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高校生 変化 3
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ついに観念した私は 凰雅さんに向き直り
「人に名前を聞くなら 先に名乗るべきじゃないですか?」
と 至極まともな事を言った。
出来れば 名前を言いたくなかったし。
凰雅さんは少し驚いた顔をした後
「へえ 気が強いんだな。」
と呟き バカにするように笑った。
私はカチンときて 凰雅さんの手を払いのけ無言でお弁当を食べ始めた。
凰雅さんは私の 向かいに座り じっと見ていたけれど
開き直った私は 無視して食べ続け
たまにジロリと睨み。
目が合うと凰雅さんは右の眉をあげて意地悪に笑う。
何が楽しいのか 何もしゃべらずただひたすらこちらをずっと見つめて。
食べ終わりそうになった時
「あ いた!」
と 大きな声がして 急に我に戻った。
そうだ!怖い取り巻きがいたんだ!振り返って
その瞬間 顔から血の気がさーっと引いた。
案の定取り巻きのお姉様方が 私をジロリとにらんで
「あなた誰?誰の許可をとって皇雅といるの?」
と理不尽な事を言い出し
その間も凰雅さんはじっと見ているだけで 何も言わない。
自分が勝手に側に来たのに知らん顔するって何?
あまりの理不尽さに切れかけていたとき やっと凰雅さんが口を開いた。
ニヤリとして。
「助けて欲しかったら俺にお願いしろよ。」
耳元で。
私の驚いた顔を見ると満足そうな笑みを浮かべてそうっと私の耳を撫で
私はわなわなと震え上がり
取り巻きのお姉様方はその行為に叫び声をあげた。
頭がくらりとして 怒りで罵倒しかけた瞬間
騒ぎを聞きつけて駆けてつけてくれた。
「結!どうした?」
「拓也君!」
一番信頼してる人の登場に安心して。
拓也君は私を後ろに隠して
凰雅さんと取り巻きに言ってくれた。
「何があったか知らないが こんな人数で酷すぎないですか?」
拓也君は成績もよくて一年生なのに生徒会長もしてる位 口がたつ。
ちらりと拓也君の背後から凰雅さんの顔を見ると苛立った顔でこっちを見ていた。
取り巻きのお姉様はなおも続く拓也君の追及にしどろもどろになっている。
「どうした?わお 凰雅こわっ。」
後から来た凰雅さんの友達も異様な雰囲気に 凰雅さんの機嫌の悪さの原因を探りながら声をかけた。
凰雅さんはじいっと拓也君を穴が空くぐらい見つめたあと
「うるさい。行くぞ。」
と 去っていった。
な 何よ あの子どもみたいな態度!あり得ない!
高校生なのに 凄く仕事まで出来るくせに!
脅えるわけでなく ぷりぷり怒る私を見て 拓也君はほっと息をついた。
「人に名前を聞くなら 先に名乗るべきじゃないですか?」
と 至極まともな事を言った。
出来れば 名前を言いたくなかったし。
凰雅さんは少し驚いた顔をした後
「へえ 気が強いんだな。」
と呟き バカにするように笑った。
私はカチンときて 凰雅さんの手を払いのけ無言でお弁当を食べ始めた。
凰雅さんは私の 向かいに座り じっと見ていたけれど
開き直った私は 無視して食べ続け
たまにジロリと睨み。
目が合うと凰雅さんは右の眉をあげて意地悪に笑う。
何が楽しいのか 何もしゃべらずただひたすらこちらをずっと見つめて。
食べ終わりそうになった時
「あ いた!」
と 大きな声がして 急に我に戻った。
そうだ!怖い取り巻きがいたんだ!振り返って
その瞬間 顔から血の気がさーっと引いた。
案の定取り巻きのお姉様方が 私をジロリとにらんで
「あなた誰?誰の許可をとって皇雅といるの?」
と理不尽な事を言い出し
その間も凰雅さんはじっと見ているだけで 何も言わない。
自分が勝手に側に来たのに知らん顔するって何?
あまりの理不尽さに切れかけていたとき やっと凰雅さんが口を開いた。
ニヤリとして。
「助けて欲しかったら俺にお願いしろよ。」
耳元で。
私の驚いた顔を見ると満足そうな笑みを浮かべてそうっと私の耳を撫で
私はわなわなと震え上がり
取り巻きのお姉様方はその行為に叫び声をあげた。
頭がくらりとして 怒りで罵倒しかけた瞬間
騒ぎを聞きつけて駆けてつけてくれた。
「結!どうした?」
「拓也君!」
一番信頼してる人の登場に安心して。
拓也君は私を後ろに隠して
凰雅さんと取り巻きに言ってくれた。
「何があったか知らないが こんな人数で酷すぎないですか?」
拓也君は成績もよくて一年生なのに生徒会長もしてる位 口がたつ。
ちらりと拓也君の背後から凰雅さんの顔を見ると苛立った顔でこっちを見ていた。
取り巻きのお姉様はなおも続く拓也君の追及にしどろもどろになっている。
「どうした?わお 凰雅こわっ。」
後から来た凰雅さんの友達も異様な雰囲気に 凰雅さんの機嫌の悪さの原因を探りながら声をかけた。
凰雅さんはじいっと拓也君を穴が空くぐらい見つめたあと
「うるさい。行くぞ。」
と 去っていった。
な 何よ あの子どもみたいな態度!あり得ない!
高校生なのに 凄く仕事まで出来るくせに!
脅えるわけでなく ぷりぷり怒る私を見て 拓也君はほっと息をついた。
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