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大学生 近づく心 Ⅱ ー3

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タイのアナンタラ サイアム バンコク ホテル はアメリカ大使館から程近く ホテルに入る時セキュリティチェックがあった。今だけなのかそうじゃ無いのか。


空港に着いてからもスマホでニュースを確認するけど膠着中で動きがない。

分かったのは 今のタイ政府内の勢力が二分化されていて 年々弱体化している一方がアメリカの力を借りて今の政権を牛耳りたいという事。

度々起こるクーデターによる政権は民政と軍政を交互に行き来し 昔は今の軍政の中で勢力を二分していたけど 段々弱まり奇策に出たと。

アメリカとは表にしにくいあらゆる事で親密にしてきたと誠しやかに囁かれ。
近年アメリカからも見放されてきたとネットでは書かれていた。



「一ノ瀬さん 作戦会議を人に聞かれる訳にいかないから俺の部屋か君の部屋かどちらにする?」

...パスポートは見せ合った。
けど そこまで信頼していいのか。
この前の未遂事件を思い出し喉が乾き出す。

自分一人で動く?
宛も無いのに?


信頼しなければ何も始まらない。
でも 親切過ぎる とは思う。勘ぐり過ぎだろうか。

念の為 悪い人だったとして佐藤さんが予め他の人を呼び入れる事をさせない為にも自分の部屋を指定する。


里美 凰雅さんのお母様 拓也君と平井さんにホテル名と協力者が出来た事をメールしている所に 来客用のベルが鳴った。
何件かメールが来ていたけど後で見ることにして画面を閉じた。

ウェルカムドリンクのお茶が運ばれ そう言えばチェックインの時に持ってくると言われたのを思い出す。

少し考え 何かあった時に逃げるチャンスをつくる為 三十分後と一時間後の二回ルームサービスを頼むことにした。

「眠ってしまうかも。返事が無ければしつこくベルを鳴らして」

と 付け加えて。
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