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第十二話 襲撃事件の終息

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「分からないわけがあるかー!! 人間はいつもいつも姑息な手をつかいおってー!!」

トロールキングが激怒している。

「……あわわわわ」

その剣幕に怯えて冒険者は返事も出来なくなっている。

「貴様達人間が、我ダンジョンにゾンビを入れた為に、二十階までゾンビに汚染されてしまったわ!!」

「……ううう、し、知らない、おれは、知らない」

「しらばっくれるなー、他に誰がそんなことをするというのだー!!」

「あー、それ、私がやりました」

僕たちは街の外壁の上に移動した。
そしてローズが緊張感無く言い放った。

「あ、あなたは……まさか、ローズ様」

トロールキングがすごく驚いている。
ローズって意外と有名なのか?

「そうです」

「全員控えろー、控えるんだーー」

モンスター達が凄い勢いで集まり、平伏した。
トロールキングさえもひざまずき頭を下げている。

「ローズ様がここにおられると言うことは、そちらの二人の内どちらかが冥府王様ですか?」

「そうです!」

「ははーーっ」

「ゾンビは私が、転送しました。文句がありますか」

ロ、ローズがすごく偉そうにしている。

「そ、そういう事でしたか」

「そうです。そういうことです」

うわー、どーいうことだよ。

「王よ、私にはよく分かりません、説明して頂けませんか?」

冒険者を握っているトロールが、トロールキングに尋ねた。

「馬鹿め、分からぬのか。先日の誘拐事件だ。四階に賊が侵入していたのを我らが、手出しできなかった事にお怒りなのだ」

「しかし、あれは四階のドラゴンクイーンのゾンビがいた為で……」

「ば、ばかもん。言い訳をするな。あのダンジョンでの不始末は我らの責任じゃ」

「そのとーりです。冥府王様はお怒りです。反省出来ましたか」

おい、おい、本当かよ、ローズさん。

「ははーーっ」

「じゃあ、ゾンビはダンジョンの十階までしか移動しないように致します。ダンジョンに帰りなさい」

ローズさんがぱちくりウインクしてきます。
たぶん、ゾンビ置き場を確保いたしましたー、みたいな感じかな。
とりあえずダンジョンのゾンビに十階より先に行かないように指示しますか。

「わかりました。我らはダンジョンに戻ります」

素直にモンスター達は引き上げていった。
これで、ハルトの町モンスター襲撃事件は終息した。



「あーーっ」

「どうしました。ノコ様」

「ロ、ローズ、大変だー!! 一匹ゾンビが、クラスアップしてしまったー」

ダンジョンで大量に生者の肉を食べたのだろう、厄介なゾンビがクラスアップしてしまったのだ。

「そんなの別にたいしたことでは無いでしょ」

「それが、三十四年前に僕がゾンビにした魔王でもかい」

「わーー。だ、誰ですか?」

やはりローズも焦っている。

「一番やっかいな魔王アクエラだ!!」

「ふふふ、呼びましたかえ」
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