その冷たいまなざしで

ココ

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付き合い初めて 紗奈 10

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「紗奈 大丈夫?」

後ろから 速水さんがそっと抱き締める。

初めてを経験した私は あの後 家にお泊まりの電話をした。

こんなすぐ後に 恥ずかしくて 親の顔は見られない と 思ったから。

速水さんは 蕩ける様にやさしくて 怖がる私に何度も根気よく

付き合って中断してくれた。

私は 怖かったけど 速水さんが大丈夫って言うから

そう思えた。

だって 一番安心する人の声だったから。

本当 ゲンキン。 まだ付き合ってひと月なのに。

速水さんは 後ろから抱き締め 髪や耳や首筋に

やさしいキスをゆっくり繰り返す。

余りにも心地良くて眠りそうになる。

「紗奈 眠らないで。一緒にお酒飲もう?」

やさしい声と目で私を起こすから。

しかなく 起きた。ゆっくり。

....少し痛かったけど

一緒にお酒飲みたかったし。

でも 初めてなのに
頑張り過ぎじゃあないですか?

と睨みながら言うと
速水さんは とても嬉しそうに笑って

ごめん 気をつける 

って言った。

トレーナーとスウェットをクローゼットから出してきた速水さんは

甲斐甲斐しくそれを私に着せ

ウエストの紐を絞り 袖と裾を捲り上げ

嬉しそうに リビングに手を引いて連れて行った。

そんな速水さんを見てると

これが正解な 気がして。

不思議と 今してる事全てが肯定的に思えていた。


その夜寝ている速水さんの携帯にラインがきた。
眠りが浅かった私は 着信音に反応してスマホの画面を見てしまった




「返事下さい。
優人の家まで来たけど居なかったから。
今から一時間位いつものカフェにいます。」


「バーで 懐かしかったな。」

「こっちへ戻ってきたの。」

「優人 また 二人で会いたい。」




何件も 「佐和子」から来ていた。


   ドキン

と 胸がなり バクバクし初め

取り敢えず 避難しないと と思った。


おかしな行動をしている意識はあったけど

冷静な行動は 今は無理だった。



私の中で 「佐和子」が以前見た見たバーの女性と重なった。
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