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第三章 side 凰雅 その後4

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俺はあの時取りあえず日本に帰ったがその後何度かやり取りをした上でタイに行きサナートが推進する事業を実行した。

今は相談や事後処理はうけるがなるべく龍一に任せて最後に合意納得出来ているかの確認作業のみで出張する仕事はうけない。

その龍一。龍一が凄いのはそこそこ勉強して知識はあるがプログラムを実際組まないのにあのプログラマー達をきちんと動かせること。
内容は把握しているからずぶの素人ではないけど あの実力も鼻っ柱も高い奴等を動かせる奴はなかなかいない。

心に入り込むのが上手くて信頼も厚い。

龍一は俺がアメリカの大学に行ってる二年間俺のサポートと会社の仕事で学校にほとんど行けず留年して六年かけて大学を卒業した。そうなる事を見越して俺は龍一に先もって謝った。

大学は私大の一番手と言ったところ。理系。

こいつには感謝している。
ああ ある意味里美も か。
恵真が龍一にぶら下がりながら嬉しそうにしている横でいつの間にか凌駕まで龍一にぶら下がっていた。



「りゅうち いっちょにねよ」
「ご飯食べて風呂入るからちょっと待ってて」

甘える恵真の頭を撫でながらやさしく龍一が言っている側で

誰の家か誰の子供か わからなねえな

と 俺は満たされた笑みを浮かべた。

「ごめんね。平井さん」

申し訳無さそうに謝る結。今だに苗字で呼ぶ結に若干の満足感を覚えながら俺は子供の好きにさせていた。遠慮ない間柄だし嫌なら来ないで電話で済ませればいい。
我慢する奴じゃないし。
龍一は俺との話を急ぎ終えて飯も掻き込みものの数分でシャワーを済ませて恵真を抱き上げおやすみを言うとさっさとリビングを出ていった。

結の事で龍一に嫉妬したことはあっても恵真や凌駕の事で龍一に嫉妬したことはない。
恵真や凌駕は俺の分身のような感覚があるせいなんだろうか。
それとも まだ小さな子供だからか。
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