上 下
114 / 240
そのじゅう

そのじゅう-8

しおりを挟む





「全く、何をお考えなんですかね」

不機嫌通り越した松本氏。

「うーん?お祝いのプレゼント渡しに来たんだけど。ただ渡すだけじゃつまんなかったから」

「天海先生もご夫婦で何やってらっしゃるんですか」

違いますっ。

「あたし達はっ」

「どうせ各務先生に脅迫されたんでしょう?」

「そっそうですっ!」

尊と二人思いっきり首縦に振った。

「脅迫なんかしてないよお。ちょっと俺の世間への影響力を教えてあげただけで」


「各務先生、そうやって人で遊ぶのはいい加減お止めになった方が良いと思います。それに天海先生ご夫婦も単純過ぎますよ。いくら我儘な各務先生でも他人の風評を貶める様な事まではなさいませんよ。引っかかっただけですよ」

えっ!?あたしら騙されたのかっ。

「んー。でも本気になるとやっちゃうかも」

どっちなんだっ。

「とにかく、あなた方はもう少し行動に責任を持つとか考えないんですか」

懇々と。

松本氏に説教され。

あたし、これで仕事無くなったらどうしよう。

「あ、ところで新妻は?話したかったのに」

微塵もそんな心配しない各務先生。

あたしと違って売れっ子だからな。

松本氏は。

「各務先生が悪ふざけなさるだろうと思って別の部屋取りました」

鼻で笑った。

「ちぇ。読まれてたか、俺もまだまだだなあ。ま、いいや。コレお祝い」

各務先生が例の紙袋松本氏に押し付ける。

なんとなく表情が和んだ松本氏がラッピング開けて。

すぐにいつもの怖い顔なった。

「お気持ちだけ頂きます。僕の趣味じゃないので」

紙袋ごと各務先生に突き返して。

「帰れええええええっ!!連載打ち切るぞっ!!!」

初めて見た。怒る松本氏。

「あははっ!松本氏も怒る事あるんだねえ」

ロビーでけらけら笑う各務先生。アンタが怒らせたんやろが。

ホント、仕事無くなったらどうしよう。

「あ、みのりさん。ちょっと待って」

尊がトイレの前で立ち止まる。

「いい?ここから絶対動いちゃダメだからね、俺が出てくるまでここにいるんだよ」

はいはい。ちゃんと待ってますよ。

と、思ったら。

「天海サン、こっち来て」

あたしの腕引っ張る各務先生。

「ちょっ、各務先生!?」

「いいからいいから」

腕を掴む力が強くて痛い。振りほどこうとしたら。

「しょうがないなあ」

「ひゃっ!」

抱かかえられて。

「なっ、先生!降ろしてっ!」

「暴れて俺が天海サン落としたらどうするの?大人しくしてよ」

て、タクシーに乗せられて。

「ダンナ抜きで遊ぼ」

各務先生がにっこり。

たっ!助けてえええええええええ、尊っ!!




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

処理中です...