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番外編17 リクエストなどなど3
結婚パーティー(同期会&被害者の会)
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「小野寺くん、でれでれだねー」
「幸せそー」
「和臣の視線が常に相田くんに注がれてるの、むかしからだけど、本日は結婚パーティーだけあってとびきり遠慮ないね」
「絡んでるね。物理的に」
「相田くん小野寺をやんわり押し返しつつちらちら見てて面白いよ」
「あのお揃いの新郎タキシード、シルバーで可愛い」
「ペアルック、幸せそうでいいよね」
「でも、なんていうか……」
「うん……」
(あらためて思う)
(小野寺、重いな。熱いというより、重い)
(小野寺くん→→→→→→→→→→←相田くん)
(あるいは)
(小野寺≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫相田くん)
(和臣、相田くんのこと好きすぎるよね)
(見すぎだよ)
(わたしが初めて相田くんに会ったときも和臣はあんなだったよ。もっとぎらぎらしてたけど)
(会社では入社当初から死んだ魚の目をしていたのに)
(時々、妙~に生き生きしてる日があったのって、相田くんとの約束があった日だね、おそらく)
(ほぼ確)
「とはいえ、結婚式でこんなに純粋に祝いたくなったの初めてかも」
「本音~。けどわかる」
「幸せにおなり……って」
「高校のときから小野寺の片想いだったって」
「初恋だとも言ってたね」
「実ってよかったね」
「お式もよかったよね。人前式」
「ねー」
(でも、ゲストの紗英さまが「生涯愛すると誓いますか!?」って問い詰めるみたいに誓いの言葉の問いかけしたの、笑うに笑えなくて)
(戦慄だったね……。倉本が空気読まずに爆笑してくれてよかったよ。たまには役立つ)
(紗英さまが手を上げたらしいよ)
(小野寺も相田くんも、断れなかったのか)
ちら……
「皆様を困らせるようなことは、しません。打ち合わせどおりです! 滑ったらヒロちゃんが引き受けるところまで織り込み済みです!」
「いやー、どうなることかと思ったよな! なんったって、お紗英様、課長のしつこい追っかけだったんだもんな!」
(黙れ)
(そういや、倉本ってなんでいるの? いらなくない?)
(相田くん側ゲストらしいよ)
(小野寺が拒否するかと)
(黙ったほうがいいもんね)
(使い所限られてるんだよね。倉本)
(弊社のバカ枠……)
(ふつうに高学歴なのに……)
(仕事続いてるの不思議。営業部でいじめられそう)
(ごくまれに謎の突破力を発揮することがあるんで、「こいつはこれでいっか」みたいなところはある)
(命中率の低い一撃必殺か)
「うるさいヒロちゃん。いまは、小野寺さんのことは、ごく普通に、お知り合いですし。それに……」
「それに?」
「多紀ちゃんが幸せそうだから、いいんです。負けたとか勝ち目なんてなかったとか、いろいろ考えちゃうけど、相手は多紀ちゃんですから」
(完全敗北宣言)
(紗英様美人だし、いい人と出会えたらいいのにねぇ)
(かわいいとこあるよな)
(引く手あまただと思う)
(隙がないんだよね。美人で自信満々で、仕事できすぎて意識高すぎて、可愛げもなくて……)
「お似合いだよなー。課長と多紀。割れ鍋に綴じ蓋で」
(褒めているのだろうか)
(たぶん)
「それはそうと、相田くん、小野寺と雰囲気が似てるよね」
「わかる。相田くんの醸し出す雰囲気が……」
「小野寺の儚い雰囲気と、相田くんの薄幸そうな空気が似通ってる」
「似てる夫婦っているよね。飼い犬まで顔似てたり」
「いるいる」
(あ、ちょっと目を離した隙に、またプロポーズの再現してる)
(くっついて離れないね)
(べったり)
(相田くん大変そう)
(重そう)
「多紀くん、ケーキたくさんあるから食べよ」
「甘いの好きですねぇ」
「食ーべさーせて!」
「はいはい」
(家でもこれなんだろうな)
(ごちそうさまー)
(あんまり見てると、会社で会ったとき笑っちゃう)
(今更じゃん)
(それもそっか)
〈結婚パーティー 終わり〉
「幸せそー」
「和臣の視線が常に相田くんに注がれてるの、むかしからだけど、本日は結婚パーティーだけあってとびきり遠慮ないね」
「絡んでるね。物理的に」
「相田くん小野寺をやんわり押し返しつつちらちら見てて面白いよ」
「あのお揃いの新郎タキシード、シルバーで可愛い」
「ペアルック、幸せそうでいいよね」
「でも、なんていうか……」
「うん……」
(あらためて思う)
(小野寺、重いな。熱いというより、重い)
(小野寺くん→→→→→→→→→→←相田くん)
(あるいは)
(小野寺≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫相田くん)
(和臣、相田くんのこと好きすぎるよね)
(見すぎだよ)
(わたしが初めて相田くんに会ったときも和臣はあんなだったよ。もっとぎらぎらしてたけど)
(会社では入社当初から死んだ魚の目をしていたのに)
(時々、妙~に生き生きしてる日があったのって、相田くんとの約束があった日だね、おそらく)
(ほぼ確)
「とはいえ、結婚式でこんなに純粋に祝いたくなったの初めてかも」
「本音~。けどわかる」
「幸せにおなり……って」
「高校のときから小野寺の片想いだったって」
「初恋だとも言ってたね」
「実ってよかったね」
「お式もよかったよね。人前式」
「ねー」
(でも、ゲストの紗英さまが「生涯愛すると誓いますか!?」って問い詰めるみたいに誓いの言葉の問いかけしたの、笑うに笑えなくて)
(戦慄だったね……。倉本が空気読まずに爆笑してくれてよかったよ。たまには役立つ)
(紗英さまが手を上げたらしいよ)
(小野寺も相田くんも、断れなかったのか)
ちら……
「皆様を困らせるようなことは、しません。打ち合わせどおりです! 滑ったらヒロちゃんが引き受けるところまで織り込み済みです!」
「いやー、どうなることかと思ったよな! なんったって、お紗英様、課長のしつこい追っかけだったんだもんな!」
(黙れ)
(そういや、倉本ってなんでいるの? いらなくない?)
(相田くん側ゲストらしいよ)
(小野寺が拒否するかと)
(黙ったほうがいいもんね)
(使い所限られてるんだよね。倉本)
(弊社のバカ枠……)
(ふつうに高学歴なのに……)
(仕事続いてるの不思議。営業部でいじめられそう)
(ごくまれに謎の突破力を発揮することがあるんで、「こいつはこれでいっか」みたいなところはある)
(命中率の低い一撃必殺か)
「うるさいヒロちゃん。いまは、小野寺さんのことは、ごく普通に、お知り合いですし。それに……」
「それに?」
「多紀ちゃんが幸せそうだから、いいんです。負けたとか勝ち目なんてなかったとか、いろいろ考えちゃうけど、相手は多紀ちゃんですから」
(完全敗北宣言)
(紗英様美人だし、いい人と出会えたらいいのにねぇ)
(かわいいとこあるよな)
(引く手あまただと思う)
(隙がないんだよね。美人で自信満々で、仕事できすぎて意識高すぎて、可愛げもなくて……)
「お似合いだよなー。課長と多紀。割れ鍋に綴じ蓋で」
(褒めているのだろうか)
(たぶん)
「それはそうと、相田くん、小野寺と雰囲気が似てるよね」
「わかる。相田くんの醸し出す雰囲気が……」
「小野寺の儚い雰囲気と、相田くんの薄幸そうな空気が似通ってる」
「似てる夫婦っているよね。飼い犬まで顔似てたり」
「いるいる」
(あ、ちょっと目を離した隙に、またプロポーズの再現してる)
(くっついて離れないね)
(べったり)
(相田くん大変そう)
(重そう)
「多紀くん、ケーキたくさんあるから食べよ」
「甘いの好きですねぇ」
「食ーべさーせて!」
「はいはい」
(家でもこれなんだろうな)
(ごちそうさまー)
(あんまり見てると、会社で会ったとき笑っちゃう)
(今更じゃん)
(それもそっか)
〈結婚パーティー 終わり〉
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