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大学生 それぞれの始まり 5
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大好きな二人が心を寄せているなんて...
マイノリティである事で切ない思いの耐えないビリーと 少し冷めてて赤くなんて滅多にならない里美が心を寄せているなんて。
「なあに泣いてるんだ?」
凰雅さんが コツンとドアをノックするように私の頭をやさしくこづき
二人はその言葉にびっくりしてこちらを向いて里美が私を抱きしめた。
口を開いたのはビリーで
「...またゆっくり話すよ。この気持ちからもう逃げない。」
そう言って嬉しそうに笑った。
今日はここで解散になり 散歩がてら凰雅さんに手を引かれてゆっくり夜の街を歩く。
凰雅さんは何も言わずに たまに振り返っては意地悪く笑って暫く見つめた後前を向く。
駐車場に着いて車に乗り込むと すぐには車を出さずに何もしゃべらない静かな時が流れ おもむろに凰雅さんがこちらを見て その気配に私も凰雅さんを見いった。
...つかの間 見つめ合い自然と唇が重なり
そうっと唇が離れ 私の目を見つめてから もう一度唇が重なる。
ついばむように おもむろに 何度も何度も...。
何故か 私の目からまた涙が零れ嗚咽まで出して...。
それを見た凰雅さんは笑い出した。
それでも 穏やかに私を抱きしめ髪に額にキスを落とす。
「お前 まさかビリーを取られたとかで泣いてるんじゃねえだろうな?」
念を押すように言われ 次は私が笑う番で。
少し笑い声をあげた後 凰雅さんの肩に両腕を掛けしっとりキスをした。
ゆっくり離れていく唇を凰雅さんはじっと見つめて その刹那 凰雅さんは貪るように唇を食んだ。
性急なその動作は私も興奮させて 凰雅さんは右手で私の後頭部をつかみ 私は凰雅さんの頭を両手で抱きしめていた。
凰雅さんのように上手くは出来ないけれど お互い熱をもってこたえ合い
凰雅さんが私の舌を吸うと私も不慣れな動作で凰雅さんの舌を吸う。溺れながら導かれるように凰雅さんの後を追った。
息があがるほど唇を求めあって...
凰雅さんは唸るような声をあげたあと 私を壊れるんじゃないかと思うぐらい強く抱き込んだ。
...絞り出すような低い声が響いて。
「どんな状況でもお前とヤりてえけど どういう感情であれ他の男の事でコントロール出来なくなってるお前につけこみたくねえ...少なくとも今は」
...否定したいけれど 完全に違うとは言いきれず 今の私は何なのか 自分に問うてみた。
ビリーと私の間にあった感情は間違いなく友情。
寂しいのか 感動したのか それとも。
だからって 凰雅さんを求めたんだろうか
答えが出る前に 車は家に着いた。
車を降りて 振り返り凰雅さんと見つめ合い 切なそうな凰雅さんは私に軽く触れるだけのキスをして 去って行った。
マイノリティである事で切ない思いの耐えないビリーと 少し冷めてて赤くなんて滅多にならない里美が心を寄せているなんて。
「なあに泣いてるんだ?」
凰雅さんが コツンとドアをノックするように私の頭をやさしくこづき
二人はその言葉にびっくりしてこちらを向いて里美が私を抱きしめた。
口を開いたのはビリーで
「...またゆっくり話すよ。この気持ちからもう逃げない。」
そう言って嬉しそうに笑った。
今日はここで解散になり 散歩がてら凰雅さんに手を引かれてゆっくり夜の街を歩く。
凰雅さんは何も言わずに たまに振り返っては意地悪く笑って暫く見つめた後前を向く。
駐車場に着いて車に乗り込むと すぐには車を出さずに何もしゃべらない静かな時が流れ おもむろに凰雅さんがこちらを見て その気配に私も凰雅さんを見いった。
...つかの間 見つめ合い自然と唇が重なり
そうっと唇が離れ 私の目を見つめてから もう一度唇が重なる。
ついばむように おもむろに 何度も何度も...。
何故か 私の目からまた涙が零れ嗚咽まで出して...。
それを見た凰雅さんは笑い出した。
それでも 穏やかに私を抱きしめ髪に額にキスを落とす。
「お前 まさかビリーを取られたとかで泣いてるんじゃねえだろうな?」
念を押すように言われ 次は私が笑う番で。
少し笑い声をあげた後 凰雅さんの肩に両腕を掛けしっとりキスをした。
ゆっくり離れていく唇を凰雅さんはじっと見つめて その刹那 凰雅さんは貪るように唇を食んだ。
性急なその動作は私も興奮させて 凰雅さんは右手で私の後頭部をつかみ 私は凰雅さんの頭を両手で抱きしめていた。
凰雅さんのように上手くは出来ないけれど お互い熱をもってこたえ合い
凰雅さんが私の舌を吸うと私も不慣れな動作で凰雅さんの舌を吸う。溺れながら導かれるように凰雅さんの後を追った。
息があがるほど唇を求めあって...
凰雅さんは唸るような声をあげたあと 私を壊れるんじゃないかと思うぐらい強く抱き込んだ。
...絞り出すような低い声が響いて。
「どんな状況でもお前とヤりてえけど どういう感情であれ他の男の事でコントロール出来なくなってるお前につけこみたくねえ...少なくとも今は」
...否定したいけれど 完全に違うとは言いきれず 今の私は何なのか 自分に問うてみた。
ビリーと私の間にあった感情は間違いなく友情。
寂しいのか 感動したのか それとも。
だからって 凰雅さんを求めたんだろうか
答えが出る前に 車は家に着いた。
車を降りて 振り返り凰雅さんと見つめ合い 切なそうな凰雅さんは私に軽く触れるだけのキスをして 去って行った。
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