:あの子が?随分と若いのんだね…へぇー
ゼクス:ギルド内では神童なんて呼ばれる程だぜ
クロエ:呼び名なんてあったってなんの価値もない
ゼクス:なんだ?四級でもない奴がチヤホヤされて嫉妬してんのか?(嘲笑いながら)
クロエ:その口縫い合わすよ?
ゼクス:おぉ怖い怖い
クロエ:…で?その神童はソロなのか?
ゼクス:いや2人パーティで仕事をしているそうだ
クロエ:まさかそいつも優秀なの?
ゼクス:と、思うだろ?その神童にいつもひっついてる奴わよォ~…なんで退魔士なったんだよって言うぐらいくそ弱ぇーらしいぜ!、あまりの弱さに付けられた呼び名がなんだと思う?…無能(強調しながら)…なんだってよ!(人を馬鹿にするような大笑い)
レン:…!!
ゼクス:本当!神童って奴も仲間が弱いなんて飛んだ災な…
リーナ:ふん!!(ゼクスを殴る)
ゼクス:いってぇ!!
レン:リーナ?
リーナ:行こう!レン!
ゼクス:テメェ!なにすんだ!コノヤロ!
リーナ:べーー!
ゼクス:あ!テメェ待ちやがれ!
クロエ:やめろゼクス流石に今のはお前が悪い
ゼクス:(舌打ち)んだよホントの事言っただけだろうが…
(少し間おいて)
リーナ:全く!なんだよあいつ!レンの頑張りも知らないで
レン:…
リーナ:レンもあんなやつの事気にしなくていいからね
レン:…
リーナ:レン?
レン:でも…あの人が言ってた事は事実だよ…僕は無能だ
リーナ:レン
レン:…なに?
リーナ:チョッープ!!
レン:痛!
リーナ:そうやって自分を下に見ちゃう所ほんっと!良くないよ!
レン:…リーナ
リーナ:それに私知ってるんだからレンがいっぱい頑張ってるの…木刀を手の皮が向けるまで振って事もそれを寝る間も惜しんでやって事も知ってんだから…本当…本当!凄いと思うし偉いと思う!
レン:そう言って君は僕の頭を撫でてきた
リーナ:あ!でも無理しちゃダメだからね!無理は本当よくないよ!
レン:うん…ありがとう
リーナ:それじゃ!依頼も受けたしパパっと!終わらしちゃおう!
レン:うん
(少し間おいて)
レン:そういえばどんな依頼を受けたの?
リーナ:近くの森で魔物を見たっていう人がいてねそれを調査して欲しいそうだよ
レン:…んー(何かを考えている風に)
リーナ:レン?どうしたの?
レン:最近この近辺での魔物の目撃情報が多い気がする…
リーナ:言われてみれば確かに…なんでだろ?
レン:魔物は種によっては集団で行動するモノや逆に単独で行動するモノもいる、でも、沢山の目撃情報の中には集団で動く個体はいなかった…。もしかして単独で行動する個体が多数いるのかそれとも…(ボソボソと)
リーナ:レン?おーいレンー?
レン:あ!ごめん!どうしたの?
リーナ:さっき森の中から変なうめき声が聴こえたよ?こう、ガオー!ガオー!って
レン:もしかして魔物かもしれない…行ってみよう
リーナ:おー!!
(少し間おいて)
リーナ:おぉ魔物達ぐっすり寝てるねぇ(小声)
レン:まさか…寝ている魔物がオーガなんて…寝ててよかった(小声)
リーナ:どうする?叩き起して戦う?(小声)
レン:いやそのまま首を切り落として永眠させよう(小声)
リーナ:りょーかーい(小声)
リーナ:アーツ発動…よーしいくよぉーーー!
レン:ああ!リーナ起きちゃうから!静かに!(小声)
リーナ:あ!ごめん!起きてないかな?(小声)
レン:うん…まだ大丈夫みたい(小声)
リーナ:それじゃ早速(小声)…えーい!!
レン:リーナの不意打ちは見事オーガの首を断頭した(心の声)
リーナ:やったーー!倒したよ!レン!
レン:うん!凄かったよリーナ
リーナ:よぉーしこれで依頼達成だね!
レン:うん…(少し残念そうに)
リーナ:ん?どうしたの?レン?
レン:結局僕は何もしてないなって思って…リーナや他の退魔士の人達はみんなアーツを持ってるのに僕はそれすら持ってない…
レン:そう、退魔士にはアーツという固有の武器を生成し、使用する、人によってアーツの形は様々でまだ不明な点はあるがこの世界で唯一魔物を殺す事ができる…だけど僕にはそのアーツを持ってない、だからこそ僕は皆から無能と言われるている…(心の声)
リーナ:…レン
レン:え?!
レン:リーナは僕をそっと抱きしめた(心の声)
レン:りりりりリーナ?!どっどうしたの?!急に?!(慌てる)
リーナ:レンは無能なんかじゃないよ…
レン:…リーナ?でも…
リーナ:私、レン見て思ったんだ…レンは別に弱くなんかない、ただ、他の人より強くなるのが少し遅いだけでいずれは誰よりも強くなれるって
レン:でも…もし…いつまで経っても強くならなかったら…
リーナ:なる!レンは強くなれる!!(食い気味)
レン:どうして…そこまで…
リーナ:だって信じてるから!レンが強くなれるって私が信じてるから!
レン:…
リーナ:今が弱くてもね…私が…レンが強くなるまで守ってあげる…だからそんなに急がないでちょっとずつでいいんだよ(囁くように)
レン:…うん
リーナ:それじぁ帰ろっか!
レン:ありがとう…リーナ君がいるから僕は強くなりたいって頑張れるんだ…君が…いてくれるから…(小声)
ムク:本当にそれで君は満足かい?
レン:!?
リーナ:ん?どうしたの?レン?
レン:…いや…なんでもない…帰ろっか…
(少し間おいて)
ゼクス:(ため息)ちったぁ骨のある依頼かと思ったらこんな呆気なく終わっちまうとはなぁあ~あつまんねぇ~
クロエ:この程度の魔物を殺した所でなんの成長も上がらない…やはり魔族に挑んだ方がいい気がする
ゼクス:と言ってもよぉ~魔族なんざいくら探しても見当たらねぇ~じぁねぇか、ちきしょぉどっかにいねぇかなぁ?
クロエ:ん?
ゼクス:あん?どうしたんだ?
クロエ:ギルドから連絡だ…なに…!
ゼクス:どうしたんだ?
クロエ:魔族が現れた!
ゼクス:はっ!等々現れやがったか!いいぜぇ相手になってやらぁ!!
クロエ:全く…一級の奴らは何をしているんだ
ゼクス:どうせどっからのお偉いさんから任務をもらってそっちに没頭してるんだろうぜ
クロエ:クソ…こんな時に…これだから才能だけでどうにかなった奴は…
ゼクス:あんな奴らに何かを求めちゃこっちが損するだけだぜ…むしろ、これはチャンスだ
クロエ:?
ゼクス:一級の奴らから手柄を横取りすれば、俺達が昇格すること間違いなしってもんだ!
クロエ:確かに…アンタにしちゃ上手いこと言うじゃない
ゼクス:アンタにしちゃは余計だろ!、ほら!一級共が来ちまう前に魔族の野郎をぶっ潰しにいくぜ!
(少し間おいて)
リーナ:ん?どうしたの?レン?
レン:なんだろう…少し胸騒ぎがする…
リーナ:胸騒ぎ?
レン:…?!…あっ…リー…ナ
リーナ:レン?どうしたの?
レン:あれ…
リーナ:あっ…国が…
レン:僕たちの故郷が…燃えてる…
リーナ:なんで…どうして…
レン:急いで向かわなきゃ!
リーナ:うっうん!
(少し間をおいて)
レン:故郷に近づくにつれ青い空は赤く染まっていく綺麗な小鳥の囀りは途中から炎でもがき苦しむ人々の断末魔へ変わっていく…だけど何故だろう?僕は…この光景を何処かで見た気がする…(心の声)
リーナ:街のみんなが…街のみんなが!?
レン:あっ!待って!リーナ
レン:リーナは僕を置いて走って行った…確かに、リーナがあんな血相描いて走って行くのも頷く、だって街のみんなはリーナの事を良くしてくれたたから…(心の声)
リーナ:待ってて!今助けるから!
レン:リーナ!
リーナ:レン?…なんで手を掴むの?…このままじゃ…みんなが…助けなきゃ…
レン:リーナ…もう…手遅れだよ
リーナ:まだ…助かるよ…
レン:…助からないよ…
リーナ:なんで…みんな…優しかったじゃん…なんにも…悪い事してないじゃん…なんで…なんで…こんなの…こんなのあんまりだよぉぉ!(徐々に泣きながら最後に泣き叫ぶ)
レン:僕はリーナを強く抱き締め…安全な場所に移動させた…または僕は何も出来なかった…リーナの心に傷を負わせてしまった…なのにどうしてだろう…今日の僕はやけに落ち着いている…いやそれどころか何かが込み上げてくる…溢れてくる…こぼれ落ちる…この感情は…(心の声)
レン:そうか…わかったこれは怒りだ…リーナの大好きな街をめちゃくちゃにされた怒り、リーナの大好きな人達を全員殺した怒り、そのせいでリーナの心に深い傷を負ってしまった、リーナをこんな目に合わせたクソ野郎に対する怒り、リーナがこんなに苦しそうなのに何も出来なかった無能な自分への怒り…よくも…リーナを…よくも、よくも、よくも、よくも、よくも
リーナ:グスッごめんねレン…取り乱しちゃって…
レン:?!…へっ平気だよ…そんな事よりもう大丈夫?リーナ
リーナ:うん…大丈夫、ありがとう…こんな所で泣いてちゃだめだ、行かなきゃ!
レン:行くって…どこに…
リーナ:まだ救える人がいるかもしれないし、助けに行かなきゃ
レン:なら!僕も!
リーナ:だめ…
レン:…なんで
リーナ:レンは安全な所で待ってて
レン:でっでも!
リーナ:レン…お願い…
レン:なら…ならせめて…まだ生き残っている人達を避難させてから行く!
リーナ:レン…ありがとう…よし!それじゃ、行ってくるね!
レン:うん…
レン:リーナはそのまま向かった…(心の声)
レン:…よし、僕は、僕の出来ることをしよう…
(少し間を置いて)
ムク:予定通り順調に進んでるね~…さてと…後は君に任せるよ…
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