その冷たいまなざしで

ココ

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優人side 23

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何を考えていても いつものように朝は来る。



気だるい気持ちをを振り切って 会社に行き 仕事に集中する。

昼 社に戻ると 間が悪い事に 山根を見かけた。

今日は 後ろからだったので そのまま営業部に行こうとすると山根の声がした。

「紗奈ちゃん?」

振り向いて 確認する。



間違いなく紗奈と喋っている。紗奈からの電話で。

いつから?

よくあるのか?



すぐさま 紗奈に 今日家で待つよう メッセージを送った。

紗奈から了解の返事があり 

その後 時間の流れが遅すぎて苛立ちが募った。


我慢の限界だった。

家に戻るとすぐ紗奈に感情にまま問いただした。

紗奈は狼狽えながら たぶん全てを話そうとしている。

聞けば聞くほど 知らない話で 紗奈がどこかに行きそうだった。

俺は今まで生きてきた中で 一番怒り狂った。



一番欲しい紗奈が 他の男と親しくしている。

その事実だけで冷静ではいられなかった。


俺は 紗奈しか いらない。

 他の女は 邪魔でしかないのに 紗奈は違う。

でも 紗奈が 切れた。

ーー嫌い だいっきらいーー

力が抜けて 動けない....


ーー つまり 紗奈にも言い分があり。


分かっていたけど 紗奈には 悪意は ない。

二股なんて出来る子じゃない。

ただ まだ大人としての自信が 確立してなくて 

それを 一生懸命模索している。

それもいじらしくて。

成長を見ていたいと思う。

愛しくてたまらないのに 間違ってしまう。



暫く悶々としていたけれど 意を決して立ち上がった。

紗奈しかいない。


この気持ちは変わりようがない。

この気持ちの為なら もっとする事がある。

紗奈を失わない為に。

二人の未来の為に。

まだ帰ってないのを祈って 紗奈の家付近に車で先回りした。

暫くすると 紗奈が ぽつぽつ 歩いて帰ってきた。

高鳴る胸を抑えて 紗奈の元へと歩いていく。

一歩一歩 踏みしめながら 紗奈の心へ近づくように。

紗奈も一応冷静になっていろいろ考えながら帰って来たのか。



話をしていく中で紗奈が自分の気持ちを丁寧にまとめていくのが手に取るようにわかる。


その気持ちがどこに終着するのか 固唾をのんで見守る。


期待が俺を圧巻するけど 紗奈の気持ちを尊重したい...。



「結婚してください 優人さん。二人で幸せになりたい。」



...やっと聞けた。
了承でなく してください だ。


なんなんだ
このご褒美は。
もう撤回はきかないから。


俺だけの 紗奈。
山根の事は
「どうしてもの時は 優人さんに言います。」

うん なるほど。どうしても ね。
川辺通して 山根好みの子を紹介しよう。
紗奈にかまえない位にしよう。

医者の話もちょっと 油断しすぎだな。でも この件はもしかするともしかする。

余りにも...
「最後に確認。医者の名前は?」
「松井先生」



....ビンゴ

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