407 / 428
激闘九州猛将伝
第四百七話 陣中見舞い
しおりを挟む
待ち構える新政府軍に、最初に突っ込んだのは安東常久様の配下と、島津義弘様の配下の中で、黒い具足を装備する兵士達でした。
黒い具足の兵士達は無敵の強さで、最初にバリケードを破壊すると、盾を装備する兵士を打ち倒し、槍隊を蹴散らして新政府軍を丸裸にします。
これで一気に陣形が崩れると、そこに九州雄藩連合の兵士本隊が雪崩れ込みました。
「ぐわああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!」
敵兵から悲鳴が上がります。
兵士の質も九州雄藩連合の方が上のようです。九州を代表する精鋭達ですからね。
新政府軍の兵士達は、五番目、六番目、七番目の兵士達です。隊長は優秀ですが兵士の質では九州が圧倒しているようです。
新政府軍は一気に形勢が悪くなります。
「てっ、撤退だーー!!!! 勝山の砦まで撤退するぞーー!! 遅れるなーー!!」
ナカヅイ隊長からの撤退の指示が出ました。
「深追いはするなーー!!」
ベッキーと安東常久様、そして島津義弘様の声が聞こえます。
九州雄藩連合軍は逃げる新政府軍を追いかけることはしませんでした。
残された動けないほどの大けがをした敵兵のみを捕虜にして、動ける兵士は皆逃がしました。
「よーーし、いいだろう!!!! 我軍の勝利だあぁぁーーーー!!!!」
総大将島津義弘様の声が上がると。
「うおおおおおおおおおぉぉぉぉーーーーーーーー!!!!!」
兵士達の大歓声が上がりました。
その声は、あたりの全部を震動させるような、そんな大きな声でした。
続けて勝ち鬨を上げると島津義弘様は部隊を進めます。
島津様は、関門橋と敵の砦の中間に有る学校を陣と決め、全軍をあげて陣を包む様に柵を作り始めました。
まるで、しばらく動かずに、にらみ合いを続ける。そんな意志すら感じます。
私は部下を走らせて、敵の動きを探ります。
ですが、砦にこもった新政府軍も九州雄藩連合軍と同様に、防御を固める作業を始めて、にらみ合いに応じる動きをしています。まったく動きがありません。
まるで、お互い何か約束事をしている様に見えます。
三日ほどの時間が立ちました。
「おーーーーい!! 大殿からの陣中見舞いだーー!!!!」
校庭に輸送型UFOが着陸しています。
校庭にはゾロゾロと、既に兵士が集っています。
「桃井様」
UFOには私の部下も乗っていた様です。
「はい」
「うふふ、何だと思いますか?」
部下が、いたずらっぽく楽しそうに笑います。
「えっ!? なんでしょう。わかりません。」
「アイスクリームですよ。しぼりたての牛乳とお砂糖がたっぷりです。ほっぺたが落ちそうになりますよ」
「なんですってーー!! アイスクリームーーッ!!」
私は思わず大声が出ました。
周りの兵士達が、一斉にこっちを向きました。そして、唾をゴクリと飲み込みました。
時は真夏です。
何も無くなったこの世界で、アイスクリームです。喜ばない人はいないでしょう。
「うふふ、しかも大殿の手作りですよ」
「えっ??」
だって、大殿は札幌で戦争の真っ最中じゃないですか。
「札幌は現在包囲戦をしています。北海道国を共和国軍が包囲をして、持久戦の最中です。大殿は、あずさ様とヒマリ様を連れて、農地で夏野菜を収穫したり、牧場でアイスクリームを作ったりして、二人に夏休みの楽しい思い出を作ろうと頑張っているようです」
うふふ、そうか、ここと同じで暇なんだ。
きっと、あずさ様とヒマリ様は毎日笑顔で、楽しすぎる夏休みを送っていますね。
帰るのが嫌になるのじゃ無いかしら。
「すごい量じゃのう」
安東常久様の声がします。
「ふむ、まさかこれは、ナカヅイ達にも食わせてやれと言うことかのう」
島津義弘様が応えました。
「ははは、それは面白いじゃないですか。ついでにジンギスカンも送ってやったらどうですか」
ベッキーが笑いながら言いました。
私は口に入れようとしたアイスクリームを、ポロリと皿に落としてしまいました。
な、何を言っているのでしょうか。敵ですよ。
しかも三人とも、とても楽しそうです。
友達に美味しい物をプレゼントする。そんな雰囲気です。
「あのー、トラックになれたりしますか?」
私は、青いUFOに話しかけました。
「うおおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!! すげーーーー!!!! すげーーーー!!!!」
三人の猛将が子供の様に、はしゃぎます。
UFOが変形して、トラックに変わりました。
荷物はそのまま、荷台に入っています。
「よぉーーし、みんなー!! ジンギスカンの肉と野菜と、そうだなあ、美味いおかずにはご飯も必要だろう、米も積んでやれーー!!!!」
総大将の島津義弘様が言いました。
本当にすごいのはやっぱり大殿ですよね。こんな凄いものを作るなんて……
兵士達が次々物資を積み込んでいきます。
「では、桃井さんお願いします」
積み込みが終わると、島津義弘様が私に言いました。
「はい」
私はトラックに乗り込むと一人で敵の勝山砦に向います。
女が一人の方が安心するだろう、と言うことでわたしが選ばれました。
私は透明にした忍者コスチュームの上に、可愛いピンクのワンピースを着ました。
桃井ですからね。そして、頭には麦わら帽子です。
でも本当は一人ではありません。当然部下の忍者四人を、護衛のために姿が見えない様に透明にして潜ませていますけどね。
そして、敵の待つ砦に向いました。
黒い具足の兵士達は無敵の強さで、最初にバリケードを破壊すると、盾を装備する兵士を打ち倒し、槍隊を蹴散らして新政府軍を丸裸にします。
これで一気に陣形が崩れると、そこに九州雄藩連合の兵士本隊が雪崩れ込みました。
「ぐわああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!」
敵兵から悲鳴が上がります。
兵士の質も九州雄藩連合の方が上のようです。九州を代表する精鋭達ですからね。
新政府軍の兵士達は、五番目、六番目、七番目の兵士達です。隊長は優秀ですが兵士の質では九州が圧倒しているようです。
新政府軍は一気に形勢が悪くなります。
「てっ、撤退だーー!!!! 勝山の砦まで撤退するぞーー!! 遅れるなーー!!」
ナカヅイ隊長からの撤退の指示が出ました。
「深追いはするなーー!!」
ベッキーと安東常久様、そして島津義弘様の声が聞こえます。
九州雄藩連合軍は逃げる新政府軍を追いかけることはしませんでした。
残された動けないほどの大けがをした敵兵のみを捕虜にして、動ける兵士は皆逃がしました。
「よーーし、いいだろう!!!! 我軍の勝利だあぁぁーーーー!!!!」
総大将島津義弘様の声が上がると。
「うおおおおおおおおおぉぉぉぉーーーーーーーー!!!!!」
兵士達の大歓声が上がりました。
その声は、あたりの全部を震動させるような、そんな大きな声でした。
続けて勝ち鬨を上げると島津義弘様は部隊を進めます。
島津様は、関門橋と敵の砦の中間に有る学校を陣と決め、全軍をあげて陣を包む様に柵を作り始めました。
まるで、しばらく動かずに、にらみ合いを続ける。そんな意志すら感じます。
私は部下を走らせて、敵の動きを探ります。
ですが、砦にこもった新政府軍も九州雄藩連合軍と同様に、防御を固める作業を始めて、にらみ合いに応じる動きをしています。まったく動きがありません。
まるで、お互い何か約束事をしている様に見えます。
三日ほどの時間が立ちました。
「おーーーーい!! 大殿からの陣中見舞いだーー!!!!」
校庭に輸送型UFOが着陸しています。
校庭にはゾロゾロと、既に兵士が集っています。
「桃井様」
UFOには私の部下も乗っていた様です。
「はい」
「うふふ、何だと思いますか?」
部下が、いたずらっぽく楽しそうに笑います。
「えっ!? なんでしょう。わかりません。」
「アイスクリームですよ。しぼりたての牛乳とお砂糖がたっぷりです。ほっぺたが落ちそうになりますよ」
「なんですってーー!! アイスクリームーーッ!!」
私は思わず大声が出ました。
周りの兵士達が、一斉にこっちを向きました。そして、唾をゴクリと飲み込みました。
時は真夏です。
何も無くなったこの世界で、アイスクリームです。喜ばない人はいないでしょう。
「うふふ、しかも大殿の手作りですよ」
「えっ??」
だって、大殿は札幌で戦争の真っ最中じゃないですか。
「札幌は現在包囲戦をしています。北海道国を共和国軍が包囲をして、持久戦の最中です。大殿は、あずさ様とヒマリ様を連れて、農地で夏野菜を収穫したり、牧場でアイスクリームを作ったりして、二人に夏休みの楽しい思い出を作ろうと頑張っているようです」
うふふ、そうか、ここと同じで暇なんだ。
きっと、あずさ様とヒマリ様は毎日笑顔で、楽しすぎる夏休みを送っていますね。
帰るのが嫌になるのじゃ無いかしら。
「すごい量じゃのう」
安東常久様の声がします。
「ふむ、まさかこれは、ナカヅイ達にも食わせてやれと言うことかのう」
島津義弘様が応えました。
「ははは、それは面白いじゃないですか。ついでにジンギスカンも送ってやったらどうですか」
ベッキーが笑いながら言いました。
私は口に入れようとしたアイスクリームを、ポロリと皿に落としてしまいました。
な、何を言っているのでしょうか。敵ですよ。
しかも三人とも、とても楽しそうです。
友達に美味しい物をプレゼントする。そんな雰囲気です。
「あのー、トラックになれたりしますか?」
私は、青いUFOに話しかけました。
「うおおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!! すげーーーー!!!! すげーーーー!!!!」
三人の猛将が子供の様に、はしゃぎます。
UFOが変形して、トラックに変わりました。
荷物はそのまま、荷台に入っています。
「よぉーーし、みんなー!! ジンギスカンの肉と野菜と、そうだなあ、美味いおかずにはご飯も必要だろう、米も積んでやれーー!!!!」
総大将の島津義弘様が言いました。
本当にすごいのはやっぱり大殿ですよね。こんな凄いものを作るなんて……
兵士達が次々物資を積み込んでいきます。
「では、桃井さんお願いします」
積み込みが終わると、島津義弘様が私に言いました。
「はい」
私はトラックに乗り込むと一人で敵の勝山砦に向います。
女が一人の方が安心するだろう、と言うことでわたしが選ばれました。
私は透明にした忍者コスチュームの上に、可愛いピンクのワンピースを着ました。
桃井ですからね。そして、頭には麦わら帽子です。
でも本当は一人ではありません。当然部下の忍者四人を、護衛のために姿が見えない様に透明にして潜ませていますけどね。
そして、敵の待つ砦に向いました。
0
お気に入りに追加
137
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる