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第21章 英雄の慟哭と苦悩と再起編

第10話 エジピトリア東沖海戦

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 一八四七年一の月三の日に起きた人類諸国統合軍海軍と妖魔帝国軍の大艦隊同士が史上初めて激突した大海戦『エジピトリア東沖海戦』は、結果から言うのであれば人類諸国統合軍海軍側にも多少の損害が生じたものの勝利を掴んだ海戦となった。
 これは当初両陣営が予測していた結果から乖離こそしないものの、予想に反する結果であった。
 海戦前の予測は、人類諸国統合軍海軍側が見立てていたのは辛勝。
 洗脳化光龍と自軍の戦闘機の能力差が大きく、航続距離の面でも不利になることから空から自艦隊が脅威に晒されるだけでなく、妖魔帝国海軍艦隊の方が数の上で若干数有利――質についてはリシュカによる改革で手が加えられていると予想して敵戦力を過大に見積っていた――という点もあって痛み分けで終わらせて少なくとも戦況不利の帝国本土側へ近付けさせる事は無いというものだった。
 対して妖魔帝国海軍は完勝とまでは行かなくとも勝利。南方大陸への逆上陸は防げるものと考えており、また人類諸国統合軍海軍をエジピトリア方面に近付けさせる事は無いだろうと考えていた。
 ところが、蓋を開けてみれば大幅な違いこそ起きなかったもののそうはならなかった。
 下記に後世取りまとめられた人類諸国統合軍の歴史書や関係者の日記と帝国の一部戦況記述書をもとに海戦の戦況を記していこう。

 ・午前7時
 人類諸国統合軍海軍空母艦載機航空隊発艦。

 まず、人類諸国統合軍は午前七時に空母『ノースランデ』より航空隊は発艦した。数は三〇。全力発艦しなかったのは後述する理由も含まれているが、着艦に時間を要する問題もあるからだった。

 ・午前8時
 人類諸国統合軍海軍艦隊に、妖魔帝国海軍洗脳化光龍部隊が襲来。ただし、数は総指揮官オランド達が予想していた数より少ない一五。

 午前六時半の段階で相対距離は約一八〇キーラ。一時間半も経過すれば、時速三桁台で飛行する光龍部隊であれば接敵するのはおかしくない。
 しかし、見張り員は陸で戦う友軍からもたらされた情報と比べてある点に違和感を抱く。
 この時の会話の記録もまた、歴史書に記されていた。

「敵飛行部隊約一五前後を目視! 距離、約二三〇〇〇。高度一五〇〇前後。速力…………、約二〇〇!」

「二〇〇……? 光龍にしては遅くないか? まあいい、了解。オランド大将閣下にお伝えする」

「オランド大将閣下、敵航空隊を目視。高度一五〇〇、速度は約二〇〇とのこと!」

「約二〇〇であるか。マーチスの方から送られてきた情報より随分遅いようだが……」

「鍛えられた眼と、魔力探知方式の観測魔法で得られた情報です。間違いないかと」

「ふむ。となれば、我等が航空隊でも十分に張り合える事になるが、しかしわざと巡航速度を保っているやもしれん……。警戒は最大限を保ち、油断をせぬよう。各艦、対空攻撃用意!」

「はっ! 各艦へ伝達! 対空攻撃用意!」

 当然ながら艦隊を率いるオランドや情報を受け取った各艦艦長達も、そして空を舞うパイロット達も洗脳化光龍が約二〇〇しか出さずにこちらに接近している事は違和感を持っていた。
 だが、迫りつつあるのは間違いないのだから艦長達はオランドより伝えられた命令を受け取るとすぐさまL1Bや機関砲の最終調整が進められる。
 果たして違和感は本物であった。
 最初に気付いたのは迎撃に上がった戦闘機部隊である。速度約三〇〇と耳にしていたはずが、相手は下手をすれば自分が操縦する戦闘機より遅いのもいた。
 さらに攻撃を行えば実感は強まる。
 まず回避する動きが緩慢で鋭さがない。さらには陸での空戦から得られた情報に比べると搭載の八ミーラ機関銃でもダメージが通りやすく感じた。
 事実、魔法攻撃を命中させたら一発で撃墜出来た。という報告もあったのである。
 結局一時間に満たない空戦で妖魔帝国海軍は一六いた洗脳化光龍は八が被撃墜され半数を喪うこととなり、残りの八も引き返していった。
 なお、妖魔帝国側の資料によるとこの空戦における未帰還騎数は一六。つまりは全騎未帰還なのである。
 普通では有り得ないこの結果は、妖魔帝国で何かが起きた事を現す一つであるのだが、当然この段階では人類諸国統合軍側は知る由もない。
 さて、時系列に話を戻そう。
 午前九時半過ぎ。ついに人類諸国統合軍海軍と妖魔帝国海軍は互いの艦隊を目視で確認する。この時点で両者の空母は後方へ展開されていた。
 ただ、両者の違いはさらに飛行戦力を発艦させられたかどうかだ。妖魔帝国海軍は発艦出来ず、人類諸国統合軍海軍は攻撃用に残していた戦闘機を発艦させる。防空用戦力は必要無かった。妖魔帝国海軍側から発艦が確認されなかったからだ。もしされたとしても、先に離陸し着艦した戦闘機を再度上げればいい。
 両者は約二〇キーラまでは戦闘準備に追われていた。
 だがここでオランドは今日二度目の違和感を抱く。

「敵艦隊の陣形がやや乱れてはおらぬか……?」

「仰る通りですね……。先の海戦ではこのような報告は無かったはずですが……」

「まあ良い。このまま進むと反航戦になる。敵の針路を圧迫する為先手を打つ。距離一〇〇〇〇で反転。南に針路を移せ。さらに敵の行動を遅らせ陣形を乱れさせる為、航空部隊は攻撃開始。妨害行動に徹しろ。撃沈までは望まん」

「丁字に持ち込むわけでありますね。航空攻撃もあればある程度の時間は有利に持ち込めるでしょう」

「うむ。だが、妖魔帝国海軍とて此方の動きを察すれば丁字有利など長くは続かぬであろうよ。航空攻撃があっても、だ。結局は同航戦になるであろう」

「了解しました。艦隊全体に通告! 艦隊転針! 南へ針路を転換せよ!」

「了解! 全艦に通達します!」

 魔法無線装置によって全艦へすぐさま命令は伝わる。人類諸国統合軍海軍は各国の海軍が集まった艦隊ではあるものの、今は国内が拗れている協商連合含めて年に一度合同演習を行っている。その成果が今現れており、若干の乱れはあるものの凡そ許容範囲内で、上空から見てみれば綺麗な転針を行っていた。
 対して、妖魔帝国海軍は人類諸国統合軍の転針に遅れて反応する。そこへ人類諸国統合軍海軍航空部隊は妨害行動を兼ねた攻撃を開始する。
 オランドは航空部隊に妨害行為以上を期待していなかった。空襲で敵艦を、ましてや戦艦を撃沈出来るとは思っていなかったのだ。幾ら装甲が薄い上部構造物の一部を狙ったとて、主砲の攻撃力には及ばないし、何より精密に狙う兵器は未だにそんざいしていない。そもそも、空襲で敵艦隊に大損害を与えるには数が足らないのをよく知っていたのである。
 流石と言うべきか、オランドは航空部隊に対してアカツキに近しい水準で理解をしていたわけである。

「やはりおかしい。空襲込みとはいえ、妖魔帝国海軍の足並みが乱れておるな」

「好都合でありますからよくありませんか?」

 距離八〇〇〇を切ったあたりからオランドの違和感は強くなっていた。既に友軍艦隊は転針を終えつつあり、丁字有利へと移っている。
 艦隊は既に第一射を始めていた。艦上の弾着観測と召喚士偵察飛行隊による上空からの弾着観測が行われており、精密な修正が行われていた。
 さすがに第一射から命中する事は無かったが、このままいけば命中するのも時間の問題。
 その中で、妖魔帝国海軍の反撃は揃っていない。いや、斉射は行われているのだが纏まっていないのだ。
 致命的ではないにしても事前の情報に比して精彩を欠く帝国海軍の様子に、オランドは不審さを感じる。

「ライゼ少将。まさかだと思うがあの噂、真なのでは無かろうか?」

「協商連合現地軍の報告でありますか? 現地の感染症にかかったという信じ難いあの報告が本当であると……」

「ああ。そうでなければ説明がつかぬ」

「報告します! 本艦、第二射の諸元入力完了!」

「うむ。前後三艦と射撃を合わせよ。六〇秒後、斉射」

「了解!」

 一分後、旗艦『キース』とその前後にいる装甲巡洋艦と戦艦の計七艦はそれぞれの目標に対し斉射を行った。距離は七〇〇〇まで縮まっている。第二射は夾叉もあり、装甲巡洋艦の一隻が放った砲弾は帝国海軍の装甲巡洋艦に命中した。幕僚陣はその光景を見て歓声を上げる。これまでに鍛えられた将兵の精密な射撃によって成果を上げられたし、第三射はさらに命中弾を与えられると彼等にさらなる自信を与えた。
 帝国海軍も反撃するが、まだ命中弾は無い。夾叉こそ一部見られるものの、精度は友軍より悪かった。
 その中でオランドは満足気に頷きつつも、妖魔帝国海軍に何かがあるのだろうと確信に至っていた。

(噂は真であろう。だが、本当に感染症かどうかまでは分からんが。)


 オランドのこの予想。
 後になって彼も知ることになるが半分正解で半分違っていた。
 後世の歴史書には、帝国海軍に何が起きていたかが記録されていた。
 原因は二つ。
 一つは感染症で、これはオランド達の予想が命中していた。
 この時の帝国海軍では、南方大陸に上陸してからすぐに現地の感染症に感染してしまった兵士がいたのである。媒介したのは蚊とほぼ同種の生物だと後に判明している。上陸したのは先月六の日であるが、その約十日後には陸軍や海兵隊の兵が発症したそれは、海軍にも感染者を生んでいたのだ。
 というのも、当時占領していた地域には現地でしか発症が確認されていない感染症者がいたのである。だが、これは協商連合軍にとっては既知の感染症であり魔法医学と医学によって一応の治療が可能――病が進行すればこの当時の医療では死ぬしか無いが、早期発見であれば治る可能性もあった――な感染症である。しかもつい数年前に空気感染しないことが判明しており現地軍は媒介生物の防除を活動範囲内では行っており防いでいた。
 だがこの防除とて完全に行うのは難しく、不幸なことに帝国陸海軍は洗脳化光龍含めこれに罹患してしまったわけである。
 無論、帝国軍も南方蛮族地域特有の感染症を知っていて対策をしていないわけではなかったが未知の感染症は恐ろしいものである。
 帝国陸軍や海兵隊が今月下旬に入ってから侵攻が低調になっているのはこの感染症対策に追われていたからであり、海軍も巻き込まれていたのだ。不幸としか言い様がない。
 二つ目は水である。協商連合現地軍は退却の際に糞尿など汚物を井戸などに低下していた。これで帝国軍は水の確保に苦労しており、上記の感染症対策にも余計手間取ってしまったのである。
 このように帝国陸海軍を襲った不幸と協商連合現地軍による苦肉の策によって、海戦にも影響を与えていたのだ。
 海戦は結局、人類諸国統合軍海軍有利で進んだ。
 地球世界の日本海海戦のようなワンサイドゲームではないものの、妖魔帝国海軍は想定を上回る損害を発生させてしまったのだ。
 海戦が終わったのは午後四時半で、妖魔帝国海軍の退却によるものだった。人類諸国統合軍海軍も、妖魔帝国軍がハンデを背負いながらも懸命に戦った結果無傷ではない為、追撃はしなかった。
 戦闘終結後、オランドは安堵しつつ副官ライゼと友軍損害について話していた。

「友軍の損害はどうであるか」

「はっ。まだ全て判明しておりませんが、被撃沈は装甲巡洋艦二、巡洋艦三、駆逐艦五です。大破は戦艦一、装甲巡洋艦一、巡洋艦二、駆逐艦二であります」

「こちらも多少の痛手を負うたな……」

「はっ。それで、捕虜とした帝国海軍将兵なのですがやはり体調不良者がおります。恐らくは、現地感染症かと」

「確か人から人へ移ることはしないと聞いたことがあるが、治療には用心せよ。軍医も衛生兵も知っておるとは思うが」

「軍医に聞いたところ、もしかすると現地感染症かもしれないとのことで、至急対策を講じるように致しました。本艦隊には防除薬品もあります。改めて行いましょう」

「であるな。頼むぞ」

「はっ!」

 人類諸国統合軍は海戦の勝利に酔うことは無かった。勝利の当初こそ、そこかしこから勝鬨が上がり興奮に包まれていたが、捕虜にした帝国海軍将兵が感染症にかかっている恐れありとなると素直に喜んでいる場合でなくなり至急対策を講じる事となった。
 だがしかし、勝利は勝利である。
 帝国本土で戦う統合軍が不利な展開を強いられる中での勝利は、後日アカツキ達にもたらされさらなる士気回復に繋がる。また、決して挫けぬ雰囲気も生まれた。
 逆に帝国軍にとっては水を差された形になった。第二戦線とはいえ、海軍が敗北したからだ。
 これが後の戦争にどう影響するのか、両者とも知るのはまだ先である。
 最後に、後世の歴史書から帝国海軍の損害について記しておくとする。

【妖魔帝国海軍損害】
 ・撃沈
 戦艦一、装甲巡洋艦四、巡洋艦七、駆逐艦九

 ・大破
 戦艦二、装甲巡洋艦二、巡洋艦二、駆逐艦三
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