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第七十七話 変身!!
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「うおおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!!」
清水の殿様が渾身の一撃を俺に入れてきた。
急な攻撃だったため、反射的に左手の甲で受け流した。
ゾリゾリ
手に気持ち悪い感触が残る。
左手の甲を見ると、黒い剛毛がびっしり付いている。
ひえー、気持ちわりー。
その後は触ると気持ち悪いので、全て避けるようにした。
動きは、リラよりも遅い。これなら、いけそうな気がする。
ビビって損した。
「おのれー、ちょこまかとー、よくにげよるわ!」
そう言うと清水の殿様は、ピタリと動きを止めた。
「ぐおおおおおおおーーーーーー!!!!!! ふふふ、俺にこれをやらせたのは、お前が初めてだ」
気合いを入れると、全身の筋肉が一回り大きくなったように感じる。
全身の毛も増えたように感じる。
だが、そのせいか頭のてっぺんのハゲが、余計に目立っている。
まるで、熊がカッパ化したように見える。
「とうとう、この時が来たようだな」
俺も実は、いつまでもジャージじゃいけないと思って、変身の用意をしていた。
当たり前である。何しろ俺はオタクなのだから。
「いでよ、ブラックゴーレム!!」
アダマンタイト製で黒い人型の二メートルほどのゴーレムを出した。
だが、このゴーレムは、中が空洞になっている。
「オイサスト! シュヴァイン!!」
声と共に、全身を光らせる、そしてヘルメットとジャージを収納魔法で収納し、激豚の海パン一丁になる。
ブラックゴーレムがパーツごとに分かれ俺を包んでいく。
パーツが俺を包み終ると光が消える。
「おおおおおおおーーーーー!!」
まわりから喚声があがった。
全身をアダマンタイトが包み、キラキラ輝く、そして全身にある黄色の溝がまるで模様のように、金色に光る。
これが、俺の変身だ。
「き、きさま、変身するのか!」
「当たり前だ。正義のヒーロー! アンナメーダーマンだからな!!」
ふふふ、これがアニメなら二話目くらいだろうか。
アンナメーダーマンの変身である。
「うがあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!
熊ガッパが、攻撃してきた。
「さすが、巨大化しただけはあるな、攻撃力が上昇している。だが、それでは俺には勝てん!!」
俺は、一歩踏み込み、掌底を胸に合わせた。
「アンナメーダー! キック!!」
「……!?」
「あっ間違えた。アンナメーダー! パーム!!だった。寝ないで考えたのにーーーーー!!!!」
熊ガッパの体が、仰向けに飛んで行く。
あまりの勢いに、誰も手を出せず、モーゼの葦の海の奇跡のように、熊ガッパの飛ぶ方向の人垣が二つに割れた。
清水衆と今川衆の人垣を越えてもなお、熊ガッパの体は飛び、徐々に重力に引っ張られ、地面に近づく。
ザッ…………ザッ……ザッ、ザザザザザーー
まるで、水面を水切りする石の様に国道のアスファルトの上を熊ガッパの体がバウンドし、転がって止まった。
「ぐおーーっ!!」
熊ガッパが一声吠えると立ち上がった。
だが、そこまでだった。
立ち上がると、力尽きゆっくり崩れ落ちた。
「わあああああぁぁぁーーーー!!!!」
俺の後ろから歓声が上がった。
ふむ、変身しない方がもっと飛んだはずだ。
どうやら、変身すると、体を包むゴーレムの力でたたかう事になるようだ。
あんまり無茶をすれば、壊れる可能性もある。
だが、この地球上で、このゴーレムより丈夫な素材はない。
我慢するしか無いようだ。
ふふふ、ここに俺が知る限り初めての、変身した方が弱くなるヒーローが誕生した。
「アプザーゲ!」
もう一度体を光らせて、ジャージとヘルメット姿になる。
黒いゴーレムは出しっぱなしにした。
「さて、これで俺の勝ちと、いう事で良いのだろうか」
「はっ!!」
「そう言えば、まだ、名前を聞いていなかったな」
「はい、俺……、私の本名は鈴木二郎、今は北条六郎を名乗っています」
な、なにーーーっ!
こいつそう言えば、俳優の佐藤二朗に似ているぞ。
今川は、佐藤一郎だった。
で、こいつは鈴木二朗、顔は佐藤二朗。
ぎゃーーっ、おぼえきらんわーーー。ややこしすぎるー!!
「わかった。以後、北条だけで名乗るように」
「はっ」
これで、わかりやすい。
「大田さん、清水家の者はどうしましょう」
尾野上隊長が、聞いて来た。
「そうですねー、清水の殿様に同行したい者はそれを許します。それ以外は、とりあえず、今川さんの配下に編入して下さい」
「はっ! 聞いたかー、清水殿に同行したい者は許可が下りた。同行をゆるす。清水殿を連れ、駿河から速やかに出て行くように」
「あっ、尾野上隊長、武器の携帯は許しません。でも食糧は多めに渡してあげて下さい」
「はっ、清水殿にかわって御礼申し上げます」
結局、清水の殿様に同行する者は三十人程だった。
まあ、人望がそれなりにあるという事だろうか。
「北条さん、あなたは、しばらく保井家にとどまって下さい」
「はっ、あの……」
「どうしました」
「実は、保井家にはもうほとんど食糧がありません」
「そうですか。それで必死に美少女捜しをしていたのですね。分かりました。手配します」
「はっ、ありがとうございます」
「じゃあ、とりあえず、俺は店に帰ります。尾野上隊長、では後ほどお店で再会しましょう」
「わかりました」
「オイサスト! シュヴァイン!!」
俺は変身すると、空を飛んで大田大商店にむかった。
清水の殿様が渾身の一撃を俺に入れてきた。
急な攻撃だったため、反射的に左手の甲で受け流した。
ゾリゾリ
手に気持ち悪い感触が残る。
左手の甲を見ると、黒い剛毛がびっしり付いている。
ひえー、気持ちわりー。
その後は触ると気持ち悪いので、全て避けるようにした。
動きは、リラよりも遅い。これなら、いけそうな気がする。
ビビって損した。
「おのれー、ちょこまかとー、よくにげよるわ!」
そう言うと清水の殿様は、ピタリと動きを止めた。
「ぐおおおおおおおーーーーーー!!!!!! ふふふ、俺にこれをやらせたのは、お前が初めてだ」
気合いを入れると、全身の筋肉が一回り大きくなったように感じる。
全身の毛も増えたように感じる。
だが、そのせいか頭のてっぺんのハゲが、余計に目立っている。
まるで、熊がカッパ化したように見える。
「とうとう、この時が来たようだな」
俺も実は、いつまでもジャージじゃいけないと思って、変身の用意をしていた。
当たり前である。何しろ俺はオタクなのだから。
「いでよ、ブラックゴーレム!!」
アダマンタイト製で黒い人型の二メートルほどのゴーレムを出した。
だが、このゴーレムは、中が空洞になっている。
「オイサスト! シュヴァイン!!」
声と共に、全身を光らせる、そしてヘルメットとジャージを収納魔法で収納し、激豚の海パン一丁になる。
ブラックゴーレムがパーツごとに分かれ俺を包んでいく。
パーツが俺を包み終ると光が消える。
「おおおおおおおーーーーー!!」
まわりから喚声があがった。
全身をアダマンタイトが包み、キラキラ輝く、そして全身にある黄色の溝がまるで模様のように、金色に光る。
これが、俺の変身だ。
「き、きさま、変身するのか!」
「当たり前だ。正義のヒーロー! アンナメーダーマンだからな!!」
ふふふ、これがアニメなら二話目くらいだろうか。
アンナメーダーマンの変身である。
「うがあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!
熊ガッパが、攻撃してきた。
「さすが、巨大化しただけはあるな、攻撃力が上昇している。だが、それでは俺には勝てん!!」
俺は、一歩踏み込み、掌底を胸に合わせた。
「アンナメーダー! キック!!」
「……!?」
「あっ間違えた。アンナメーダー! パーム!!だった。寝ないで考えたのにーーーーー!!!!」
熊ガッパの体が、仰向けに飛んで行く。
あまりの勢いに、誰も手を出せず、モーゼの葦の海の奇跡のように、熊ガッパの飛ぶ方向の人垣が二つに割れた。
清水衆と今川衆の人垣を越えてもなお、熊ガッパの体は飛び、徐々に重力に引っ張られ、地面に近づく。
ザッ…………ザッ……ザッ、ザザザザザーー
まるで、水面を水切りする石の様に国道のアスファルトの上を熊ガッパの体がバウンドし、転がって止まった。
「ぐおーーっ!!」
熊ガッパが一声吠えると立ち上がった。
だが、そこまでだった。
立ち上がると、力尽きゆっくり崩れ落ちた。
「わあああああぁぁぁーーーー!!!!」
俺の後ろから歓声が上がった。
ふむ、変身しない方がもっと飛んだはずだ。
どうやら、変身すると、体を包むゴーレムの力でたたかう事になるようだ。
あんまり無茶をすれば、壊れる可能性もある。
だが、この地球上で、このゴーレムより丈夫な素材はない。
我慢するしか無いようだ。
ふふふ、ここに俺が知る限り初めての、変身した方が弱くなるヒーローが誕生した。
「アプザーゲ!」
もう一度体を光らせて、ジャージとヘルメット姿になる。
黒いゴーレムは出しっぱなしにした。
「さて、これで俺の勝ちと、いう事で良いのだろうか」
「はっ!!」
「そう言えば、まだ、名前を聞いていなかったな」
「はい、俺……、私の本名は鈴木二郎、今は北条六郎を名乗っています」
な、なにーーーっ!
こいつそう言えば、俳優の佐藤二朗に似ているぞ。
今川は、佐藤一郎だった。
で、こいつは鈴木二朗、顔は佐藤二朗。
ぎゃーーっ、おぼえきらんわーーー。ややこしすぎるー!!
「わかった。以後、北条だけで名乗るように」
「はっ」
これで、わかりやすい。
「大田さん、清水家の者はどうしましょう」
尾野上隊長が、聞いて来た。
「そうですねー、清水の殿様に同行したい者はそれを許します。それ以外は、とりあえず、今川さんの配下に編入して下さい」
「はっ! 聞いたかー、清水殿に同行したい者は許可が下りた。同行をゆるす。清水殿を連れ、駿河から速やかに出て行くように」
「あっ、尾野上隊長、武器の携帯は許しません。でも食糧は多めに渡してあげて下さい」
「はっ、清水殿にかわって御礼申し上げます」
結局、清水の殿様に同行する者は三十人程だった。
まあ、人望がそれなりにあるという事だろうか。
「北条さん、あなたは、しばらく保井家にとどまって下さい」
「はっ、あの……」
「どうしました」
「実は、保井家にはもうほとんど食糧がありません」
「そうですか。それで必死に美少女捜しをしていたのですね。分かりました。手配します」
「はっ、ありがとうございます」
「じゃあ、とりあえず、俺は店に帰ります。尾野上隊長、では後ほどお店で再会しましょう」
「わかりました」
「オイサスト! シュヴァイン!!」
俺は変身すると、空を飛んで大田大商店にむかった。
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