上 下
119 / 390
第7章一冬(ひとふゆ)の戦間期と祝福の結婚披露宴編

第15話 レオニードとブライフマンは現況を語る

しおりを挟む
・・15・・
1840年1の月5の日
午後4時15分
妖魔帝国首都・皇帝謁見の間からすぐの部屋


 アカツキ達連合王国軍が新しい戦争計画策定を終え春の攻勢の準備を整えつつある中、非常に厳しい冬の真っ只中の妖魔帝国では皇帝謁見の間から近い小さな部屋には皇帝のレオニードと双子の魔人の上官であるブライフマンがいた。
 この空間は皇宮内に多く配置されているのと同じタイプの魔導具の暖房がよく効いており、外と違って適温になっており暖かい。二人はロシアンティーに似た飲み物を飲んでいた。
 レオニードとブライフマンの会話はブライフマンの新年の祝いの言葉から始まり、その後は雑談をしているようだった。レオニードはそろそろ正妻のルシュカの誕生日が近いから贈り物は何がいいだろうかという、市井の者と変わらない他愛もない話をしていた。もっとも、ブライフマンにとっては粛清帝の機嫌を損ねない答えを選ばないといけないのでその心労は察するに余りあるものだが。
 ただ、それら雑談はレオニードの発言で話題が転換した事により終わりを迎える。内容はやはりと言うべきか、戦況に関するものであった。

 「昨年十二の月上旬にいよいよイリスが反攻作戦に出てきたけれど、概ね予定通りではあるみたいだな」

 「ええ。法国に潜入させている部下からの報告では、作戦開始以来勝利に次ぐ勝利で国民達は沸き立っているようです。街にいる末端の兵士達からも、余裕ぶりを伺えるようでして」

 ブライフマンの言うように、十二の月八の日から始まった一大反攻作戦、『領土回復運動』は誰の目から見ても連戦連勝にしか見えなかった。
 法国陸軍はヴァネティアの戦いまでで失った兵力を昨年秋に徴兵令で補充し、精鋭の十二個師団を投入して作戦を開始。砲火力に劣る一般兵器火力を自慢の魔法火力で補って対峙した妖魔帝国軍魔物中心編成軍団を次々と打ち破り、既に国境から百三十キーラも侵攻していた。さらには海軍にも動きがあり、妖魔軍作戦本部は山脈の南西にあるユーザラビア半島へ砲撃と上陸をするのではないかと想定していた。
 これら快勝を可能にしているのは雪があまり降らない戦いやすい気候もさることながら、師団長から出世を遂げて中将になった総指揮官マルコの存在と兵達の士気の高さだろう。
 突出し過ぎず慎重かつ綿密な戦法を好むマルコ中将が率いる法国軍は、この一ヶ月で着実に占領地を獲得している。それらを下支えするのが意気旺盛な兵達。神の名の下に行われる『領土回復運動』だからであろう。信心深い者が多い法国軍兵士は自分達が神の尖兵だと信じてやまないからこそ、高い士気で戦えているのである。
 当然こうなれば妖魔軍は連戦連敗を重ねているわけで、既にこの一ヶ月で魔物中心編成の軍団は法国軍の約五千の損失に対して五万近い兵力を失っていた。
 しかし、皇帝の表情は余裕綽々何の懸念も無いといった様子であった。

 「概ね計画通りだな。法国軍の侵攻速度は連合王国に比べて遅いけれど、徐々に奥地へと誘えているからさ」

 「魔物が肉壁として機能しているからでしょうね。約五万の損失は想定より抑えられていますが、これは南方軍総司令官のボルザコフスキー大将の指揮によるものでしょう。大将の中では若いですが、才能は確かですから」

 「作戦本部の奴等に比べてずっと有能だよ、あいつは。ヴァネティア以降指揮官変更を命令した南方軍はこれまでとは違う。俺が見込んだ奴には本当の意味での軍を多く預けてあるからね」

 「全ては陛下の思うままに事は進んでいますね。陛下の才には驚かされるばかりです」

 「俺の片腕にしている、有能なお前に言われるのならば悪い気はしないね」

 「とんでもございません」

 「まあ何にせよ、イリス共には今しばらく掌で踊ってもらうつもりだ。今は用意された勝利の美酒でも味わっていればいいさ」

 「ええ。奴等の攻勢限界が訪れた時、それが陛下の仰る連中の命日ですからね」

 「そういうことだ。さて、ブライフマン。貴様に任せてある工作についてはどうなっている? 幾つかあるが、まずは法国の方はどうだ」

 「かなり連中の計画が見えてきました。法国海軍の動きが手に入ったのは、潜入させた部下の大きな功績かと」

 「ユーザラビア半島への砲撃と上陸だったな。連合王国や協商連合の海軍に比べれば旧式化しているけれど、まあそこそこの艦隊だ。半島南部を包囲して挟撃するつもりなんだろう。そっちもしばらくは好きにさせておけばいいさ」

 「法国海軍は山脈以東までは遠征してこないのが判明したのも陛下にとっても、作戦本部にとっても良い報告かと」

 「本当にね。戦力が完全に整っていないこの時期に海戦はまだ避けておきたいからな。海軍の奴らも安心して仕上げられると言っていたぞ。諜報機関の貴様等の成果だ。賞賛に値するぞ」

 「恐悦至極でございます陛下」

 「次に、連邦はどうだ。色欲魔が活躍しているそうじゃないか」

 「彼が連邦軍でも比較的地位のある機密も触れられる女性士官を誑かしたお陰でかなり食い込めています。最早連邦軍の機密はザルと言ってもいいでしょう。ただ、ここしばらくは連邦経由で連合王国の機密が得にくくなったそうで」

 「おっと、それはよろしくないなあ。もしかして勘づかれたか?」

 「可能性は否定出来ませんね。連合王国は軍諜報機関や情報機関を保有しています。恐らくはトップのマーチスによる采配かと」

 連邦軍の機密情報が妖魔帝国に筒抜けになっている点について、マーチスはこれまでの情報を分析して小さな違和感を抱いていた。連邦軍の機密事項がどこからか流れているのではないかという懸念である。報告者は一時期アカツキの部下だったロイド少佐。キャラバンの長から聞いた漏れ出ていたかもしれない連邦経由の情報にやはり疑問を持っており、これをレポートとして提出していたのである。マーチスはこのレポートに対して一理あると判断。故に機密情報に細心の注意を払わせた上で、軍直属の諜報機関を連邦に潜入させ、情報機関にも分析させていたのである。

 「マーチスというと、ああ、変革者の嫁の父か。奴も油断ならないなあ。これだから連合王国は厄介だ。実に有能な軍を持つ国だからな」

 「趣味と実益を兼ねているなどと言っている彼も、仕事に対しては真面目です。気付かれるようなヘマはしていないですが、僅かな部分を捉えたられたのかもしれませんね」

 「法国の宗教狂法皇みたいに馬鹿が多い国なら楽なんだけれどなあ。奴には潜入任務の警戒レベルをより上げるよう言っておけ。尻尾は絶対に掴まれないようにしろともな」

 「はっ。厳命しておきます」

 「で、その連合王国についても聞いておこうか」

 「かなり厳しいと言わざるをえませんね……。先述した情報機関と諜報機関がある故に王都での情報入手は困難です。軍内部に入るなど、まず実現不可能です」

 「大胆な戦力投入をしておいて、アルネセイラの防衛は万全だからなあ。破壊工作も」

 「とても出来ません。下手に動けばどうなるか。何せ王都には現在変革者とその召喚武器もいます」

 「神の目を持つ自動人形だよな。ったく、俺にとってはあいつが一番の障害だよ。報告によれば、奴はめでたくも嫁と結婚式を挙げるんだって?」

 「はい。連合王国で発行の新聞によれば挙行は二の月十八の日だそうです。会談を行い参戦に引き込んだ協商連合の要人も一部招待されるようで、当日は祭典のようになるだろうと。なのでこの日を狙った破壊工作も考えましたが、いかんせん当日は警備は厳重になりますし、SSランクが全員集まります。不審な行動は神の目の自動人形に察知されかねませんし、運良く決行したとて見つかったら瞬殺でしょう」

 「かといって、王都以外でやろうにも効果は王都ほどの衝撃を与えられないな。そもそも東部の警備レベルも高い」

 「比較的容易に行えそうな西部にいくにも、まず東部と中部を越えねばなりません。なので変革者と嫁の結婚式を狙っての破壊工作は立案こそしましたが、私が却下しました」

 「ん? 立案者がいたのか?」

 「あの暴れ馬の双子ですよ。祝いの日に恐怖のどん底を味合わせ不幸に叩き落としてやると息巻いていましたが、危険過ぎると判断して意見を取り下げさせました。かなり文句は言われましたが」

 ブライフマンの言うように、チャイカ姉妹はアカツキとリイナの結婚式の日付が判明した時点で嬉々として破壊工作を提案した。しかし、当然ながらこの案をブライフマンは即却下したのである。

 「流石にあの双子でも五人のSS持ち相手は手に余るだろう。いや、それこそ貴様の言う通り瞬殺されるな」

 「そもそも、あの二人は連合王国では英雄とされる変革者に拷問をした悪い意味で有名人です。顔は割れていますし、二人が姿を擬装可能である事も判明されてしまっています。そして一番の懸念は変革者の召喚武器神の目です。潜入したとてアレに事前探知されていたら目も当てられません」

 「まあ返り討ちだろうね。で、あの二人は吊るされると。流石に俺も成果なしでアレらは失いたくないね」

 「なので、独断行動をしないよう監視を付けた上で他の任務にあたらせています」

 ブライフマンは大きく溜息をつく。彼ですら残虐だと思う手口の拷問を行い、それはまあいいとしても勝手な行動ばかりするチャイカ姉妹には毎度辟易させられているからである。
 レオニードもブライフマンの心境を察しているからか、苦笑いをしつつ。

 「貴様も大変だなあ。そうだ、慰労としてコレクションから酒を送ってやるから飲むといいさ」

 「陛下の優しさとご配慮、痛み入ります……」

 「粛清帝だのなんだの言われているが、俺だって有能な部下には報酬は与えるし目もかけるさ。有能ならばな。とりあえず、チャイカには俺からも勝手な行動を慎むよう伝えておこう。貴様が言うより効果はあるだろうからな」

 「感謝の極みにございます、レオニード陛下」

 「かまわないよ。さて、厄介な連合王国よりまずは容易い法国からだ。俺は戦局を見させてもらうとするよ。ブライフマン、貴様は引き続き任務に励むようにな」

 「御意に、陛下」

 皇帝レオニードのお気に入りであり片腕のブライフマンは口元に笑みを浮かべて、紅茶を一口飲む。それを見つめるレオニードは、片手ほどしかいない信頼している部下の忠誠ぶりに満足気な表情であった。
 勝ち続け、勝利に酔いしれる法国とその兵士や国民達。
 しかし、彼等は皇帝の手の上で踊らされていることを知る由もなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

【異世界ショップ】無双 ~廃絶直前の貴族からの成り上がり~

クロン
ファンタジー
転生したら貴族の長男だった。 ラッキーと思いきや、未開地の領地で貧乏生活。 下手すれば飢死するレベル……毎日食べることすら危ういほどだ。 幸いにも転生特典で地球の物を手に入れる力を得ているので、何とかするしかない! 「大変です! 魔物が大暴れしています! 兵士では歯が立ちません!」 「兵士の武器の質を向上させる!」 「まだ勝てません!」 「ならば兵士に薬物投与するしか」 「いけません! 他の案を!」 くっ、貴族には制約が多すぎる! 貴族の制約に縛られ悪戦苦闘しつつ、領地を開発していくのだ! 「薬物投与は貴族関係なく、人道的にどうかと思います」 「勝てば正義。死ななきゃ安い」 これは地球の物を駆使して、領内を発展させる物語である。

チート生産魔法使いによる復讐譚 ~国に散々尽くしてきたのに処分されました。今後は敵対国で存分に腕を振るいます~

クロン
ファンタジー
俺は異世界の一般兵であるリーズという少年に転生した。 だが元々の身体の持ち主の心が生きていたので、俺はずっと彼の視点から世界を見続けることしかできなかった。 リーズは俺の転生特典である生産魔術【クラフター】のチートを持っていて、かつ聖人のような人間だった。 だが……その性格を逆手にとられて、同僚や上司に散々利用された。 あげく罠にはめられて精神が壊れて死んでしまった。 そして身体の所有権が俺に移る。 リーズをはめた者たちは盗んだ手柄で昇進し、そいつらのせいで帝国は暴虐非道で最低な存在となった。 よくも俺と一心同体だったリーズをやってくれたな。 お前たちがリーズを絞って得た繁栄は全部ぶっ壊してやるよ。 お前らが歯牙にもかけないような小国の配下になって、クラフターの力を存分に使わせてもらう! 味方の物資を万全にして、更にドーピングや全兵士にプレートアーマーの配布など……。 絶望的な国力差をチート生産魔術で全てを覆すのだ! そして俺を利用した奴らに復讐を遂げる!

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

拾ったものは大切にしましょう~子狼に気に入られた男の転移物語~

ぽん
ファンタジー
⭐︎コミカライズ化決定⭐︎    2024年8月6日より配信開始  コミカライズならではを是非お楽しみ下さい。 ⭐︎書籍化決定⭐︎  第1巻:2023年12月〜  第2巻:2024年5月〜  番外編を新たに投稿しております。  そちらの方でも書籍化の情報をお伝えしています。  書籍化に伴い[106話]まで引き下げ、レンタル版と差し替えさせて頂きます。ご了承下さい。    改稿を入れて読みやすくなっております。  可愛い表紙と挿絵はTAPI岡先生が担当して下さいました。  書籍版『拾ったものは大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜』を是非ご覧下さい♪ ================== 1人ぼっちだった相沢庵は住んでいた村の為に猟師として生きていた。 いつもと同じ山、いつもと同じ仕事。それなのにこの日は違った。 山で出会った真っ白な狼を助けて命を落とした男が、神に愛され転移先の世界で狼と自由に生きるお話。 初めての投稿です。書きたい事がまとまりません。よく見る異世界ものを書きたいと始めました。異世界に行くまでが長いです。 気長なお付き合いを願います。 よろしくお願いします。 ※念の為R15をつけました ※本作品は2020年12月3日に完結しておりますが、2021年4月14日より誤字脱字の直し作業をしております。  作品としての変更はございませんが、修正がございます。  ご了承ください。 ※修正作業をしておりましたが2021年5月13日に終了致しました。  依然として誤字脱字が存在する場合がございますが、ご愛嬌とお許しいただければ幸いです。

人質から始まった凡庸で優しい王子の英雄譚

咲良喜玖
ファンタジー
アーリア戦記から抜粋。 帝国歴515年。サナリア歴3年。 新国家サナリア王国は、超大国ガルナズン帝国の使者からの宣告により、国家存亡の危機に陥る。 アーリア大陸を二分している超大国との戦いは、全滅覚悟の死の戦争である。 だからこそ、サナリア王アハトは、帝国に従属することを決めるのだが。 当然それだけで交渉が終わるわけがなく、従属した証を示せとの命令が下された。 命令の中身。 それは、二人の王子の内のどちらかを選べとの事だった。 出来たばかりの国を守るために、サナリア王が判断した人物。 それが第一王子である【フュン・メイダルフィア】だった。 フュンは弟に比べて能力が低く、武芸や勉学が出来ない。 彼の良さをあげるとしたら、ただ人に優しいだけ。 そんな人物では、国を背負うことが出来ないだろうと、彼は帝国の人質となってしまったのだ。 しかし、この人質がきっかけとなり、長らく続いているアーリア大陸の戦乱の歴史が変わっていく。 西のイーナミア王国。東のガルナズン帝国。 アーリア大陸の歴史を支える二つの巨大国家を揺るがす英雄が誕生することになるのだ。 偉大なる人質。フュンの物語が今始まる。 他サイトにも書いています。 こちらでは、出来るだけシンプルにしていますので、章分けも簡易にして、解説をしているあとがきもありません。 小説だけを読める形にしています。

元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。 しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた! 今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。 そうしていると……? ※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!

護良親王転生記~南北朝時代の悲劇の皇子は異世界で魔法を極める~

二階堂吉乃
ファンタジー
 後醍醐帝の第三皇子・護良親王は陰謀により捕らえられ殺される。死後の世界で菅原道真公を名乗る神に提案され、異世界ルクスソリアへと転生。新たな人生を歩み始める。笑えば女性が気絶するほどの美貌、魔力は無制限。なのにイマイチ幸せを感じられない皇子だが、仲間との旅を経て己の過去と向き合う。 <その他登場人物>ミナミ…令和時代から転移してきたJK。消去のスキルを持つ。 リコリス…子爵令嬢。前世で皇子の身代わりで死んだ忠臣・村上彦四郎義光の生まれ変わり。 アレク…王太子。皇子に救われ友となる。 ユリア…10歳の王女。皇子に惚れる。 ヒナ…忍びの少女。 ノア…元第二王子。謀反の罪で処刑されたが皇子のスキルにより復活。 マリエル…人魚族の王太女。皇子を慕って眷属となる。 クレーナ…聖女。皇子に光魔法を教える。 シルヴィア…エルフの王女。皇子に救われる。 全98話。「小説を読もう!」でも公開中。「閑話・歴史の中の護良親王」はアルファポリス限定公開! 外伝追加!アスカ大公子・護の結婚話。父と瓜二つの美貌の公子は清らか過ぎて神化してしまう。全9話。 外伝追加!人魚の女王・マリエルがやっと幸せになる物語。相手はなんと魔法騎士の主将(今は諜報部長官)でした。全6話。 外伝追加!昭和19年の南方戦線から転移してきた海軍大尉(なぜか少女化)がユリウス公子とくっつくお話です。全16話。

処理中です...