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第2部 戦間期に歩むそれぞれの道 第14章 戦間期編1

第17話 亡命受入は決して無償にあらず

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 ・・17・・
 5の月21の日
 午後8時過ぎ
 アルネシア連合王国・北西部
 ブレーメル市・ラエンシュタット河川港付近


 僕も含めて参加した亡命希望者達の受入から一ヶ月。彼女等の護送は極めて慎重に決行された。
 まずは協商連合兵員交換輸送船数隻に紛れ込ませエジピトリアから出航。人類諸国が死守し、復興の途上にあるリチリアへ寄港した後に共和国を経由して協商連合ドゥーター軍港へ到着。まずここまでに一ヶ月近くを有したんだ。
 その後、長い船旅で疲弊したであろう亡命希望者達は、とはいえ白昼外に出すわけには行かず夜の時間の内に連合王国が偽装して用意させた外交官連絡船へ移させた。
 そして翌日、ドゥーター軍港からオランディア港へ出航。無事オランディア港へ到着すると、次に使うのも陸路では無く河川だ。というのも、陸路での移動は秘匿が難しくいくら国内に妖魔帝国諜報員がいる可能性やいたとしても動きを鈍らせていたとしても限界がある。なので、河川を遡上する河川用の船を使ったんだ。
 いくら人類諸国で最も鉄路が発展している連合王国とはいっても、未だに王立鉄道と少数の私鉄が敷設されるのみで縦横無尽には程遠い。だから河川航路もまだまだ現役なんだ。
 選ばれたのは、連合王国でも大規模河川とされ産業輸送にも用いられているラエンシュタット川。ここの河口から中流域にある北西部の主要都市、ブレーメル市まで向かってもらう。
 ブレーメル市は人口約二十九万人の大きな街でありながら公園など豊かな自然と旧ブレーメル城が極めて良い状態で保存されており観光でも有名な街で、王都アルネセイラから三〇〇キーラの地点にある。ここはオランディアと王都を結ぶ中継地点の一つであり、王立鉄道の駅も開業してますます発展している都市だった。
 連合王国政府は陛下の勅許も得てここを亡命希望者達との会談の場に設定した。
 この場に集まった連合王国側メンバーは、マーチス侯爵・エディン外務大臣・僕・リイナ・エイジスだ。
 妊娠約二十週を迎えお腹も大きくなってきたリイナが来れたのは安定期に入って流産の心配が低くなったのもあるけれど、ブレーメル市に僕達が訪れたのは、表向きには親交を深めているマーチス侯爵とエディン外務大臣がたまたま予定の空きがあったから短期間の静養に訪れることになり僕とリイナも同行。リイナの気分転換も兼ねよう。となっているからだ。
 だから会談にリイナは参加こそしないけれど、実際には僕のアドバイザーとしても同行している。

「久しぶりの外出、楽しみだわ。真相を踏まえると手放しには喜べないけれど、ともかく私は別室で控えているわね」

 とお腹を慈しむかのようにさすりながら言うリイナに、僕は結果はすぐに伝えるけど助言を求める事があるかも。と返したのはついさっきのこと。任せなさい。と微笑んでくれた彼女は、この会談に一抹の不安を覚えていた僕にとって間違いなく心の支えになっていた。
 時刻は夜八時過ぎ。エディン外務大臣の別邸に僕達は集まり、亡命希望者達が到着するのを待っていた。

「情報部が送ってきた情報によれば、亡命希望者達、皇女・ココノエだったか。彼女等は随分と大人しいと聞いている。むしろ連合王国が受け入れてくれた事に感謝すらしているらしい。だが、まさか条件を突きつけられるとは思っていないだろう。なあ、マーチス侯」

「ココノエはまだ政治に就くには幼い齢のようだからな。彼女しか我々の言語を話せないから自ずと意思疎通は彼女頼みとなる訳だが、どうやら彼女はもう安心仕切っているようだ。まあ無理も無いだろうが、テーブルについて条件をオレ達が話したら果たしてどう思うかだな」

「致し方あるまい。タダで衣食住にありつけるなどと、いくら政治をしたこともない皇女であろうと幼子ではないのだから理解してくれると私は思うがね」

「それもそうだが、予言というのもオレは気になる。極東では魔法体系から文化まで違うと言うのだろう? 慎重に会談の話を進めるのは必須だ。アカツキ、エイジスの言語解析はどうだ?」

「事前に送られてきた文字の羅列から、エイジスは古文書にある光龍皇国の言語は古典言語である事までは判明しました。皇女がある程度話せるのが幸いですが、実際に対面して話して見ないことには言語解析は進まないかと」

「進捗説明。古典光龍言語と現在の光龍言語は、書き言葉のみであれば一致率は約五十八パルセント。不一致の意味を多く含む為、意思疎通には唯一此方の言語を解する皇女・ココノエとの対話が重要。現行言語解読にはさらなる情報が必須」

「想定内だな」

「であるな、マーチス侯」

 前世の日本においても学校で習う古典は江戸時代まで使われていたけれど、明治時代から大幅に変わっている。だから学生達は現代文より最早外国語のようにしか見えない古典の苦手意識は強くて、複雑な文法を覚えるのに億劫だった。僕もその一人だったし。前世の日本語ですらこれなんだから、最新でも数百年前しか記録が残っていない光龍言語が変化しているのも当然だろう。
 実は僕は、極東の島国、皇女のココノエという名前等から明らかに日本風の国だから言語も一致しているのではという淡い期待を当初は抱いていたけれど、それは打ち崩された。まず古典言語からして日本語とは全くの別物、この世界の知識を受け継いでいても光龍皇国の情報なんて古文書以上にあるはずもなく、現行の光龍言語もやっぱりさっぱり分からなかった。
 なんとか僕が光龍言語の意味を分かっているのも、あくまでエイジスが視覚情報共有で翻訳されたものが表示されているから分かるだけ。要するに外国語はさっぱりなので、前世で言う拡張現実式視覚端末で翻訳しているから意味が分かります。ってだけなんだ。
 さあ、こうなると言葉のやり取りも大変だろうなあ。と僕は憂鬱になる。何せ相手は亡命希望者とはいえ、所謂やんごとなき立場の人物。創作じゃ龍の血を持つ者達はプライドが高いだとかいい話を聞いたことがないから、いくら様子は大人しいと聞いていても安心はしていなかった。ましてや、僕達は快く貴女達を受け入れますって言うわけじゃないんだからさ。

「失礼致します。マーチス元帥閣下、エディン外務大臣、アカツキ中将閣下ならびにエイジス特務官。光龍皇国一行、到着されました。この部屋までご案内致します」

「分かった。そのまま案内しろ」

「はっ」

 五分が過ぎたあたりで、別邸に彼女等が到着した事を士官が告げる。
 それから割とすぐに扉がノックされる音が聞こえた。
 マーチス侯爵が入室の許可を出すと、現れたのは数名の黒髪の男女。衣服は着ていたものがボロボロだからこちらの様式の服、つまりは洋装だったが極東の島国の名の通り、前世の日本人に近い顔をしていた。背は日本人の平均より少し高めっぽいけど。龍の血を引くから角だの翼だのあるかと思ったけれど、そういえば報告には隠匿も可能だってあったね。妖魔帝国の魔人達と似たようなものなのかなと心中で推測を立てる。
 左右にはいかにも軍人らしい男達が、中央にいる人物の隣には仕えの者だろうか、クールな印象を持つ切れ長で比較的長身の女性がいた。
 そして、中央にいる一番背が低くまだ幼さも感じさせるセミロング程度の女性、いや女の子かな。
 その子は、僕達を見回しながら、でも何故か僕の顔を見て怪訝な顔つき――エイジスの方もかなり気にしていたけれど――をしながらも。

「連合王国の、御方々。妾達、亡国の者を受入してくれて感謝す、します。そなた、いえ、貴方達の、慈悲深きお言葉に、妾は深く、深く御礼申し上げたく。妾の名は、ココノエ。滅びし国、光龍皇国の次代龍皇になるはずであった。ここに控えておる者達は、妾の護衛と、隣に控えるは、側仕え。貴方達の言葉を話せるは、妾だけ故に、許せ、いえ、お許し頂きたく」

 たどたどしいけれども、彼女は確かに異国の言語たる人類諸国の言葉を発した。エイジスは既にココノエだけでなく他の男女の分析も始めていた。
 側仕えは一礼し、護衛の男達も若干遅れて頭を下げる。
 彼女の言葉にまず口を開いたのはエディン外務大臣だった。

「ようこそアルネシア連合王国へ、ココノエ皇女陛下。長旅でお疲れでしょう。さあどうぞお掛け下さい。言葉遣いは普段のもので構いません。気も楽にしてください」

 エディン外務大臣は、長い間外務の長として責務を果たしてきているだけあって王族と同列の皇族に対して丁寧な所作と言動で大きなテーブルへ案内する。
 対してココノエは、礼を述べつつもこんな事を言った。

「う、うむ。そ、その、妾は予言の名にあった『アカツキ・ノースロード』がここにおると聞いておったのじゃが、どこにおるのじゃろか。何分なにぶん、人類諸国の事も連合王国の事もほとんど知らぬ故……。船旅の間は、仕方がないとはいえ外に出る機会乏しく、今より言語を覚える為に読み物を渡してくれたのじゃが、難しいものは分からぬので……。もしや、そなたがアカツキか?」

 皇女は僕ではなくマーチス侯爵の方に視線を移して言う。
 まあそう思うよね。何も知らなければ、マーチス侯爵の方がいかにも予言によって頼るべき人物っぽく見えるよね……。
 マーチス侯爵は皇女の発言に目を少しだけ丸くして、だけどすぐに返答した。

「いえ、自分はアカツキ・ノースロードではなくマーチス・ヨークです。連合王国軍の元帥。アカツキ・ノースロードは自分の隣にいる者です」

「はぇ?!?! この者がアカツキなのか?!?! 学問所におった方が自然なこやつがか?!」

 皇女だけじゃなくて側仕えの女性や護衛の男達まで驚愕していた。
 こやつとは失礼な。でも、勘違いしてもおかしくない外見をしているのは僕の方だから国王陛下に対するような所作で皇女への挨拶を始めた。

「私がアカツキ・ノースロードです、ココノエ皇女陛下。年齢は二十五。今年九の月で二十六になります」

「に、二十五?! 今年で二十六じゃと?! それでは妾達と寿命に違いはあれど、ツバキとほとんど変わらぬではないか?!」

「――。――」

 隣にいる側仕えの女性が光龍皇国の言語で皇女に何か言っている。エイジスはすぐに翻訳を開始。視覚共有画面には光龍皇国語の翻訳がされていた。かなり古めかしい言葉だけれども、まあ現代語っぽくするしかないか。

「光龍族は人間より寿命がかなり長いようですね。大体五倍くらいですか?」

「ひぇぇ?! そなた妾達の言葉が分かるのか?!」

「失礼致しました。隣にいる者が翻訳してくれたもので。遅ればせながら彼女を紹介致します。私の召喚武器、自動人形のエイジスです」

「ワタクシの名はエイジス。マスターの傍に仕え、マスターを守る召喚武器。どうぞエイジスとお呼びください、ココノエ皇女陛下」

「は、はえぇ……。召喚武器とやらには、妾も少しは聞いておったが、動く、喋るだけでなく、異なる言語すらも分かってしまうのじゃな……」

「エイジスはかなり特殊なだけです。今のところ、動く召喚武器は彼女だけです皇女陛下」

「う、う、うむ……。確かに、予言にあったアカツキとはそなたの事であるのじゃな……。礼に失した。すまぬ」

「どうかお気になさらず」

 頭を下げるココノエに僕はすぐに返す。
 初めてばかりの地なのにエイジスのような超が付くほどの特殊例に会えばこうなるのも当然だ。当の僕ですら最初はびっくりしたわけだし。
 さて、皇女陛下の勘違いはともかくとして全員が会談の席につく。
 彼女達は既に早めの夕食をここに来る前にとっていたのでテーブルに置かれたのは紅茶と紅茶菓子だ。紅茶についてはエジピトリアにいる間にある程度慣れたのか、皇女陛下は少し苦そうな顔つきをしてから砂糖とミルクを後ろに控えていた士官に入れてもらい、一口飲むと。

「その、じゃな。妾は恥ずかしながらまつりごとには慣れておらず、どうすれば良いのかあまり分からぬ……。なので、まず、改めて、感謝を」

「とんでもない。皇女陛下もご存知でしょうが今でこそ妖魔帝国とは休戦条約を結んでいるとはいえ、元は敵国同士。妖魔帝国に国を滅ぼされ、奇跡的に亡命を果たした皇女陛下達を見捨てる事は致しません」

 エディン外務大臣の発言に皇女陛下は頬を緩ませ、他の人達も安堵の息をつく。ようやく安住の地に辿り着けたと実感しているんだろう。
 けれど、エディン外務大臣はさらに言葉を続けた。

「しかし、いくら我々が亡命を受け入れるとはいえ今回の決定は極秘中の極秘。休戦条約を結んでいるが故に皇女陛下方の行動は制限されてしまいます」

「致し方ないじゃろ、な。事情は既に聞いておる。むしろその中でもこうして会談の場を設けてくれただけでも、妾は有難く思っておるのじゃ」

「ご理解頂き、感謝致します。ですが、亡命を正式に取り決めるにあたり条件がございます」

「うむ。そなたらからすれば、妾達は異国人。永きに渡り交流もないのじゃから、その、無償ではいかぬのじゃろう?」

「はい、仰る通りにございます皇女陛下」

「妾達は何をすれば良い? そなたらと違う、妾達の魔法を伝えれば良いのか? 文化か? それとも、いかにして妾達が負けたかを語れば良いのか? ああ、逃亡の最中で寄った南の民や国の話をすれば良いのじゃろうか?」

 皇女陛下はその程度ならば容易いといった様子で語る。
 確かに光龍皇国の魔法は興味深いし魔法研究所あたりは食いつくだろう。文化にしてもこれから交流を持つ彼女達を理解するのには必要だし、南の民、恐らく妖魔帝国が南方蛮族と呼ぶ諸国の事を知るのも軍事上有益ではある。
 だけど、それでは釣り合わないんだ。

「いえ、残念ながら違います。アカツキ中将、説明を」

「はっ、エディン外務大臣」

 亡命受入の条件を提案したのは僕だから話すのも僕。これはエディン外務大臣だけじゃなくてマーチス侯爵もその方がいいと言っていたし、国王陛下も同じように仰っていた。
 僕は頷くと、柔和な風にしていた表情を真面目なものにする。皇女陛下は予言に出ていた英雄本人が話すのだし、大した条件を言ってこないのだろうかと思っているのか随分と余裕そうだけど、隣にいる側仕えや護衛の軍人達は何かを悟ったのか、気を引き締めた顔つきになる。

「皇女陛下。これより話すは、貴女達の亡命を受け入れるにあたって譲歩や妥協も一切無い条件となります」

「な、なんじゃなんじゃ。険しい顔つきをしおって。先も言うたが、妾達は居候になる身じゃ。如何様にでも言うてくれ」

「では、遠慮なく。亡命受入の条件。それは妖魔帝国と再び戦火を交えた時、強大な魔力を持ち天翔あまかけ、大きな力を持つ皇女陛下を含めここにいる光龍皇国の光龍族全員が戦争に参加する事です。つまりは、再開戦時に最前線に立って頂くということです」
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