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第7章一冬(ひとふゆ)の戦間期と祝福の結婚披露宴編

第3話 来るべき時に備えての話だけではなく

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・・3・・
11の月10の日
午後2時12分
連合王国軍統合本部・マーチス大将執務室

 アルヴィンおじさん達奪還遠征軍も帰還した事で開催された華々しい凱旋パレードは国内の遠くから市民達が駆けつける程に熱狂的だった。
 その熱も落ち着いてきた、一週間が経った十一の月十日。連合王国軍参謀本部は早速新しい戦争計画の策定に取り掛かっていた。一から作るならかなりの時間がかかるけれど、従来の戦争計画を長期戦に想定したものへの変更だから恐らくは年末までには完成するだろう。僕も参謀本部の一員――一応役職は作戦参謀次長になっているので――としてこの戦争計画策定会議に参加していた。
 今日も午前中に会議に参加し昼食を挟んでからは、マーチス侯爵に呼ばれているので指定の時間に僕は彼の執務室に来ていた。リイナは仕事で軍ではなく外務省へ赴いていて、エイジスも蓄積した自動学習の整理とアップデートを行うからメンテナンスモードに入っており今はいない。僕とマーチス侯爵の二人だけだった。だからマーチス侯爵の口調もプライベートのやや砕けたものになっていた。

 「アカツキ、二日ある休日を一日返上しての戦争計画策定。負担をかけてすまないな」

 「いえ、来るべき時に備えてなので構いません。むしろ無防備でいる方が問題ですから」

 「相変わらずアカツキは真面目だな。そんなお前に日頃の慰労の印にこれなんてどうだ? 旧市街区にある貴族御用達の菓子店のディモーブだ」

 「あのお店のですか!? ありがとうございます!」

 入室してから案内されたのは応接用のソファとテーブルがある所。マーチス侯爵の副官が用意してくれたコーヒーを片手にコーヒーブレイクがてら仕事の進捗などを僕達は話し始めようとすると、マーチス侯爵がテーブルに置いたのは前世ではギモーヴと呼ばれていた洋菓子だった。こっちで名前が違うのは共和国での呼ばれ方がこうだかららしい。とはいえ名前が違えど見た目はそのままで、しかもマーチス侯爵が持ってきてくれたのは貴族に人気の洋菓子店のもの。僕は嬉しさのあまり思わず身を乗り出してしまった。

 「お、おおおう。そんなに喜ばれるとは思わなかったな……。オレは甘い物はそう食べないから一つだけでいい。あとは全部食べたまえ」

 「いいんですか!? やった!!」

 「う、うむ」

 「では、早速いただきます! んー!! 美味しいです!」

 満面の笑みを浮かべる僕に、じぃっと見るマーチス侯爵。

 「…………なるほどな。道理で女性士官から菓子が送られるのが頻繁にあるわけだ。娘が対抗心を燃やしてここ一年で菓子類の作る腕が上がったのも頷ける……」

 「んぅ? 何か仰りましたか?」

 「いや、作った側や手渡した側が嬉しくなるような笑顔になるんだなとな」

 「それはもう! 日頃送られるものも含めてお菓子類は手作り含めて美味しく頂いておりますから!」

 「そ、そうか……。って、五つあったものがもう無くなっているのか……。――さて、歓談も程々にして仕事の話に戻ろうか」

 「はい。そうでした、ここに来たのはその為でした」

 僕はディモーブをそれはもう頬が落ちそうなくらいに美味しく食べて、コーヒーに口を付けると表情を真面目なものに戻す。マーチス侯爵はまた今度買ってくるか、とさりげなく呟いたのが聞こえたので次の機会を楽しみにするとして、彼は仕事の話を口にし始めた。

 「まずは新しい戦争計画についてだが、なんとか年内にはある程度纏まりそうだな」

 「ええ。参謀本部の頭脳を結集して既存の戦争計画修正案を練っておりますが予定通りに進みそうです。元より妖魔軍に対して我々は数に劣っています。長期戦に備えた兵站の確保や動員についても会議中でありますが、数を揃えるにも限度があります。なので基本方針である質を極限まで高めるのに変更はありません」

 「参謀本部長から話は聞いているが、お前がよく場を纏めてくれているらしいな。参謀連中も戦場帰りの新鮮な意見に驚いているが、説得力のある人間が言うだけに議論が活発になっているとか」

 「僕はまだ若いですから反発されると思ったんですけど、皆目標は同じです。これもマーチス侯爵のお陰ですよ。派閥の力は大きいです」

 「オレは何もしとらんぞ? ただ、柔軟な発想で各自かかれ。硬直した考えでは戦争形態が変わりつつある今では置いてけぼりにされるぞと言っただけだ。貴様等の成果が国家の成果に繋がるとも」

 「改革派の頭領はマーチス侯爵を始めとする南部と東部中心です。僕が言うのと貴方が仰るのでは格が違いますから。そういう意味では環境が整っている中で仕事が出来るのには感謝しかありません」

 「買いかぶり過ぎだ、アカツキ。だが、礼は受け取っておこう。で、だ。話は続けるが新戦争計画に基づきながらも並行している、第二攻勢たる春期攻勢計画の方はどうだ?」

 「そちらについては一の月下旬までには終わりそうです。基本戦略はジトゥーミラで確立しつつありますから、それらを魔人の比率が高まったと想定して改良すればあまり時間はかかりません」

 「シュペティウまでの仮設軍事利用鉄道の敷設もその一環だな。やはり鉄道輸送は今後の戦争には不可欠だ。経費削減と工期短縮の為に単線になるのは仕方あるまい。有ると無いとで大違いならあった方がいいに決まっているからな」

 「期間的に百五十キーラ先のシュペティウまでが限界ですが、来年の今頃までには完成して使えるそうです。突貫工事になるみたいですが、一年で敷設可能なのは地形のお陰ですね。平地か丘陵ばかりですから工事の時間がかかるのは橋梁くらいだとか。車両の目処は付きましたし、労働者についても確保は割と手早く済んだのも有難い事です。国民が協力的でなければこんな風にやれませんから」

 「一昨年から開発していたカノン砲も開発促進で完成。魔法銃も大量ではないがある程度は揃えられそうだとも聞いているぞ。軍官民協同で動けていると実感している」

 「金と人にモノを言わせてですが、やはりそれが一番効率的です。国庫に余裕がある黒字国家で、国債も売れた我が国だからこそやれているだけではありますが」

 ジトゥーミラ方面が春になるのは大体四の月下旬くらいから。連合王国軍では既に第二攻勢に向けた準備が進められていて、作戦開始想定を四の月下旬と設定している。今度は作戦計画完成から三ヶ月は欲しいということでのこの時期だ。
 新しい戦争計画と共に立案中なんて芸当は連合王国軍の軍人の層が厚く人員も多いからこそ実現可能。その連合王国でも内容が多岐に渡るために各方面は既に大忙しになっていた。ひとまず落ち着くのは年明けあたりと言われている。他国で似たような事をやれるのは協商連合くらいだろう。その協商連合とは早速動きがあった。

 「資材については協商連合との貿易活発化も良い意味で作用しているな。多少高くついたが、なに、想定の範囲内だ。――ああ、そうだ。その協商連合とだが外務省が既に先月末から外交を調整している。外務大臣の話では先方との調整の結果、十二の月上旬くらいになるそうだ。先方も結構に乗り気だそうだともな」

 「やはり自身にも旨味があるとなるとロンドリウムは動きが早いですね。内容はどんな風になりそうですか?」

 「外務及び軍部の二大臣級会談になりそうだ。同盟条項に基づく内政系は外務大臣同士で、軍については我が国は軍部大臣のオレが、協商連合は国防大臣が話し合う。オレも外交に赴くってことだな」

 「つまりは会談場所はあちらということですか」

 「こっちから願いに行くんだから礼儀としてな。協商連合軍についてもこの目で確かめたいからちょうどいい」

 「来月中旬なら港町のキースも雪が降っています。お気を付けて」

 「しまった。伝えられたのが今日だからまだ言っていないが、お前も外交参加組だ」

 「ええ!? そうなんですか!?」

 てっきり国内に残留して戦争計画と作戦計画立案に付きっきりになると思っていた僕は驚く。どういう風の吹き回しなんだろう……。

 「なんでも外務省経由で協商連合軍から熱望されてな。アカツキ作戦参謀次長はこれまで連合王国軍を勝利に導いた立役者らしいではないか。この会談はいい機会だから是非とも会いたい、と」

 「だ、誰がですか……?」

 「国防大臣、陸軍総司令官、協商連合軍参謀本部長。海軍総司令官もだな」

 「ま、ままま待ってくださいそれって協商連合軍の最上層部じゃないですか!!」

 「ちなみにエディン外務大臣は先方に対して快諾したぞ」

 「ちょっと外務大臣!?!? 僕は何にも聞いていないですよ!?」

 「彼曰く、陛下に協商連合との外交を提案したそうじゃないか。つまりはこの一連の外交は貴君が大きく関わっている。ならば貴君も参加するのが筋では無いか? だそうだ。まあ、一理あるな……」

 「ぐうの音も出ない正論です……」

 「それに今回の件で彼も忙しいらしいからな」

 「すみません、外務大臣……」

 反論の余地なんてあるわけないよね! これは反対したら怒られるやつだもん!

 「という訳で、アカツキもロンドリウムへの外交に同行しろ。副官だからリイナも連れて行って構わん」

 「助かります……。リイナがいると精神的にも楽ですし……」

 「娘を評価してくれて嬉しく思うぞ。アイツはどうもお前の事になると残念になりがちだが、軍人としては親の色眼鏡無しで間違いなく優秀だからな」

 「はい、ジトゥーミラでも助けてもらいました。しかし、参加はいいのですが期日はどれくらいですか? 年末までは新戦争計画策定があります。長期間外すのは不味いと思うのですが……」

 「会談自体は五日だな。ちなみに往復の移動は合計六日でさほどかからん。西の軍港オランディアまでは鉄道でそこから海軍の艦を使って協商連合の軍港ドゥーターだ。十二の月なら海は少し荒れるが一の月に比べればずっといい。ちなみに協商連合ドゥーターからはあっちも先々月に鉄道が開通しているからロンドリウムまでは割とすぐだぞ」

 「ああ、協商連合も鉄道が開通しましたからね……。なるほど、オランディアからドゥーターまでを含めても余裕もって六日でも行けそうです」

 「そういう事だ。互いに鉄道が開通している国だから移動も早い。詳細に関してはまた分かり次第連絡がいくだろうから頭に留めておくように」

 「分かりました」

 とは言ったものの、外交の舞台にデビューかあ……。
 前世では立場や階級的にも有り得なかったけれど、今の立場は前世と違う。准将という階級もさることながら三度の勝利という実績もある。おまけに協商連合への外交交渉を持ちかけたのは僕なわけなので、参加しない方が有り得ないのかもしれない。
 緊張はする。けれど、相手が軍人中心ならこの世界に来て一年半やってきたから何とかなるだろうとは思うかな。経験万歳。

 「仕事の話はこれくらいだろうな。すっかりコーヒーが冷めてしまったな。……お前の分も淹れ直すか」

 「終わり、なんですよね? もしかして、まだ何かお話でも……?」

 「ああ、ある。大いにある。プライベートの話でな」

 二人して少しだけ残った冷めたコーヒーを飲み干した後、マーチス侯爵は保温機能のある魔道具でまだ温かいコーヒーをコーヒーカップに注いでおくと、僕の前に湯気の立つそれを置いて言う。
 はて、プライベートの話で大いにあるってなんだろう?

 「差し支え無ければお聞きしてもよろしいですか?」

 「よろしいも何も、お前に関わる事だぞ」

 「はぁ……」

 「その、まあ、なんだ」

 普段のような威厳のある軍人の姿はどこへやら。マーチス侯爵は歯切れ悪くそう零すものだから僕はますます気になってしまう。

 「ええい、娘にも言ったんだとっとと言ってしまおう」

 「リイナに……? とにかく、ど、どうぞ」

 「アカツキ。――話というのはな。娘の、リイナとお前の結婚式についてなんだ」
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