完璧なお見合い結婚〈完全完結〉9/12完全完結しました！

大学生 近づく心 Ⅱー15

少し髪が乱れ　ノータイに水色のシャツ紺のパンツといった出で立ちでラフな感じでカッコいい。

会いたかった気持ちと生命の心配までしていた気持ちが　まるでこれが初めての出会いのように心をかき乱す。

私を直ぐに見つけて意地悪そうな嬉しそうな笑みで。
大きなストロークで走りより　あっと言う間に私を抱き締めた。

暖かくて力強いその体にもう一度抱き締められている幸せにくらくらする。
ふんわりと鼻をかすめるやさしくて大好きな凰雅さんの匂い。

その途端　込み上げる気持ちを抑えられ無くなった。けれど　泣くのを我慢しようとしてうなり声の様な低い声が出る。
私本人も驚いているのに

凰雅さんは間髪置かず　ぶっと吹き出し私のおでこにキスを落とす。
見上げるとやさしく切なげな表情で

「結　会いたかった...」

と告げられ。

私の体から力が抜けて

全身全霊で凰雅さんを包んであげたい

その気持ちに火が着いた。

そうっと私からは唇に触れるだけのキスをして凰雅さんを見つめる。

「私だって会いたかった」


少し意地悪な雰囲気をまといながら　やさしく微笑む凰雅さんの顔を見つめていると凰雅さんが楽しそうに私の耳元で言った。

「どうした？俺とやりたくなったか？」

恥も外聞も何もなかった。
本当の気持ちを伝えたい　ただそれだけで。

「....二人っきりになりたい」

凰雅さんを見つめながらそう言った。