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大学生 近づく心 Ⅰー5

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一ノ瀬に戻ると 両親と拓也君が待っていて 凰雅さんは丁寧にそつなく挨拶を済ませて。

和やかにお茶の時間を過ごしながら 父の何か言いたそうな気配を感じていた。

暫しの沈黙の後 父が口を開き

「結 どうだ 一緒に暮らせそうか?」

ああ そうか 生活して気が合うかまで心配してくれてたのか と ありがたく思った。

「ええ お父様には感謝してます。許可してくださってありがとう」

「うむ そうか。...凰雅君はどうだ」


「はい。どんな事があっても添い遂げて 彼女を守ります」

凰雅さんはいつも通りドストライクな言葉を投げた。

私は親の前でそう言われると嬉しいけど照れ臭くて。

「...そうか」

父は腕を組んで上を見て考え込み それからややあって 口を開いた。

「婚約してるとは言え 嫁入り前の娘が同棲してるなんて外聞が悪い。式は予定通り卒業後で 一層の事入籍は先に済ませたらどうだ」

思わず私は凰雅さんと顔を見合せたが 凰雅さんは直ぐに父の目を見て言った。

「ありがとうございます。結さえよければ 僕は直ぐにでも」

凰雅さんはそう言ってくれたけど私は

「お父様 ありがとうございます。二人で話し合います」

としか言えなかった。
父は自分から言っておいて少しほっとした顔で。
凰雅さんは目を見張って 私を見ていた。 

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