上 下
235 / 390
第2部 戦間期に歩むそれぞれの道 第14章 戦間期編1

第18話 皇女・ココノエの決断

しおりを挟む
 ・・18・・
「そ、そなた……、今、なんと……?」

 僕が提示した条件に、皇女陛下は声を震わせて愕然とする。
 皇女陛下の反応に周りの護衛や側仕え達も表情を険しくさせた。何を話しているかは分からなくても、雰囲気で察したんだろう。

「そのままの意味です、皇女陛下。亡命は受け入れます。今後の生活には不便も伴うでしょうが、我々連合王国が、協商連合等人類諸国が皇女陛下方の存在の隠蔽に全てお任せ下さい。衣食住についても、かつての生活並とまではいかないにしても、相応の待遇を保証します。しかし、無償で、とはいきません」

「じゃから、妾達に、戦場に立てということじゃな……?」

「――、――」

 側仕えの女性が静かに、少しだけ怒気を含ませて何かを言っている。
 エイジスの翻訳はラグが少しあったけれど、順応性が高いのか、すぐに訳された。

「貴方、何を言っているか。ですか。エイジス、翻訳して伝えて。そこまでいけるよね」

「サー、マスター」

「最前線に立てというのは、亡命と衣食住の引換として貴方達に戦え。と申しているのです」

「『マスターは、亡命と衣食住と引換に戦えと仰っています』」

「――。――。――。――!(我々が戦うのは構わない。元より祖国を奪われた身。側仕えの私もモノノフとしても戦える。しかしココノエ陛下は皇族です!)」

 側仕えの女性の言う通り、皇女陛下は確かに皇族だ。わざわざ戦場に立つ必要性は本来であればないかもしれない。けれど、彼等にとっての指揮官の存在は必要だ。
 何故か。いくら彼等が亡命者で僕達の庇護下にあると言えども、例えば僕の指揮下に入ったとしてこちらの命令に素直に頷いてくれるだろうか。
 答えは否だ。彼等が僕や連合王国側の命令を絶対的に聞くかどうかなんて保証はない。光龍族が連合王国ひいては人類諸国側にとって貴重かつ強力な空軍戦力となるなら簡単に妖魔帝国の手に落とす訳にはいかない。だったら、彼等にとって絶対的な命令者が必要になる。
 魔法無線装置で後方も後方からでもいいかもしれないけれど、じゃあ、もし無線装置が何らかの理由で使用不可能になったら?
 ということもある。

「誤解があったのならば詫びましょう。皇女陛下が直接戦うのではなく、亡命政権の錦の御旗として指揮官として最前線に出てくださいという意味です」

「『マスターは、誤解があったならば謝罪とする仰っています。ココノエ皇女陛下が龍の姿となり砲火の中で戦えとはいうわけではなく、指揮官として前線に立つようにという意味です』」

「『――!――。――!(だとしても危険過ぎます! ココノエ皇女陛下は光龍皇国の唯一の直系皇族の生き残り。万が一があったら、血脈は途絶えてしまう!)』」

 そうだね。万が一があったらそこで光龍皇国の血筋は終わりだ。連合王国で例えれば王家の血筋が絶えるに等しい。
 けれど万が一にならないようにするのは僕達の仕事だ。いくらでもなんとかする。
 それに、どうして皇女陛下が前線に立つのかについてはさっきの理由以外にもある。
 俯いたままの皇女陛下をよそに僕は側仕えの女性との応酬を続ける。

「貴方達は一つ大切な事をお忘れではありませんか? 逃げてきた本国が今どうなってしまっているのかお考えになったことは?」

「『マスターは、皆様が一つ大切な事をお忘れではないかと仰っています。本国が今どうなっているかお考えになったことは? とお聞きしています』」

「――! ――。――。――!(今も憂いているに決まっておろう! 我等が落ち延び、逃げ延び、ようやく辿り着いた人類諸国の地。ああそうだ安堵しているとも、安寧を得られたと思うているとも。だが、故郷を忘れている事は一度もない!)」

 次に言葉を発したのは、席を立ち声を上げている護衛の長であろう男。威厳のある、いかにもモノノフといった様子の男だ。

「では、お聞きします。本国は今どうなっているでしょうか? 狡猾な妖魔帝国の事です。行方不明となった皇女陛下は民を捨てて逃げたと宣伝しているかもしれません。いや、しているでしょう。民はさぞかし絶望に打ちひしがれているでしょう。ああ、皇女陛下は私達を捨ててしまわれたのだ、と」

「『マスターは、本国は今どうなっているか。狡猾な妖魔帝国だから行方不明扱いとなっているから、皇女陛下は民を捨てて逃げたと宣伝しているだろうと。民はさぞかし絶望に打ちひしがれているでしょう。皇女陛下は私達を見捨ててしまわれたのだ。と仰っています』」

「――……! ――!(それは……! しかし龍皇陛下は最後に我々に皇女陛下を託されて!)」

「それを民は知る由もありません。となると、皇女陛下の信頼は地に落ちている可能性すらあります。無論、信じてやまない民もいるでしょう。耐え難きを耐えているでしょう。じゃあ、こう考えてください。我々は妖魔帝国との戦争に勝ち、貴方達は祖国を取り戻した。民は聞くでしょう。皇女陛下はどうされていたかと。その時どう答えますか? 亡命先の王都でずっと引きこもって連合王国や人類諸国に任せっきりだったと言えますか?」

 エイジスは僕の論を翻訳して伝えると、側仕えも護衛の男達も黙り込んでしまった。
 当然だ。彼等大人はこの道理を理解している。
 例えば妖魔帝国との大戦を勝ち抜いたとして光龍皇国に帰還を果たしたとする。妖魔帝国の圧政に耐え抜いた民衆達は生きていると思わなかった皇女陛下が生きていたことに歓喜するだろう。
 問題はここからだ。エイジスの文献調査の内容から、そして皇女陛下を逃げさせる為に龍皇自ら戦陣に立ったことから、皇族も有事には戦場とは無縁ではないのは間違いない。自分達を守るため救うために戦ってくれる英雄となってくれる事も望んでいるだろう。
 ところがもし民衆達が、皇女陛下は亡命してからずっと他国に任せきりで自分は王都アルネセイラで餌を待つ雛鳥のようでいたと知ったらどう思うだろうか?
 そんな皇族が自分達を統べるのかと不安になる。民衆からの信頼が揺らぐ。
 ただでさえ自分達が辛酸を舐めさせられていた事実があるのに、皇女陛下が安全圏で椅子を温めていたとなったら戦後統治に大きな禍根を残すだろう。
 最悪、せっかく戦争が終わったのに今度は内乱すら有り得るだろう。民衆とはそういうものだ。
 だから、僕は戦わないにしても最低戦場に立てと言ったわけなんだ。

「…………」

 僕とエイジス、側仕えと護衛の長のやり取りから皇女陛下はずっと無言のままだった。
 協商連合からの事前情報によれば、皇女陛下の年齢は人類換算で約十五歳。戦場を目の当たりにするには早いかもしれないし、こんな酷な決断をさせるのも早いかもしれない。
 けれど、彼女は生き延びたんだ。そして、現状唯一の皇族。となれば、為政者として決断しなければならない。早かろうが遅かろうが関係ないんだ。今、こうなっているんだから。

「皇女陛下、いかがなさいますか」

 僕は問う。

「…………もし、妾が拒否すればどうなる」

「大変申し訳ありませんが、身柄は即刻妖魔帝国に引渡しとなります。妖魔帝国とは条約を結んでいます。本件が明るみに出れば、これが発端となり条約は破棄。妖魔帝国は再び我々を滅ぼそうとするでしょう」

「…………そうか。そう、じゃろな。約束を破れば、奴等は嬉々としてそなたらを滅ぼしにかかるじゃろう」

 エイジスはあえて真実を翻訳した。側仕えも護衛の長も身をもって妖魔帝国の残虐さを知っているから何も言わなかった。
 マーチス侯爵もエディン外務大臣も無言は貫いている。けれど瞳で訴えていた。全て僕の言う通りの事になり、だからこそ拒否すればすぐに妖魔帝国へ引き渡すと。

「我々は休戦まで、初戦を除き妖魔帝国に勝利してきました。再戦しても勝つ自信はあります。しかし同じように勝てるとは思っていません。多大な犠牲を出し、大勢の兵士を死なせる事になるでしょう。それが戦争です」

「妾達のせいで、か……」

「はい。皇女陛下達のせいで我々の国民は死にます」

 厳しい物言いなのは自覚している。でも事実だ。
 個人間ですら時には利益の探り合いになるだから、国家間なら尚更。いや、むしろ損得勘定抜きで事を進めるのはありえない。時には仁義や恩義とかで助けることもあるけれど、それは余程親密な同盟関係でなければありえない。
 だから僕は、残酷な現実を突きつけた。
 しかし同時に、僕はもう一つ魔法のような言葉を投げかける。
 これは劇薬だし、どう作用するかは分からない。正攻法じゃない邪道だ。でも決断を迫るにはもってこいだろう。

「質問をしてもよろしいでしょうか、皇女陛下」

「なんじゃ、予言にあった英雄よ……。好きに、言うてくれ……」

「皇女陛下は妖魔帝国が憎くありませんか?」

「そんなもの、憎いに決まっておろう……。国を蹂躙し、民を兵を殺戮し、あまつさえ父君と母上を、きっと殺したであろう妖魔共が憎くないわけが、なかろう……」

 瞳から涙を零し、殺意の篭った目付きになる皇女陛下。
 まあ当然の反応だよね。国を奪い肉親を奪っただろう敵国が憎くない訳が無い。一瞬、反政府政権樹立のために密かに準備が続けられているダロノワ大佐や粛清された軍人達が頭を過ぎったけれど、まあこの辺は後で対策を考えればどうとでもなる。
 そんな事より、目の前の事だ。

「ならば、皇女陛下自ら戦場にお立ちください。陛下が旗印となり、妖魔帝国を討ち滅ぼすのです。憎き敵国を見事討ち、凱旋を果たしましょう」

「…………妾に出来るのか?」

「出来るのではなく、やるのです。幸いにして、陛下は生きておられます。護衛の方もいます。光龍族の強大な魔力と天翔る力は、私が最大限引き出してみせましょう。伊達に予言に出る英雄をしていませんから。さあどうなさいますか、皇女陛下。答えは二つに一つです」

 僕はけしかけた。迷いのある皇女陛下に、まだ齢十五程度の少女にだ。本当ならこんな事をさせる歳じゃないし、こんな判断をさせてはいけない。
 だけど彼女は皇族だ。立たねばならないんだ。
 それが、為政者の務めなんだから。

「…………くくっ、くくくっ。あははははっ!!」

 皇女陛下は肩を震わせたかと思いきや急に笑い始めた。涙を零した頬のまま、大笑いした。
 僕は一瞬だけ困惑したけれど、彼女の目を見た瞬間察した。
 どうやら上手くいったみたいだと。彼女は何かが吹っ切れた様子だった。

「まったく、まったくそなた、本当に予言にありし英雄か? 妾は、英雄とは自身に全て任せ救うてくれるものじゃと思っておった。ところがそなたはどうじゃ? 妾達に戦えと言うた。死ぬかもしれぬのに身を呈して戦えと。そしてあまつさえ、妾に戦場に立てとまで言うではないか」

「生憎ですが、私はあくまでどこまでも軍人です。国家に忠誠を誓い国民を守る為に存在する軍人です。手を差し伸べて後は任せろだなんてお人好しの英雄ではありませんので」

「末恐ろしい物言いよ。じゃが、じゃからこそあの妖魔共との戦に勝利をもたらした英雄なのやもしれぬな……。良いじゃろう。そなたの条件を妾は飲む。これは光龍皇国次代龍皇、いや龍皇ココノエの名においてそなたら、アルネシア連合王国の条件を受諾しよう。――、――。――。――、――。――。(ツバキよ、サネトモよ。妾はアカツキの条件を承諾した。これは、龍皇たる妾が決定した事じゃ。そなたらも従え)」

『――!(承知!)』

 皇族に相応しい威厳をもって臣下に命令をするココノエ。条件を飲んでくれた事に僕とエイジスは安堵し、マーチス侯爵は何とかなったなと息をゆっくりと吐き、エディン外務大臣は胸を撫で下ろした。
 この会談の後エディン外務大臣には、

「いくら亡命者とはいえ皇族相手によくあそこまで言ったものだ。ヒヤヒヤさせられたぞ」

 と、しかめっ面をされた。その後にはちゃんと、よくやったと褒められたけどね。
 ともかくとして両者が合意したことによってココノエ皇女陛下と側仕えのツバキ、サネトモを始めとする護衛全員の亡命は受け入れられた。同時に、この日アルネシア連合王国に『光龍皇国亡命政権』も誕生する。

「ああ、そうじゃった。アカツキよ、一つ願いを聞いては貰えぬじゃろか?」

「なんなりと、皇女陛下」

「うむっ。まずはこやつらに人類諸国の言葉を教えてやってくれまいか? 今は妾だけしか話せぬからこれからが不便であろ。まずは、そこからじゃろ?」

「はははっ、その通りにございます皇女陛下。まずは、そこからですね」

「うむうむ。暫く世話になる。よろしく頼むぞ?」

「はい、ココノエ皇女陛下」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~

WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
 1~8巻好評発売中です!  ※2022年7月12日に本編は完結しました。  ◇ ◇ ◇  ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。  ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。  晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。  しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。  胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。  そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──  ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?  前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

深刻な女神パワー不足によりチートスキルを貰えず転移した俺だが、そのおかげで敵からマークされなかった

ぐうのすけ
ファンタジー
日本の社会人として暮らす|大倉潤《おおくらじゅん》は女神に英雄【ジュン】として18才に若返り異世界に召喚される。 ジュンがチートスキルを持たず、他の転移者はチートスキルを保持している為、転移してすぐにジュンはパーティーを追放された。 ジュンは最弱ジョブの投資家でロクなスキルが無いと絶望するが【経験値投資】スキルは規格外の力を持っていた。 この力でレベルを上げつつ助けたみんなに感謝され、更に超絶美少女が俺の眷属になっていく。 一方俺を追放した勇者パーティーは横暴な態度で味方に嫌われ、素行の悪さから幸運値が下がり、敵にマークされる事で衰退していく。 女神から英雄の役目は世界を救う事で、どんな手を使っても構わないし人格は問わないと聞くが、ジュンは気づく。 あのゆるふわ女神の世界管理に問題があるんじゃね? あの女神の完璧な美貌と笑顔に騙されていたが、あいつの性格はゆるふわJKだ! あいつの管理を変えないと世界が滅びる! ゲームのように普通の動きをしたら駄目だ! ジュンは世界を救う為【深刻な女神力不足】の改善を進める。 念のためR15にしてます。 カクヨムにも先行投稿中

特殊スキル持ちの低ランク冒険者の少年は、勇者パーティーから追い出される際に散々罵しった癖に能力が惜しくなって戻れって…頭は大丈夫か?

アノマロカリス
ファンタジー
少年テイトは特殊スキルの持ち主だった。 どんなスキルかというと…? 本人でも把握出来ない程に多いスキルなのだが、パーティーでは大して役には立たなかった。 パーティーで役立つスキルといえば、【獲得経験値数○倍】という物だった。 だが、このスキルには欠点が有り…テイトに経験値がほとんど入らない代わりに、メンバーには大量に作用するという物だった。 テイトの村で育った子供達で冒険者になり、パーティーを組んで活躍し、更にはリーダーが国王陛下に認められて勇者の称号を得た。 勇者パーティーは、活躍の場を広げて有名になる一方…レベルやランクがいつまでも低いテイトを疎ましく思っていた。 そしてリーダーは、テイトをパーティーから追い出した。 ところが…勇者パーティーはのちに後悔する事になる。 テイトのスキルの【獲得経験値数○倍】の本当の効果を… 8月5日0:30… HOTランキング3位に浮上しました。 8月5日5:00… HOTランキング2位になりました! 8月5日13:00… HOTランキング1位になりました(๑╹ω╹๑ ) 皆様の応援のおかげです(つД`)ノ

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

捨てられ従魔とゆる暮らし

KUZUME
ファンタジー
旧題:捨てられ従魔の保護施設! 冒険者として、運送業者として、日々の生活に職業として溶け込む従魔術師。 けれど、世間では様々な理由で飼育しきれなくなった従魔を身勝手に放置していく問題に悩まされていた。 そんな時、従魔術師達の間である噂が流れる。 クリノリン王国、南の田舎地方──の、ルルビ村の東の外れ。 一風変わった造りの家には、とある変わった従魔術師が酔狂にも捨てられた従魔を引き取って暮らしているという。 ─魔物を飼うなら最後まで責任持て! ─正しい知識と計画性! ─うちは、便利屋じゃなぁぁぁい! 今日もルルビ村の東の外れの家では、とある従魔術師の叫びと多種多様な魔物達の鳴き声がぎゃあぎゃあと元気良く響き渡る。

処理中です...