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第六十一話 作戦
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じっと見つめてくる会長の顔は誰かに似ている。
でも、誰かまではわからない。
なんだか、こう、すごくもやもやする。
「あの、ノノコ様どうなされました?」
つまらないことを考えていたら会長が心配している。
「いえ、何でもありません」
「私達、生徒会は何をお手伝いしたらよろしいのでしょうか?」
「はい、生徒失踪事件の真相をノノコという生徒が、調べているという噂を流して欲しいのです」
「なるほど、真犯人がそれを知れば、ノノコ様を殺そうとするというわけですね」
「そうです」
「わかりました、今日中には全生徒が知るように広めて見せましょう」
「いいえ、そんなに急いでは怪しすぎますので、ゆっくり広めてください」
「わかりました。では、お茶の用意を致しますので、皆さんから何か聞きたい事とかありましたらどうぞ」
そういうと、生徒会の役員の方がいそいそと数名お茶の用意に入った。
「一つ聞いてもいいか?」
「どうぞゴリ君」
「ノノコちゃんはいったいどういうお方なんだ」
「僕は、魔法学園一年F組ノノコです」
メグちゃんとゴリ君をのぞいて全員苦笑しています。
「ちっ、秘密って事かよ。わかったよ」
「あの、私は襲われたりしませんか」
メグちゃんが心配そうな顔をしています。
「そうですね。寮を襲撃してくるかもしれません。部屋替えを考えた方がいいですね」
会長が笑っています。
恐らく自分が部屋を変わるとか言いそうな表情です。
メグちゃんは黙り込み何か考え込んでいるようです。
「やっぱり、襲われてもいいです」
「えっ」
「だって、エリサ先生かノノコ様が守ってくれるに決まっています。だから、恐くありません。それにノノコ様と一緒の部屋なんて、世界で一番幸せ者の気がします」
僕をのぞく全員がメグちゃんを見ました。
僕との相部屋ごときが、そんなに価値があるわけないでしょうに。
「僕と相部屋したい人なんていますか?」
何だか冗談で聞いて見たくなった。
全員の手が上がった。
給湯室でお茶の準備をしている人までこっちに来て手をあげている。
ローズまですごい真っ直ぐ手をあげている。
ゴリ君や、男性の生徒会役員まで綺麗に手をあげている。
それは、綺麗に手をあげた人が選ばれる的な感じがするほどに真っ直ぐ上がっている。
そもそも女子寮なんだから男は無理でしょうに。
しかし、ノコはどんだけ人気があるんだよー。
さえないおっちゃんだよー。まじでー。
「お茶の準備が終りました」
「では、エリサ先生、シュークリームをお願いします」
「え、会長が何でシュークリームを知っているんだ」
「はっ、ノコ様、まさか私をお忘れですか。うそですよね」
「……」
「うふふふ、そうですね。お忘れも何も憶えて貰えてもいないようですね。お城でノコ様の料理を食べたとき私もいたのですけど。……私はヒュアの姉です。この世界で王族の顔を覚えない人はノコ様ぐらいですわ」
そうか、もやもやの謎がやっと解けた。この人、ヒュアちゃんに似ていたんだー。納得。
その後、シュークリームが配られると、一口食べて全員しばらく押し黙ってしまった。
そして一人三個以上食べている。
ヒュナ会長とゴリ君は六個ペロリと平らげていた。
お茶が済むと、教室に戻ったが、遅刻扱いとされた。
でも、誰かまではわからない。
なんだか、こう、すごくもやもやする。
「あの、ノノコ様どうなされました?」
つまらないことを考えていたら会長が心配している。
「いえ、何でもありません」
「私達、生徒会は何をお手伝いしたらよろしいのでしょうか?」
「はい、生徒失踪事件の真相をノノコという生徒が、調べているという噂を流して欲しいのです」
「なるほど、真犯人がそれを知れば、ノノコ様を殺そうとするというわけですね」
「そうです」
「わかりました、今日中には全生徒が知るように広めて見せましょう」
「いいえ、そんなに急いでは怪しすぎますので、ゆっくり広めてください」
「わかりました。では、お茶の用意を致しますので、皆さんから何か聞きたい事とかありましたらどうぞ」
そういうと、生徒会の役員の方がいそいそと数名お茶の用意に入った。
「一つ聞いてもいいか?」
「どうぞゴリ君」
「ノノコちゃんはいったいどういうお方なんだ」
「僕は、魔法学園一年F組ノノコです」
メグちゃんとゴリ君をのぞいて全員苦笑しています。
「ちっ、秘密って事かよ。わかったよ」
「あの、私は襲われたりしませんか」
メグちゃんが心配そうな顔をしています。
「そうですね。寮を襲撃してくるかもしれません。部屋替えを考えた方がいいですね」
会長が笑っています。
恐らく自分が部屋を変わるとか言いそうな表情です。
メグちゃんは黙り込み何か考え込んでいるようです。
「やっぱり、襲われてもいいです」
「えっ」
「だって、エリサ先生かノノコ様が守ってくれるに決まっています。だから、恐くありません。それにノノコ様と一緒の部屋なんて、世界で一番幸せ者の気がします」
僕をのぞく全員がメグちゃんを見ました。
僕との相部屋ごときが、そんなに価値があるわけないでしょうに。
「僕と相部屋したい人なんていますか?」
何だか冗談で聞いて見たくなった。
全員の手が上がった。
給湯室でお茶の準備をしている人までこっちに来て手をあげている。
ローズまですごい真っ直ぐ手をあげている。
ゴリ君や、男性の生徒会役員まで綺麗に手をあげている。
それは、綺麗に手をあげた人が選ばれる的な感じがするほどに真っ直ぐ上がっている。
そもそも女子寮なんだから男は無理でしょうに。
しかし、ノコはどんだけ人気があるんだよー。
さえないおっちゃんだよー。まじでー。
「お茶の準備が終りました」
「では、エリサ先生、シュークリームをお願いします」
「え、会長が何でシュークリームを知っているんだ」
「はっ、ノコ様、まさか私をお忘れですか。うそですよね」
「……」
「うふふふ、そうですね。お忘れも何も憶えて貰えてもいないようですね。お城でノコ様の料理を食べたとき私もいたのですけど。……私はヒュアの姉です。この世界で王族の顔を覚えない人はノコ様ぐらいですわ」
そうか、もやもやの謎がやっと解けた。この人、ヒュアちゃんに似ていたんだー。納得。
その後、シュークリームが配られると、一口食べて全員しばらく押し黙ってしまった。
そして一人三個以上食べている。
ヒュナ会長とゴリ君は六個ペロリと平らげていた。
お茶が済むと、教室に戻ったが、遅刻扱いとされた。
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