You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

そのじゅうろく

そのじゅうろく-4

次の日の朝、家事を分担すると宣言したから。

掃除と洗濯する分の時間、ちょっとだけ長く寝た。

起きたらいつも通り寝覚めのキスは忘れない尊。

朝ご飯作りながら昼ごはん作って晩ご飯の用意する。

なんて器用なんだ。

「じゃあ、行って来るからね」

行ってきますのキスも忘れない。みいくん抱き締めて涙のお別れ。

尊が行ってしまってから。さて、ワタクシはなにから始めたら良いのか。

まず、朝ご飯のお片付けからいたしましょうか。今まで二人でやってたけど、あたしがやるから、て言い張った。

洗い物しながら。うむ。なんか主婦らしいではないか。

よし、次は洗濯だな。洗濯機は朝尊がセットして行ったから、終わったら干すのみ。

む？洗濯機が働いておる間に掃除をするべきか？

そうだな、時間を有効に使うべきだな。ふむ、掃除してる間に洗濯終わって、掃除終わったら洗濯物干して。

お、なんか出来る主婦っぽいぞ。て、普通か。

早速掃除に取り掛かる。みいくんが手に触れたものなんでも口に持ってくから。てか、いつも手を口に入れるからホコリなんか手についたら大変でございますからね。

お掃除道具が尊の趣味と言うかなんと言うか。

なんとか言うタレントさんの考案したお掃除道具まであるよ。

使いこなせんのでとりあえず、このオレンジのハンディモップでホコリをはたき落としましょう。

「みいくん、ママは今からお掃除だからね！」

「あうっ！」

息子の激励を受け早速お掃除を。

先に二階からだな。リビングのラックにみいくん残し、いざ二階のホコリを退治してくれよう。

寝室で綺麗に整理されてるキャビネットには塵一つ無いが。まあ、見えないホコリもある事やし軽くモップかけましょう。

やりながら、いつの間にやら鼻歌も出てくる。

ここ終わったらリビングと仕事部屋と客間と。

て、考えてたら下から聞こえる泣き声。

慌ててリビングに行ったら大泣きしてるみいくん。

「はいはい、どちたのお？」

「うんぎゃあっ」

「よしよし、ママは忙しいんだよお」

抱っこして機嫌良くなったところで再び二階のモップがけ。しばらくすると。

「んがあっ」

聞こえてくる泣き声。

抱っこして大人しくなったらまた二階へ。そしてまた泣き声が。

ええいっ！これでは進まんではないかっ！

たまらずおかんにレスキュー。

『なに言ってるん、アンタは。それくらいでお母さん呼ばんといて』

「だって、みいくんが泣くからなんも出来ん」

『あのねえ、普通の主婦は赤ちゃんの面倒みながら掃除とか洗濯するんよ。アンタが今までして無さ過ぎる』

うう。言い返せん。今までが甘えた主婦だった事は明白な事実。

「じゃあ、どうしたら良いん？あたしがいなくなるとみいくんがすぐ泣くん」

『おんぶしながらでもやったら良いやろ』

おんぶひもとか無い。

『お母さん今から歌舞伎観に行くん。用意せないかんから、またね』

切りやがった。歌舞伎だとう！？可愛い娘と可愛い孫が困ってると言うのに。歌舞伎の方が大事だと言うのかっ。

そう言えば、六代目なんたらの襲名披露やったな。そんなことはどうでも良い。

あたしがいなくなると泣く、ゆえに掃除が進まん。この状況をなんとかせねば。

おんぶひもは無いがスリングはあるな。

そしてみいくんをスリングで抱え込んで。と思ったら。

もうお昼でみいくんはおっぱいの時間で。

あたしもお腹すくしで。

掃除は後回しで、お昼ご飯。って事で一時休憩。

お昼ご飯終わったらみいくんが寝たから。

その間に慌てて掃除の続きする。二階が終わったら次はリビング。

洗濯はとっくに終わってる。早く干さねばっ。

暖炉の上のモップがけ。

なんでこんなにごちゃごちゃ写真立てがあるんじゃあっ！最近はみいくんの写真も増えたからな。

撮りすぎなんじゃっ！まったくホコリが溜まるやろうが！

だんだんイラついてくるあたし。

モップの次は掃除機。ウチの掃除機は静かやけど。

頼むから起きるなよ、息子よ。