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第2章

第10話 専属侍女②

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 専属侍女。これは普通の侍女とは少し違う。常に国王の隣にいて、どんな時にも1番に国王の事を考え、国王からも信頼されないとなれない職業。まあ言い換えれば、この国の職業の中でもトップクラスにすごい職業だ。

 しかし、アルベールは皆から恐れられていたため誰もアルベールの専属侍女になりたいとは思っていなかった。アルベールもそれに薄々気づいていた。それなら自分にはいらないと思い込ませた。

 専属侍女は国王が直接指名して初めて成立する。つまり、簡単になることは出来ない。だが、それは国王が信頼さえすれば、誰にでもなれるということだった。

「ということで、私の専属侍女になってくれないか?」

 この言葉を聞いた時は、アリスはとても嬉しかった。しかし、よく考えてみる。

 そもそも専属侍女に身分は関係ないとは言っても、ある程度のコネというものは存在する。今までの国王の専属侍女を見てみても、フェンリル家とは比べ物にならないくらい身分の高い位の人がほとんどだった。まあ国王が身分の低い者と会う機会っていうのがそうそうないものだから仕方ないのだが…

「私なんかで国民の皆様は納得してくださるのでしょうか?」

 専属侍女は常に国王の側にいるため、重要な会議等にも出席する。そんなプレッシャーの掛かることがアリスにできるのだろうか。さらに、専属侍女の指名は新聞の一面に大きく掲載される。つまり国民全員に見られるというわけだ。それで反乱などが起こらなければいいが、そう簡単に行くとはアリスは考えれなかった。

「まあその辺は私が上手くやろう。どうせ私は嫌われてるんでね」

 国民から良いイメージを持たれてないことはアルベールも自覚していた。だからこそ国民も興味を示さない。そう考えていたのだった。

「まあとりあえず、ルイスに伝えよう」

 2人はルイスの部屋に向かった。

◆ ◆ ◆

「おそらく無理でしょうな」

 ルイスは即答だった。

「なぜだ?」

「アルベール様はご存知ないかもしれませんが…」

 ルイスが言うには、専属侍女は確かに国王が指名できるものの、その者が適正かどうか会議をするらしい。そこで可決になればいいが、否決になったら専属侍女になれない。それだけではなく、その者は宮殿を追放されるらしい。昔の国王で否決されてもその女性と密愛していたのが発覚してから、追放制度を加えたらしいのだ。

「別に専属侍女にこだわらなくても、普通の侍女でいいのではないのですか?」

「お前が前にそれは出来ないって言ったんだろ…」

 アルベールは呆れて言う。この時のアリスの残念そうな顔をアルベールは何とかしてあげたいと思っていた。

 そして、アルベールは思い付いたのだった。アリスを専属侍女にする方法を。
    
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