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第15章 戦間期編2
第1話 ドルノワ工廠アルネセイラ兵器開発研究所への視察
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・・1・・
7の月18の日
午後1時45分
アルネセイラ・新市街区画郊外
ドルノワ工廠アルネセイラ兵器研究開発所付近
皇女・ココノエ陛下達の亡命が僕達との会談で決定してからそろそろ二ヶ月が経過しようとしていた七の月も半ば。極秘勅令によりココノエ達は王都の中でも最も厳重な警備である王宮の一角に居を移し、衣食住にも慣れてきたらしく、彼女の側仕えや護衛達も少しずつだけど人類諸国の言語を覚えてきたとの報告を聞いた僕はこっちの方は心配しないでもいいかなと安心して自分の仕事をこなしていた。
中将という立場から皇女・ココノエと顔を合わせるのは月二回程度。けれども彼女は救ってくれた恩義からか、予言にあった英雄だからか随分と気に入っているらしくて、国王陛下からも、
「そちは稀代の名軍人であるし、軍大学校で特別教官もしておったであろう? 皇女殿の教師をしてやったらどうじゃ?」
という提言もあって今は定期的に会っては人類諸国や連合王国の歴史や軍について家庭教師のような役目も担っていた。転生者である僕がこの国の歴史とかを教える事になるとは思わなかったけれど、彼女は貴重な戦力にもなる人物。断る理由は無かった。
ちなみに皇女・ココノエは国を取り戻す為だろうか、かなりやる気になっていて良い生徒だった。覚えるの早いし、わずかな期間で驚くほど知識を吸収していた。
「アカツキよ、妾はお主と会えるのを楽しみにしておるぞ! また沢山の新鮮な知識を教えておくれ!」
目を輝かせながらそう言われ、次は何をお題にして授業をしようかと思ったのが昨日のこと。今日は本来の軍務の一つである場所に、この世界ではだいぶ乗り慣れてきた軍の蒸気乗用車に乗って向かっていた。
同行しているのは副官代理のエリス中佐。リイナは妊娠第三十週目前となっていよいよ身重になっていて、完全静養期間に入ったからだ。医師によると、出産は予定通りならば九月末か十月上旬くらいだって。
そして、同行者はもう一人いるんだけれど久しぶりに会った彼は以前の印象から随分と見違えていた。
「ジョセフ少佐」
「はっ、中将閣下! どうなさいましたか?」
僕の正面に座っているのは青色の髪の毛と生まれつきの顔と体格以外、まるで雰囲気が変わっている、改革特務部着任以降活躍をして昇進をしたジョセフ少佐だった。
久方ぶりの対面の時にはそれはもう驚いたよ。だってジョセフ少佐といえばおどおどしていて自信なさげだった印象が強い。最後に会ったのは春季第二攻勢の前でそれも数分の会話だけ。それからは互いに急がしいのもあって顔を合わせる機会がなかった。
そしたら、なんということでしょう! 今僕の前にいるジョセフ少佐は髪型もすっきりとして変わって、いかにもイケメンって感じの好青年!
一体何があったんだ……。
気になって仕方ない僕は思わずジョセフ少佐の名を呼ぶ。すると明るい返答が返ってきた。お、おおう……。
「随分と雰囲気が変わった気がするけれど、何かあったの?」
「はっ! はい。以前の自分はとにかく自信が無く周りの表情を伺いながら過ごす生活でした。しかし、アカツキ中将閣下の改革特務部に着任以来、中将閣下はぼくを信頼して頂き、様々な軍務を任せてくださいました。人との会話はとにかく苦手でしたが、慣れれば意外とどうにかなりました。アカツキ中将閣下は僕が困っていると助けて下さったからです。それから僕は変わろうと頑張りました。この軍務は人との関わり合いが多いですし、何よりアカツキ中将閣下のお力になりたかったので」
「そ、そっか。でも今が充実していてそうで何よりだよ」
「はい! 兵器開発は自分が望んでいた分野なので毎日が楽しく過ごせています! 大戦がどうなるか不安でしたが、休戦になり安心しました。でも、備えておかねばなりませんから気は緩まず励んでおります!」
僕はさっきから困惑しっぱなしだ。面影がほとんどないくらいに良い意味で変わったジョセフ少佐はまさに誰だこの人状態。
けれど、自分のお陰で変われた。充実していると言われれば悪い気はしなかった。
「アカツキ中将閣下、ジョセフ少佐ですが今は恋人もおられるようです」
はいぃ!? 今なんて!?
「いつの間に!? ていうかなんでエリス中佐知ってるの!?」
「たまたま休日に見かけまして」
「いやぁ、まさかエリス中佐にお会いするとは思いませんでした」
「あ、相手は……?」
「故郷の幼馴染です。五の月の頃、休暇が頂けたので一年ぶりに会って色々と話していたら、いい雰囲気になりまして」
す、すげえ……。ジョセフ少佐が物語の主人公みたいな事になってる……。
「ちなみに結婚前提です」
「へぇぇぇ!?」
「おめでたいことです。ジョセフ少佐は嬉しそうにお話してくださりましたよ」
「いつ結婚するの……?」
「たぶん、来年ですかね。アカツキ中将閣下には是非招待状をお送りさせて頂きます!」
「うん、その時は予定を空けられるようにしておくよ」
なんかもうたった一時間程度で驚きっぱなしだ……。そろそろ心臓が持たなくなってきた……。
僕の心境を除けば穏やかな時間が流れ、初夏の陽気の王都は新市街地の郊外にまで出ると喧騒さも薄れてきていた。それでも蒸気自動車やトラックなどが走りやすいよう再整備された広い道には、まだ数は多くないけれど蒸気自動車とトラックが行き交い、多数派の馬車が走っていく。歩道を進む人達の顔は明るい。道行く人がさっきより作業着姿が多いのは、目的地に近づいてきた証拠かな。
「そろそろドルノワ工廠アルネセイラ兵器開発研究所みたいですね」
「そうだねエリス中佐。試射場もある広大な敷地が見えてきたし」
「僕は定期的に訪れてますけれど、いつ来ても活発な空気を感じますね」
ドルノワ工廠アルネセイラ兵器開発研究所。
アルネシア連合王国の兵器開発において最先端を行く軍需会社ドルノワ工廠の兵器開発部門はアルネセイラ新市街地の北東部郊外に位置している。
ここではライフルやガトリング、砲など様々な新型兵器が研究開発されていて、それらはドルノワ工廠の各工場で大量生産されていく。連合王国にとっては最重要拠点の一つだ。
大戦を機に軍需が大幅に増大したドルノワ工廠は研究開発拠点を強化。去年からはいくつかの拠点を統合して、ここに一括集約されていた。
蒸気自動車は開発研究所の正門前に到着すると、軍が派遣した衛兵からの敬礼を受け車は進んでいく。
アルネセイラ兵器開発研究所は複数の研究開発拠点を統合しただけあってとても広い。王都北東部郊外の土地改良事業が完了してからすぐに移転を決定し着工し竣工。ここには幾つもの建物があって、特に試験製造している工場からは兵器を作る音や人の声などが飛び交っているのが車の中からも聞こえていた。
働く人や出入りしている人も多い。ドルノワ工廠のドワーフ社員やヒト社員だけでなく、軍需工場だけに軍人も結構見かける。だからだろうか、面積の割には賑やかな印象があった。
正門から数百メーラ進むと、本部棟が見えてきた。瀟洒なレンガ造りの三階建ての建物だ。正面玄関付近には背広姿の事務方から白衣姿の研究畑、現場組の作業着姿の人など十数人がいた。
「お、社長もいるみたいだね」
そして集団の中央にいるのはヒトより背が低い男性ドワーフがいた。年齢は人間で言えば年配に差し替かかった、いかにも職人といういかつい風貌。確か、会ってマトモに話すのは久しぶりのはずだ。年末のパーティーでは少し会話はするけれど、互いに挨拶相手が多かったし。
車は正面玄関、集団の前に停車するとドアを開けてもらって僕は車外に出る。
すると、作業着姿の年配男性ドワーフは怖そうな顔つきを緩ませて笑顔で手を上げると、
「ようっ、アカツキの坊ちゃん! 元気してたか? 嫁さんは再来月には出産だってな!」
「こんにちは、ダワージ社長。お陰様で忙しい中でも休みは取れてますよ。リイナは九月末から十月初頭が予定週みたいです。最近、別邸での完全静養期間に入りました」
「がははっ! そうかそうか! ま、今日は俺達自慢の試作兵器とか新しい研究開発所を見てってくれや!」
だいぶ強い力で僕の肩をバンバンと叩き陽気に笑うこの人こそ、アルネシア連合王国だけではなく人類諸国でも三本の指に入る軍需産業会社ドルノワ工廠株式会社の社長、ダワージ・ドルノワその人だ。
7の月18の日
午後1時45分
アルネセイラ・新市街区画郊外
ドルノワ工廠アルネセイラ兵器研究開発所付近
皇女・ココノエ陛下達の亡命が僕達との会談で決定してからそろそろ二ヶ月が経過しようとしていた七の月も半ば。極秘勅令によりココノエ達は王都の中でも最も厳重な警備である王宮の一角に居を移し、衣食住にも慣れてきたらしく、彼女の側仕えや護衛達も少しずつだけど人類諸国の言語を覚えてきたとの報告を聞いた僕はこっちの方は心配しないでもいいかなと安心して自分の仕事をこなしていた。
中将という立場から皇女・ココノエと顔を合わせるのは月二回程度。けれども彼女は救ってくれた恩義からか、予言にあった英雄だからか随分と気に入っているらしくて、国王陛下からも、
「そちは稀代の名軍人であるし、軍大学校で特別教官もしておったであろう? 皇女殿の教師をしてやったらどうじゃ?」
という提言もあって今は定期的に会っては人類諸国や連合王国の歴史や軍について家庭教師のような役目も担っていた。転生者である僕がこの国の歴史とかを教える事になるとは思わなかったけれど、彼女は貴重な戦力にもなる人物。断る理由は無かった。
ちなみに皇女・ココノエは国を取り戻す為だろうか、かなりやる気になっていて良い生徒だった。覚えるの早いし、わずかな期間で驚くほど知識を吸収していた。
「アカツキよ、妾はお主と会えるのを楽しみにしておるぞ! また沢山の新鮮な知識を教えておくれ!」
目を輝かせながらそう言われ、次は何をお題にして授業をしようかと思ったのが昨日のこと。今日は本来の軍務の一つである場所に、この世界ではだいぶ乗り慣れてきた軍の蒸気乗用車に乗って向かっていた。
同行しているのは副官代理のエリス中佐。リイナは妊娠第三十週目前となっていよいよ身重になっていて、完全静養期間に入ったからだ。医師によると、出産は予定通りならば九月末か十月上旬くらいだって。
そして、同行者はもう一人いるんだけれど久しぶりに会った彼は以前の印象から随分と見違えていた。
「ジョセフ少佐」
「はっ、中将閣下! どうなさいましたか?」
僕の正面に座っているのは青色の髪の毛と生まれつきの顔と体格以外、まるで雰囲気が変わっている、改革特務部着任以降活躍をして昇進をしたジョセフ少佐だった。
久方ぶりの対面の時にはそれはもう驚いたよ。だってジョセフ少佐といえばおどおどしていて自信なさげだった印象が強い。最後に会ったのは春季第二攻勢の前でそれも数分の会話だけ。それからは互いに急がしいのもあって顔を合わせる機会がなかった。
そしたら、なんということでしょう! 今僕の前にいるジョセフ少佐は髪型もすっきりとして変わって、いかにもイケメンって感じの好青年!
一体何があったんだ……。
気になって仕方ない僕は思わずジョセフ少佐の名を呼ぶ。すると明るい返答が返ってきた。お、おおう……。
「随分と雰囲気が変わった気がするけれど、何かあったの?」
「はっ! はい。以前の自分はとにかく自信が無く周りの表情を伺いながら過ごす生活でした。しかし、アカツキ中将閣下の改革特務部に着任以来、中将閣下はぼくを信頼して頂き、様々な軍務を任せてくださいました。人との会話はとにかく苦手でしたが、慣れれば意外とどうにかなりました。アカツキ中将閣下は僕が困っていると助けて下さったからです。それから僕は変わろうと頑張りました。この軍務は人との関わり合いが多いですし、何よりアカツキ中将閣下のお力になりたかったので」
「そ、そっか。でも今が充実していてそうで何よりだよ」
「はい! 兵器開発は自分が望んでいた分野なので毎日が楽しく過ごせています! 大戦がどうなるか不安でしたが、休戦になり安心しました。でも、備えておかねばなりませんから気は緩まず励んでおります!」
僕はさっきから困惑しっぱなしだ。面影がほとんどないくらいに良い意味で変わったジョセフ少佐はまさに誰だこの人状態。
けれど、自分のお陰で変われた。充実していると言われれば悪い気はしなかった。
「アカツキ中将閣下、ジョセフ少佐ですが今は恋人もおられるようです」
はいぃ!? 今なんて!?
「いつの間に!? ていうかなんでエリス中佐知ってるの!?」
「たまたま休日に見かけまして」
「いやぁ、まさかエリス中佐にお会いするとは思いませんでした」
「あ、相手は……?」
「故郷の幼馴染です。五の月の頃、休暇が頂けたので一年ぶりに会って色々と話していたら、いい雰囲気になりまして」
す、すげえ……。ジョセフ少佐が物語の主人公みたいな事になってる……。
「ちなみに結婚前提です」
「へぇぇぇ!?」
「おめでたいことです。ジョセフ少佐は嬉しそうにお話してくださりましたよ」
「いつ結婚するの……?」
「たぶん、来年ですかね。アカツキ中将閣下には是非招待状をお送りさせて頂きます!」
「うん、その時は予定を空けられるようにしておくよ」
なんかもうたった一時間程度で驚きっぱなしだ……。そろそろ心臓が持たなくなってきた……。
僕の心境を除けば穏やかな時間が流れ、初夏の陽気の王都は新市街地の郊外にまで出ると喧騒さも薄れてきていた。それでも蒸気自動車やトラックなどが走りやすいよう再整備された広い道には、まだ数は多くないけれど蒸気自動車とトラックが行き交い、多数派の馬車が走っていく。歩道を進む人達の顔は明るい。道行く人がさっきより作業着姿が多いのは、目的地に近づいてきた証拠かな。
「そろそろドルノワ工廠アルネセイラ兵器開発研究所みたいですね」
「そうだねエリス中佐。試射場もある広大な敷地が見えてきたし」
「僕は定期的に訪れてますけれど、いつ来ても活発な空気を感じますね」
ドルノワ工廠アルネセイラ兵器開発研究所。
アルネシア連合王国の兵器開発において最先端を行く軍需会社ドルノワ工廠の兵器開発部門はアルネセイラ新市街地の北東部郊外に位置している。
ここではライフルやガトリング、砲など様々な新型兵器が研究開発されていて、それらはドルノワ工廠の各工場で大量生産されていく。連合王国にとっては最重要拠点の一つだ。
大戦を機に軍需が大幅に増大したドルノワ工廠は研究開発拠点を強化。去年からはいくつかの拠点を統合して、ここに一括集約されていた。
蒸気自動車は開発研究所の正門前に到着すると、軍が派遣した衛兵からの敬礼を受け車は進んでいく。
アルネセイラ兵器開発研究所は複数の研究開発拠点を統合しただけあってとても広い。王都北東部郊外の土地改良事業が完了してからすぐに移転を決定し着工し竣工。ここには幾つもの建物があって、特に試験製造している工場からは兵器を作る音や人の声などが飛び交っているのが車の中からも聞こえていた。
働く人や出入りしている人も多い。ドルノワ工廠のドワーフ社員やヒト社員だけでなく、軍需工場だけに軍人も結構見かける。だからだろうか、面積の割には賑やかな印象があった。
正門から数百メーラ進むと、本部棟が見えてきた。瀟洒なレンガ造りの三階建ての建物だ。正面玄関付近には背広姿の事務方から白衣姿の研究畑、現場組の作業着姿の人など十数人がいた。
「お、社長もいるみたいだね」
そして集団の中央にいるのはヒトより背が低い男性ドワーフがいた。年齢は人間で言えば年配に差し替かかった、いかにも職人といういかつい風貌。確か、会ってマトモに話すのは久しぶりのはずだ。年末のパーティーでは少し会話はするけれど、互いに挨拶相手が多かったし。
車は正面玄関、集団の前に停車するとドアを開けてもらって僕は車外に出る。
すると、作業着姿の年配男性ドワーフは怖そうな顔つきを緩ませて笑顔で手を上げると、
「ようっ、アカツキの坊ちゃん! 元気してたか? 嫁さんは再来月には出産だってな!」
「こんにちは、ダワージ社長。お陰様で忙しい中でも休みは取れてますよ。リイナは九月末から十月初頭が予定週みたいです。最近、別邸での完全静養期間に入りました」
「がははっ! そうかそうか! ま、今日は俺達自慢の試作兵器とか新しい研究開発所を見てってくれや!」
だいぶ強い力で僕の肩をバンバンと叩き陽気に笑うこの人こそ、アルネシア連合王国だけではなく人類諸国でも三本の指に入る軍需産業会社ドルノワ工廠株式会社の社長、ダワージ・ドルノワその人だ。
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