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第三章 side 凰雅 その後 8 ラスト
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「ごめんなさいって」
謝りに家に来た里美に俺はじろりと見るだけで何も言わない。
こいつは調子に乗りすぎた。
今までのことがなければ家にも入れない。
結と俺の仲を邪魔する奴は誰だって許せる訳がない。
俺は結が居ればいい。
他は別に
「凰雅さん。もういいじゃない」
結が俺の膝に手を置き 緩く揺さぶる。
何だよ かわいいじゃねえか。
「たんねぇ」
「えっ?」
「もうちょい頑張ってお願いしてみろ」
「はい?」
「もうちょい頑張ったら許すかも」
そう言いながら結に口を詰むって少し突きだす。
結が人前でするとは思えない。
そこで里美をじろりと見て冷たい目付きで合図した。
里美は一瞬ぎょっとしたが 諦め顔で結に顎でくいっと俺に向けた。
結は里美に弱い。んっぐっ と躊躇いながら結局促されて 俺にキスした。
そうそう やればいいんだ
俺はそれだけで機嫌が良くなり 拘っていたのが嘘のように里美を許す。
結をぎゅっと抱き締める俺に呆れた顔で里美は帰って行き 子供がお昼寝中の俺達は二人だけの時間。
「結 こんなに扱いやすい旦那はそういないぜ」
結にキスの雨を降らせながらそう言うと
「そうね」たぶん... と呟く。
「たぶん」には不満があるが
それよりもっと大事なこと。
春が来て夏が来る。
そのあと 秋が来て冬が来る。
その目まぐるしく変わる繰り返しの中で
何よりも変わらないものは
俺の結への この気持ち。
この体が朽ち果てても魂だけは何処かに残りしつこい程に想いも残る。
間違いなく 残る。
何故か俺には自信があって
巡りあったこの一時をずっと望んで魂はさ迷っていた。
残念だが そんな感覚お前にはないらしい。
だから か いつもいつまでも
俺はお前を渇望する。
よって
俺達には
倦怠期は来そうにない。
来るはずがないんだ。
分かったか?
なぁ
ただ一人 最愛の人
俺の 結。
いつだって
俺はお前を 渇望する
End
謝りに家に来た里美に俺はじろりと見るだけで何も言わない。
こいつは調子に乗りすぎた。
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俺は結が居ればいい。
他は別に
「凰雅さん。もういいじゃない」
結が俺の膝に手を置き 緩く揺さぶる。
何だよ かわいいじゃねえか。
「たんねぇ」
「えっ?」
「もうちょい頑張ってお願いしてみろ」
「はい?」
「もうちょい頑張ったら許すかも」
そう言いながら結に口を詰むって少し突きだす。
結が人前でするとは思えない。
そこで里美をじろりと見て冷たい目付きで合図した。
里美は一瞬ぎょっとしたが 諦め顔で結に顎でくいっと俺に向けた。
結は里美に弱い。んっぐっ と躊躇いながら結局促されて 俺にキスした。
そうそう やればいいんだ
俺はそれだけで機嫌が良くなり 拘っていたのが嘘のように里美を許す。
結をぎゅっと抱き締める俺に呆れた顔で里美は帰って行き 子供がお昼寝中の俺達は二人だけの時間。
「結 こんなに扱いやすい旦那はそういないぜ」
結にキスの雨を降らせながらそう言うと
「そうね」たぶん... と呟く。
「たぶん」には不満があるが
それよりもっと大事なこと。
春が来て夏が来る。
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その目まぐるしく変わる繰り返しの中で
何よりも変わらないものは
俺の結への この気持ち。
この体が朽ち果てても魂だけは何処かに残りしつこい程に想いも残る。
間違いなく 残る。
何故か俺には自信があって
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残念だが そんな感覚お前にはないらしい。
だから か いつもいつまでも
俺はお前を渇望する。
よって
俺達には
倦怠期は来そうにない。
来るはずがないんだ。
分かったか?
なぁ
ただ一人 最愛の人
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