Play With Me

オキシトシン

13

「もう…なに、その顔」

ちいさんが俺のほっぺたに手当てる。

そうしたら、なんだか。勝手に眼の下んとこに涙がたまって。

悲しくもねえし、嬉しくもねえんだよ。

俺は俺、ってそうなんだけど。

俺はちいさんの弟でもなくて。男でもなくて。

ただの祐輔。

それ以上になるにはどうしたらいいの？どうやったらちいさんの中で俺は。

トクベツな祐輔になれるの？

俺ちいさんの事考えるとすぐ泣いちゃう。

だって苦しくなるんだもん。ちいさんが俺をどう見てるのか考えると心臓がきゅうってなるんだもん。

「泣き虫ね…子供みたい」

ほら、そうやって。

俺をガキ扱いして。俺だって男なのに。

俺がもっと頭良くてバリバリ仕事出来て金持っててちいさんと政治の話とか出来る様な。

そんな男だったら彼氏になれる？

そんな男じゃねえとちいさんの彼氏にはなれない？

俺の事好きって言って。お願い。

好き。

って言葉がこんなに大事な言葉なんて。

俺、知らなかったよ。