292 / 390
第18章 ドエニプラ攻防戦編
第12話 鬼神が如く戦場を舞うココノエ達
しおりを挟む
同日
午前9時15分
増強連隊南部作戦ブロック付近
「龍型は小回りが効かぬし味方を巻き込む可能性がある。お主ら、このままの姿で行くぞ」
「御意」
ココノエは『ソズダーニア』が出現した地区へ実朝を始めとした一個分隊で向かっていた。
龍の姿ではなく、人型形態。ココノエの言うように龍の姿では巨大過ぎて死角を生みやすい――魔力探知があるとはいえ――し何より自身の攻撃で味方を巻き込みかねないというのは正確な判断である。
彼女らの駆ける速度はアカツキ達を凌駕する時速六〇キーラ以上。アカツキの前世で例えるのならば自動車程度の早さである。アレン中佐が全速で時速五〇キーラなのだが、彼女らにとって時速六〇キーラはまだ余裕がある速度だ。いかに光龍の身体能力が高いかが伺える。
ココノエ達が向かう方角からは周りに比べて一際大きな砲撃や法撃音が聞こえてきていた。激戦真っ只中なのだろう。
「実朝、戦況はどうじゃ」
「芳しくありません、陛下。改良型とやらに連合王国の精鋭方でも苦戦されているようです。もしかしますと……」
「情報から鑑みるに、妾の見立てと齟齬があるようじゃの。もしや『アジン』ではなくさらにその上か……?」
「だとすると未確認を相手にすることになりますね……」
「構わぬ。構わぬ。殺せば同じよ」
「アカツキ中将閣下のアレを乗り越えられて、陛下も随分と逞しくなられたようで」
「かかっ! あのような地獄の釜の中に比べれば、バケモノ風情造作もない。そなたらと同じように妾もこの姿で十全に戦えるよう叩き込まれておる」
「アカツキ中将閣下に感謝すれば良いのか、これは婿を迎えるに苦労しますね……」
「ん? 実朝、何か言うたか?」
「いえ、なんでも」
実朝の小さなぼやきはココノエには聞こえていなかったようで、しかし実朝の隣にいたココノエの側仕えの椿つばきの耳には入っていたらしい。彼女は苦笑いをしていた。
しかし、距離が近付けば二人の顔も引き締まる。
「見えてきたの。椿、距離は」
「約三五〇〇にございます、陛下」
「そなたら、近接魔法混合戦闘準備じゃ。おぞましきバケモノを屠るぞ」
『御意』
かつて、最前線の地に怯えていた彼女の姿はもう無い。あるのは作戦を遂行するというただ一つ。
ココノエは戦いに身を投じる上でアカツキから、このような言葉を掛けられていた。
(憎しみは戦いの原動力になる。じゃが、憎しみに飲まれるな。周りが見えなくなれば終わり。堕ちた先にあるのは真っ暗闇。憎しみの原動力は大切な人を守る為に使いこなせ、か。言い得て妙じゃな。)
ココノエは亡命の時も大切に持っていた光龍皇国の神器、極東刀の『光輪の剣』の柄を握りながら独りごちる。
ココノエは皇族に有りながら国を喪った者でもある。妖魔帝国への憎しみは先祖の地を取り戻したエルフ達と比較にならないほど強い。
だからこそアカツキは懸念していた。憎悪は戦いに身を投じる上では力になる。だが、憎悪に縛られれば却って枷になるし逆効果になると。
その言葉を受け取ったココノエは、アカツキからの言葉を肝に銘じていた。
とはいえ、である。目の前に今も友軍を殺そうとする敵がいれば怒りの炎は冷たく燃え上がる。
「距離、一五〇〇」
「抜刀じゃ。詠唱準備もしておけい」
『御意』
実朝が魔力探知と魔法無線装置から入る情報を総合して言った芳しくない戦況というのは間違いではなかった。
彼女達の視界に映ったのは、これまでに見た事のあるソズダーニアに比べると大きかった。報告では数は一〇とのことだが、今は八。つまりはあれからまだ二体しか数を減らせてないということになる。
対して既に友軍は負傷者が続出しており、戦死者も出ているようだった。
このままバケモノを放置しておけば確実に被害は拡大する。
ココノエは極めて冷静な思考回路で今まさに友軍の分隊に襲い掛かろうとしていたバケモノた狙いを定めた。
「陽の光、今ここにあり。龍皇たる我が命ずる。穢れを払い、呪を滅せよ。『天一式、呪滅光』」
ココノエが抜刀し光龍刀で輪を描くと、光龍皇国独特の魔法陣――西洋式のそれとは違い東洋式とでも言うべきか――が浮かび上がる。
瞬間、一筋の光線が魔法陣から放たれた。
「グォガ!?!?」
目の前の人間に集中していたソズダーニアは膨大は魔力を感じて咄嗟に回避しようとした。
しかし、気付くのが少し遅かった。急所こそ外れたものの、左腕は蒸発する。
「ほぅ、避けるか。流石はバケモノの改良型よの」
ココノエはソズダーニアが自身の法撃をすんでの所で避けた事に感心し、ほくそ笑む。
ソズダーニアは一度バックステップをし、援軍が来てくれたと分かった友軍からは歓声が上がる。
ただし誰なのかを知る者は少ない。彼女達が戦場にいる時は殆どが龍形態だからである。
「あれは誰だ……!?」
「あのバケモノの腕を一撃で吹き飛ばすなんて!」
「あの人は、あのお方は……!?」
「大尉、知っているんですか!?」
「あ、あぁ……。偶然だが見たことがある。あのお方は、光龍皇国の龍皇陛下、ココノエ陛下だ。我が国で例えるのならば、国王陛下のお立場にあたるお人だ」
「えっ」
「いつも空から援護してくださる!?」
「驚愕も分かるが今は目の前に集中しろ! まさか通信のあった援軍がココノエ陛下だとは思わなかったが今が好機! 部隊を立て直して討伐するぞ!」
『了解!』
増強連隊所属の将兵はココノエ達が人型形態で援軍に来たことに最初こそ驚いたものの、次からの判断は早かった。
すぐさま負傷者の後退と隊形を構築していく。
ココノエは満足気にその姿を一瞥すると、ソズダーニアに視線を移す。
「まずは手負いのからじゃな。椿、孝徳と正隆を率いて苦戦しておる十時方向へ向かえ」
「はっ。陛下、ご武運を」
「うむ。実朝、妾の背中は預ける。頼んだぞ?」
「御意。お任せ下さい」
実朝は頷くと、光龍刀の柄を握る手の力を強める。
「では、行くぞ」
ココノエは脚に力を入れ速度を増して進む。
狙いすました相手は先程左腕を蒸発させたソズダーニア。情報通り抵抗しようと闇属性魔法を詠唱しようとしていた。
「遅い」
だが、詠唱が終わる前にココノエは目の前にいた。
ソズダーニアの視界に最期にあったのは、三日月型に口角を歪める彼女の姿だった。
「死ねい」
まさに一刀両断であった。
神器たる『光輪の剣』は刀身に魔法付与可能な魔法剣である。その太刀は光の如く早く、断末魔をあげる暇すらなくソズダーニアは真っ二つになった。
「一つ。次、次は誰じゃ?」
残り七体。
ココノエはすぐさま目標を探す。
「二時方向。五〇〇先に二体います」
「ならば奴等じゃの。実朝、殺れるか?」
「お任せあれ。屠ってみせましょう」
「うむ」
目標を移したココノエと実朝は凄まじい速度で移動をすると、一個小隊が応戦しているソズダーニア二体を睨む。
「一体が間もなく法撃」
「実朝は障壁で友軍を守れ。妾はきゃつの首を刎ねる」
「はっ」
実朝は友軍の小隊へ、ココノエは法撃を放たんとするソズダーニアへ向かう。
「『ぶらっぐ、でず、じょっど』」
「魔法障壁用意! 何としてでも防げ!」
「間に合えぇぇ!!」
ソズダーニアが放った闇属性魔法『ブラック・デス・ショット』。
小隊目掛けて複数の黒球が飛来し、小隊の兵士達は応急でも構わないと魔法障壁を可能な限り展開しようとする。
そこに割って入ったのは、実朝だった。
「不要。俺が護ろう」
「え……?」
実朝が展開した魔法障壁は彼等と比較して強力だった。三枚の内一枚が全壊。もう一枚が半壊するものの、複数の黒球を受け切ったのである。
「あ、ありがとうございます……」
「礼は陛下へ。何かあれば援護を」
「へ? は、はっ!」
実朝の短い言葉にキョトンとする兵士達。とりあえず応答したが何が起きているかさっぱり見当がつかない。しかし彼等の疑問もすぐに解消された。
次の瞬間には先程闇属性魔法を放ったソズダーニアの前にココノエがいた。
「鈍いのぉ」
「グァ!?」
「散れ、異形」
「ガギャ――」
ココノエが跳躍すると、ソズダーニアの硬い皮膚を意図も容易く首から上を切断させる。文字通り一刎ねであった。
「もう一体」
「お供しましょう」
「うむ」
首が飛んだソズダーニアが絶命し地に伏した頃には、五〇メーラ先にいたもう一体に二人は方向転換していた。
改良型のソズダーニアには銃砲兵が持つ野砲じみた銃は持っていない。その分俊敏性には優れている。
バケモノは本能で危険を察知し、時間のかかる魔法詠唱より近接格闘戦を選択した。
「ほおう、妾に白兵戦で挑むか。面白い」
「陛下、程々に」
「くふ、分かっておる」
接近してきたソズダーニアと二人の距離はあっという間に詰まっていく。
「自分がバケモノの攻撃を受け止めます」
「ならば妾が仕留めよう」
二人が短くやり取りを交わすと、ソズダーニアは巨腕を振り下ろし実朝は構えた刀で見事に受け止めてみせた。
「く、中々力強いな……」
「よくやったぞ、実朝よ」
「ギャギ!?」
「三体目じゃ。――っと、そこから避けるとは骨のあるやつじゃの」
実朝が攻撃を受けた隙に命を断とうとしたココノエだが、寸前でソズダーニアは身をひるがえした上でバックステップをする。
着地したココノエは興味深そうな視線でバケモノ見つめた。
「ギ、ギゴ、ゴァ……」
「何を言うておるのかさっぱり分からぬ。後ずさっても見逃しはせぬがの」
ソズダーニアは僅かに残っている理性で察した。目の前にいる小娘にしか見えないココノエからほとばしる殺意と魔力。勝てる見込みは薄いだろうとも。
だが、退くことは洗脳化によって許されていない。
数俊だが、ココノエはバケモノの様子を見て推測していた。
「やはりこのバケモノはおかしいのう。以前の報告にあったモノより理性が若干存在するように思える。屠って感じたが、さらなる発展型かもしれぬの」
「発展型、ですか」
「うむ。今の間合いが証拠じゃろ。アジンの次型かもしれぬ」
ココノエの予測は一致していた。
シェーコフが送ったソズダーニアはアジンとは違う、『ソズダーニア・トゥバ』。つまり改二型と言っても差し支えのないソズダーニアである。
人類諸国統合軍の将兵はソズダーニアより強力であるイコール、アジン。と認識しているが答えとしては半分正解。半分不正解だった。
『ソズダーニア・トゥバ』はアジンが生み出されて以降研究を重ねていた帝国魔法研究所が開発したバケモノである。
素体は主に南方蛮族支配地域出身の者達。その中でも高く適合してしまったよりすぐりがトゥバなのである。
トゥバはアジンより当然戦闘力全般が優れており、理性も少しだがアジンより残っている。
唯一の欠点は銃砲兵で使用されている量産型やアジンクラスより少数しか生産できない所だろうか。故に重要な局面たるドエニプラにも一〇体しかいない。
もしこれが一般的な部隊ならば大隊クラスが全滅し、増強連隊も大きな苦戦を強いられるであろう。
しかし、である。『ソズダーニア・トゥバ』も相手が悪かった。
目の前にいるのはリシュカと比較しても遜色ない戦闘力と判断力を持つに至ったココノエと、亡命するまで生き残った上にアカツキの訓練を生き残りより強くなった部下達。
手応えのある敵たる『ソズダーニア・トゥバ』を前に、ココノエは微笑した。
「もし予測が当たっておるのならば、退屈はせずに済むじゃろうて。さぁ、バケモノよ。妾を屠ってみせよ。さぁ」
直前までと打って変わって一歩ずつ進めるココノエ。
トゥバ出現まで敗走していたものの、息を吹き返した帝国軍兵士達は加勢しようと試みるがトゥバをココノエ達に任せた増強連隊の兵士達が応戦しており近付けないどころか数を減らしている。
「殺らぬのならば、妾が殺るぞ?」
先に動いたのはココノエだった。
瞬きをすれば、彼女はもう眼前。さらには光龍刀による一閃。躱そうにも身体が追いつかずまず右腕が飛んだ。
「放て」
「ギャゴァァァァァ!!」
腕を切断されたと思いきや次は無属性の魔力波がバケモノを襲い、片脚がもげて行動の自由が奪われる。
「憐れなバケモノよ。せめてはよう楽にしてやろう」
そして、横断。
胴体が上下に別れ、バケモノは絶命した。
ココノエは『光輪の剣』を血振りする。
「残りは五体、か」
『陛下、椿でございます。苦戦中の友軍が接敵していたバケモノ二体を討伐致しました』
『よくやった。こちらは三体じゃ。残りは三体かの?』
『はっ。恐らくは。ただ、周辺の敵軍は敗走を再び始めたようです』
『勝負あり。のようじゃな。ご苦労じゃった。そちらは妾に合流せよ』
『御意』
椿と話すココノエは彼女達を労い、思念会話を終える。
戦果は上々。当初の予定に狂いは生じたものの、作戦は成功と言って差し支えが無かった。
友軍からは勝鬨の声が上がり、余裕のある部隊はトドメと言わんばかりに限定的だが追撃戦に移行していた。
「陛下、お見事でした」
「実朝、お主もの。乱入要素があったが、これで戦の期間は短く出来るじゃろ。いや、遅延を短縮出来たが正しいか」
「何はともあれ勝利に違いはございません。まずはアレン中佐と合流し、アカツキ中将閣下にも報告致しましょう」
「そうじゃの。これならば、アカツキも満足するじゃろて」
戦いに一区切りがついたことで、ココノエは一息ついた様子で言う。返り血を浴びている彼女に、祖国滅亡の頃の姿は無い。ただ、アカツキという名が出た時は年相応の顔つきになっていた。
「陛下」
「ん? どうした実朝」
「大変畏れながら、アカツキ中将閣下には奥方がいらっしゃいますゆえ」
「お主、大阿呆者か?!?! どうしたらそのような意味不明な発言が出てくるのじゃ?!?!」
「冗談にございます」
「冗談も大概にしてくれんかのぉ?!?!」
ココノエは顔を真っ赤にしてというよりかは、本当に何を言っているんだこの者はという反応だった。
実朝はココノエとの付き合いは長い。主君と従者の関係ではあるが、気心はある程度知れている。だからこそ言える冗談だった。
「まったく……。妾はアカツキにその手の感情は抱いておらぬ。あやつは命の恩人で、師であるだけじゃ。そもそも妾に他人の婿を寝取る趣味などない」
「で、ございますよね。恋する乙女といった様子ではありませんし」
「御伽噺ならともかく、妾も訓練とはいえ散々に罵倒された相手に恋心は抱かぬ……。被虐趣味もないしの。あやつはの、妾というより今は支配されし我が国にとっての英雄じゃ。それで良い」
「はっ。大変失礼致しました。ですが、陛下がいつもの様子に戻られて安心致しました」
「あぁ、なるほどの。感謝する、実朝」
「いえ、とんでもございません」
意識していたとはいえ、憎悪がチラついていないと言えば嘘になる。昔からの付き合いだからこそ、実朝は気を遣ってくれたのだろう。
ココノエは感謝の言葉をかけ、実朝は微笑む。
『シェーコフの庭荒らし作戦』は『ソズダーニア・トゥバ』の出現でひっくり返されかけたものの、ココノエ達の活躍もあって無事成功に終わった。
だがドエニプラへの包囲が完成されつつあり狭まってもなお、妖魔帝国軍は必死の抵抗を続けていくのであった。
午前9時15分
増強連隊南部作戦ブロック付近
「龍型は小回りが効かぬし味方を巻き込む可能性がある。お主ら、このままの姿で行くぞ」
「御意」
ココノエは『ソズダーニア』が出現した地区へ実朝を始めとした一個分隊で向かっていた。
龍の姿ではなく、人型形態。ココノエの言うように龍の姿では巨大過ぎて死角を生みやすい――魔力探知があるとはいえ――し何より自身の攻撃で味方を巻き込みかねないというのは正確な判断である。
彼女らの駆ける速度はアカツキ達を凌駕する時速六〇キーラ以上。アカツキの前世で例えるのならば自動車程度の早さである。アレン中佐が全速で時速五〇キーラなのだが、彼女らにとって時速六〇キーラはまだ余裕がある速度だ。いかに光龍の身体能力が高いかが伺える。
ココノエ達が向かう方角からは周りに比べて一際大きな砲撃や法撃音が聞こえてきていた。激戦真っ只中なのだろう。
「実朝、戦況はどうじゃ」
「芳しくありません、陛下。改良型とやらに連合王国の精鋭方でも苦戦されているようです。もしかしますと……」
「情報から鑑みるに、妾の見立てと齟齬があるようじゃの。もしや『アジン』ではなくさらにその上か……?」
「だとすると未確認を相手にすることになりますね……」
「構わぬ。構わぬ。殺せば同じよ」
「アカツキ中将閣下のアレを乗り越えられて、陛下も随分と逞しくなられたようで」
「かかっ! あのような地獄の釜の中に比べれば、バケモノ風情造作もない。そなたらと同じように妾もこの姿で十全に戦えるよう叩き込まれておる」
「アカツキ中将閣下に感謝すれば良いのか、これは婿を迎えるに苦労しますね……」
「ん? 実朝、何か言うたか?」
「いえ、なんでも」
実朝の小さなぼやきはココノエには聞こえていなかったようで、しかし実朝の隣にいたココノエの側仕えの椿つばきの耳には入っていたらしい。彼女は苦笑いをしていた。
しかし、距離が近付けば二人の顔も引き締まる。
「見えてきたの。椿、距離は」
「約三五〇〇にございます、陛下」
「そなたら、近接魔法混合戦闘準備じゃ。おぞましきバケモノを屠るぞ」
『御意』
かつて、最前線の地に怯えていた彼女の姿はもう無い。あるのは作戦を遂行するというただ一つ。
ココノエは戦いに身を投じる上でアカツキから、このような言葉を掛けられていた。
(憎しみは戦いの原動力になる。じゃが、憎しみに飲まれるな。周りが見えなくなれば終わり。堕ちた先にあるのは真っ暗闇。憎しみの原動力は大切な人を守る為に使いこなせ、か。言い得て妙じゃな。)
ココノエは亡命の時も大切に持っていた光龍皇国の神器、極東刀の『光輪の剣』の柄を握りながら独りごちる。
ココノエは皇族に有りながら国を喪った者でもある。妖魔帝国への憎しみは先祖の地を取り戻したエルフ達と比較にならないほど強い。
だからこそアカツキは懸念していた。憎悪は戦いに身を投じる上では力になる。だが、憎悪に縛られれば却って枷になるし逆効果になると。
その言葉を受け取ったココノエは、アカツキからの言葉を肝に銘じていた。
とはいえ、である。目の前に今も友軍を殺そうとする敵がいれば怒りの炎は冷たく燃え上がる。
「距離、一五〇〇」
「抜刀じゃ。詠唱準備もしておけい」
『御意』
実朝が魔力探知と魔法無線装置から入る情報を総合して言った芳しくない戦況というのは間違いではなかった。
彼女達の視界に映ったのは、これまでに見た事のあるソズダーニアに比べると大きかった。報告では数は一〇とのことだが、今は八。つまりはあれからまだ二体しか数を減らせてないということになる。
対して既に友軍は負傷者が続出しており、戦死者も出ているようだった。
このままバケモノを放置しておけば確実に被害は拡大する。
ココノエは極めて冷静な思考回路で今まさに友軍の分隊に襲い掛かろうとしていたバケモノた狙いを定めた。
「陽の光、今ここにあり。龍皇たる我が命ずる。穢れを払い、呪を滅せよ。『天一式、呪滅光』」
ココノエが抜刀し光龍刀で輪を描くと、光龍皇国独特の魔法陣――西洋式のそれとは違い東洋式とでも言うべきか――が浮かび上がる。
瞬間、一筋の光線が魔法陣から放たれた。
「グォガ!?!?」
目の前の人間に集中していたソズダーニアは膨大は魔力を感じて咄嗟に回避しようとした。
しかし、気付くのが少し遅かった。急所こそ外れたものの、左腕は蒸発する。
「ほぅ、避けるか。流石はバケモノの改良型よの」
ココノエはソズダーニアが自身の法撃をすんでの所で避けた事に感心し、ほくそ笑む。
ソズダーニアは一度バックステップをし、援軍が来てくれたと分かった友軍からは歓声が上がる。
ただし誰なのかを知る者は少ない。彼女達が戦場にいる時は殆どが龍形態だからである。
「あれは誰だ……!?」
「あのバケモノの腕を一撃で吹き飛ばすなんて!」
「あの人は、あのお方は……!?」
「大尉、知っているんですか!?」
「あ、あぁ……。偶然だが見たことがある。あのお方は、光龍皇国の龍皇陛下、ココノエ陛下だ。我が国で例えるのならば、国王陛下のお立場にあたるお人だ」
「えっ」
「いつも空から援護してくださる!?」
「驚愕も分かるが今は目の前に集中しろ! まさか通信のあった援軍がココノエ陛下だとは思わなかったが今が好機! 部隊を立て直して討伐するぞ!」
『了解!』
増強連隊所属の将兵はココノエ達が人型形態で援軍に来たことに最初こそ驚いたものの、次からの判断は早かった。
すぐさま負傷者の後退と隊形を構築していく。
ココノエは満足気にその姿を一瞥すると、ソズダーニアに視線を移す。
「まずは手負いのからじゃな。椿、孝徳と正隆を率いて苦戦しておる十時方向へ向かえ」
「はっ。陛下、ご武運を」
「うむ。実朝、妾の背中は預ける。頼んだぞ?」
「御意。お任せ下さい」
実朝は頷くと、光龍刀の柄を握る手の力を強める。
「では、行くぞ」
ココノエは脚に力を入れ速度を増して進む。
狙いすました相手は先程左腕を蒸発させたソズダーニア。情報通り抵抗しようと闇属性魔法を詠唱しようとしていた。
「遅い」
だが、詠唱が終わる前にココノエは目の前にいた。
ソズダーニアの視界に最期にあったのは、三日月型に口角を歪める彼女の姿だった。
「死ねい」
まさに一刀両断であった。
神器たる『光輪の剣』は刀身に魔法付与可能な魔法剣である。その太刀は光の如く早く、断末魔をあげる暇すらなくソズダーニアは真っ二つになった。
「一つ。次、次は誰じゃ?」
残り七体。
ココノエはすぐさま目標を探す。
「二時方向。五〇〇先に二体います」
「ならば奴等じゃの。実朝、殺れるか?」
「お任せあれ。屠ってみせましょう」
「うむ」
目標を移したココノエと実朝は凄まじい速度で移動をすると、一個小隊が応戦しているソズダーニア二体を睨む。
「一体が間もなく法撃」
「実朝は障壁で友軍を守れ。妾はきゃつの首を刎ねる」
「はっ」
実朝は友軍の小隊へ、ココノエは法撃を放たんとするソズダーニアへ向かう。
「『ぶらっぐ、でず、じょっど』」
「魔法障壁用意! 何としてでも防げ!」
「間に合えぇぇ!!」
ソズダーニアが放った闇属性魔法『ブラック・デス・ショット』。
小隊目掛けて複数の黒球が飛来し、小隊の兵士達は応急でも構わないと魔法障壁を可能な限り展開しようとする。
そこに割って入ったのは、実朝だった。
「不要。俺が護ろう」
「え……?」
実朝が展開した魔法障壁は彼等と比較して強力だった。三枚の内一枚が全壊。もう一枚が半壊するものの、複数の黒球を受け切ったのである。
「あ、ありがとうございます……」
「礼は陛下へ。何かあれば援護を」
「へ? は、はっ!」
実朝の短い言葉にキョトンとする兵士達。とりあえず応答したが何が起きているかさっぱり見当がつかない。しかし彼等の疑問もすぐに解消された。
次の瞬間には先程闇属性魔法を放ったソズダーニアの前にココノエがいた。
「鈍いのぉ」
「グァ!?」
「散れ、異形」
「ガギャ――」
ココノエが跳躍すると、ソズダーニアの硬い皮膚を意図も容易く首から上を切断させる。文字通り一刎ねであった。
「もう一体」
「お供しましょう」
「うむ」
首が飛んだソズダーニアが絶命し地に伏した頃には、五〇メーラ先にいたもう一体に二人は方向転換していた。
改良型のソズダーニアには銃砲兵が持つ野砲じみた銃は持っていない。その分俊敏性には優れている。
バケモノは本能で危険を察知し、時間のかかる魔法詠唱より近接格闘戦を選択した。
「ほおう、妾に白兵戦で挑むか。面白い」
「陛下、程々に」
「くふ、分かっておる」
接近してきたソズダーニアと二人の距離はあっという間に詰まっていく。
「自分がバケモノの攻撃を受け止めます」
「ならば妾が仕留めよう」
二人が短くやり取りを交わすと、ソズダーニアは巨腕を振り下ろし実朝は構えた刀で見事に受け止めてみせた。
「く、中々力強いな……」
「よくやったぞ、実朝よ」
「ギャギ!?」
「三体目じゃ。――っと、そこから避けるとは骨のあるやつじゃの」
実朝が攻撃を受けた隙に命を断とうとしたココノエだが、寸前でソズダーニアは身をひるがえした上でバックステップをする。
着地したココノエは興味深そうな視線でバケモノ見つめた。
「ギ、ギゴ、ゴァ……」
「何を言うておるのかさっぱり分からぬ。後ずさっても見逃しはせぬがの」
ソズダーニアは僅かに残っている理性で察した。目の前にいる小娘にしか見えないココノエからほとばしる殺意と魔力。勝てる見込みは薄いだろうとも。
だが、退くことは洗脳化によって許されていない。
数俊だが、ココノエはバケモノの様子を見て推測していた。
「やはりこのバケモノはおかしいのう。以前の報告にあったモノより理性が若干存在するように思える。屠って感じたが、さらなる発展型かもしれぬの」
「発展型、ですか」
「うむ。今の間合いが証拠じゃろ。アジンの次型かもしれぬ」
ココノエの予測は一致していた。
シェーコフが送ったソズダーニアはアジンとは違う、『ソズダーニア・トゥバ』。つまり改二型と言っても差し支えのないソズダーニアである。
人類諸国統合軍の将兵はソズダーニアより強力であるイコール、アジン。と認識しているが答えとしては半分正解。半分不正解だった。
『ソズダーニア・トゥバ』はアジンが生み出されて以降研究を重ねていた帝国魔法研究所が開発したバケモノである。
素体は主に南方蛮族支配地域出身の者達。その中でも高く適合してしまったよりすぐりがトゥバなのである。
トゥバはアジンより当然戦闘力全般が優れており、理性も少しだがアジンより残っている。
唯一の欠点は銃砲兵で使用されている量産型やアジンクラスより少数しか生産できない所だろうか。故に重要な局面たるドエニプラにも一〇体しかいない。
もしこれが一般的な部隊ならば大隊クラスが全滅し、増強連隊も大きな苦戦を強いられるであろう。
しかし、である。『ソズダーニア・トゥバ』も相手が悪かった。
目の前にいるのはリシュカと比較しても遜色ない戦闘力と判断力を持つに至ったココノエと、亡命するまで生き残った上にアカツキの訓練を生き残りより強くなった部下達。
手応えのある敵たる『ソズダーニア・トゥバ』を前に、ココノエは微笑した。
「もし予測が当たっておるのならば、退屈はせずに済むじゃろうて。さぁ、バケモノよ。妾を屠ってみせよ。さぁ」
直前までと打って変わって一歩ずつ進めるココノエ。
トゥバ出現まで敗走していたものの、息を吹き返した帝国軍兵士達は加勢しようと試みるがトゥバをココノエ達に任せた増強連隊の兵士達が応戦しており近付けないどころか数を減らしている。
「殺らぬのならば、妾が殺るぞ?」
先に動いたのはココノエだった。
瞬きをすれば、彼女はもう眼前。さらには光龍刀による一閃。躱そうにも身体が追いつかずまず右腕が飛んだ。
「放て」
「ギャゴァァァァァ!!」
腕を切断されたと思いきや次は無属性の魔力波がバケモノを襲い、片脚がもげて行動の自由が奪われる。
「憐れなバケモノよ。せめてはよう楽にしてやろう」
そして、横断。
胴体が上下に別れ、バケモノは絶命した。
ココノエは『光輪の剣』を血振りする。
「残りは五体、か」
『陛下、椿でございます。苦戦中の友軍が接敵していたバケモノ二体を討伐致しました』
『よくやった。こちらは三体じゃ。残りは三体かの?』
『はっ。恐らくは。ただ、周辺の敵軍は敗走を再び始めたようです』
『勝負あり。のようじゃな。ご苦労じゃった。そちらは妾に合流せよ』
『御意』
椿と話すココノエは彼女達を労い、思念会話を終える。
戦果は上々。当初の予定に狂いは生じたものの、作戦は成功と言って差し支えが無かった。
友軍からは勝鬨の声が上がり、余裕のある部隊はトドメと言わんばかりに限定的だが追撃戦に移行していた。
「陛下、お見事でした」
「実朝、お主もの。乱入要素があったが、これで戦の期間は短く出来るじゃろ。いや、遅延を短縮出来たが正しいか」
「何はともあれ勝利に違いはございません。まずはアレン中佐と合流し、アカツキ中将閣下にも報告致しましょう」
「そうじゃの。これならば、アカツキも満足するじゃろて」
戦いに一区切りがついたことで、ココノエは一息ついた様子で言う。返り血を浴びている彼女に、祖国滅亡の頃の姿は無い。ただ、アカツキという名が出た時は年相応の顔つきになっていた。
「陛下」
「ん? どうした実朝」
「大変畏れながら、アカツキ中将閣下には奥方がいらっしゃいますゆえ」
「お主、大阿呆者か?!?! どうしたらそのような意味不明な発言が出てくるのじゃ?!?!」
「冗談にございます」
「冗談も大概にしてくれんかのぉ?!?!」
ココノエは顔を真っ赤にしてというよりかは、本当に何を言っているんだこの者はという反応だった。
実朝はココノエとの付き合いは長い。主君と従者の関係ではあるが、気心はある程度知れている。だからこそ言える冗談だった。
「まったく……。妾はアカツキにその手の感情は抱いておらぬ。あやつは命の恩人で、師であるだけじゃ。そもそも妾に他人の婿を寝取る趣味などない」
「で、ございますよね。恋する乙女といった様子ではありませんし」
「御伽噺ならともかく、妾も訓練とはいえ散々に罵倒された相手に恋心は抱かぬ……。被虐趣味もないしの。あやつはの、妾というより今は支配されし我が国にとっての英雄じゃ。それで良い」
「はっ。大変失礼致しました。ですが、陛下がいつもの様子に戻られて安心致しました」
「あぁ、なるほどの。感謝する、実朝」
「いえ、とんでもございません」
意識していたとはいえ、憎悪がチラついていないと言えば嘘になる。昔からの付き合いだからこそ、実朝は気を遣ってくれたのだろう。
ココノエは感謝の言葉をかけ、実朝は微笑む。
『シェーコフの庭荒らし作戦』は『ソズダーニア・トゥバ』の出現でひっくり返されかけたものの、ココノエ達の活躍もあって無事成功に終わった。
だがドエニプラへの包囲が完成されつつあり狭まってもなお、妖魔帝国軍は必死の抵抗を続けていくのであった。
0
お気に入りに追加
146
あなたにおすすめの小説
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
転生幼児は夢いっぱい
meimei
ファンタジー
日本に生まれてかれこれ27年大学も出て希望の職業にもつき順風満帆なはずだった男は、
ある日親友だと思っていた男に手柄を横取りされ左遷されてしまう。左遷された所はとても忙しい部署で。ほぼ不眠不休…の生活の末、気がつくとどうやら亡くなったらしい??
らしいというのも……前世を思い出したのは
転生して5年経ってから。そう…5歳の誕生日の日にだった。
これは秘匿された出自を知らないまま、
チートしつつ異世界を楽しむ男の話である!
☆これは作者の妄想によるフィクションであり、登場するもの全てが架空の産物です。
誤字脱字には優しく軽く流していただけると嬉しいです。
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
【完結】スキルが美味しいって知らなかったよ⁈
テルボン
ファンタジー
高校二年生にもかかわらず、見た目は小学生にも見える小柄な体格で、いつものようにクラスメイトに虐められてロッカーに閉じ込められた倉戸 新矢(くらと あらや)。身動きが取れない間に、突然の閃光と地震が教室を襲う。
気を失っていたらしく、しばらくして目覚めてみるとそこは異世界だった。
異色な職種、他人からスキルを習得できるという暴食王の職種を活かして、未知の異世界を仲間達と旅をする。
呪われた子と、家族に捨てられたけど、実は神様に祝福されてます。
光子
ファンタジー
前世、神様の手違いにより、事故で間違って死んでしまった私は、転生した次の世界で、イージーモードで過ごせるように、特別な力を神様に授けられ、生まれ変わった。
ーーー筈が、この世界で、呪われていると差別されている紅い瞳を宿して産まれてきてしまい、まさかの、呪われた子と、家族に虐められるまさかのハードモード人生に…!
8歳で遂に森に捨てられた私ーーキリアは、そこで、同じく、呪われた紅い瞳の魔法使いと出会う。
同じ境遇の紅い瞳の魔法使い達に出会い、優しく暖かな生活を送れるようになったキリアは、紅い瞳の偏見を少しでも良くしたいと思うようになる。
実は神様の祝福である紅の瞳を持って産まれ、更には、神様から特別な力をさずけられたキリアの物語。
恋愛カテゴリーからファンタジーに変更しました。混乱させてしまい、すみません。
自由にゆるーく書いていますので、暖かい目で読んで下さると嬉しいです。
あなたのレベル買い取ります! 無能と罵られ最強ギルドを追放されたので、世界で唯一の店を出した ~俺だけの【レベル売買】スキルで稼ぎまくり~
桜井正宗
ファンタジー
異世界で暮らすただの商人・カイトは『レベル売買』という通常では絶対にありえない、世界で唯一のスキルを所持していた事に気付く。ゆえに最強ギルドに目をつけられ、直ぐにスカウトされ所属していた。
その万能スキルを使いギルドメンバーのレベルを底上げしていき、やがてギルドは世界最強に。しかし、そうなる一方でレベルの十分に上がったメンバーはカイトを必要としなくなった。もともと、カイトは戦闘には不向きなタイプ。やがてギルドマスターから『追放』を言い渡された。
途方に暮れたカイトは彷徨った。
そんな絶望的で理不尽な状況ではあったが、月光のように美しいメイド『ルナ』が救ってくれた。それから程なくし、共に世界で唯一の『レベル売買』店を展開。更に帝国の女騎士と魔法使いのエルフを迎える。
元から商売センスのあったカイトはその才能を遺憾なく発揮していく。すると驚くほど経営が上手くいき、一躍有名人となる。その風の噂を聞いた最強ギルドも「戻ってこい」と必死になるが、もう遅い。
見返すと心に決めたカイトは最強ギルドへの逆襲を開始する――。
【登場人物】(メインキャラ)
主人公 :カイト / 男 / 商人
ヒロイン:ルナ / 女 / メイド
ヒロイン:ソレイユ / 女 / 聖騎士
ヒロイン:ミーティア / 女 / ダークエルフ
***忙しい人向けの簡単な流れ***
◇ギルドを追放されますが、実は最強のスキル持ち
◇メイドと出会い、新しい仲間も増えます
◇自分たちだけのお店を開きます
◇みんな優しいです
◇大儲けしていきます
◇元ギルドへの反撃もしていきます
◇世界一の帝国へ移住します
◇もっと稼ぎまくります
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
超克の艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
「合衆国海軍ハ 六〇〇〇〇トン級戦艦ノ建造ヲ計画セリ」
米国駐在武官からもたらされた一報は帝国海軍に激震をもたらす。
新型戦艦の質的アドバンテージを失ったと判断した帝国海軍上層部はその設計を大幅に変更することを決意。
六四〇〇〇トンで建造されるはずだった「大和」は、しかしさらなる巨艦として誕生する。
だがしかし、米海軍の六〇〇〇〇トン級戦艦は誤報だったことが後に判明。
情報におけるミスが組織に致命的な結果をもたらすことを悟った帝国海軍はこれまでの態度を一変、貪欲に情報を収集・分析するようになる。
そして、その情報重視への転換は、帝国海軍の戦備ならびに戦術に大いなる変化をもたらす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる