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番外編14 ある新婚生活
六 指先(※)
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口づけてくる。最初は触れるだけで、目を閉じて、しばらくそうしていた。
急にたまらない気分になって、まさぐり合いながら深くなる。唇を割って、優しくこじ開けて、生あたたかい舌が入ってきて、手始めに口の中を犯してる。そういう感じ。
引っこ抜かれるぐらい強く吸われて、腰砕け。
「ふっ、んっ、んう……」
唾液が流れこんでくる。口の中がいっぱいになる。味わうように少しずつ飲んだ。和臣さんに侵食されてもう溶けてる。
息があがってるし、顔は熱いし、はだけてるし。
和臣さんは、シャツをまくりあげておなかを舐めてくる。くすぐったさに声が出た。
「ひゃっ、あっ」
指が俺の皮膚をたどってる。爪の先で乳首を弾いたり、指の腹が脇腹を撫でたり。体つきを確かめるみたい。
「多紀くん。足、開こうか」
下も上も全部脱がされ、下着も剥ぎ取られて、あっという間に全裸。俺は膝の裏を抱えて、従順。
和臣さんは自分の長い中指を咥えて濡らし、唾液まみれの指が俺のそこに入ってくる。
探るようにされて腰がくねる。
「あっ」
「多紀くん? ここ柔らかい。なんで?」
「ね、念入りに準備したから……」
「そういう感触じゃないよね。しっかり入れてほぐした感じ。俺が気づかないとでも? ん? 浮気?」
「そんなわけないでしょ……」
和臣さん以外の男に興味ないっちゅーねん。和臣さんが気づくくらい柔らかいのは、ここ数日、自分で指を入れていたせい。
「疑ってなんかないよ。本当のこと自分の口で言おうね」
「自分で……その……指で……」
「ふふ。多紀くん、アナル使ってオナニーするんだ。知ってたような、知らないような」
「やめて、言わないで……」
したことまでは言えても、和臣さんの無事を知った後、途端にむらむらしてしまって、ベッドで和臣さんのにおいを嗅ぎながらしたことは、変態くさくて絶対に言えない。
俺、絶対に和臣さんの悪い影響受けてる。和臣さん、俺の枕めっちゃ嗅ぐもん。真似っこみたい。
「多紀くん嘘吐けないね。あー、すっごい興奮する。なんなの、とろとろじゃん。やらしすぎ……」
和臣さんの固い指が抉って押して掠めてくる。くぽくぽと音を立てて出し入れしたり、中でぐちゅぐちゅとかき混ぜたりしてくる。
自分の指だと動きが読めてしまうけど、和臣さんの指は予想外の動きをする。だからすぐ気持ちよくなって、もっと先を知りたくなる。息が荒くなっていく。
和臣さんも興奮してる。俺のそこを見つめて、俺の反応を確かめながら、夢中になって指を動かしてる。
興奮してる様子が手に取るようにわかる。スラックスの中身、全体像がくっきり見えるほど勃ってるし、体が火照っているみたい。なにより視線が、俺のことを食べようとする獣。
「俺の指、気持ちいい? 言って、多紀くん。俺の指の味」
「はぁっ、はぁっ、あっ、ゆび、きもちい……」
「多紀くん、俺に指入れられて気持ちよくなっちゃうね」
「んっ、んっ」
指が体内に入ってるだけで、なんでこんな、火がついたみたいに熱いんだろ。
そんな目で見ないでくれ、と思う。
こんな、両足をみっともなく広げて、指を入れられただけで、よだれ垂らして喘いでいる痴態。
恥ずかしいのに、指に蹂躙されて、どんどん高まって震えて、和臣さんにされるがまま、あっという間に欲しがってる。
「多紀くんが自分の指でするのだと、多紀くんの気持ちいいところは届かないのかな。俺のだと届くけど。自分の指とどっちが気持ちいい?」
「和臣さんのがいい……」
「ひとりでナカイキできた? 射精はした? 前も扱きながら、なのかなー」
「和臣さんのがいいもん……」
性欲を発散したいからひとりでもするけど、体温も意地悪な声も重みも、何もかもが物足りない。
がんじがらめにされて密着されて性欲の限り犯されて食われたい。
全身でのしかかってきて、逃げようとしても逃さないで、広い肩としっかりした腕で固定して、無理やりにでも繋げてきて、柔らかくしたあそこを固いあれで突いてほしい。
「ねぇ、どこでオナニーしたの? ベッド?」
「…………」
「何回した? 何十回?」
「…………」
「だんまり多紀くん。じゃあ、二十回したってことにしとこ。絶倫多紀くん」
絶倫なのは和臣さんのほうだろ。ベトナムで二十回していてもおかしくない。
「俺はそんなにしてません……」
「何回した?」
「……三回」
「三回もしたんだ。俺の指とどっちがいい?」
「和臣さんの指……」
「オカズなに?」
「和臣さんの写真……」
「ふふっ」
でも枕のにおい嗅ぎながらイったのは言わないもんね。
「和臣さんは何回したんですか」
「してないよ?」
「それは嘘」
「ほんとほんと。貯めといた。濃厚だと思うから味わってみてよ」
「下品……」
「えへへ」
急にたまらない気分になって、まさぐり合いながら深くなる。唇を割って、優しくこじ開けて、生あたたかい舌が入ってきて、手始めに口の中を犯してる。そういう感じ。
引っこ抜かれるぐらい強く吸われて、腰砕け。
「ふっ、んっ、んう……」
唾液が流れこんでくる。口の中がいっぱいになる。味わうように少しずつ飲んだ。和臣さんに侵食されてもう溶けてる。
息があがってるし、顔は熱いし、はだけてるし。
和臣さんは、シャツをまくりあげておなかを舐めてくる。くすぐったさに声が出た。
「ひゃっ、あっ」
指が俺の皮膚をたどってる。爪の先で乳首を弾いたり、指の腹が脇腹を撫でたり。体つきを確かめるみたい。
「多紀くん。足、開こうか」
下も上も全部脱がされ、下着も剥ぎ取られて、あっという間に全裸。俺は膝の裏を抱えて、従順。
和臣さんは自分の長い中指を咥えて濡らし、唾液まみれの指が俺のそこに入ってくる。
探るようにされて腰がくねる。
「あっ」
「多紀くん? ここ柔らかい。なんで?」
「ね、念入りに準備したから……」
「そういう感触じゃないよね。しっかり入れてほぐした感じ。俺が気づかないとでも? ん? 浮気?」
「そんなわけないでしょ……」
和臣さん以外の男に興味ないっちゅーねん。和臣さんが気づくくらい柔らかいのは、ここ数日、自分で指を入れていたせい。
「疑ってなんかないよ。本当のこと自分の口で言おうね」
「自分で……その……指で……」
「ふふ。多紀くん、アナル使ってオナニーするんだ。知ってたような、知らないような」
「やめて、言わないで……」
したことまでは言えても、和臣さんの無事を知った後、途端にむらむらしてしまって、ベッドで和臣さんのにおいを嗅ぎながらしたことは、変態くさくて絶対に言えない。
俺、絶対に和臣さんの悪い影響受けてる。和臣さん、俺の枕めっちゃ嗅ぐもん。真似っこみたい。
「多紀くん嘘吐けないね。あー、すっごい興奮する。なんなの、とろとろじゃん。やらしすぎ……」
和臣さんの固い指が抉って押して掠めてくる。くぽくぽと音を立てて出し入れしたり、中でぐちゅぐちゅとかき混ぜたりしてくる。
自分の指だと動きが読めてしまうけど、和臣さんの指は予想外の動きをする。だからすぐ気持ちよくなって、もっと先を知りたくなる。息が荒くなっていく。
和臣さんも興奮してる。俺のそこを見つめて、俺の反応を確かめながら、夢中になって指を動かしてる。
興奮してる様子が手に取るようにわかる。スラックスの中身、全体像がくっきり見えるほど勃ってるし、体が火照っているみたい。なにより視線が、俺のことを食べようとする獣。
「俺の指、気持ちいい? 言って、多紀くん。俺の指の味」
「はぁっ、はぁっ、あっ、ゆび、きもちい……」
「多紀くん、俺に指入れられて気持ちよくなっちゃうね」
「んっ、んっ」
指が体内に入ってるだけで、なんでこんな、火がついたみたいに熱いんだろ。
そんな目で見ないでくれ、と思う。
こんな、両足をみっともなく広げて、指を入れられただけで、よだれ垂らして喘いでいる痴態。
恥ずかしいのに、指に蹂躙されて、どんどん高まって震えて、和臣さんにされるがまま、あっという間に欲しがってる。
「多紀くんが自分の指でするのだと、多紀くんの気持ちいいところは届かないのかな。俺のだと届くけど。自分の指とどっちが気持ちいい?」
「和臣さんのがいい……」
「ひとりでナカイキできた? 射精はした? 前も扱きながら、なのかなー」
「和臣さんのがいいもん……」
性欲を発散したいからひとりでもするけど、体温も意地悪な声も重みも、何もかもが物足りない。
がんじがらめにされて密着されて性欲の限り犯されて食われたい。
全身でのしかかってきて、逃げようとしても逃さないで、広い肩としっかりした腕で固定して、無理やりにでも繋げてきて、柔らかくしたあそこを固いあれで突いてほしい。
「ねぇ、どこでオナニーしたの? ベッド?」
「…………」
「何回した? 何十回?」
「…………」
「だんまり多紀くん。じゃあ、二十回したってことにしとこ。絶倫多紀くん」
絶倫なのは和臣さんのほうだろ。ベトナムで二十回していてもおかしくない。
「俺はそんなにしてません……」
「何回した?」
「……三回」
「三回もしたんだ。俺の指とどっちがいい?」
「和臣さんの指……」
「オカズなに?」
「和臣さんの写真……」
「ふふっ」
でも枕のにおい嗅ぎながらイったのは言わないもんね。
「和臣さんは何回したんですか」
「してないよ?」
「それは嘘」
「ほんとほんと。貯めといた。濃厚だと思うから味わってみてよ」
「下品……」
「えへへ」
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