さわらないで

巧目線 大学生

俺は大学生になり　由美も同じ大学に受かった。

由美は家が遠いので　学校近くで　独り暮らしを始めた。

「今日来る？」

由美は俺をよく家に誘った。

彼女には気を使わなかったし。

二人ともはじめて同士だったし。

なんとなく　付き合いは続いた。

でも

俺は　最低な事に　最中によく　あの清純を思い出した。

最中以外でも。

あの真っ赤な肌を　あの艶々の髪を。

あの瞳を　あの笑顔を。

俺は気づいてた。

あの清純が手に入れば何も要らないことを。





でも

名前も知らない　二度と会えないだろうあの子を

思っても　無意味なことも。



俺は　最低だ。


その事に気づいて　俺は余計に　由美のすきにさせた。

後ろめたかったから。

出来れば　由美から振ってくれれば　と　願った。