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第24章 オチャルフ要塞決戦編(後)
第1話 人類諸国統合軍の秘策、しかし全て予定通りには行かず
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・・1・・
3の月25の日
午後5時50分
人類諸国統合軍オチャルフ要塞内前線総司令部
アカツキ執務室
オチャルフ要塞の戦いが始まって四日が経過した二十五の日。僕は午前中から第一能力者化師団も展開しているリャフク川西岸の第三防衛線付近の視察に赴き、軍団指揮官クラスとの打ち合わせや前線将兵の要望を聞いたりして過ごし、一時間ほど前に情報統合司令センターのある総司令部に戻っていた。
今はコーヒーを飲みながら煙草の紫煙をくゆらし、参謀本部が纏めた情報、今日最新の戦況について目を通していた。
【二十五の日における戦況】
1,帝国軍は現在、中洲地帯の南部へ新たにもう一箇所の橋頭堡を構築し、中央部橋頭堡と合流。北側橋頭堡も制圧地域をやや拡大。中洲地帯のおよそ三〇パルセントから四〇パルセント程度を制圧。
2,これに対し我が軍は当初計画通り遅滞防御を行い戦線を後退させつつ再編成。防衛線内の密度を低下させることなく対処中。
3,中洲地帯における我が軍の火力投射量には減少が見られつつあり、初日比約八五パルセントまで低下。これは弾薬量の減少よりも重火力兵器類の破壊や損害によるものが大きい。
4,ただし後方支援重火力投射量の低下は無し。規定通り出来うる限り前線の要望を受け入れ遂行中。
5,妖魔帝国軍の推定死傷者数は約四〇〇〇〇。対し、我々統合軍の死傷者は約一一〇〇〇。
6,しかし妖魔帝国軍の攻勢能力はほぼ衰えず、引き続き際限なき投入を行っている。黒い津波は健在であり、最も懸念すべき点である。
7,我が軍は頑強に抵抗を続けるものの、数日内(今月下旬)には中洲地帯から撤退。第二防衛線から第三防衛線で継戦へ。その為に第二防衛線から第三防衛線展開の兵力を支援兵力として撤退作戦を遂行予定。
8,なお防衛戦は四の月半ばまでとする。これは、サンクティアペテルブルク強襲上陸作戦が四の月十五の日に決定した為である。
9,北部方面については当初の想定を大きく逸脱することなく、防衛戦を遂行中。反攻作戦への支障無し。
10,引き続きオチャルフ要塞攻防戦は予定通りの作戦を遂行しつつ敵攻撃に対して警戒を厳とし行う。
「作戦そのものは比較的順調だとして、やっぱ一番頭が痛いのは帝国軍の兵力だなあ……」
「肯定。帝国軍南部方面兵力は約九〇〇〇〇〇。よって約四〇〇〇〇の死傷者を生じさせたとしても損耗率は約四パルセントで、攻勢を衰えさせるにはまだ足りません」
報告書を読み終え天井に向けて紫煙を吐き出してから僕はぼやくと、いつも通り浮遊しているエイジスは彼女らしい返答をする。
「そうだよなあ……。帝国軍は質の低下を承知した上で兵力を逐次投入ではなく、重要拠点への一挙投入を選択したわけだから。後方がどうなってるかはともかくとして、前線だけを考えるならこれは正解だよ」
「確定事項。向こう約二十日は根比べです。互いに兵力をどれだけ消耗して生き残れるか、作戦を達成出来るかを争っていますから」
「方針に変更は無し、だね。あとはサンクティアペテルブルクとその周辺の内情がどうなってるかかな。思惑通りになるなら僕も参謀本部もだいぶ気が楽になるんだけど」
サンクティアペテルブルクの件については情報部の管轄だ。それについては今リイナが報告書を受け取ってきてくれるからそろそろ分かるはずなんだけど……。
と思っていたら噂をすれば、だ。ドアがノックされ、リイナが帰ってきた。
「お疲れ様、リイナ。どうだった?」
「お疲れ様、旦那様。まだ中身は見ていないけど、情報参謀次長の表情は明るかったから悪くはなさそうよ」
「朗報だね。心穏やかに中身を読めそうだ」
「ええ。私も見させてもらってもいいかしら?」
「もちろんら」
リイナの言葉に、僕はホッとしながら報告書を受け取る。
リイナが隣に来ると、僕は報告が纏められた紙を開ける。
【サンクティアペテルブルク強襲上陸作戦に関する内部情報について】
1,サンクティアペテルブルク市の内情について、工作員を通じての情報は以下の通りである。
2,同市においては、先月や先々月と比較して兵士の数が減少しているように思われる。また、同市において新たに徴兵される市民の姿も見られた。
3,同市において物価が上昇している。特に食糧など消耗品の価格が上昇しており、また品不足もまではいかないにしても物が減ったように思われる。
4,どうやら軍が物資を南部方面へ送っている模様。同市郊外にある軍基地が活発に人員及び食糧等の輸送をしているようである。情報は地元の兵士より。
5,市民の間では、何故帝国軍は勝利しているのに物資が減っているのか。度々徴兵されているのかについて疑問に思っている者もあり。言論統制によって表立って言うものはいないが、一般的な市民からも不満は蓄積しているようである。さらに、兵士の間でも少なからず違和感を抱いている者もあり、戦地に赴くことに乗り気でない者もいるようである。
6,この傾向は同市だけでなく北西部・北部においても見られる模様。
7,6に関して兵力の抽出は上記地域にても行われているようである。明らかに該当地域における兵力は減っている。ただし、アリハルンリスク周辺は減っておらずむしろ増えているとのこと。商業関係者からの情報。
8,以上より、同市における工作活動と欺瞞情報は効果を認められると考える。また、アカツキ中将閣下及び参謀本部全体が想定していた別地域からの兵力抽出もおよそ事実であると思われる。
「これは、もしかして、僕が思ったより帝国軍の状況が悪化している……? 無理をしている、のか……?」
報告書を読み終えてから、僕は口元が緩むのを抑えながら呟く。
まさか、まさかこれほどまでとは。
「旦那様の気持ちはよく分かるわ。帝国は間違いなく、今回の兵力抽出で後方へ相当無茶を強いているわよ。参謀本部と旦那様の見立ては間違ってなかったみたいね?」
「だとしても予想以上だよ。恐らくだけど、見える範囲に限れば帝国軍の北西部周辺の兵力展開密度はかなり低下してる。都市周辺や駐屯地は別としても、スカスカになってる可能位が高いね。となると――」
「強襲上陸作戦が成功すれば、北西部の攻略は容易になるということね。それだけじゃないわ。帝国軍は否が応でも兵力を向け直さなければならなくなる」
「その通りだよリイナ。だからこそ、何がなんでもオチャルフ要塞では耐え抜かなければならないし、その先も考えなきゃいけない」
「全面同意。サンクティアペテルブルク強襲上陸作戦は成功率が高まりました。余程の事態が起きない限り上手くいくでしょう。ただし、反攻作戦の成否は北部方面とオチャルフ要塞次第です」
僕やリイナにエイジスの確信は、参謀本部だけじゃない。マーチス侯爵も同じように思うだろう。
あと二十日。この期間さえ耐え抜けば再び勝利を掴むことが出来る。
戦争を終わりへと導くきっかけを作ることが出来る。
故にだろうか、あと二十日がとてつもなく長く感じた。
でも、僕は決して挫けるつもりはない。何があっても挫けるつもりはない。
それはもちろん人類諸国の平和の為でもあるけれど、もっと個人的なものだった。
「リイナ、僕は早く戦争を終わらせたい。軍人としての理由もあるけれど、一番はこれだ」
「あら、それはもしかして?」
「うん。さっきね、リイナが参謀本部に出向いている間に届いたんだ。ノイシュランデの両親やお爺様、それにリオの手紙と写真」
「素敵なことだわ。戦場では気が滅入りがちだけれども、これがあるから私達は戦える」
写真の中にいるリオはいつの間にか随分と大きくなっていた。当然だろう。何せノイシュランデを離れてもう一年近くが経とうとしているんだから。
手紙にはリオの事も書かれていた。
早く帰ってきてね。と。
「リオのお願いは聞かないわけにはいかないよね」
「ええ。早く帰ってあげなきゃ。私達の子供なんだもの」
「そのためにも」
「戦争を終わらせる」
「だね。リイナ」
「ええ、旦那様」
僕とリイナだけじゃない。人類諸国統合軍皆の願いだ。
戦勝を。終戦を。
でも、戦争は甘くはない。運命はいつも僕達の味方というわけではない。
翌日明け方前、僕は夜中にエイジスからの警報と総司令部からの緊急事態で叩き起されることになる。
『戦域北東部、リャフク川とツォルク川の合流地帯北側に展開の第一二軍隷下第一軍団司令部は、帝国軍の少数精鋭部隊の急襲を受け壊滅し、機能を喪失。加えてツォルク川東岸より帝国軍数個師団の渡河開始を確認。第一二軍隷下第一軍団を含めた戦域北東部展開兵力約五五〇〇〇は、危機に陥れり』
3の月25の日
午後5時50分
人類諸国統合軍オチャルフ要塞内前線総司令部
アカツキ執務室
オチャルフ要塞の戦いが始まって四日が経過した二十五の日。僕は午前中から第一能力者化師団も展開しているリャフク川西岸の第三防衛線付近の視察に赴き、軍団指揮官クラスとの打ち合わせや前線将兵の要望を聞いたりして過ごし、一時間ほど前に情報統合司令センターのある総司令部に戻っていた。
今はコーヒーを飲みながら煙草の紫煙をくゆらし、参謀本部が纏めた情報、今日最新の戦況について目を通していた。
【二十五の日における戦況】
1,帝国軍は現在、中洲地帯の南部へ新たにもう一箇所の橋頭堡を構築し、中央部橋頭堡と合流。北側橋頭堡も制圧地域をやや拡大。中洲地帯のおよそ三〇パルセントから四〇パルセント程度を制圧。
2,これに対し我が軍は当初計画通り遅滞防御を行い戦線を後退させつつ再編成。防衛線内の密度を低下させることなく対処中。
3,中洲地帯における我が軍の火力投射量には減少が見られつつあり、初日比約八五パルセントまで低下。これは弾薬量の減少よりも重火力兵器類の破壊や損害によるものが大きい。
4,ただし後方支援重火力投射量の低下は無し。規定通り出来うる限り前線の要望を受け入れ遂行中。
5,妖魔帝国軍の推定死傷者数は約四〇〇〇〇。対し、我々統合軍の死傷者は約一一〇〇〇。
6,しかし妖魔帝国軍の攻勢能力はほぼ衰えず、引き続き際限なき投入を行っている。黒い津波は健在であり、最も懸念すべき点である。
7,我が軍は頑強に抵抗を続けるものの、数日内(今月下旬)には中洲地帯から撤退。第二防衛線から第三防衛線で継戦へ。その為に第二防衛線から第三防衛線展開の兵力を支援兵力として撤退作戦を遂行予定。
8,なお防衛戦は四の月半ばまでとする。これは、サンクティアペテルブルク強襲上陸作戦が四の月十五の日に決定した為である。
9,北部方面については当初の想定を大きく逸脱することなく、防衛戦を遂行中。反攻作戦への支障無し。
10,引き続きオチャルフ要塞攻防戦は予定通りの作戦を遂行しつつ敵攻撃に対して警戒を厳とし行う。
「作戦そのものは比較的順調だとして、やっぱ一番頭が痛いのは帝国軍の兵力だなあ……」
「肯定。帝国軍南部方面兵力は約九〇〇〇〇〇。よって約四〇〇〇〇の死傷者を生じさせたとしても損耗率は約四パルセントで、攻勢を衰えさせるにはまだ足りません」
報告書を読み終え天井に向けて紫煙を吐き出してから僕はぼやくと、いつも通り浮遊しているエイジスは彼女らしい返答をする。
「そうだよなあ……。帝国軍は質の低下を承知した上で兵力を逐次投入ではなく、重要拠点への一挙投入を選択したわけだから。後方がどうなってるかはともかくとして、前線だけを考えるならこれは正解だよ」
「確定事項。向こう約二十日は根比べです。互いに兵力をどれだけ消耗して生き残れるか、作戦を達成出来るかを争っていますから」
「方針に変更は無し、だね。あとはサンクティアペテルブルクとその周辺の内情がどうなってるかかな。思惑通りになるなら僕も参謀本部もだいぶ気が楽になるんだけど」
サンクティアペテルブルクの件については情報部の管轄だ。それについては今リイナが報告書を受け取ってきてくれるからそろそろ分かるはずなんだけど……。
と思っていたら噂をすれば、だ。ドアがノックされ、リイナが帰ってきた。
「お疲れ様、リイナ。どうだった?」
「お疲れ様、旦那様。まだ中身は見ていないけど、情報参謀次長の表情は明るかったから悪くはなさそうよ」
「朗報だね。心穏やかに中身を読めそうだ」
「ええ。私も見させてもらってもいいかしら?」
「もちろんら」
リイナの言葉に、僕はホッとしながら報告書を受け取る。
リイナが隣に来ると、僕は報告が纏められた紙を開ける。
【サンクティアペテルブルク強襲上陸作戦に関する内部情報について】
1,サンクティアペテルブルク市の内情について、工作員を通じての情報は以下の通りである。
2,同市においては、先月や先々月と比較して兵士の数が減少しているように思われる。また、同市において新たに徴兵される市民の姿も見られた。
3,同市において物価が上昇している。特に食糧など消耗品の価格が上昇しており、また品不足もまではいかないにしても物が減ったように思われる。
4,どうやら軍が物資を南部方面へ送っている模様。同市郊外にある軍基地が活発に人員及び食糧等の輸送をしているようである。情報は地元の兵士より。
5,市民の間では、何故帝国軍は勝利しているのに物資が減っているのか。度々徴兵されているのかについて疑問に思っている者もあり。言論統制によって表立って言うものはいないが、一般的な市民からも不満は蓄積しているようである。さらに、兵士の間でも少なからず違和感を抱いている者もあり、戦地に赴くことに乗り気でない者もいるようである。
6,この傾向は同市だけでなく北西部・北部においても見られる模様。
7,6に関して兵力の抽出は上記地域にても行われているようである。明らかに該当地域における兵力は減っている。ただし、アリハルンリスク周辺は減っておらずむしろ増えているとのこと。商業関係者からの情報。
8,以上より、同市における工作活動と欺瞞情報は効果を認められると考える。また、アカツキ中将閣下及び参謀本部全体が想定していた別地域からの兵力抽出もおよそ事実であると思われる。
「これは、もしかして、僕が思ったより帝国軍の状況が悪化している……? 無理をしている、のか……?」
報告書を読み終えてから、僕は口元が緩むのを抑えながら呟く。
まさか、まさかこれほどまでとは。
「旦那様の気持ちはよく分かるわ。帝国は間違いなく、今回の兵力抽出で後方へ相当無茶を強いているわよ。参謀本部と旦那様の見立ては間違ってなかったみたいね?」
「だとしても予想以上だよ。恐らくだけど、見える範囲に限れば帝国軍の北西部周辺の兵力展開密度はかなり低下してる。都市周辺や駐屯地は別としても、スカスカになってる可能位が高いね。となると――」
「強襲上陸作戦が成功すれば、北西部の攻略は容易になるということね。それだけじゃないわ。帝国軍は否が応でも兵力を向け直さなければならなくなる」
「その通りだよリイナ。だからこそ、何がなんでもオチャルフ要塞では耐え抜かなければならないし、その先も考えなきゃいけない」
「全面同意。サンクティアペテルブルク強襲上陸作戦は成功率が高まりました。余程の事態が起きない限り上手くいくでしょう。ただし、反攻作戦の成否は北部方面とオチャルフ要塞次第です」
僕やリイナにエイジスの確信は、参謀本部だけじゃない。マーチス侯爵も同じように思うだろう。
あと二十日。この期間さえ耐え抜けば再び勝利を掴むことが出来る。
戦争を終わりへと導くきっかけを作ることが出来る。
故にだろうか、あと二十日がとてつもなく長く感じた。
でも、僕は決して挫けるつもりはない。何があっても挫けるつもりはない。
それはもちろん人類諸国の平和の為でもあるけれど、もっと個人的なものだった。
「リイナ、僕は早く戦争を終わらせたい。軍人としての理由もあるけれど、一番はこれだ」
「あら、それはもしかして?」
「うん。さっきね、リイナが参謀本部に出向いている間に届いたんだ。ノイシュランデの両親やお爺様、それにリオの手紙と写真」
「素敵なことだわ。戦場では気が滅入りがちだけれども、これがあるから私達は戦える」
写真の中にいるリオはいつの間にか随分と大きくなっていた。当然だろう。何せノイシュランデを離れてもう一年近くが経とうとしているんだから。
手紙にはリオの事も書かれていた。
早く帰ってきてね。と。
「リオのお願いは聞かないわけにはいかないよね」
「ええ。早く帰ってあげなきゃ。私達の子供なんだもの」
「そのためにも」
「戦争を終わらせる」
「だね。リイナ」
「ええ、旦那様」
僕とリイナだけじゃない。人類諸国統合軍皆の願いだ。
戦勝を。終戦を。
でも、戦争は甘くはない。運命はいつも僕達の味方というわけではない。
翌日明け方前、僕は夜中にエイジスからの警報と総司令部からの緊急事態で叩き起されることになる。
『戦域北東部、リャフク川とツォルク川の合流地帯北側に展開の第一二軍隷下第一軍団司令部は、帝国軍の少数精鋭部隊の急襲を受け壊滅し、機能を喪失。加えてツォルク川東岸より帝国軍数個師団の渡河開始を確認。第一二軍隷下第一軍団を含めた戦域北東部展開兵力約五五〇〇〇は、危機に陥れり』
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